何をしておる!日弁連 宮崎学の子分
宮崎学の子分である。面識はまだない。
日弁連の話題なのだから、マチベンに書けと言ったが、怖くて書けん、暴力団は嫌いだとほざく。
仕方がないので、わしが書くことになった。
さて、日弁連の機関誌『自由と正義』5月号にこんな予告記事が掲載された。
6月号では、『反社会的勢力に対する日弁連・弁護士会の取組』を特集するという。
頭がくらくらしたぞ。
少数者の人権を擁護する日弁連の使命はどこに行ったのか。
先日は、東京弁護士会の機関誌が暴力団排除を特集しておった。
高い使命感をもって、身命を賭して、暴力団排除に取り組んでおるのであろうが、見識が狭い。
暴力団排除を高く掲げる弁護士は、コマーシャリズムに乗って過払金の客寄せを図った弁護士たちの姿に重なる。
俺の目には、弁護士が、暴力団排除を理由に企業法務に食い込もうとしているように見えてならん。
新法・新条例の制定は、企業法務の新分野を開拓する、弁護士のための新手の公共事業のようだ。
公共事業の割に金がかからん、なぞと見過ごすことはできん。
『反社会的勢力』と来た。
言っておくが、もともと、この言葉は、『平場の重さん』と同じように、警察業界の隠語だぞ。
ナチス政権下の牧師が残した言葉にこんなのがある。
「ナチ党が共産主義を攻撃したとき、私は自分が多少不安だったが、共産主義者でなかったから何もしなかった。
ついでナチ党は社会主義者を攻撃した。私は前よりも不安だったが、社会主義者ではなかったから何もしなかった。
ついで学校が、新聞が、ユダヤ人等々が攻撃された。私はずっと不安だったが、まだ何もしなかった。
ナチ党はついに教会を攻撃した。私は牧師だったから行動した―しかし、それは遅すぎた。」
― 『彼らが最初共産主義者を攻撃したとき』
共産主義を暴力団に置き換えれば、酷似しておる。
念のためにいえば、当時は、どこの国の共産主義者も暴力革命を唱えておったから、一般市民にとっては、得体の知れぬ怖い存在である点で、暴力団とさして変わりなかったとも言えるな。
わしが、警察庁長官であれば、次のような祝辞を送りたいところだ。
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祝 辞
『反社会的勢力』とは、もともと、警察用語でしたが、このたび、日弁連でも機関誌で正式に採用され、日の目を見ることとなったのは、誠に喜ばしいところです。
私どもは、さしあたり、暴力団の排除に全力を尽くして来たわけでありますが、巧妙化する手口を踏まえ、暴力団を排除するためには、『反社会的勢力』全般を排除しなければならないことは言うまでもないところであります。
ちなみに、警察白書では、これまでも、暴力団はむろん、オウム真理教、右翼、過激派、共産党等、『反社会的勢力』の動向に注目してきたところです。近時の特徴としては、反グローバリズム運動、米軍基地再編、雇用問題等に関係した大衆運動にも『反社会的勢力』の浸透が見られるところであります。
このところ、顧問弁護士の企業法務技術の向上がめざましく、各企業で、競うようにして『反社会的勢力』の排除に向けての努力が重ねられていることは、警察庁としても、予想外の進展と受け止めております。
中でも、グーグルで「反社会的勢力 定義」で検索して1番上に出てくる水戸証券の定義はA4・1枚に『反社会的勢力』を網羅したものとして、秀逸で、顧問弁護士の力量が大きく寄与しているものと思われます。
この定義では、総会屋はむろんですが、「社会運動ゴロ」等も含んでおり、最終項では、「前各号に準ずる者のほか、暴力的または不当な要求行為等により市民社会の秩序や安全に脅威を及ぼす団体または個人等、当社で定める者」として、およそ反社会的と考えられるあらゆる者を排除することのできる応用性にすぐれた定義となっております。
この最終項は、自民党の憲法改正案の21条2項「公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的とした結社をすることは認められない」とする表現の自由の制限規定と連動しており、大きく将来を見据えたものといえましょう。
また、企業の中には、定義の中に、「威力」を用いる行為者を「反社会的勢力」に包含して排除しようとするなど、行為者の属性でなく、行為の特性に着目した定義を用い、今後、企業や政府に対する示威活動、平たく言うとデモなどに対しても、柔軟かつ有効に対応できるよう工夫をこらした例もあります。
パレードもむろん主張内容如何によって、「威力」を用いているものであることはいうまでもなく、こうした広範囲な活動に『反社会的勢力』の定義を及ぼそうとする努力は心強い限りであります。
日弁連の会員各位の熱意と努力により、警察関係者の悲願とも言える『反社会的勢力』の駆逐に向けて、めざましい努力が重ねられていることには、往時の日弁連を知るものとして、誠に感慨深いものがあり、感謝に耐えないところであります。
今般、こうした成果を踏まえて、日弁連が、日弁連と単位会を挙げて、反社会的勢力と闘うことを機関誌において堂々と宣言・表明され、会員の結束を示されたことは、日弁連の長き歴史の中でも、画期をなす新たな頁を開くものとして誠に慶賀に堪えない次第であります。
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【マチベンの言い訳】
マチベンは、暴力団は嫌いである。
最初に入った法律事務所が、暴力団員からの依頼を禁止し、暴力団を排除していたので、爾来30年、マチベンは一度も暴力団員の依頼を受けたことがない。
暴力団関係者とわかれば、依頼を断ってきたし、依頼後に、暴力団関係者とわかれば、たとえ金目の事件でも、即刻、辞任してきた。
最も暴力団関係者の排除に努力してきた者として30年のキャリアには矜持がある。
しかし、『反社会的勢力』となると話は別だ。
いずれ、喫煙者である我が身に及ぶ可能性も、考えなければならない。社会通念次第で、タバコの煙は、「威力」に当たりかねない。
公然と『排除』を謳う社会が住みやすい筈がないのは、自称「宮崎学の子分」さんのおっしゃるとおりで、「『我々』と『敵』」という線引き問題は、課題が達成されそうになれば、次々に新たな線引きを繰り返すことになるのは、歴史が示すとおりだ。
つきましては、日弁連には猛省を求めたく、かと言って、公然と物を言う勇気もありませんので、子分さんにブログをお貸しした次第であります。
これも利益供与というのだろうか?
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