おめでたい話
ランニング仲間の独りしゃべりさんから、彼の参加する同人誌「小さな足跡」第25号が届いた。
彼の廻りでは何が起きるかわからない。
彼の親友のF氏は、名古屋の郷土史家としてその分野では知られた存在だ。
郷土史では飯は食べていけない。したがって、家族を養うことなどできない。
F氏は、30歳の頃に郷土史と結婚することにし、生涯、妻をめとらぬ決意をした、はずだった。
そのF氏が、65歳にして、何と33歳の花嫁を迎えたという。
昨年夏に、この婚約の話を打ち明けられ、箝口令を敷かれた独りしゃべりさんは、しゃべりたいのをきつく我慢し、悶絶の日々を送る。
ところが、彼に箝口令をしいたF氏は、彼に無断で11月に入籍、ご近所に紅白まんじゅうを配った。
当然、噂が立つ。
「F氏が結婚したのは本当か」と、周囲から聞かれる。
それでも知らぬ顔をする口の堅さは、彼が信頼に足りる人物であることを示している。
結局、入籍から4ヶ月後、型破りな結婚には、型破りな「祝う会」をということで、彼が司会を押しつけられる。
その顛末を面白おかしく綴っている。
郷土史と結婚したはずのF氏は、普通なら娘より年下の女性と結婚した。
実際、花嫁の父親はF氏より年下だという。
F氏の名誉のために言っておくが、押しかけ女房である。
F氏は責任感が強く、優しい。
これからの人生の再スタートを頑張らなければならないと感じているという。
花嫁の名誉のために言っておくが、
F氏は、「借金も身のうち」などと訳のわからぬことを公言する御仁である。
したがって、財産目当てなど毛頭あり得ない。
二人は、愛し合って結ばれたのである。
F氏と知り合った頃、F氏は50歳近くで独身、僕はまだ30代で妻と3人の子どもと暮らしていた。
今は、私がチョンガー生活を満喫し、彼が、かぐわしい生活とともに、ずっしり責任を背負うことになった。
思いもかけぬ展開である。
神様のなさることは本当に面白い。
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