とりとめない雑感 民主党党首選と市場原理主義
2005年、ハリケーン・カトリーナがアメリカを襲ったとき、
アメリカという国が国内に第三世界を抱えていることを、そして、
国内の第三世界の犠牲の上に繁栄を築いていることに初めて気づいた。
今ではアメリカの貧困率が極めて高いことは当たり前のことのようでも、
ほんの数年前、洪水に襲われ、逃げまどう人々と、一向に復旧が進まない町の様子を見て、覇権国アメリカのこととは信じられず、衝撃的だった。
同じように、東日本大震災は、日本の地方が、第三世界化していることを感じさせる。
日本も、国内に第三世界化した地域を作りながら、その犠牲の上に繁栄を築いているように見えるというと言い過ぎになるのだろうか。
夏までにがれき処理ができなければ、蠅が蔓延し、病気が流行する心配がありながら、夏が終わろうとする今でも、がれきの処理は半分も進んでいないのではないだろうか。
がれきの未処理に、財政の逼迫は言い訳に過ぎないだろう。
仮に、これが東京であれば、半年にわたってがれきを放置するという事態など絶対にあり得ない。
東北だから、がれきが放置され続けるのだ。
この国も、また地方を犠牲にし、第三世界化しながら、歪んだ繁栄を目指そうとしている。
民主党の党首選が始まる。
2年前、民主党に投票した多くの有権者の願いには市場原理主義からの脱却もあったはずだ。
しかし、最近では格差社会と言う言葉も滅多に聞かれなくなった。
民主党から市場原理主義の克服の声を聞くこともなくなった。
熱意も感じられない。
おそらく、民主党も市場原理主義推進政党になったのだろう。
政策論争がないので、それぞれの候補者がどのような政策を実行しようとしているのか、さっぱりわからない。
しかし、党首選の結果は、結局、市場原理主義をさらに勢いづかせそうな気がする。
そうして、この国の地方は、さらに第三世界に近づいていく。
いやな気分である。
本当にいやな気分である。