探偵さんにご用心 探偵もフランチャイズの時代
夕方、あわてて相談したいとの電話が入る(相談者の方はあわてている方が少なくありません)。今すぐ相談したいとのこと(はい、今すぐ相談したいという方も珍しくはありません)。
どうしても気になる人の行方が知りたくて、さっき探偵に依頼してきたが、思い直し依頼を取りやめにしたいと思ったが、細かい活字で書かれた契約書を見ると24時間以内に解約しないといけないと書いてあるという。
仕方がないので、予定をやりくりして2時間後に来てもらうことにする。
それにしても探偵さん、いくらなんでも24時間で切るなんて、そりゃえげつないよ。
相談者来訪。
検索上位にヒットする探偵会社へ出かけて、事情を説明したところ、快く「直ちに調査に入らせていただきます」と引き受けてくれたので、契約書に署名し、手付金5万円を支払った。よくよく考えたら、今さら行方を探してどうなるものでもないと思い直した。契約書を見たら、24時間以内に解約しないといけないと書いてあるように読めるという。
持参してもらった契約書には
- 「調査開始前24時間以内の解約の場合、契約金額の50%を違約金として支払う」
- 「調査開始以降の解約の場合、契約金額の全額を払う。」
等々、とにかく、解約しても、もらうものはもらということが、しつこいくらいに書いてある。
相談者の契約金額は25万円+消費税である。一瞬の気の緩みで失う金にしては大きい。
こんなのは、消費者契約法違反はもちろん人の弱みにつけ込んでぼったくるのだから暴利行為で無効であると説明する。しかし、実際、ご本人が理屈だけで対抗しようとしてもむつかしいに違いない。そこで、解約の意思表示と払った5万円を返せとの内容証明を作成することにする。速達なら郵便局(内容証明は本局に限る)は内容証明でも24時間受け付けてくれるので、その足で配達証明付で出すように教える。届くまで不安だろうから、同じ文章を契約書に書いてある探偵さんのFAX番号にファックスしたところ、無事届いて送信レポートが出た。簡易な配達証明である。先方には発信者欄に法律事務所名が明記されるFAX設定である。残った料金(20万円)を支払うように追い込めば、弁護士に依頼することになるという無言の警告付である(当事務所オリジナル付加サービス)。
それにしても、何でこんなたぐいの探偵さんが検索上位にヒットするのか。契約条項には以下の通り記載されていた。
- 「甲は○○○○株式会社(某有名探偵会社)とフランチャイズ契約を締結しており、本部は適宜援助及び協力を行うものとするが、本部と甲は別の法人であって、責任を負わない」
加盟店にさえなれば普通の探偵さんが、有名探偵会社の看板を使わせてもらえるということのようだ。なるほどね、ネットの時代は、探偵さんもフランチャイズの時代なんだ。
大体、信頼できる探偵なんてのを見つけ出すのはほとんど不可能に近い。弱みを握られれば、いいように操られて、むしり取られかねない。せめて有名会社なら大丈夫だろうという消費者心理を上手に利用してフランチャイズシステムを作っている。
看板は有名だけど直接の相手はただの探偵さんというのでは消費者は困る。定型的な商品や完全マニュアル化できるようなサービスならばともかく探偵のように個別性の高いサービスがフランチャイズというのは問題だと思う。
有名会社の名前が付いているからといって、安易に信頼するとただの業者さんというフランチャイズの例は、実は他にもある。何を信頼してよいのか、消費者にとってはなはだ困る時代になった。
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