待つのも仕事
昨日は、午後7時過ぎまで裁判所の建物にいた。
午後3時30分に始まった調停が、何と4時間近くかかった。
何とか今日中に調停を成立させようという関係者の熱意のたまものである。
調停期日の時間は長く見て2時間としたものである。
だから、僕は、午後6時には事務所で相談の予定を入れていた。
相談者の方には、長引きそうだと感じた5時40分頃に連絡をして、無理を言って、キャンセルをお願いすることとなった。
そのときでも、まさか午後7時を回るとは考えていなかった。
この件は、決裂の可能性を孕みながら、1年以上かかった。
まとめていただいたのは、裁判所の関係者の熱意のおかげである。
当事者の人生にとっては、調停の決着は、一つの段階に過ぎない。
けれど、それでも区切りをつけるということは大切な一歩だ。
過程の中で繰り返した僕の失礼な言動をお詫びするとともに、関係者に感謝したい。
調停は、交互に当事者を調停室に呼び、
調停委員が、それぞれから事情や主張・希望を聴取しながら、話し合いの成立に向けて努力してくれる。
片方が呼ばれて調停室にいる間、もう片方は、控え室で待っている。
その繰り返しである。
したがって、1回表、1回裏、2回表、2回裏と数えることができる。
今回は、3回の表・裏が終わったのがほぼ5時30分過ぎだったと思う。
その後が長かった。
調停委員が、最終的な調停条項の詰めのために裁判官と打ち合わせに入ってから大方1時間近くかかっていたようだ。
何せ調停条項が多い。
その後、裁判官・書記官・調停委員・両当事者・両代理人がそろい、調停条項の内容を確認をする。
全てが終わったのが午後7時過ぎであった。
先方が調停室に入っていれば、当方は、待つ。
調停委員が裁判官との打ち合わせに入れば、待つ。
「ただ待っている」という時間が長いのも弁護士の仕事の特徴である。
で、お帰りは、裁判所職員のお見送り付きである。
通常の出入り口はとっくに閉められているので、
地階にある夜間出入り口から庁舎を出る。
職員の方が、夜間出入り口まで案内してくださった。
僕は地裁の本庁舎以外にも地階に時間外出入り口があることを初めて知った。
職員の方の案内を受けた、ちょっとした裁判所内の探検ツアーである。
職員や裁判官は残業が常態化しているけれど、
当事者本人が7時過ぎまで居残るということは、
おそらく、しょっちゅうあることではないだろう。
この庁舎ができて20年近く経つが、少なくとも僕には初めての体験である。
大方、待ち疲れた気分だった。
が、調停の終了にあわせて待機していていただいていた裁判所職員の方の親切な対応で、少し疲れも癒された。
僕は、こと民事や家事に関する限り、裁判所は(弁護士が就いている事案については)一般に思われているよりは、親切な役所だと思っている。
少なくとも親切な役所だと信じている方が、仕事がしやすいことは確実である。

