フォト

日本ブログ村

ブログランキング

  • マスコミに載らない海外記事
    本ブログとセットで読むと、世界のニュースと法律解説がセットでわかります。(;^_^A アセアセ…

  • * ランキングに参加しています *
    応援クリックしてもらえるととっても励みになります
    人気ブログランキングへ

« 柳田法相軽率発言は、仙谷長官の司法介入より罪が重いのか | トップページ | 借地権と抵当権の対抗問題 »

2010年11月19日 (金)

被疑者国選9 番外編

被疑者国選弁護報酬の件、案の定、不服申立に対する却下決定が12日に届いた。

「国選弁護報酬再査定結果のご通知」(以下、ご通知という)

12日は一日不在であったので、FAXとともに、法テラス愛知支部から「今後ともよろしくお願いします」との電話があった旨の伝言メモあり。察するに、(これに懲りずに)の言葉が入るのであろう。

要するに、接見回数に、弁護活動の充実度が反映されていると考えられる上、接見回数という外形的指標を用いる定型的判断によって恣意的判断を排除するということのようである。

また、被疑者国選弁護人は、被疑者の勾留中のみの制度であって、釈放により当然に任を解かれる仕組みになっているからということである。

どっちもわかっていたといえば、わかっていた内容である。

それにしても、このように木で鼻を括ったような決定ではなく、もっと迷いのある血の通った文章がどうして書けないものかと、情けなく思う。

これでは、何の慰めにもなりはしない。

本件のような全く身に覚えのないケースは、当事者と接見を重ねても、事件の情報が得られるわけではないので、基本的に接見は無駄である。接見を重ねるのは虚偽自白を強要されないように被疑者を励まし支える意味があるが、本件の被疑者のように屈強な精神の持ち主で腹が据わっている場合は、接見は必要最小限でよい。

被疑者は自衛隊を一兵卒として定年まで勤め上げた強者である。ジャングルの行軍訓練では、蛇やカエルを食べて飢えを凌いだという。警察のレンジャーなんて子供だましと嗤う所以である。そんな被疑者だから、ちょっとやそっとで虚偽自白をするような心配はない。

その分、現場での情報収集の重要性の比率が増す。僕の活動が現場での活動に偏ったのはそのためである。

法テラスからの通知は、こうした弁護活動を適正に評価しようとしても、主観的にならざるを得ないとする。

なぜ主観的にならざるを得ず、恣意的になるとするのか。

問題は、法テラスの構造にある。法テラスは法務省が所管し、これに最高裁、日弁連、日本司法書士会などが関与して運営する法人である。

弁護士が主体となって弁護士が独自の立場から評価する仕組みになっていない。弁護活動は被疑者や被告人に偏ることが求められている。したがって、法務省(検察庁を所管する)から見れば、好ましくない活動ほど有益である。法務省や法曹三者による評価は、通常の民事事件ならそれでもよいだろうが、刑事弁護という一方に偏ることが求められる活動には不適である。

そもそも、検察官の所属監督官庁でもある法務省が弁護士の活動を評価するという仕組みが間違っているのである。

実をいえば、僕の不服などは極めて些細なことである。

むしろ、弁護上、必要な第三者に対する鑑定費用等が法テラスから支出されず、弁護人が個人で負担するなどという不合理な例は、いとまがない。

国選弁護の評価は、本来、検察を管轄する法務省ではなく、弁護士会にゆだねられるべきである。仮に法テラス制度下にあったとしても、少なくとも、弁護士会が独自に裁量的評価ができる仕組みを作るべきである。

ご通知は、被疑者が釈放された後は、国選弁護人は解職されるとする刑事訴訟法を引用して、処分保留釈放後の弁護の必要性には、全く理解を示そうとしない。

確かに被疑者国選が勾留に付随した制度として認められている以上、法律上、そうなっていることは認める。しかし、そこに矛盾があることくらい、指摘しておいてほしい。

矛盾があるのであるから、弁護報酬算定の運用として処分保留後、嫌疑なしとして不起訴になるまでの活動に報いる方法くらい考えたらどうだ。

今の運用は、処分保留釈放後は、被疑者に無権利状態になる。処分保留釈放という被疑者は、決して刑事罰の危険が去っているわけではない。

無権利状態を防ごうとすれば、弁護人の倫理的責任感による無償の活動に期待するということになる。

どうにも腹立たしいのは、最高裁は、弁護士は、基本的に民間業者で金儲けに走るのであるから、司法研修における給与制は廃止すると言いながら、他方で、このような不合理かつ不十分な国選には弁護士が当然、その倫理的責任感から犠牲を払って当然だと考えている節があることである。

よほど、異議申立ないし報酬決定取消訴訟でもしてやろうかと思った。

が、よく考えたら、これは行政処分ではない。

僕は好んで法テラスとの契約によって国選弁護をしているという契約者の立場なのだ。国選弁護人に登録するときに、読みもしないで判を押した「国選弁護人の事務に関する契約約款」に書いてある契約内容通りに報酬が決められたに過ぎない。

細かい保険約款や、フランチャイズ契約に目を通さずに、契約して、後で、そんな筈ではなかったと嘆く相談者と同じことを僕もぼやいている。

裁判員制度導入に伴って、後方の人手不足を補うために、弁護士会の理事者から半ば泣き落としにあって、弁護士の責務の問題なのだからと考えて、しぶしぶ登録した。
それが、結ぶも自由、結ばぬも自由な契約でしかないと言われると、何やらむかっ腹が立つ。

どうもこの文章は収まりがつきそうもない。よって、ここで終わる。

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村

« 柳田法相軽率発言は、仙谷長官の司法介入より罪が重いのか | トップページ | 借地権と抵当権の対抗問題 »

マチベンのスタイル」カテゴリの記事

事件」カテゴリの記事

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/536116/50064700

この記事へのトラックバック一覧です: 被疑者国選9 番外編:

« 柳田法相軽率発言は、仙谷長官の司法介入より罪が重いのか | トップページ | 借地権と抵当権の対抗問題 »

無料ブログはココログ
2017年3月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31