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2010年11月18日 (木)

柳田法相軽率発言は、仙谷長官の司法介入より罪が重いのか

柳田稔法相が、自身の支援会にて、答弁には「個別の事案については答えを差し控える」「法と証拠に基づいて適切にやっている」の2つを覚えておけば十分だと発言したことで、政局に一気に火がついた。

国会軽視だと批判されて、辞任必至、場合によってはあれやこれや含めて内閣総辞職に至り兼ねない形勢のようである。

いくら穴埋め人事だと言っても、起訴便宜主義の意味も答えられないような素人に法相を任せたのは法律家としては、これでいいんですかねぇという声が仕切りだった。

何も知らないので、「答えを差し控える」という逃げ文句を覚えて、法相って楽ちんねと思っていた本音が出て、足をすくわれたというべきだろう。

国会軽視であることは確実なので、野党が追及するのは結構なことだ。

しかし、僕は、国会の追及振りのアンバランスさに目がくらむ思いだ。

私的な場での軽率な発言よりもっと重大なルール違反がなぜ追及されていないのか。

内閣の事務を掌理する最高権力者が公の場で、未決着の個別の行政訴訟について、「行政訴訟になじまない」として行政訴訟で扱うべきではないとする見解を示した。

小沢一郎氏の行政訴訟に対して、仙石官房長官が記者会見で述べた見解だ。

行政の最高権力者の一人が、公の場で、個別の裁判の内容に踏み込んで意見を言う。これが裁判干渉でなくて何なのか。

個別事件については、裁判所・司法権が判断をする。何人からの干渉も受けない(憲法76条)。

仙石官房長官の発言が、憲法76条に定める司法権の独立を蹂躙するものであったことは明らかだ。

この発言に比べれば、柳田稔法相の発言などは、はるかに小さい問題だ。
司法がすべき判断に踏み込んで発言をするくらいなら、「個別の案件についてはお答えを差し控えさせていただきます」の方がよほど正当である。

仙石官房長官も、いやしくも弁護士であるなら、小沢一郎氏の行政訴訟について問われたときには「個別の案件についてはお答えを差し控えさせていただきます」と答えるべきだった。

仙谷官房長官の発言は、憲政史に残る司法干渉発言である。
かたや、支援団体での軽率な失言である。

国会の追及の仕方、メディアの追及の仕方の落差の大きさに、僕は立ちすくむ。

多分、仙石官房長官の発言を批判することは、小沢一郎の肩を持つことにつながるとの打算から皆、口をつぐんだのだろう。
国会やメディアだけではない。
憲法学者すら、だれ一人としてこの問題を司法の独立を蹂躙する問題として取り上げない。

つい、僕が間違っているのかとすら思ってしまう。

いや、やはり間違っているのは世間の方だ。

この国の憲法のあり方は、一気に崩壊してしまうのだろうか。

先行きが不安である。

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