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2011年4月26日 (火)

素人の杞憂  水棺

建築紛争でよくお世話になっているG建築士から、
原子炉建屋は、名古屋の裁判所本庁の建物くらい大きいという話を聞いた。

グーグルアースを使って、撮影高度から、建屋の一辺の長さを割り出したところ、40mあり、これは名古屋地方裁判所の本庁舎の南北辺に相当するという。

名古屋地裁の本庁舎は12階建てで、地裁の民事部が10部、刑事部が6~7部、高裁の民事部が4部、刑事部が2部あり、100名ほどの裁判官がいる。
全国でも屈指の大きさの裁判所だ。

Nagoyatisai

裁判所の建物から東に向かって、これも10階建て前後の名城病院、愛知県警の高層ビルが建ち並んでいる。

原子炉建屋でいえば、さながら裁判所が1号機、名城病院が2号機、愛知県警が3号機になる。

6号機まで考えれば、名古屋市の官庁街のかなりの部分が原子炉建屋になる。

タービン建屋もあるから、原発の敷地というのは、名古屋市の官庁街にほぼ匹敵する広さがある。

実に巨大な構造物群なのである。

今日の夕刊に1号機に対する水棺作業を本格化するとの記事が載っている。

原子炉建屋は原子炉を収納するための建物なのであるから、原子炉格納容器も巨大なものである。
これに水を詰めるという。

記事によれば、すでに7500トンの水を注入しており、今後さらに7400トンの水を注入するという

合計ほぼ1万5000トン。

子どもから老人まで全ての平均体重50キロとすれば、30万人分の重量が格納容器にかかることになる。
人口30万人と言えば、立派な都市である。
青森、福島、秋田とか那覇とか津、の県庁所在地級である。

どこかの物置のコマーシャルではないが、県庁所在地級の人口を裁判所の建物に詰め込むくらいの負荷を格納容器にかけるのである。

福島は、まさに原発のある浜通りを震源とする余震が頻発している。
耐震性に問題はないと言われても、散々騙されてきた身には、にわかに信じられない。

イラ菅から急かされて出した工程表に縛られて、拙速に冷却しようとしているのか、それとも、よほど逼迫した事態が進行しているのか(それなら、住民の理解を得る暇もない急な警戒区域の指定もわからぬではない)、情報統制下では、余計な想像ばかりふくらみ、不安になるばかりである。

なお、1万5000トンが人間では想像できない向きには、大きめのアフリカ象が2000頭と言うと、わかるだろうか。
とにかくアフリカ象を格納容器内に2000頭詰め込んでしまっただけの重量がかかるのだ。

フ~、でも、やっぱり想像つかないね。


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