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2010年8月 4日 (水)

パワハラ・セクハラ(性暴力)隠蔽 自衛隊の情報統制

職場で上司が同僚の女性に性的暴行を加えるという事件が発生したら、あなたの会社はどう対応するでしょう。
某社は、上司を処分するより、まず被害者を懲戒処分にするために取り調べや執拗な呼び出しを繰り返して、退職を強要した挙げ句、労働契約期間満了をもって、退職させました。このような隠蔽体質は、企業の衰退を招くと思いませんか。

被害女性は、裁判所に訴え、今年7月29日、札幌地方裁判所は被害女性側の主張を全面的に認め、被害女性勝訴の判決をしました。


某社が日本を代表する独占企業だったら、これは大相撲の野球賭博に匹敵するスキャンダルですよね。
 

でも、某社は違います。メディアも某社を批判するどころか、判決報道すら一部地域でしかしていません。
この国では、国技には、コンプライアンスを求めるようですが、国防にはコンプライアンスは士気の低下を招くとして御法度なんですね。
自衛隊も、ますます旧日本軍に似てきました。

名古屋の中日新聞は、正々堂々、社会面に5段抜きで伝えました。
戦前、自社の行った軍に対する全面的な協力を連載記事で検証し、深く反省した朝日新聞は、北海道版だけで伝えてお茶を濁しました。

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中日新聞7月30日朝刊

 暴行被害、上司が退職強要 元女性自衛官に賠償 札幌地裁 国へ命令

 北海道の航空自衛隊基地で、同僚の男性自衛官からわいせつ行為を受け、相談した上司に退職を強要されたとして、元自衛官の女性(24)が国に約千百万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、札幌地裁は二十九日、性的暴行や退職強要を認定し、国に五百八十万円の支払いを命じた。

 橋詰均裁判長は、性的暴行について「自衛隊内の階級的上下関係を利用して行われた」と認定。上官の対応を「被害を訴えた女性を厄介者とし、退職に追い込もうとする露骨で不利益な扱いだった」と非難した。

  判決によると、女性は二〇〇六年九月、夜勤中の同僚男性(35)に呼び出され性的暴行を受けた。相談を受けた上司は、婦人科での受診を希望した女性に対し 別の男性隊員の同行を条件とするなど配慮を欠く対応をした上、隊員らとともに「周囲に迷惑を掛けた」として再三退職を促した。

 女性は〇七 年五月の提訴後も勤務し、〇九年三月までだった任期の延長を望んだがかなわずに退職した。法廷でおえつを漏らしながら裁判長の言葉に耳を傾けた女性。判決 後の記者会見では「とてもうれしい」と笑顔を見せ「不利益を受けている女性の励みになってほしい」と述べた。

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末尾の女性の談話にもあるとおり、職場の権力を利用した性的暴行に苦しんでいる女性が少なくないことを思えば、この判決は、自衛隊だけの問題ではなく、さらに普遍的な意味もあるはずです。
判決に対するメディアの報道(自主?)規制は、この国のメディアが如何に御用機関に成り下がっているかを示してあまりあります。
昨年、朝日新聞が自社の戦争協力を検証した連載記事は、権力的な規制に先だって、自ら軍部に迎合していった経過をつぶさに検証する良い連載でした。

ちなみに、航空自衛隊の過去5年間の任用継続志望者8400名中、任用継続が拒否されたのは1名だけだそうです(原告を含まず)。

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