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2012年5月 3日 (木)

自民党憲法改正案の「矛盾の象徴」 天皇

憲法記念日にちなみ、4月27日に発表された自民党憲法改正案について、一言。

かといって、精密な分析は苦手なマチベンは、すぐに飽きるので、第1章までしか検討していない。


採り上げるのは、天皇に関する規定である。


どうもこの憲法改正案を作成した人は、論理ということを尊ばない人らしい。
その上、天皇制は大事であっても、現実に存在する天皇に対しては、配慮のない人らしい。
この憲法改正案は、矛盾の象徴だった天皇陛下のお悩みを、さらに深めてしまいそうである。
その意味では、自民党憲法改正案は、不忠の憲法改正案と呼ぶことができる。


この憲法改正案では、天皇を元首と定め、君が代日の丸を国歌・国旗と明記した上、国民に対して、これを尊重する義務を課している。
現憲法にある天皇=「国民統合の象徴」との規定は、そのまま残し、むしろ前文冒頭に明記する等、「国民統合の象徴」としての天皇の性格を強めるものになっている。


ここで、天皇の性格付や、天皇に直接、関わる事項は、
① 国民統合の象徴
② 元首
③ 君が代(国民の尊重義務付)
の3点である。


君が代を問題にするのは、君が代の「君」はまさに君主制の意味の「君」であり、君が代は君主である天皇の御代の永からんことを願う歌だからである(僕の小さい頃、愛知県の小中学校では、教師から「君が代」の「君」は、あなたという意味だとか、恋人という意味だとか、訳のわからない説明をされて君が代を歌うように指導されたが、さすがに今は、こんなことを言う教員はいないだろう)

 

さて、問題は①「国民統合の象徴」と、③の君が代尊重義務が論理的に両立するか否かである。

この問題は、今の日本国で圧倒的な少数者である当の天皇の立場から、考えると、わかりやすい。


まず、事実から確認する。


天皇は、君が代を歌わない。
皇后は、君が代を歌うが、天皇は歌わない。
しかし、天皇の様子を窺うと、君が代斉唱の間、何やら、居心地の悪そうな趣である。


現在の天皇が、君が代・日の丸の強制に懸念を示したことがあるためなどと解釈するのは、皮相な理解だ。天皇は、論理的に物事を考えて、このような態度を示しているのだと思う。


つまり、こういうことだ。
君が代は、国民が、天皇の御代の永からんことを願う歌であって、ご本人が歌うべき歌ではない。
したがって、天皇自らは、歌うべきではない。


他方、「国民の象徴」としての天皇としては、国民が歌うべきものとされる国歌を歌わなければならないというプレッシャーが働く。
したがって、歌わないにしても、「国民の統合」として国歌に対して何かしらの同調をしなければならない。


二律背反である。
天皇自身にしてみれば、この矛盾を痛感せざるを得ない。
そのために君が代が斉唱される度に、居心地が悪そうに沈黙するのだ。


これまでだって、天皇は、悩んできた。
自民党の憲法改正案は、天皇の悩みをいっそう深くする。
なぜなら、天皇を「国民の象徴」とする規定を強化した上、君が代を国歌と明記して、国民の尊重義務を課すからである。


「国民統合の象徴」である天皇しては、どのように処したらよいか、出口のない、決定的な論理矛盾の焦点に身を置かされることになる。


その程度の想像力は、憲法改正案を提案するなら、あってしかるべきだ。
しかるに、その想像力が欠落するがゆえに、天皇に対する配慮を欠く不忠の憲法改正案となってしまっている。論理力だけでなく、思いやりも欠いた人が起草したとしか思われない。

議論の土俵に上がる前から、第一章(前文)から論理矛盾を犯してズッコケている案は、「改正案」など名乗る資格もない。現憲法の論理一貫性に学んで、さっさと取り下げて出直すべきである。


その際、矛盾を解消するには、2つ方法がある。
一つ目は、君が代を国歌とすることを止めることである。別の国歌を作るのであれば、天皇も遠慮なく、国歌を歌うことができよう。
二つ目は、天皇を「国民統合の象徴」とすることを止めることである。そうすれば、天皇は、君が代を歌うべき立場にないことが明白になる。但し、この場合、「元首」としての世襲制の天皇と「国民主権」原則との折り合いをどう付けるのか、的確な論理が求められる。


現憲法は、押しつけ憲法であるとして、自主憲法制定を党是とする自民党であるが、せっかく保守層の先人が知恵を絞って占領軍から守り抜いた「国体」にまで浅知恵で手を付けようとするのは、いかがなものであろうか。

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