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2010年8月の3件の記事

2010年8月29日 (日)

小沢一郎という問題

 マチベンがものいう話題ではないが、違和感があるので、敢えて一言、言いたくなった。
 小沢一郎の問題である。
 僕は、小沢一郎の安保政策に反対である。
 だから、小沢一郎を支持しない。
 小沢の安保政策は、国連中心主義を看板にする軍備自立拡張路線である。
 国連の決議さえあれば、戦地であろうが、どこであろうが、自衛隊を海外派遣できるとするのが彼の基本スタンスである。国連決議に基づく軍隊における武力行使は、憲法9条が禁じる武力行使に当たらないとするのが彼の理屈だ。
 だから、小沢は、アフガニスタンの地上部隊に自衛隊を派遣することを主張している。

 小沢は、憲法9条を改正しないまま、憲法9条による制約を解除するために
 憲法解釈の全面的変更を企て、
 憲法解釈を司る内閣法制局長官を国会審議から排除しようとした。

 彼の政治手法が独裁的であることはよく知られた通りだ。

 私は、憲法9条の原理的な支持者として、小沢を支持しない。

 他方で、小沢の「政治とカネ」の問題は、冷静に見て、
 言われるほど大きな問題なのか疑問だ。
 特捜部があれだけの捜査をしても、
 政治資金規正法の不実記載という形式犯が立件されただけだ。
 不実記載についても、植村一秀氏や天木直人氏のブログによる限り、些細なことだ。
 特捜部も小沢氏の関与が立証できないから、立件を見送った。

 検察審査会の判断によって、強制起訴となるかどうかが注目されている。
 しかし、検察審査会に強制起訴の制度が導入された、一番の要因は、起訴不起訴が検察の一存に任されており、とくに被害者の声や思いが、起訴不起訴に反映されていないという実態にあったのではないか。
 検察審査会が、政治情勢に極めて大きな影響を与えることは、本来予定されていなかった。くじ引きで選ばれた一握りの市民が、一国の政治を左右するということ等、およそ想定外のイレギュラーな事態だ。
 現在の状況は、検察審査会制度の政治的濫用になっている。
 検察審査会に対する申立は、極端な排外主義を唱える民族団体「在日特権を許さない市民の会」の代表からなされている。
 今の政局が、彼らの思惑通りに進行しているということを見逃しては、事態の本質の一半を見失うことになる。

 メディアが小沢排除一色で一致しているのは、小沢が利益誘導型の古い政治手法を代表する政治家だからだろう。
 「強い経済」を唱える菅内閣の方針は、小泉・竹中の構造改革路線に急速に回帰しようとしているように見える。
 「強い経済」を標榜する構造改革路線なるものは、結局のところ、市場原理主義であり、株価至上主義である。
 コストを下げ、株価を上げる。経済成長がなされたとしても、その成果は、株主に還元される。労働者の賃金を削って、機関投資家や富裕層に利益が還元される仕組みである。この路線からは、一般市民の福利の充実は図れない。

 小沢が、構造改革路線から一線を画する政治家であることは明らかである。
 小沢の排除が、小泉・竹中構造改革路線への回帰と関係があることは見ておくべき論点だろう。

 さらに他方、対米追随を外交の根本に据える官僚にがんじがらめにされて、普天間基地一つ、撤収させられない民主党政権の中で、もはや小沢一郎ぐらい強引な政治家でなければ極端な対米追随から脱却できないだろうとする期待もある。
 普天間基地問題は、単なる一基地の問題には止まらない。
 沖縄を差別し続ける本土人の醜悪さを示す象徴である。
 海外移設という決着を図ることが可能であるとすれば、今の政界には強引な政治手法を持つ小沢しかいないだろう。

 僕は、憲法原理主義者の立場から小沢を支持しない。
 ただし、一斉バッシングには不気味さを覚える。
 それぞれの立場から、冷静にものを見ることが求められている。
 「政治とカネ」のスローガンに惑わされてはならない。

 世論が、極端なバッシングに走るとき、極端な結果がもたらされることが多い。
 僕は、弁護士増員もそうだったと考えている。
 だから、小沢に対する一斉バッシングには、敢えて一言、差し挟んでおきたくなった。

2010年8月14日 (土)

勝訴判決確定・自衛隊パワハラ・セクハラ(性暴力)隠蔽裁判

 女性自衛官人権裁判は、原告勝訴で確定したそうです。
 防衛省広報課は、「本件判決は国の主張が理解を得られなかったが、原告の心情などを総合的に勘案し、司法の判断を受け入れることとした」とコメントしました。
 それなら、合意の上の行為だった等と、被害女性の人権を二重に蹂躙する、この手の裁判にお決まりの陳腐な法廷での主張は撤回すべきでしょう。
 以下、判決確定に当たっての弁護団声明と支援する会の声明と、判決評価に関する弁護団声明を貼り付けておきます。


7月29日札幌地裁判決の確定にあたって

      
2010年8月12日
女性自衛官人権裁判弁護団

1.本日、防衛省は、女性自衛官への性暴力に対する国家賠償請求事件について、札幌地方裁判所民事第3部(橋詰均裁判長)が7月29日に言い渡した原告勝訴判決に対し、控訴しないことを明らかにした。
これにより、部隊上司による性暴力、その後の被害者に対する保護・援助の不作為、さらには退職強要を行なった事実が確定し、国は損害賠償580万円(慰謝料500万円、弁護士費用80万円)を支払うことになった。

2.原告は、06年9月、20歳の時に性暴力を受け、翌07年5月に提訴してから3年3か月(昨年3月、再任用拒否により退職)にわたり、性暴力被 害を認めない自衛隊を相手に、法廷で真実を訴え続けた。性の尊厳、人権の回復を求め、原告にとって裁判は暗闇の中の一条の光だった。その原告が、現職のま ま裁判を遂行し、見事に一審で解決できたことは、多くの人々に勇気と希望を与えた。

3.私たちは、改めて、原告の勇気と頑張りに心から拍手を送るとともに、原告を励まし、裁判を支えて下さった全国の方々に心からお礼を申し上げる。
  防衛省が実施したセクハラ調査によれば、98年には「性的関係を強要された」とする女性隊員が18.7%もいたのに対し、本訴訟提起後の調査 (07年8月)では、3.4%に激減した。自衛隊におけるセクハラ防止に向けて、本訴訟が大きな役割を果たしたものと確信する。
4.確定した地裁判決は、セクハラ防止及び被害者救済に向け、リ-ディングケ-スとなる画期的な内容である(弁護団のコメントを後添)。
裁判を通じ、自衛隊内のセクハラ体質が根深いことが明らかになった。自衛隊は、本判決の内容を真摯に受け止め、隊内のセクハラ対策を見直し、実効性ある再発防止策をとることを強く求める。  以


7月29日札幌地裁判決の確定にあたって

2010年8月12日
女性自衛官の人権裁判を支援する会
共同代表 竹村泰子・清水和恵・影山あさ子
http://jinken07.dtiblog.com/

勝訴判決が確定しました。
原告、そして、今日までこの裁判と原告を支援し続けてくださった皆様とともに、この喜びを分かち合いたいと思います。支援し続けて下さった皆様、本当にありがとうございました。

提訴から3年3ヶ月、事件が起こってから3年11ヵ月、原告にとっては本当に長い時間でした。辛抱強く、原告に寄り添い、真実を明らかにしていった弁護団の努力には、心からの敬意を表します。

そもそもあってはならない事件が起こった上に、自衛隊は、被害者である原告に対して保護・援助を怠ったばかりか、退職を強要するなど、二次被害及びパワーハラスメントまで生じさせました。被害者が裁判に訴える以外に、性の尊厳、人権の回復を求める方法は残されていませんでした。
現職のまま提訴した原告に対し、自衛隊はいじめや嫌がらせを繰り返し、ついには任用を拒否(解雇)し、自衛隊から追い出しました。

数々の困難に直面し、幾度もめげそうになりながら、今日まで自分の足で立ち続けた原告の勇気と頑張りに、私たちは心からの拍手を送ります。そして、原告(被害者)の言葉に、きちんと耳を傾けて下さった判決が今日、確定し、本当に報われたという思いで一杯です。

提訴後、原告や支援する会には、たくさんのメッセージが寄せられました。その中には、自分も同様の被害にあったというものも多く、自衛官や元自衛官という方々からも多くのメッセージが寄せられました。原告の事件が、氷山の一角であることは、そうした事実からも明らかです。

精神的にも深く傷つけられる性暴力の被害者にとって、自ら声を上げ、立ち上がることは、途方もない勇気とエネルギーを必要とします。
被害者にそのような過大な負担を強いることが決して繰り返されぬよう、そして何より、二度とこのような事件を起こさぬよう、国と自衛隊には、今回の判決を真摯に受け止め、実効ある措置をとることを強く求めます。

事件当時20歳だった原告は、今年24歳になりました。彼女の二十代は、事件と裁判に翻弄され続けてきましたが、今日の勝訴判決の確定で、ようやく若者らしい時間を過ごし、新たな未来へ歩み始める条件が出来ました。

ご支援いただいた皆様には、今後とも、原告を温かく見守り、支えていただければ幸いです。
今日、確定した判決が、同様の被害に苦しむ方々にも、どうか力となりますように。


勝訴判決を迎えて 原告弁護団 2010年7月29日

本日、女性自衛官に対する性暴力に関する国家賠償請求事件(女性自衛官人権訴訟)について、札幌地方裁判所民事第3部(橋詰均裁判長)は、原告の主張をほぼ全面的に認める勝訴判決を言い渡した。
本訴訟で自衛隊は、①性暴力、②被害者保護・援助の不作為、③退職強要の全てについて争った。これらの判断にあたっては、セクハラ行為が「私行上の非行」とされ個人の問題に解消されてきた自衛隊において、その防止や被害者保護のために積極的に対応し、「良好な勤務環境」を確保すべき義務の存否、内容が問われた。

本判決は、以下のとおり、被害実態の分析・評価、自衛隊の事後対応の問題性について、深い洞察を加え、具体的詳細に論じており、今後リ-ディングケ-スとなり得る画期的なものである。

1.被害者の言動を評価するにあたり、物理的強制の存否や程度といった外形的な事実に拘泥することなく、被害者の心理など実情を踏まえた丁寧な検討を行なった。具体的には、

① 被害者の供述の一部に変遷や不合理と思われる点があっても、「性的暴行の被害を思い出すことへの心理的抵抗が極めて強いこと」「共感をもって注意深く言い分に耳を傾けないと、客観的事実と異なる説明やもっとも恥ずかしい事実を伏せた説明をしてしまうことはままある」「本事件に関する原告からの事情聴取は、もっぱら男性上司や男性警務隊員によって行われており、原告が性的暴行を冷静に思い出したり、記憶を言葉で説明することができなかった可能性が高い」等と指摘した。

② 本件現場、組織の特性として、「隊内の規律統制維持のため隊員相互間の序列が一般社会とは比較にならないほど厳格で、上命下服の意識が徹底した組織」であることを明確に判断したうえで、原告が「上位者である加害者に逆らうことができない心境に陥ることが不自然ではないと判示した。

2.被害者に対する保護・援助の点では、職場の法的責任につき、①被害職員が心身の被害を回復できるよう配慮すべき義務(被害配慮義務)、②加害行為によって当該職員の勤務環境が不快となっている状態を改善する義務(環境調整義務)、③性的被害を訴える者がしばしば職場の厄介者として疎んじられさまざまな不利益を受けることがあるので、そのような不利益の発生を防止すべき義務(不利益防止義務)を負う、と事後の配慮義務について積極的かつ具体的な判断基準を示して、それに対する違反があったとしたと認定した。

3.慰謝料580万円が認容され、判決はその内訳を性暴力200万円、その後の保護・援助の不作為300万円とした。性暴力後の対応に多額の慰謝料を認めたことは、性被害の実態の捉え方(2次、3次被害の苦しみの大きさ)、被害者の所属する組織の責任の重大さを示した点で重要であり、賠償水準の引き上げにも寄与した。

 弁護団は、被告国が、本判決の内容を真摯に受け止め、控訴をしないこと、本件判決に基づいて自衛隊内のセクハラ防止策を見直し、実効性ある再発防止策をとることを強く求める。

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 加害者は、停職60日の懲戒に止まったのに対し、被害者が、戒告処分を受けた上、この5年間8400名の継続任用志願者中、1名しかいなかった再任拒否をされて自衛隊を追われた事実は消えません。

 なお、この裁判を支援する会のHPは下記です。
   http://jinken07.dtiblog.com/




2010年8月 4日 (水)

パワハラ・セクハラ(性暴力)隠蔽 自衛隊の情報統制

職場で上司が同僚の女性に性的暴行を加えるという事件が発生したら、あなたの会社はどう対応するでしょう。
某社は、上司を処分するより、まず被害者を懲戒処分にするために取り調べや執拗な呼び出しを繰り返して、退職を強要した挙げ句、労働契約期間満了をもって、退職させました。このような隠蔽体質は、企業の衰退を招くと思いませんか。

被害女性は、裁判所に訴え、今年7月29日、札幌地方裁判所は被害女性側の主張を全面的に認め、被害女性勝訴の判決をしました。


某社が日本を代表する独占企業だったら、これは大相撲の野球賭博に匹敵するスキャンダルですよね。
 

でも、某社は違います。メディアも某社を批判するどころか、判決報道すら一部地域でしかしていません。
この国では、国技には、コンプライアンスを求めるようですが、国防にはコンプライアンスは士気の低下を招くとして御法度なんですね。
自衛隊も、ますます旧日本軍に似てきました。

名古屋の中日新聞は、正々堂々、社会面に5段抜きで伝えました。
戦前、自社の行った軍に対する全面的な協力を連載記事で検証し、深く反省した朝日新聞は、北海道版だけで伝えてお茶を濁しました。

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中日新聞7月30日朝刊

 暴行被害、上司が退職強要 元女性自衛官に賠償 札幌地裁 国へ命令

 北海道の航空自衛隊基地で、同僚の男性自衛官からわいせつ行為を受け、相談した上司に退職を強要されたとして、元自衛官の女性(24)が国に約千百万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、札幌地裁は二十九日、性的暴行や退職強要を認定し、国に五百八十万円の支払いを命じた。

 橋詰均裁判長は、性的暴行について「自衛隊内の階級的上下関係を利用して行われた」と認定。上官の対応を「被害を訴えた女性を厄介者とし、退職に追い込もうとする露骨で不利益な扱いだった」と非難した。

  判決によると、女性は二〇〇六年九月、夜勤中の同僚男性(35)に呼び出され性的暴行を受けた。相談を受けた上司は、婦人科での受診を希望した女性に対し 別の男性隊員の同行を条件とするなど配慮を欠く対応をした上、隊員らとともに「周囲に迷惑を掛けた」として再三退職を促した。

 女性は〇七 年五月の提訴後も勤務し、〇九年三月までだった任期の延長を望んだがかなわずに退職した。法廷でおえつを漏らしながら裁判長の言葉に耳を傾けた女性。判決 後の記者会見では「とてもうれしい」と笑顔を見せ「不利益を受けている女性の励みになってほしい」と述べた。

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末尾の女性の談話にもあるとおり、職場の権力を利用した性的暴行に苦しんでいる女性が少なくないことを思えば、この判決は、自衛隊だけの問題ではなく、さらに普遍的な意味もあるはずです。
判決に対するメディアの報道(自主?)規制は、この国のメディアが如何に御用機関に成り下がっているかを示してあまりあります。
昨年、朝日新聞が自社の戦争協力を検証した連載記事は、権力的な規制に先だって、自ら軍部に迎合していった経過をつぶさに検証する良い連載でした。

ちなみに、航空自衛隊の過去5年間の任用継続志望者8400名中、任用継続が拒否されたのは1名だけだそうです(原告を含まず)。

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