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2009年5月28日 (木)

町医者がいい。

大病院より親切な町医者がいいなぞと呑気なことを書いていたら、とたんに交通事故に合って、「親切な町医者がいい」体験をした。

追突事故だ。僕は追突された方である。追突した加害車両は前部を大破、自走できなくなり、レッカー車が必要になった。当方は、後部トランクが大破。
原因は、僕が、片側三車線の中央車線を車の流れにしたがって通行中、交差点の近くで、突然、左折車線の車が中央車線に割り込んできて、とっさに急ブレーキをかけて、接触を避けたところへ後ろから、ガーである。

で、三者間事故のため警察の事故調査や聴取も2時間に及んだ。
午前10時の裁判は延期してもらった。
最初は、興奮していたせいか、何も感じなかったが、加害者の方から仕切りに「お体大丈夫ですか」と声をかけられる内に、そう言われれば、腰の辺りに違和感があるような気がしてきた。昼過ぎになって事務所に戻ると、はっきり腰に違和感があるのがわかる。
当座の凌ぎとして冬の間、いつも腰の血行をよくするために張っていたカイロを、張ってみる。

職業柄、こういう事故は、2、3日あるいはそれ以上たってから症状が現れることが多いことを知っている。、
で、職業柄、たとえば、「厄介なのは脊髄液減少症だ」などという余分なことまで熟知している。
しかも、職業柄、この程度でレントゲンに異常が出ないことも知っている。したがって、病院へ行っても、きっと待たされて、検査されて、異常なしで、痛み止めの薬を念のため投与されるということも知っている。頸部挫傷で苦しんでいる患者さんは大抵がこのパターンだ。
さてどうしたものか。

事務所のお隣の部屋が鍼灸・アロマ・自力整体と体にいいことを広く手がけておられる「おばた治療室」である。そこの先生は親切なことを知っている。
無理を言って、急患扱いで、診てもらった。
素人療法のカイロを真っ先にはがされた。追突事故の衝撃は、ストレッチもせずに全力で100m走って炎症が出たのと同じだから、暖めるのはもっての外と諭された。
多少の触診の後、ご託宣が出た。

「明日の朝は、もっと痛んで当たり前でしょう。その痛みとあさっての朝の痛みを比べてひどくなるようだったら、医者へ行って診てもらいなさい。収まっていくようなら自然に直るでしょう」

腰がゆがんでいたら、直してほしかったけれど、先生は、

「変に整体などしない方がいい、今後に起きる変化が私が体を触った結果か、事故の結果かわからなくなるから。炎症は冷やすべきだけど、これも事故自体の影響がわからなくなるから、そのままにしておきなさい」

僕はさらに食い下がる。

「ストレッチはだめ?」
「せめて、仰向けに寝て膝を抱えてごろごろと楽に腰をゆするのはだめ?」

先生の見解は、明快である。

「ストレッチはしない方がいい。理由はさっきと同じ。腰をゆするのが楽ならば、それくらいはいいでしょう」

大体想定の範囲であった。しかし、やっぱり専門家に言ってもらうと素人はとても安心である。専門家のありがたさが身に沁みる。

「先生、お代は?」
「こんな程度なら、いいわ」
「それじゃぁ儲からんでしょう」
「そうね」

で、その日の夜は、腰のあたりが、ひりひりした感じがしたが、起きあがれなくなるかもと、覚悟していた翌朝は、事故当日に比べれば、却ってマシになった。二日後には、右腰辺りに多少の違和感を残す程度になった。

事故から5日目、週末には、いつもの緑地をジョグしてみた。多少ゆっくりめに、距離を6㎞くらいに減らして。
今日は、10日目である。何ともない。
実際、それなりに大変な事故だったのだ。車がつぶれてくれたおかげで(車の方は全治2週間の重傷である)、僕は助かった。今時の車は、軽自動車でなければ、人間を守ってくれる。感謝である。

なお、わがままな患者は、週末にジョグしてもよいかと、どうでもよいことで再診をお願いし、ようやく受診料を受け取ってもらえた。患者はお礼に、余ってしまっていたCD「中島みゆき的アジアン・カヴァー」をお裾分けした。

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