「スーパークールビズ」の法解釈
裁判所の帰り、車のラジオから、今年は昨年を上回る「スーパークールビズ」が実施されるとのニュースが流れた。
運転をしながらの聞き流しなので、詳しい内容は聞き取ってはいない。
最近、何やらめっきり妄想癖が強くなったので、さっそく、ひらめいた。
助手席に乗っていた純情なイソ弁君に「『スーパー』って言うんだから、きっとホットパンツ、OKになるんだぞ」と話しかける。
即答がないので、
「えっと、ホットパンツって言葉、今は使わないの?」と具体的な質問を投げかけてみる。
「えぇ、普通に使いますよ」イソ弁君は至って真面目である。
以下、「マ」がマチベン
「イ」がイソ弁君である。
マ「だから、裁判所の書記官が、ホットパンツとキャミで仕事してたら、めっちゃ楽しくない?職場に来るのが楽しみで楽しみで、仕事の能率、ばりばりに上がるよ」
イ「気になって、仕事が手に付かないかも知れないじゃないですか」
マ「いや、絶対に能率上がりまくりになる。僕は、用がなくても裁判所へ行く。夏場は、無理に事件を作ってでも裁判所へ行くようにする。そうすれば、弁護士業界の不景気も少しは改善するのだ!!」
イ「……(先生、妄想ばかりしないで、もう少し冷静になってもらいたい。こんなんで、食ってけるのか不安になるよ)」
事務所に戻って、昼飯時、イソ弁君は、いつものようにネットサーフィンである。スーパークールビズのニュース記事を見つけたようである。
イ「先生、ホットパンツだめみたいですよ」
マ「え゛~、そんなバカな!」
イ「ホラ、ランニングシャツや短パンはだめだってあるじゃないですか」
マ「やる気を失うようなニュース教えるな、バカ」
いや、それにしても、イソ弁は役に立つ。雇ってみるもんだ。
愚かなマチベンが、誤解したまま、事実に反する間違ったブログを書く窮地から救ってくれた。
しかし、マチベンは、こういう夢のある話には、しつこい。
引用ニュースは信用ならん。
原典はどこだ。
とにかく、ホットパンツ、キャミOKにしてくれれば、いい歳になったマチベンは生きてきてよかったと思えるのだ。生き甲斐が増えるのだ。
しばし、ネット検索に耽る。
見つけた、見つけた。
ニュース元は環境省のページである。
クーラーよりはるかに節電効果にすぐれている(らしい)テレビには当然、触れていない。
やたらクーラーが憎いらしい。弱冷にしろだとか、一室に寄り集まってクーラーの運転台数を減らせだとか、お節介である。
いろいろ検索しているうちに、ホットパンツ・ダメ説の根拠を見つけた。
じゃーん
「環境省におけるクールビズの服装の可否」
なのだ。
さっそく、これをイソ弁君に見せて仕事中のイソ弁君の邪魔をする。
マ「確かに、これでは、ホットパンツはだめだなぁ。ハーフパンツがダメとなってるもんなぁ」
イ「それにしても、これって、学校の遠足の持ち物リストみたいですね。これはいい、とか、あれはダメ、とか。むちゃくちゃ細かいですよね」
マ「そういえば、そうだなぁ。環境省は、大人相手に、こんな細かい指示するんだな…俺の中学校時代の校則を思い出すよ。」
イソ弁君、君は偉いぞ。
重要なポイントに気づいた。
管理されることに馴れきっている者では、気づかぬ論点である。
現に管理に馴れきったマスコミの誰も、この問題を論点にしようとしない。
イソ弁君には確認したことがないが、君は、司法試験では、憲法は得意科目だったに違いない。俺が採点官だったら即、合格である。
それにしても、だ。
こんな細かな指示書をトップエリートの大人が喜んで押し頂いている国は、もう末期状態だ。
それはともかく、ここには、ハーフパンツはダメとある。ハーフでダメなのだから、確かにホットパンツはだめとなるのであろう。
しかし、だ
キャミはだめとは、どこにもない。
ランニングシャツはだめとあるが、キャミはランニングシャツとは別物である。
夏の一般的なファッションであるキャミについては、敢えて触れていないのだから、これはOKということと理解してよいだろう。
少なくとも、ランニングシャツより露出の少ないキャミであれば、絶対にOKである。
こういうのを法解釈という。念のため。これが、弁護士の仕事である。一説には牽強付会ともいう。
さらに、緻密(牽強付会)な法解釈を進める。
確かにホットパンツは、だめであるが、ミニスカートがダメとはどこにも書いていないではないか
環境省も粋な計らいをするもんだ。
マチベンとしては、ホットパンツに対する郷愁もあって、ホットパンツも捨てがたいが、ミニスカートも悪くない。膝上何㎝までという制限も明記されていないから、超ミニもありである。
したがって、緻密な法解釈の結果、明記されていない、キャミと超ミニスカートの組み合わせはOKである。
また、検討経過は省くが、胸元がチラリとしそうな無地のTシャツはOKのようである。
今日の結論がこれで出た。環境省が音頭をとって、夏のビジネスシーン公認スタイルとして、キャミと超ミニの組み合わせを認めてくれたのである。
節電、節電で、苦しめられるのであるから、少しは楽しみがほしい。
女性はおしゃれしたいし、男は、ぬすみ見しながら、ときめいて仕事がしたい。
環境省のお陰で、しっかり、この夏は、楽しくなりそうだ。
この夏は、裁判所へ行くのが一段と楽しみである。
なお、この法解釈の正確性は、全く保証の限りではないから、この記事にしたがって、職場で顰蹙をかってもマチベンは責任を持たない。各自の勇気と創意工夫によってこそ、初めて管理は突破できるのだ。
なお、書いていないのは、当然にダメだから書いていない、という当然解釈というものもある(ちょっと違うかも知れないが、ま、わかりやすいたとえと思ってもらいたい)。たとえば、環境省の親切な着用リストに、下着は明記されていないのだから、ブラとパンティだけで「スーパークールビズ」としてOKかというと、これはもちろんダメである。そんな非常識なことをする奴はいないという前提があるから、わざわざ書いていないだけなのである。したがって、キャミを「下着」と解する頭の固い男性裁判官に当たると、キャミが明記されていないのは、当然すぎるから明記されていないだけで、当然、ダメに決まっていると、されるのである。
告知 8月5日(日)午前11時から2時間程度の予定で、名古屋市内で、ブログ読者感謝パーティーを行います。
詳細は、後日、お知らせしますので、マチベンから感謝されてもいいと思う方は、予定を空けておいてくださいな。(^^)V
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