アライグマ出没 その後3
子アライグマがいることは、近所には秘密である。
よりにもよって、僕がアライグマを繁殖させたなどというあらぬ誤解を受けては、世間様に合わせる顔がない。
僕は、子アライグマが成長してから、退去願うつもりだった。
アライグマが通路にしてしまったために空いたプラスチックトタンの穴を塞ぐ工事は1週間後に決まった。
穴は、日に日に大きくなっている。せめて、工事までの間だけでも穴の拡大を防ぎたい。
そこで、僕は床下通気口を塞いだ重いブロックを外し、まずはアライグマが心おきなく出入りできる環境を整えた。
しかし、いったんプラスチックトタンから出入りすることを覚えたアライグマが、そうやすやすと床下換気口から出入りしてくれるようになるとも思えない。
そこで、僕は、インターネットでアライグマのエサを調べ、ペット屋で売っているキャットフードでよいことを確認して、ホームセンターでネコのエサを買ってきた。
皿に入れて、通気口の前に置く。
エサに釣られてこちらを通るようになっておくれ。
もうこの頃は、僕は、半ばアライグマと一緒に住んでもいいやという気分だった。
ホームセンターでキャットフードを勧めてくれた店員さんも自分の地元では、みんなでエサをやってアライグマを共同飼育しているということだった。
そう、アライグマも親しくなってみれば、怖い動物なんかじゃないぞ。
それなりに可愛いのだ。
子アライグマとなれば、なおのことである。
ところが、プラスチック皿に猫のえさを入れて通風口の前に置いたら、すぐにお隣さんに見つかった。
なにしろお隣さんはアライグマを怖がっている。
タイミングの悪いことに、何週間か前に、NHKがアライグマが天井裏に住み着いて家屋被害をもたらしているというドキュメントを放送したらしい。以来、お隣さんは、アライグマは日本の固有種であるタヌキとは違ってどう猛有害な外来種だと思いこんでいるのだ。
アライグマにとってははなはだ迷惑なNHKである。
僕は、しどろもどろに
「そ、そんな飼うつもりなんかある訳ないじゃないですか。
トタンを直すまで、もうトタンから出入りしてほしくないので、通風口に誘導しようとしただけです。」
「エサはやらん方がいいと思うよ。ご近所さんもそう思うと思やあすよ。」
はい。もうやりません。
ということで、5キロも飼ったエサは、ちょっと自分で食べては見たが、あまり口に合わないので、そのまま廃棄処分する次第となった。
まだ、子アライグマは見つかっていない。
とにかく穴が大きくなる前に工事屋さん早く工事をしておくれ。
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