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2011年4月12日 (火)

DVもどき作戦の得失

先日あった離婚調停。
当方は、夫側。
調停委員が、一通り当方の言い分を聞いた後、
調停室を出て行こうとする。
いつもは、「では、相手方に変わってください」と
当事者が部屋を出て、相手方と交代する。

当事者が直接、顔を合わせることになると
何かと感情的なトラブルになることから当事者が直接対面しないようにするための
裁判所の配慮である。

今回は、調停委員が、
相手方が待っている調停室に移動するという。
まぁ、家庭裁判所も随分と親切になったのねと思っていたら、
「DV事案だから」と言われた。

しげしげと依頼者を見る。
DVするような人物には見えんわ。
大体、1年半の同棲期間を経て、
彼女の頼みで結婚したケースだ。
1年半も試してみて、
わざわざDVするような人に結婚を求めるか?

妻側から離婚の申出があったのに、
妻は、婚姻費用分担(生活費を送れ)の調停だけ出して、
一向に離婚の調停を申し立てないので、
このままでは生活費の取られ損だけ続くので、
こちらから離婚調停を申し立てた。

で、DV事案のいやらしいところは、
当事者がDVを否定しても、
「DV夫はDVの自覚がない」から
否定することこそDVの何よりの証拠だ
という訳のわからぬことになることだ。

また、わざわざDV夫に結婚を求めるかと言ってみても
共依存関係にあったなどとややこしく決めつけられて
反論の余地がない。

いったんDVの烙印を貼られると、
何もかも男に不利なのである。

相手方の弁護士から
結婚生活報告書なる書面が出されており、
そこに当方依頼者のDVの数々が
書き込まれているらしいことが
調停委員の当方依頼者に対する質問からわかった。

こういう主張書面は、普通、相手方の弁護士から求められれば、
交付するのが弁護士間のマナーだ。
そうでなければ、言いたい放題がそのまま通ってしまう。

第1回調停の翌日、相手方代理人に交付を求めるFAXを送った。
相手方代理人からは
「本人がダメと言っているから、見せられません」との回答があった。

仕方がないので、面倒だが、裁判所へ、
結婚生活報告書の謄写許可を求めた。
公平な裁判所なら見せてくれるだろうと思ったからだ。
不許可である。
理由は、妻側代理人に意向を確認したら、
本人がダメと言っているからだそうな。

自称DV被害者がダメと言う限り、
どこまでもダメという訳だ。

ほんな馬鹿な。
言いたい放題の主張を見ることもできず、
反論の機会も与えないまま調停を進めるんかいな。

主張を明らかにすることによって、
どんな不都合が生じるというのか。

主張に怒った夫が妻側の居所を突き止めて、
脅しに押し入る危険性が具体的にあるとでもいうのか。
そういう危険性があるなら、あるで、具体的に立証されたい。
このケースでは絶対にないと言い切れる。
何せ旦那は淡泊、未練も何もないんだから。

この件、当方依頼者が、
後ろ向きの離婚騒動を長引かせたくないという
賢明な判断で、当方の大幅譲歩で、短期間で解決できた。
とにかく依頼者は、あっさり系なのである。

こういうDV特別待遇が一般化したのは、
DV防止法ができてからだ。
とにかく各都道府県等が設置している
DV救済のための女性相談センターに相談した実績さえあれば、
DVのお墨付きが得られてDVと扱われ、
ご苦労にも調停委員が、調停室を行き来し、
相手に見られないことが保証された
わがまま言いたい放題の書面を出すことができる。

DVもどき作戦である。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

僕とて、DV事案を扱ったことがないわけではない。

20年近く前、DVという言葉もなく、
ストーカーという言葉すらほとんど知られなかった頃の
DVは本当にしんどかった。

接近禁止仮処分という当時では珍しい仮処分を申請した。

依頼者は、審理係属中にも、つきまとわれ、車を壊されるわ、
依頼者のやっている店の看板は壊され
店の中に消火剤をまき散らされるわ
果ては、
依頼者が雇用している従業員の住所まで突き止め、
従業員の住宅の駐車場に駐めた車の
タイヤまでパンクさせられるわ
等々、悪戦苦闘の連続だったが、
覚悟を決した依頼者はすがすがしくすらあった。

動じることなく闘い抜いて、解放を勝ち取った。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

今は、簡単である。
女性相談センターに相談した実績を残し、
DV保護命令を取れば、
かつて悪戦苦闘した
接近禁止・面談接触禁止仮処分に当たる命令が
容易に出される。

で、DV保護命令を取る必要もつもりも、
さらさらなくても、女性相談センターに相談した実績があれば、
相手方を簡単にDV夫にすることができる。
そうすると、何かと有利に事を運ぶことができることになる。
相談さえしておけば、住民票も秘匿できるらしい。

DVを切り札にする手法が確立すると、
男側の離婚は何かと不利になりそうである。

しかし、DVもどき作戦も、いいことだけではない。

離婚には、社会保険の手続きだとか、生命保険の処理だとか、いろいろ当事者同士の協力が必要な付随処理が伴う。
弁護士間に信頼関係があれば、できる限り弁護士も協力して抵抗する依頼者を説得してでも付随処理をする。

しかし、DVもどき作戦をとるような不信義な相手方には
離婚に伴う付随事項処理は弁護士の受任範囲にはないので、
相手方代理人に対して信義を通す必要もない。

かくして、どちらが得かわからないということも
DVもどき作戦を採る弁護士としては知っておくべきだろう。



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