小沢一郎へのアドバイス 子分編3
宮崎学の子分である。
今さら言うまでもないが、自称であるから、誤解せぬよう。
さて、特別抗告されてから裁判所の動きがさっぱり止まってしまった。
最高裁は忙しいからな。
なかなか小沢一郎までは手が回らないのであろう。
暇だから、思いついたことを書く。
まず、注文がある。
裁判書面は、全てネットで公開しろ。
行政法は極めて特殊だ。
常識では理解できない法律である。
そもそも弁護団がどれほど行政法に通じているかも不明だ。
その上、行政法は極めて特殊な法分野だという認識のない記者が記事を書いているのである。
TBSが「裁判所が破産と言うと借金が棒引きになります」と報じたことがあるそうだ。
まぁ、おおざっぱに言えば、そうだが、そんなことを裁判所で言おうものなら、大目玉を食うぞ。
破産決定だけではことは済まず、免責決定が必要なことくらい、今どき一般の相談者でもよく知っておる。
行政法はさらに難しい。
破産法の比ではない。
弁護団が行政法の難しさを理解していたとしても、それを伝える記者は、TBSと同じほど知らないかもしれぬ。
生半可な話を、生半可に理解して書く。
一体、どのような裁判が行われているのか、傍から見てもさっぱりわからぬ。
記者を責めてるのではないぞ。
弁護士だって、行政法は100人に1人も理解しておらんのだから、記者が困惑するのも当然だ。
だから、裁判書面をネットで公開しろ。
訴状、執行停止申立書、執行停止申立理由補充書、意見書、執行停止に対する国側の答弁書・反論書、地方裁判所の却下決定書、即時抗告状、即時抗告理由補充書、即時抗告に対する国側の答弁書・反論書、高等裁判所の棄却決定書、特別抗告状、特別抗告理由補充書、その他、証拠書類諸々。
今では、少し気の利いた裁判は、みんな書類をネットにアップして、世論の支持を求めておるぞ。
正確なソースがないから、ネットの読者も、アドバイスのしようがなくて困っておるではないかな。
俺もどこまで俺の指摘が当たっておるか、確かめようもないので困惑しておる。
書面を公開してネット市民の力を借りろ。
強者ならば、書類の公開なぞ必要がない。
強者の闘いは、初めから分がよい。検察なんぞは、どんなミスをしても裁判所に守ってもらえるからな。
小沢よ、まだ、強者のつもりでおるのか。
今回ばかりは、分の悪い出入りだぞ。
なりふり構っている場合か。
暇なので、最高裁はどう決定するか想像してみる。
主に3つのケースが考えられる。
第1は、完全門前払いのケースだ。
最高裁で審理すべき案件ではないという判断だ。
実務ではこれが、圧倒的に多い。
最高裁にはくずのような事件がごまんと持ち込まれる。
マチベンもよくくずを持ち込んでおる。
いちいち審理しておっては、大事な事件を審理するのに100年かかってしまう。
そこで、門前払いで最高裁の入り口にも入れてあげないというのがこのパターンの決定だ。
最高裁まで行った例の圧倒的多数を占める。
この場合、最高裁はこういう。
小沢側弁護団の主張は、憲法違反を云々するがとってつけた話であり、相手にしてやらない。
また、重要な法律的論点があるなぞとも主張しているが、そんなものは見当たらないから、受理してやらない。
マチベンがもらう最高裁決定は、ほとんど全てといっていいくらい、これだ。
それでも、マチベンは、懲りずに闘っておるがな。
次の場合は、もう少しましかもしれない。
小沢は、指定弁護士選任の仮の差止及びこれに伴う執行停止を求めていたところ、指定弁護士の選任はすでになされたので、訴えの利益は失われており、起訴議決が行政処分に当たるか否かは判断する必要がない。とするものだ。
ま、これなど、なんだかわからないにしても、一応理由を示してくれるので、ありがたいと思わなければならんぞ。
しかし、これでは、何のために超スピード審理を求めて、地裁や高裁の裁判官に迷惑をかけたのか、全く意味がないことになるがな。
詳しくは、「小沢一郎へのアドバイス 幻となった子分編」参照
要するに、刑事事件で起訴議決の違法を争おうとしたら、刑事の裁判所では、起訴議決は行政処分に当たるので、行政事件で争うべきだとされて、起訴議決の違法性を争う途が閉ざされる危険が残るのだ。
手間隙かけて争った甲斐はまったくない。
弁護団は、指定弁護士選任の効力停止を新たに申立ているので、訴えの利益は失われないとするかのようであるが、甘いな。
最高裁まで至って、突然、新たな申立を許すような構造になっているとは到底、思えんが俺が間違っているか。
弁護団が指定弁護士選任の効力停止を求めたいのであれば、理屈上、指定弁護士選任取消請求を地裁に提訴し、それとともに、選任の効力の停止を求めるのが筋だ。
これが普通の考え方だ。
小沢弁護団は、何かウルトラな手段でも持っているのか。
疑問だな。
さらに可能性は低くなるが、起訴議決が行政訴訟の対象となる行政処分に当たるか否かを最高裁が実質的に判断する可能性があるだろうか。
小沢にとっては、残念だが、その可能性はほとんどない。
可能性はないながらも、そうした例がなくはない。
本来、他の形式的な理由で決着が付けられたにも拘わらず、敢えて最高裁が実質に踏み込んで判断することが極めて希にある。
そして、大抵の場合、それは国民にとって不利益な結果をもたらす。
だから俺は、内実にわたる判断は、国民のためにしてほしくないと思う。
判断するとすれば、この世論の状況では、行政訴訟の対象に当たらないとする可能性がはるかに高い。
敢えて、最高裁が小沢持ちになる理由が思い当たらぬ。
これは、小沢にとっては難論点の早期決着という次善の意味でよいとは言えても、国民にとっては、大変な迷惑だ。
今後、検察審査会の起訴議決を行政訴訟で争うという途が閉ざされてしまうからだ。
どう見ても、弁護団の争い方は、検察審査会による強制起訴そのものが憲法違反であることを主張しているようには、見えない。
強制起訴の手続が、検察審査員が実はユーレイであっても、成り立ってしまう杜撰な手続であることを主張立証しているようには、到底みえない。
こんな拙劣な訴訟で、国民が権利救済を受ける手段を奪われてはたまらん。
しかし、小沢にとっては、行政事件では起訴議決の効力を争うことができないとの判断が得られれば、刑事訴訟で起訴議決の効力を争うことができることが確定するのであるから、弁護団としては、早期決着が可能になり、次善とはいえ作戦成功ということになるのだろうな。
それでも、俺は、民衆から迫害されておるが故に、小沢を見捨てるのが忍びない。
小沢よ、覆面弁護団は辞めさせろ、堂々と記者会見をして、訴えの正当性を力強く、説得的に語る弁護団に変えろ。
マチベンの周りの連中は、どんな勝ち目のない出入りでも義のある出入りのときは、まずは、記者会見を開いて、堂々と主張を展開しておるぞ。
もとより、小沢の裁判も、弱者の裁判だ。
司法界は、顔が利くという世界ではない。
ヤメ検もヤメ判も無効だ。
田中角栄の裁判のとき、思い知ったろうが。
行政訴訟はまだ第1回は開かれていないようだな。
まだ、出直しは利くはずだ。
環境派、情報公開派の出入りの好きな奴に弁護団を代えろ。
憲法訴訟を得意とする奴もいいぞ。
みんな負けなれておるから、途中で折れることはない。
今の訴えは取り下げて、新しい弁護団で、審査会が認定した犯罪事実が被疑事実を超えている等というちゃっちい理屈ではなく、検察審査会違憲論を中心にした、新たな訴訟を起こせ。
そこで、記者会見をして、これまでに判明している、審査会のいかがわしさ、そうしたいかがわしさを防ぐ手だてのない法律が憲法31条に違反することを堂々と主張するがいい。
それでこそ、いったん貴様から離れた民心も返ってくるかもしれん。
但し、何度もいうが、自衛隊を政治家のおもちゃにするな。
自衛隊の恒常的海外展開などという馬鹿な夢想はやめろ。
貴様を民衆の迫害から救ってくれる可能性があるのは唯一憲法なのだ。
だから、憲法の遵守を心から誓え。
心を入れ替えて臨め。
今、この時代に苦しんでいる者とともに受難し、苦悩しろ。
そして憲法を光と心得よ。
さすれば途は自ずから開かれよう。

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