最高裁は説明責任を果たせ。司法修習無給研修制
「貸与制」と呼ばれた制度が、保証人2名を付けられない場合は、オリコの審査を受け、オリコの審査を通らない者には修習資金を貸与しないという制度であることが判明したのは、ごく最近のことである。
要するにこの制度は、最も貸与が必要とされる「困窮した修習生にはお金を貸さないよ」という制度だった訳だ。
司法修習生が修習資金貸与を受けるためには、保証人2名か最高裁指定の金融機関1つの連帯保証が必要であるということが明らかになったのは、昨年(2009年)10月30日。
ありがたくも、オリコが最高裁ご指定の「金融機関」のご指名を受けたことが明らかになったのは制度実施の直前である今年8月頃。
「貸与制」(裁判所法改正)を決めた国会では、確認した範囲では、保証人の問題については、全く議論されていない。
そのまま全て最高裁規則に一任されたのである。
最高裁が、保証人を付することにしたのは、国の債権の管理等に関する法律にしたがったということになるだろう。
しかし、経済的事情から法曹の道を断念することがないようにすることが大前提とされた「貸与制」について、保証人1名ではなく、2名を付けることにした理由は何ら説明にされていない。
まして、「最高裁が指定する金融機関」という極めて格式の高い、ありがたい「金融機関」がオリコになった理由も経緯も全く説明されていない。
「最高裁が指定する金融機関」の保証を要するという最高裁規則から、日本学生支援機構等を想像した人はいたとしても、オリコを想定した人は皆無だった(筈だ)。
それくらいこの指定は奇っ怪だ。
困窮した修習生にはオリコが生殺与奪の権利を持つことになる。
最高裁には説明責任がある。
1 なぜ、連帯保証人を2名必要とすることにしたのか。
2 なぜ指定保証金融機関を「オリコ」にしたのか。
司法修習制度が「貸与制」から「無給研修制」に変更されたのは、全て最高裁にその処理が任されて以降である。
最高裁は、説明責任を果たさなければならない。
説明責任を果たし、国会の納得が得られて初めて、裁判所法改正が施行されるべきである。
「無給研修制」に変容した制度の実施は、その間、停止されなければならない。
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