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2011年5月12日 (木)

「夏の電力不足」は流言飛語 今日の中日新聞『特報』から

小さなデマには神経をとがらせて言論弾圧を目論む政府は、大きなデマは積極的に後押ししている。

今日も中日新聞が、すっぱ抜いた。
会員対象有料サイトになる「特報」欄なので、コピー掲載は遠慮して、まずはリードだけ。

中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)の停止決定を機に、またぞろ東京電力の「電力不足キャンペーン」が始まった。中電による電力融通の打ち切りが理由のようだが、本紙の調べでは、被災した東電広野火力発電所(福島県広野町)が7月中旬にも全面復旧する見通しだ。そうなれば真夏のピーク時も電力は不足しない。国民を欺くような“情報操作”の裏には、なおも原発に固執する政府や電力会社の姿勢がかいま見える(佐藤圭)

東電によれば、今夏の需要電力はピーク時で5500万キロワット
同じく東電が4月15日に発表した電力供給力見通しは5200万キロワット(西日本の電力各社からの供給分100キロワットを含む)。
300万キロワット、不足する
これが「電量不足」「節電要請」の根拠となっている。

しかし、同紙の調べでは、7月中旬にも全面復旧する広野火力発電所の発電能力は、380万キロワット
これだけで、東電の電力供給能力はピーク予想の5500万キロワットをクリアしている

しかも、東電の電力供給見通しの計算では、揚水発電は400万キロワットしか計上していないが、東電管内の揚水発電能力は1050万キロワット。

浜岡原発の停止により、西日本から融通される100万キロワットが全くなくなると仮定したとしても、単純計算すれば、

5100万*1+380万*2+(1050万-400万)*3=6130万キロワット

  • *1 東電発表の供給能力から西日本からの供給100万キロワットを差し引いた。
  • *2 広野火力発電所の発電能力
  • *3 揚水発電能力(東電算入済の400万キロワットを控除)

6130万キロワット(発電能力)>5500万キロワット(ピーク需要)


となり、大幅に電力があまる計算になる。
中日新聞は、余剰電力は、東北電力に融通する余力さえあると指摘している。

広野火力発電や揚水発電の現状を東電は、意図的に隠蔽。
広野火力発電所は稼働できない状況だ。具体的な作業内容や復旧に関する今後の見通しについてはコメントできない」とするのが東電の立場だ。

西日本電力各社も足並みを揃えて、西日本から融通電力100万キロワットの内、中部電力の負担割合を明らかにすることを拒み、恰も100キロワット全て供給できなくなる印象を与えようとしている。

電力業界挙げて、電力供給の不安と危機を煽り、多くのメディアも歩調を合わせ、浜岡停止後は「東電再び電力不足も」「夏の電力全国で切迫」などと不安を煽っている。

政府も足並みを揃えて、節電キャンペーンに励み、「大規模停電」の危険に言及する。

こんなんでは、いくらエネルギー政策を「白紙に戻して」と言われても、原発推進を擁護しようとする姿勢が見え見えだ。

庶民の些細なネット上の流言飛語にはやたら、神経質な癖に、政財官挙げての流言飛語には、菅総理も積極的に加担するというわけだ。

こら、菅!、秘密を独り占めにして、庶民の流言飛語を取りしまることばかり楽しんでいないで、政財官の大規模な流言飛語を取り締まれ。

真に恐れるべき流言飛語は、常に官から流される。

関東大震災の際に起きた朝鮮人大量虐殺は、官が流した流言飛語が原因だったことを忘れてはいけない。

追伸 それにしても全国紙は情けない。中日新聞(東京新聞を含めて)は一地方紙に過ぎない。記者の給料にも歴然とした較差があるはずだ。有能なはずの記者を揃えていて、地方紙に分析力で負けていてどうするのか。政府・財界広報紙に成り下がって、未来があると思っているのか。    

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