岩波書店『世界』4月号 TPP批判
古式ゆかしき、サヨクである僕は、岩波書店の「世界」を20年近く定期購読している。
さて「世界」4月号は、TPP批判の特集号である。
積ん読になりがちな「世界」であるが、今月号は読み甲斐がありそうである。
特集TPP批判の該当目次は以下のとおり。
特 集 1 TPP批判──何が起きるか
【対 談】
TPPは社会的共通資本を破壊する
宇沢弘文 (東京大学名誉教授)、内橋克人 (経済評論家)【Q&A】
TPPで何がどうなる?
中野剛志 (京都大学)【回避すべき危険】
「平成の開国」── 四つの落とし穴
本山美彦 (大阪産業大学学長)【座談会】
「地域の力」でTPPを打ち返そう
鈴木宣弘 (東京大学)、結城登美雄 (民族研究家)
色平哲郎 (医師)、司会=榊田みどり (農業ジャーナリスト)【雇 用】
どのような国づくりを目指しているのか──「理念」と「対話」を欠いた菅政権の経済政策
山口義行 (立教大学)【短期集中連載】
失われるか世界の10年 (2) 1932年と2011年──大停滞の深化 (その1)
赤木昭夫 (元慶應義塾大学教授)
また、
シロクロだけが問題か
小沢事件の本質は何か──「検主主義」覆い隠す「政治とカネ」報道
横田 一 (ジャーナリスト)
も特筆すべき論考である。
「権威ある」メディアでは、初めて小沢氏の「政治とカネ」の問題が虚構に過ぎないことを明らかにしている。
編集後記も刮目すべきである。
米“安保マフィア”は政権交代まもなくから、小沢・鳩山を警戒し、政治資金規正法違反事件が起こされたとする。
格式ある「世界」が、編集後記とはいえ、「米“安保マフィア”」と踏み込んだ表現をする決断に至った勇気を称えたい。
TPPは日本の植民地化と独立の問題なのだと、言いたくなるとき、僕はサヨクというより民族主義者である。
心ある方は、是非、雑誌「世界」4月号をお手にお取りくださいな。
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