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« 法テラスによる詐欺弁護士扱いに抗議する | トップページ | ホワイトクリスマスのフィギュアスケート   (「発送電分離」とTPP追補) »

2011年12月24日 (土)

危うい「発送電分離」 TPPに思うことども2

今日、NHKの『週間ニュース深読み』が
「電力料金の値上げ問題」
を取り上げていた。

コメンテーターは

「改革派」官僚
として名高い
古賀茂明氏と

国際環境経済研究所の
澤昭裕氏である。

脱原発を唱え、
電力会社による独占体制と
巨大な官僚利権を批判し、
発送電分離、電力自由化を
主張する古賀氏の主張は
他に聞く機会も多いと思われるので、
ここでは、
総括原価方式を擁護し、
守旧派の立場に立つ
澤昭裕氏の主張を紹介しておきたい。

澤氏の議論の骨子は次の通り。
1 電力は安定供給が求められる一方、
  備蓄が利かないという特性がある。
2 安定供給のための
  法的スキームとして
  電力会社には供給義務が
  課せられている。
3 安定供給を図るためには
  ピーク時に備えて
  企業利益を超えた余剰電力の確保が
  欠かせない。
4 電力会社には、
  不採算であっても余剰電力を
  確保させなければならない。
  その担保として
  総括原価方式による
  企業利益の保障が必要となる。
5 むろん、総括原価方式の
  原価算定は透明で公正なもの
  でなければならない。
6 電力不足気味な中での
  発送電分離は、却って
  電力料金の高騰を招く。

澤氏の主張は
主張自体を見れば、
至って穏当ではないか。

世論が
異論をほとんど認めない議論ほど
要警戒である。

今回は脱原発という
不動の市民感覚に根ざし、
東電・官僚憎しの
市民感情に発する
「発送電分離」である。

僕は、「発送電分離」
「電力自由化」の流れには
反対である。
この際、守旧派官僚的な主張である
澤氏の議論を擁護する。

発送電分離から電力自由化への
流れは、あまりにも危ういからだ。

ちょっと昔のことを
思い出してほしい。

----------------------------------
なぜ、これほど
私たちは忘れっぽいのだろう。

発送電分離、電力自由化が
何をもたらすかを示した事件から、
まだ10年しか経っていないのに、
澤氏すらその事件に触れようとしない。

2000年から2001年にかけて
カリフォルニア州を襲った
大停電
を忘れてしまったのだろうか。

長時間の停電が6回に及び、
数百万の住民が不自由し、
病院や銀行や工場が甚大な
損害を被った。

一連の停電の内、
前半は、備蓄電力の不足が
原因だったと言われる。

今の日本の議論では
あまり触れられていないが、
発送電を分離し、
電力を需給バランスで
調整しようとすれば、
余剰電力を常備する会社など
現れる筈もなかろう。
猛暑、酷寒の年には
当然、電力不足になるわけだ。

しかも、電力料金は
需給バランスによって
市場で調整されるから、
当然に電力料金は変動する。

暑い季節や寒い季節は
需給が逼迫し、
より高くなる。

暑さ、寒さも金次第、
入院患者の命も金次第なのである。

問題は、
カリフォルニアの大停電の後半は、
電力の売り惜しみによって
発生したとされていることだ。

不足気味の電力を
売り惜しむことで、
電力料金をつり上げ、
電力会社は
莫大な利益を挙げた。

売り惜しみによって儲けた
代表事例が
電力自由化の波に乗って
米国第7位の大企業に成長した
総合エネルギー会社エンロン
だった。

このとき、発電会社の電力売値は
平常時の100倍にまでつり上げられたと
言われている。


ちなみに、エンロンは、
2001年末、
粉飾決算の発覚によって
倒産した。
高名な会計監査法人が
損失隠しに加担していたことは
オリンパスと同じである。

-------------------------------
実は、発送電分離も電力自由化も、
TPP参加表明とともに
既定事実になっている。

何も、古賀氏のように
積極的に発送電分離を主張する
必要もないのだ。

TPPだけ実現すれば、
米国スタンダードになっていない
国内規制は全て廃棄される。

総括原価方式など米国にはないし、
電力自由化は米国スタンダードなのだから、
TPPによって、自動的に発送電分離が行われ、
電力は自由市場化される。

僕には、古賀氏は
小泉竹中「改革」路線の
別働隊として新自由主義を
擁護する論者に見える。
当然に、TPPについても
参加推進の立場にあろう。

TPPによって
受容せざるを得なくなる
発送電分離・電力自由化を、
恰も国民が自覚的に選択したように
見せかけるのが
現在の古賀氏の役割なのだろうか。

なぜTPP参加=電力自由化なのか。
それは、あらゆるサービスを
(資本移動にとって好都合なように)
自由化するというTPPの大前提を認めれば、
必然的にそうなるからだ。

論理的な説明には、
退屈な展開が必要になるから
またの機会に譲るが、

TPPにあっては
規制を留保することを
明示しない限り、
米国スタンダード
=グローバルスタンダード
に沿わない全ての規制は
違法になり、廃止される。
そして、
例外として規制を継続できる
範囲は極めて限定的だ。
おそらく1%未満である。

TPPによって、
何が起きるかは、
実は起こってみないと
わからない。
TPPは、
右派論客が主張しているとおり
国のあり方や社会・文化を
根底から覆す、おそろしく
大変なものなのである。

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