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2012年8月27日 (月)

やるじゃない愛知県弁護士会 原子力基本法改定の撤回を求める

さる6月20日、原子力利用に関する憲法ともいえる原子力基本法が改正され、原子力利用目的の条項の中に「我が国の安全保障」との文言が挿入された。
原子力の軍事利用を認める趣旨に受け止められてもやむを得ない改定である。
少なくとも、こうした文言の導入が将来の「核保有」に向けての第1歩となり得ることは明らかである。

核武装を否定しない産経新聞及び原発=「核抑止力」論に立つ読売新聞を除く各新聞は、この文言を削除するように再改正を求める社説を一斉に展開した。

そうした中、日弁連は、「深く憂慮する」との見解にとどめる独自の会長声明を出している。
率直に言って、マチベンは、そうした煮え切らない態度は不満である。
日弁連が核武装の徴候にすら、撤回を求める意見を出さないということは信じられない思いである。


そうした中、愛知県弁護士会は、全国の弁護士会に先駆けて(と思う)、原子力基本法の再改定を求める会長声明を発したので、ご紹介する。
http://www.aiben.jp/page/frombars/topics2/626genshiryoku.html

「当会は、以上に述べたような、平和主義、民主主義という日本国憲法の基本理念に抵触する基本法の今回の改定に断固として反対し、次期国会において直ちに撤回・再改正することを強く求めるものである。」

との結論である。立場は極めて明確である。


マスゴミと揶揄される商業新聞すら削除を求める危険きわまりない文言(「我が国安全保障」)を追認するのは、少なくとも僕の近しい日弁連の方々も、本意ではなかったのではないかと拝察する。
日弁連の中のどのような事情がこのような事態を招いているのか、ヒラ弁には計り知れないが(多くの弁護士が貧窮化していることが無縁ではないことはわかるのだが)、なぜだか今、日弁連は、やたらに保守的になってしまった。

愛知県弁護士会が表明した意見は、かつての日弁連であれば、当然かくあったであろうと思われるものである。
日弁連が当てにならないのなら、単位会(各地の弁護士会)に頑張ってほしい。
各弁護士会も、是非、明確に再改正を求める意見を公表して、地元選出議員に再改正を働きかける活動をするべきだと思っている。

後に続く弁護士会を期待する次第である。


原子力基本法改定に関する会長声明
                                            
 本年6月20日、原子力規制委員会設置法(以下「設置法」という)が成立した。
 従前、原子力基本法(以下「基本法」という)第2条は、「原子力の研究、開発及び利用は、平和の目的に限り、安全の確保を旨として、民主的な運営の下 に、自主的にこれを行うものとし、その成果を公開し、進んで国際協力に資するものとする。」と定めていた。ところが、設置法附則第12条は、基本法第2条 を改定し、「原子力の研究、開発及び利用」という文言を「原子力利用」に改め、さらに、2項として「安全の確保については、確立された国際的な基準を踏ま え、国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全並びに我が国の安全保障に資することを目的として、行うものとする。」という条項を追加するというもので ある。
 これら設置法及び基本法の改定には、以下の点で極めて重大且つ深刻な問題が包含されているものと言わざるを得ない。

1 原子力の軍事転用を許す解釈が可能であること
  基本法第2条に2項として追加された「確立された国際的な基準」、「国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全」、「我が国の安全保障に資する」という文言については、いずれも定義規定がなく、いかようにも拡大解釈ができる危険性を孕んでいる。
  とりわけ、「我が国の安全保障に資する」という文言が掲げられたことは、将来、我が国の原子力を、軍事のために利用する途を開くものである。
  この点、国会における審議において、安全保障を掲げることにより軍事転用を図ることはないとの答弁がなされ、また、附帯決議において、「我が国の非核 三原則はもとより核不拡散についての原則を覆すものではないということを国民に対して丁寧に説明するように努めること」とされてはいるが、軍事的転用への 懸念を払拭するには到底不十分である。
  また、「安全保障」を目的に掲げることにより、原子力に関する事項が国家機密とされ、「民主・自主・公開」という原子力利用三原則が骨抜きにされる恐れも多分に存在する。
  そもそも日本国憲法第9条は、「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と し、「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」と定める。原子力の軍事転用が「武力による威嚇」に該当し、憲法が保持を禁ず る「戦力」に該当することは明らかである。
  我が国は、原子爆弾の投下による被害を受けた唯一の被爆国であり、広島と長崎に投下された原子爆弾によって20万人以上もの人が亡くなり、今なお多く の被爆者が深刻な健康被害に苦しんでいる。このような深い傷跡を持つ我が国において、本法の如き原子力の軍事転用の余地を認めるような法改定がなされるこ とは絶対に許されない。
  

2 立法過程に問題があること
  設置法案は、本年6月15日に衆議院に提出され、可決された後に至っても、国会のホームページにすらその内容が掲げられず、国民に全く周知されないま ま、衆議院に提出されてからわずか6日間という極めて短期間で参議院においても可決されてしまった。このような状況の下では、同法案の成立につき、国会に おける議論は言うまでもなく、充分な国民的議論がなされたとは言えないことは明らかであり、かような立法がまかり通ることは、国会の空洞化はもちろん、民 主主義の崩壊をも招くものと言って過言でない。
  また、そもそも、福島原発事故の教訓から原子力規制機関を設けることになったという、設置法の立法経緯に鑑みれば、基本法に「安全保障」条項を加えるということが、その立法目的から大きく外れたものであり、国民的合意の下になされたものでないことは明らかである。
  さらに、基本法改定が、原子力基本法の核心的部分ともいうべき目的条項を個別法たる設置法の附則によって改定したものであるという点についても立法技術的にも極めて不自然であり、法改正のあり方自体に疑義を持たざるを得ない。
 
  当会は、以上に述べたような、平和主義、民主主義という日本国憲法の基本理念に抵触する基本法の今回の改定に断固として反対し、次期国会において直ちに撤回・再改正することを強く求めるものである。
                                                                               
                                                       

2012年(平成24年)8月21日

愛知県弁護士会 会長 纐纈和義

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