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2012年11月の12件の記事

2012年11月30日 (金)

関西電力は卑劣なでっち上げによる脱原発運動の弾圧をやめよ

関西電力名古屋支店前における大飯原発再稼働反対行動の参加者に対して、愛知県東警察署が不当捜査を行っていることは11月16日に既報である。


本来的に出入り自由な普通のオフィスビルに警備員の了解を得て入っただけで、「建造物侵入」の容疑がかけられている。
こんなことをされては、日常生活も、いつしょっぴかれるか、怖くておちおち出かけることもできない。


さて、フタを開けたら、やっぱり公安筋の事件は仕組みが違う。
「被疑者2名は、共謀の上、『警備員の制止を振り切って』、ビルに侵入した」との容疑だった。
弁護団は何度も本人たちに確認している。
そんなことは、絶対にあり得ない。
完全なでっち上げである。
そもそも当時の模様は、関西電力の監視ビデオに映っているはずであるから、制止を振り切ったという客観的事実があれば、本人の事情聴取など必要ないはずだ。
公安筋の手口であれば、事情聴取をすっとばして、逮捕できたはずだ。

客観的証拠がないから、無理にでも「制止を振り切った」と言わせて、事件をでっち上げようとする。

原子力ムラのやることはどこまでも醜い。

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週刊金曜日(2012年12月19日)

JANJAN Blog(2012年12月18日)

2012年11月28日 (水)

未来の党 断然支持

 3・11後、初の総選挙なのに、大きな争点であるはずの「原発」の議論が欠けていた。嘉田由紀子滋賀県知事が脱原発の新党「日本未来の党」の結成を発表した。民意のよき受け皿になってほしい。

 嘉田氏は「今のままでは投票する政党がないとの声を聞く。真の第三極をつくりたい」と述べた。

(中略)

 琵琶湖博物館の学芸員でもあった嘉田氏は「経済性だけで原子力政策を推進することは、国家としての品格を失い、地球倫理上も許されない」と強調した。

  原発事故後の日本は、一体どんな選択をするのか。どんな未来を築くのか。世界も注視する選挙なのである。

中日新聞11月28日社説「脱原発新党 民意の受け皿に

いや、中日新聞さんのおっしゃるとおりで、政局あって政策なし、右翼度を競う第三極争いにうんざりして、気分が重くなっておりました。


棄権しかないかと思っていましたが、ようやくきちんとした対立軸を示した政党ができて歓迎です。新党「日本未来の党」断然支持です。


小沢一郎氏の隠れ蓑みたいに批判されていますが、小沢一郎は冤罪事件の被害者です。法的・道徳的に非難される要素は、ないはずです。僕は、アフガニスタンに陸上自衛隊を派遣するとしていた彼の安全保障政策に反対ですし、安全保障政策は、完全にすれ違いそうですが、他に取り立てて問題があるとは思えないです。実質野党第1党の生活をとことん無視する報道姿勢に対して、嘉田知事との連携を模索していたのなら、政治家としての手腕は、やはり並大抵ではないでしょう。豪腕だけではなく、策略家としても一流だと感じました。


この10年来、小沢一郎ほど執拗な権力的迫害を受けた政治家はいないでしょう。実力者に対するこれほどの迫害は、アメリカの存在を抜きには考えられないところです。対米隷属化した我が国で、ぶれない何かがあるからだと、植民地支配の抵抗者としては思ってしまいます。それに耐えて完全無罪を勝ち取った事実は決して小さくないと思います。


という訳で、嘉田さんのお陰で、ようやくまともな受け皿ができました。


お陰で、ようやくすっきりしました。


嘉田さん、小沢さん、谷岡さん、鈴木さん、頑張ってください。

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2012年11月27日 (火)

暴走老人→暴走看板

今朝の中日新聞に「原発ゼロ 目指さない 維新・石原代表が方針」との記事がある。

日本維新の会の石原慎太郎代表は二十六日、本紙などのインタビューで、現時点で「原発ゼロ」を目指す考えがないことを明らかにした。

 橋下徹代表代行(大阪市長)が「原発ゼロに向けてやる」と主張していることについて石原氏は「個人的な発言だと理解している」と、党方針ではないとの考えを示した。

 

ちょうど同じ今朝のフジテレビで、橋下『代表代行』が、みどりの風の谷岡郁子氏らとの討論で、何度も「『原発ゼロ』を目指す」としてやり合っていたのは、もはや笑い話だ。


党の代表の「暴走老人」が明言していることを、代表代行が否定するのでは、野合どころではない。政策の第一番でハナから対立する立場にあるということだ。政策なんてのは付けかえ自由の看板だとはいえ、かの民主党すら選挙前から、代表と副代表・幹事長の言うことが食い違うなんてことはなかったよなあ。


『軒を貸して母屋を取られる』ということわざがあるが、さしずめこれは『看板を借りて母屋も取られた』風である。

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2012年11月20日 (火)

弁護士が足りない! 司法改革の成功

僕が弁護士になったばかりの、今から30年前、中川民商弾圧事件という事件があった。
「民商」という組織があるということは、憲法判例がいくつも残っているから、司法試験受験生なら、必ず知っている。
憲法判例になったのは、各地で何度も弾圧され、ぎりぎりの憲法論・法律論を闘わせた歴史があるからだ。


民商に対する弾圧の手口は、いつも同じで、納税者(自営業者)に対して、挑発的で高圧的な税務調査を実施する。
納税者が、挑発に乗ってしまって感情的になったときに、些細な行動を「公務執行妨害、傷害」にでっち上げて、突然、二十名規模で自宅へ押しかけて、逮捕・捜索する。
事件とは何の関係もない民商の名簿やビラを押収していく。


この手口の事件が、名古屋でも30年前(82年)のちょうど今頃、初めて起きた。
新人だった僕が10名ほどの弁護団の事務局長にされた。


僕が入った事務所は弁護士10人くらいの規模の名古屋ではそこそこ大きな事務所だった。


逮捕当日午前10時頃、民商の事務局や家族が相談に訪れた。
たまたま事務所に残っていた、当時経験5年目のM2弁護士と、弁護士経験半年ほどの僕が、相談を受けていた。


そこへ、事務所創設者・所長格で、現在は過労死弁護団で全国的に知られているM1弁護士が事務所に戻った。
相談室に入るや、突然、彼は怒鳴った。
「何をやってるんだ、すぐ接見に行かんか!」thunder


M1弁護士はスーパーマンと呼ばれ、恐れられていた。
彼に怒鳴られると、ああもこうもない事務所だった。
その日の昼頃には、Aさんが逮捕された警察署へ事務所の弁護士数名が集まっていた。
接見をさせろ、させないの押し問答が延々と続く。


弁護団は、取調室のあるとおぼしき刑事部屋まで入って、「すぐAさんと会わせろ」と要求する。それでも警察は、絶対に会わせようとはしない。


執拗な接見拒否は、調書を作るための時間稼ぎだと気づいた弁護団は、Aさんの捜索に入った。
今は有名な再審事件の弁護団長になっているS弁護士らが、刑事部屋や廊下を動き回って「Aさん、どこにいる」と大声を張り上げる。
警察は苦り切っている。
そこへ「ここです」とAさんの声。
間をおかず、動物的な勘に秀でたM2弁護士は「Aさん、署名するな」と声を張り上げる。「はい!」とAさんの返事が聞こえる。
この騒動の後、ようやく接見できた。Aさんは、調書はすでに作成され、署名寸前だったと語った。
すんでのところで、調書の作成を止めることができたのだ。


この手の事件は、警察側には、真相究明の意思はなく、ただ被疑者を巧みに陥れるという悪意・害意があるだけなので、説得しても無駄である。
素直に聴取に応じれば、筋書きにしたがった調書を巧みに作って、署名させられるのが落ちである。
調書のねつ造や、証拠の作為は、特捜に限ったことではない。
公安関係の警察のやることは、昔も今もねつ造、こじつけ、誇張、歪曲に満ちている。


弁護団は、警察は税務署の味方であって、Aさんが分かってもらおうと思って話しても絶対に受け付けないことを説明して、Aさんに黙秘するように勧めた。
Aさんは、起訴されるまで20日間の勾留期間、黙秘を貫いた。


連日、手練手管を尽くした取り調べが続くことを考えれば、黙秘を続けることは実際は、容易なことではない。
よほど強い覚悟が必要である。
弁護団は、勾留中、検察や警察の取り調べが開始される前の時間である午前8時30分と午後に分担して連日、接見し続けた。
夕方には、警察署や拘置所の前で、民商の人たちが集まってAさんに声が届くように「Aさん、頑張れ」とシュプレヒコールを挙げて、Aさんを励ました。
検察や警察の取り調べは巧みだ。
黙秘を貫くには、弁護士や運動団体が、Aさんを励まし続けることが必要なのだ。


黙秘をしたAさんは、起訴後も釈放されることなく、保釈まで、33日間、勾留された。
自白しなければ、裁判所は第1回期日前に保釈を認めることはまずない。
人質司法と言われる所以である。


Aさんが勾留されていた33日間、毎日の接見は続いた。
事務所一丸となって闘った事件だった。
そして、事務所一丸となって闘ったといえる最後の事件だった。


弁護団は、Aさんが、釈放されるまで、土日もなく、連日、事件のために動き回り、日常の事件もこなしていたので、弁護団会議は、いつも深夜10時や12時に始まるのが常だった。
そんな時代だった。


確かにこの頃、基本的人権と社会正義の実現が弁護士の共通目標だった。
少なくとも建前としては、それが最も重要なことを誰も否定しなかった。


時代の流れもあるだろう。


大飯原発再稼働反対関西電力名古屋支店弾圧事件では、中心になっているのは、ほぼ30年以上のキャリア組が実働部隊の大半を占める。
おじさんおばさん弁護団である。


名古屋の弁護士の数は、30年前のほぼ3倍になった。
10年未満の経験の若手弁護士がほぼ半数を占める。


しかし、不正義に対して、声を上げた市民を守るために、立ち上がる若手弁護士は足りない。


弁護士は数だけ増やせばいいのか、もっと増やせば、どんどん若手が手弁当の弁護団に加わるのか。
そんな訳はないだろう。


脱原発に立ち上がる市民の少なくない部分が若い人なのだから、時代のためだけでは説明できない。
司法改革は、営利追求に走らざるを得ないように弁護士を変質させた。
生存をかけた利益追求に晒されるとき、そうした経験のなかった者にかかるストレスはすさまじい。強い者に縋り、寄りかかりたくなる。
実際、僕は、リーマンショックに端を発する経営難に直面して鬱になったとき、何物にも逆らうことなく、大樹に寄ることを本気で考えたし、強い者に反発する生き方をしてきたことを心底、後悔した。
僕がかろうじて自分を保ったのは、そうでない生き方が僕にはできないということを確認せざるを得なかったからに過ぎない。


原子力ムラに代表されるような利権集団にとって、司法改革は、狙い通りに成功したのだ。

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2012年11月16日 (金)

脱原発運動を弾圧する公安警察に対して、抗議する

さる11月9日、弁護士6名で、愛知県東警察署警備課に抗議の申し入れに赴いた。


東署は、今年5月、大飯原発再稼働の前、関西電力名古屋支社に対して再稼働反対の運動に参加した人に対して、5ヶ月も経過した10月末頃になってから、執拗に呼出をかけている。


警備員の了解を得て関西電力名古屋支社の入っているビルに入り、関西電力名古屋支社の受付まで行ったが、受付がすでに閉まっており、ビルから退去したという行為が、「建造物侵入」の容疑があるというのだ。


この容疑で、警備課は、何度となく執拗に当事者に出頭要求の電話をかけ、複数名で自宅にまで来て、出頭を要請した。


警察から執拗に呼び出しを受け、自宅にまで来られれば、本人も家族も不安に怯える。8月には、交際相手の女性の勤務先にまで、照会をかけているという。警察から照会されたとなれば、何かやったかと思われるだろう。名誉にも関わる行為だ。


N弁護士を初めとする弁護士6名で、東署警備課に対して、嫌疑もない、不当な出頭要請であると抗議に赴いたのである。


警備課は、捜査上の秘密を理由として、当事者が「被疑者」に当たるとする以外、被害届の有無も含めて、一切を明かさず、任意の範囲で事情聴取のお願いをしていると繰り返すばかりで、非を認める姿勢など、全くなかった。


他のテナント事務所も入ったオフィスビルに、平穏に入っただけで、「建造物侵入」なぞという犯罪など、成立するはずもない。


そんなことで、警察沙汰になるようでは、一般市民は普通の生活すらできない。


こういうときに些細な口実で、刑事事件に仕立てて、市民を脅かすのが、いわゆる公安警備の警察である。


普通なら、マチベンは、刑事にも「あんたも原発はいやでしょう」と語りかけるところだが、公安警備は、脱原発を主張する市民運動は、「反社会的勢力」というレッテル貼って敵視するという特殊な思考回路を持っている。聞く耳がないのだ。


大飯原発再稼働をきっかけに原発ムラは、すっかり開き直って、横暴を極めている。


あまり報道されないので、知られていないかもしれないが、脱原発のデモでは、東京、大阪、福岡などで、不当逮捕や不当捜索がなされ、脱原発運動に対する弾圧が始まっている。


福島第一原発の事故は、故郷を追われた数十万人の被害者を生んだ。事故後しばらくは、避難地区を回避するために迂回搬送されたために命を落とした患者も少なくなかった。今も避難生活のストレス死や自殺者が後を絶たない。除染には、気の遠くなる歳月を要する。
そして、今後、何十年かにわたって、放射能が原因で命を奪われる多数の被害者が確実に出る。
我が国の歴史上、未曾有の被害を出した、大規模な犯罪的事件だろう。


本来国民を守ることを使命とする警察が、原発事故の犯罪性に目を背けて、原発をやめさせようと立ち上がった市民に対して、些細な口実で、脅しをかけ、逮捕監禁したりしているのだ。


許されることではないと、僕は思う。


市民が本当に声を上げることができるように、こういうときこそ、弁護士が必要だろう。脱原発に向けた思いを同じくするというだけで、無償でも機敏に動く弁護士が必要だと僕は思う。

必要だと思ったから、空いている時間があったので、東署に赴いたのだ。


弁護士幹部の多い民主党が、脱原発依存だというのなら、同じ声を上げている市民に対して各地で続く警察の横暴を直ちに止めさせるべきだ。
維新の会が脱原発を基本政策として主張するというのなら、自覚的な市民に対する弾圧に断固抗議するべきだ。


そういう声が政界から全く聞こえない。
警察の弾圧を覆い隠したまま、脱原発を主張するのは、選挙向けのポーズでしかないと僕は思う。

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2012年11月13日 (火)

守られた「司法の独立」 小沢一郎高裁判決

昨11月12日、東京高等裁判所は、指定弁護士の控訴を棄却し、改めて小沢一郎に無罪を言い渡した。


僕の問題意識は、司法の独立が『民意』の名によって脅かされることがあってはならないというものであった。司法のよって立つ原理は民主主義原理とは相容れないとするのが僕の基本的立場である。


司法の危機 検察審査会という名の民主主義(2010年10月5日)


検察審査会の起訴議決は、極めて不可解で、最高裁事務総局の介在を指摘する議論まで出ていた。
純粋に法律的に見る限り、この裁判は無罪しかあり得なかったと思っていた。しかし、仮に、起訴議決に最高裁が関与しているとすれば、有罪判決がなされる可能性がないとは言えない。


司法の業界に身を置く者として、民主党の反小沢派の影響力が及ぶのは、せいぜい東京地裁の検察審査会止まりで、最高裁まで動かすことはできないだろうと考えていたが(アメリカに小沢排除の意図があるのは明らかだが、強制起訴は、アメリカの意向を踏まえた民主党反小沢派が独自に動いたものに見えてならない)、それでも、高裁判決が出るまで、一抹の不安が拭えなかった。


したがって、高裁判決によって、かろうじて「司法の独立」が守られたことに安堵している。


高裁判決は、小沢氏の秘書についても虚偽記載の故意を否定したと報道されている。


一審判決の要旨を検討した結果、僕は、6月21日付で「改めて小沢一郎の無罪判決を読み解く」で以下のとおり記した。


秘書の有罪判決でも、まさか8億円借りたとは思わなかったという言い分が通らなかっただけであろう。

しかし、僕に言わせれば、これは単純な記帳ミスで、過失なのだから、故意を前提とする政治資金規正法の虚偽記載罪には問えないと思う。


この考え方は高裁判決によって支持されたということだ。


かつて述べたように、一審判決は、起訴を強制された指定弁護士の立場にも気を遣って、起訴に関する責任問題が生じないように最大限の配慮をしていた。


最高裁によれば、

公訴提起の当時に検察官が現に収集した証拠および通常要求される捜査を遂行すれば収集し得た証拠を合理的に総合勘案し、有罪と認められる嫌疑

がない起訴は、違法であり、国家賠償の対象となる。


一方で起訴を強制されながら、他方で、国家賠償を問われかねないというのではあまりにも指定弁護士の立場は過酷だ。このため1審判決は、指定弁護士に最大限の配慮をしたのである。


しかし、指定弁護士は、その配慮を読み解くことができず、独自の判断で自発的に控訴した。指定弁護士は、自ら1審判決の配慮を無にしたのである。


今回の高裁判決では、指定弁護士の起訴が、明らかに裁量を逸脱した違法なもので国家賠償に値するものであることを明らかにしたといえよう。


小沢一郎側が指定弁護士に対して、国家賠償を請求することが適切とは思わないが、指定弁護士による上訴権濫用の問題の検証を欠いてはならないだろう。


被害者のないケースに関する強制起訴制度は、直ちに廃止すべきである。
被害者なきケースにおける強制起訴は、『民意』の名において司法に圧力をかけ、司法を利用して政治に介入しようとするもの以外思いつかない。


政治は政治の場で政治の原理(民主主義)によって決着すべきであり、司法は司法で独自の原理(法的正義・少数者保護)の原理によって、機能しなければ権力分立原理自体があやうくなる。


小沢一郎の強制起訴によって、日本国民がいかに政治の選択肢を奪われてきたかを見れば、司法の政治利用は断じて許されないというべきだろう。


一審無罪判決後、メディアは一転して、小沢を無視することに専念してきた。論調を見ていると、高裁無罪後は、改めて倫理的な「政治とカネ」の問題を持ち出そうとしているように見える。


メディアには、東京高裁が示したような、高い見識と独立の気概を持つことを改めて強く望む。


また、不可解な強制起訴に、如何に多くの弁護士や検察が関与してきたかを思うと、同業にある者として彼らの見識を改めて問いたい。

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2012年11月 9日 (金)

東電OL殺害事件 捜査に重大な問題があったことは明らか 検証の決定的な手がかりはある

先日(11月4日)、東電OL殺害冤罪事件の捜査検証記事において産経新聞は次のように報じていた。

 再審開始の決め手は、東京高検が行ったDNA型鑑定で、被害者の体内に残っていた体液が、マイナリさん(血液型B型)とは別人(同O型)のものであることが判明したことだった。

 だが、当時の取材メモによると、被害者の体内に別の男性の体液が残されていた事実は、捜査の過程で既に分かっていた。ただ、警視庁側は当時、「殺害の数日前から体内にあった古いもののようだ」などと説明。DNA型鑑定で、この人物を特定する捜査は行われていなかった。

下線部分が明らかな歪曲であることは、6日付のブログで指摘したとおりだ。


改めて昨8日付の産経新聞の検証記事『東電OL殺害 15年前から存在した“新証拠” 長期拘束、責任はどこに…』では、こう報じられている。

遺体内の体液のDNA型は鑑定されないまま捜査は終結したが、OBは断言する。「あれは事件前に被害者が性交渉した別の知人男性の体液と判断した。当時は弁護団だってそう思っていたと思うよ」

二つの記事の矛盾を敢えてあげつらうつもりはない。実質的に訂正されたのだから。
この記事は、当時、捜査側で鑑定を依頼された石山いく夫名誉教授(81)が、体内精液の存在すら知らされていなかったこと、事件当時にも爪のDNA鑑定をするべきだと意見したにも拘わらず、無視されたこと等注目すべき事実を報じている良心的な記事だ。
マチベンが問題にしたいのは、体内精液が「事件前に被害者が性交渉した別の知人男性の体液と判断した」とするOBの断言だ。


この点が、一審判決にも反映して、犯行時間とされる時間帯の2時間前に「コンドームを付けずに性交渉したなじみ客A氏の精液」と認定されてしまったのだ。


マチベンが風俗好きの体験者Q氏(断じてマチベン自身ではない)に取材したところ、「普通、そういうところでは、コンドームを付ける」ということだそうだ。そりゃそうである。性病感染を誰だって恐れる。

まして当時は、エイズ不安が社会問題になっていた。風俗嬢と性交渉するのに、コンドームなしではあまりに無防備だろう。

まして、被害者は風俗嬢の中でも最底辺に蠢く街娼である(敢えて街娼をしていたのも謎の一つである)。Q氏によれば、まともな風俗店では、定期的に嬢には性病検査をさせているそうだ。

街娼とコンドームを付けずに性交渉することなど、Q氏によれば、「あり得ない。仮にコンドームを付けたとしても、恐ろしくて、性交渉自体しない」。


精液の主と誤解されたなじみ客A氏は、ちゃんとしたホテルで性交渉し、3万円(だったかな)を払ったしかるべき身分の客である。そのような客が、コンドームを付けずに街娼と性交渉するだろうか。昨今の出会い系では、「妊娠した、中絶費用を寄こせ」等という詐欺も、よくある手口である。であるからして、世の紳士諸氏は風俗や出会い系で遊ぶのに、ゆめゆめ「コンドームを付けずに」性交渉しようなどとは思わない方がよろしい(by Q氏)。


したがって、今回の冤罪において、誰が考えても、まずもって明らかにされなければならないのは、「コンドームを付けずに性交渉した」とするA氏の証言がどのような経過を辿って作られたかの検証である。


捜査官が、ゴビンダ氏を犯人に仕立て上げるために、A氏に「コンドームを付けなかった」との供述をさせたのなら、極めて悪質なねつ造である。
逆にA氏から自発的に「コンドームを付けなかった」と供述したのなら、A氏は、体内精液に関する捜査を攪乱する意図があったのではないかという重大な疑問が浮かび上がる。


いずれにしろ、今回の冤罪の検証に関しては、この点の検証が絶対に欠かすことができない。
もし、後者であるなら、真犯人にたどり着く手がかりになる可能性がある。強盗殺人に見せかけて被害者を殺害したとおぼしき背景にも問題が結びつき兼ねない(現在、無期懲役になった受刑者の大半が獄死しており、仮釈放も30年を超えないとむつかしいが、当時は、10数年で出られるケースもあった。金額次第では殺人の実行犯に旨味はあったし、身代わり犯もあり得た)。


この事件には「背後がある」等というと、妄想と決めつけられかねないことは承知している。しかし、A氏の問題をタブー視しているとしか思われない報道が続くのはなぜなのかを考えると「妄想」にも、相応の根拠があるように思われならない。


脱原発を目指す閣議決定が、アメリカの圧力によって、棚上げにされたのは、公知の事実だ。
日本が原発依存から脱却できないのは、アメリカが日本を「潜在的な核抑止力国家」に仕立てて、外交に利用し、他方では、アメリカの原発輸出のために日本の核技術を必要とするためである(岩波書店:吉岡斉『脱原子力国家への道』)。


そう考えるとき、被害者が85年5月5日付の朝日新聞「声」欄に投稿した意見が、イランのアメリカ大使館人質事件についてアメリカが取った救出作戦を痛烈に批判していることも無関係とは言えないような気がしてくる。

「アメリカの無謀な人質救出作戦に、全世界があぜんとする中、当のアメリカ国民の中には、この強攻策を是認している人が多いという。そこには、国際法上から、また、成功の可能性から、作戦自体は愚挙とはみなさないという考え方があるともいわれる。」
「それにもかかわらず、各国に対して、今回の作戦を批判する資格はないというアメリカ国民は、もはや、いらだちから理性的判断を失っている、としかいえないのではないか。」

日本の原発依存の中核には対米従属構造がある。

そして、被害者は、東電社内にあって、少なからず、対米従属構造に反発を抱いていたことも、想像に難くない。

このことも闇の深さを窺わせる一因である。

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2012年11月 8日 (木)

大学もロー・スクールも『資格商法』だ 田中文科大臣支持

田中眞紀子文科大臣が、不認可を表明していた大学について、一転して認可を表明した。実は、正直、残念である。
もっと大混乱させてでも、大学乱立問題を政治問題化してもらいたかったからだ。

ほとんどのメディアが今回の田中文科大臣の言動を非難する中、昨日の中日新聞は、独自に問題の本質を問う特集記事を掲載した。

中日新聞11月7日

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マチベン流の要旨は、以下の通り。

少子化が進むのに、大学が乱立した
その結果、大卒者の就職率は63.9%「大学を出ても就職できない」現実がある。破綻危機にある大学も少なくない。

このような状況は、文科大臣の諮問機関である大学設置・学校法人審議会の委員29名の内22名を大学学長や理事、教授ら学校関係者が占め、甘い審査基準で大学の新設を認めてきたからだ

田中文科大臣の不認可処分について、「危ない大学 消える大学」の著者で経済評論家の島野清志氏は「野放図に大学が増えていく状況に一石を投じる効果はあった」と語り、同書の共著者のリクルートキャリア特別研究員の海老原嗣生氏は「野蛮なことをしなければ改革のきっかけは作れない」と評価。


田中文科大臣の責任追及一点張りになっている政局報道を踏まえれば、至極まっとうな記事で、これがジャナーリズムというものだろう。


大卒者の就職率63.9%は、平均の数値であるから、問題校では過半数が就職先がないだろう。
大学卒の資格を得るために、数百万円の授業料を払ったのに就職できない現状が広がっているということだ。
しかも、破綻危機にある大学では、大卒の資格すら取れず、今まで払った授業料をドブに捨てたも同然となる。


普通、我々の業界では、役に立たない資格を高額で売りつける商法を『資格商法』と呼んで、悪徳商法に分類する。


粗製濫造された大学の実態は『資格商法』と同じではないか。


「一人を殺せば殺人者であるが、百万人を殺せば、英雄である」と言うとおり、文科省の予算拡大と、大学の利権が癒着して、国家規模で行われれば、詐欺ではなく、立派な教育政策になる。


ロースクールも、これと同じである。
大半の学生は、卒業しても、司法試験に合格しないから、資格が取れない。
資格が取れても、就職先がない。
昨年の司法研修終了時点(いわば新卒時)で、弁護士になれなかった弁護士資格者はざっと2割400人いた。その前の年はざっと200人だった。需要がない中、供給だけが増えるから、弁護士になれない弁護士資格者は倍々で増える印象だ。今年は、4割800人くらいになるのではないか、近いうちには、新規弁護士資格者の半数が弁護士になれなくなる可能性がある。なお、弁護士になれた者の中には、無給で法律事務所に就職した者も含むから、実際、無収入ないしそれに近い弁護士資格者は相当割合に上る。
弁護士の資格が取れるまでに大学に払うお金は私学なら200万から500万円くらいになる。


需要もないのにロースクールが乱立し、司法試験合格者が大幅に増やされた。
後には、借金だけが残る弁護士資格者が少なくないのだ。
これも立派な『資格商法』だろう。
但し、アメリカ様に従って進められた国策だから、「司法改革」と礼賛され、日弁連主流派もロースクールを擁護する。アメリカ様の指示に文科官僚と大学利権が群がった結果が、現在の惨憺たる有様だ。


対米従属打破を党是とする共産党主流派弁護士が、この腐敗の構造に、未だに野合し続けているのは、何とも不可解な構図である。


メディアは、大学や入学予定者を田中文科大臣の不認可表明の被害者としてクローズアップした。
しかし、年々生み出される『資格商法』の被害者は、はるかに膨大な数に及んでいる。
現場の混乱を伝えるメディアは、木を見て森を見ないと言うほかないだろう。
むろん、メディアも大学が競って出す広告で潤う受益者で『資格商法』の加担者に他ならない。


日弁連の消費者委員会は、大学『資格商法』、弁護士『資格商法』の責任追及について、研究すべき時期ではないだろうか。
この詐欺を暴いて、国も被告にした裁判で勝てるようになれば、過払金に続く弁護士の収入源にもなろう。


国会では、田中文科大臣の責任を追及する声がかまびすしい。
大臣たる資格がないとして、辞任や罷免を求められる。
しかし、辞任する必要は毛頭ないと僕は思う。
大規模な『資格商法』で膨大な被害者が出るのを食い止めようとした田中文科大臣なのだから。

どうせ、論功行賞人事のたらい回しの席で、期間限定なのだから、文科省にねじ込んででも大至急、新基準を策定させて、大学乱立に歯止めをかけて、『資格商法』の横行を阻止してもらいたい。


マチベンは、大学『資格商法』、弁護士『資格商法』、博士『資格商法』に反対である。

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中日新聞様 著作権上の問題がありましたら、ご一報ください。直ちにイメージを削除します。

2012年11月 6日 (火)

東電OL殺害冤罪事件 体内精液の謎 歪曲は続く

産経新聞11月4日付
東電OL殺害 冤罪はなぜ起きたか 警視庁OB「“別人”をつぶす捜査できず」に以下のような記述がある。


 再審開始の決め手は、東京高検が行ったDNA型鑑定で、被害者の体内に残っていた体液が、マイナリさん(血液型B型)とは別人(同O型)のものであることが判明したことだった。

 だが、当時の取材メモによると、被害者の体内に別の男性の体液が残されていた事実は、捜査の過程で既に分かっていた。ただ、警視庁側は当時、「殺害の数日前から体内にあった古いもののようだ」などと説明。DNA型鑑定で、この人物を特定する捜査は行われていなかった。


この記事は判決さえ読まずに書かれた誤報だろう。
何度も繰り返し言うが、1審無罪判決は、体内精液は、被害者が、犯行の2時間前に性交したなじみ客が残したものだと認定している。高裁の逆転有罪判決もこの認定を前提にしている。


「まず、本件死体の膣内から、精子とO型の血液型物質が検出されており、精子の残留は微量であったと認め られるところ(甲五・一八二の鑑定書)、右微量の残留精子については、前記Aは被害者とコンドームを使用せずに性交しており、Aの血液型がO型であること からして(甲九の鑑定書)、膣内に残留した精子はAに由来するものと考えられる。」


「殺害の数日前から体内にあった古いもののようだ」等という話は、判決のどこからも窺われない。捜査側は、「捜査を行わなかった」のではなく、なじみ客Aが、「コンドームを使用せずに性交した」との供述を取って、体内精液はAのものだと主張していたはずだ。


過去の事実を歪曲してしまって、なぜ冤罪が起きたのかを検証することなど、できようはずもないだろう。


なぜ、メディアが、遡って事実の歪曲を行ってまで(記者ならば、判決を読んでいるのが当然の前提であろう)、真相を葬ろうとするのか、どうしても疑問が残る。
解けない闇がそこにある。

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2012年11月 5日 (月)

ある疑念

メディアは、まだ弱小政党に過ぎない維新の会や、まだ結成もされていない石原新党の動きを追うのに忙しい。
政局だけを追うメディアからは、政党間に争点があるのかどうかすら、わからない。


原発、TPPこそが争点になるべきなのに、自公・民・第三極のいずれからも、この対立軸が見えない。ただ、いかに勇ましいかを右翼的かを競っているだけのように見える。


何という選挙になるのだろうかと思っていたら、以下のような報道があることを知った。


TPP参加反対 次期衆院選へ共同公約案 野党6党1会派

(日本農業新聞 2012年10月25日)

 国民の生活が第一、社民党、新党きづな、新党大地・真民主、減税日本、新党日本、改革無所属の6党1会派は、次期衆院選に向けた共同公約の骨子案を作成 した。焦点の環太平洋連携協定(TPP)については「交渉参加に反対する」方針を明記した。次期衆院選でTPPの賛否を争点に据えることで、民主、自民両 党に真っ向から対決するのが狙いとみられる。

 TPP交渉参加反対の理由として「単なる自由貿易協定でなく、1次産業を破壊し、日本の経済・社会の仕組みや生活・文化にまで及ぶ大きな変化をもたらす」ことを挙げた。一方で、自由貿易協定(FTA)などの経済連携については積極的に推進するとした。

 国民の生活が第一や社民党などが先の通常国会に提出し継続審議となった「脱原発基本法案」については「早期成立」を図り、10年後までに「脱原発」を実現、原子力発電を利用せずに電力を安定供給する体制を確立するとした。

 また次期衆院選で勝利すれば、先の国会で成立した消費税増税法を廃止し、社会保障制度は消費税増税を前提としない形で再構築するとした。

 共同公約の骨子案は22日の世話人会で確認。各党が持ち帰り、詳しい内容などを調整する予定だ。

これこそが、本来問われるべき対立軸ではないだろうか。
「国民の生活が第一」は、現在、実質的な野党第1党と言ってもいいだろう。ところが、メディアではほとんど無視されている。実質的野党であるこれらの党がどのような政策決定をしているか、得体の知れない維新系の政党や人物の片言隻句を追うのではなく、政策の帰趨こそメディアは報じるべきだろう。


報じられて当然のこのニュースが、日本農業新聞でしか報じられていないという事態は一体何を意味するのか。


メディアの小沢バッシングには、目にあまるものがあった。無罪判決で改善されるかと考えていたが、甘かった。小沢一郎に関する一切が報道タブーにされたようだ。


12日には、小沢一郎事件の控訴審判決が下される。秘書の単なる事務的ミスの共謀共同正犯という、どう考えても無罪しかあり得ない事件だが、これほどの小沢排除の空気が、裁判所(最高裁)と無関係なのかどうか、一抹の不安を覚える。


難儀な世の中になった。


今や、目に見えるものが何かを追及するのではなく、目に見えないものが何かを考えなければ、最も重要な事柄については、本質の手がかりすらつかめないのだ。

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2012年11月 3日 (土)

石原前東京都知事国政進出 官僚制打破とは

石原前東京都知事殿におかれては、尖閣諸島購入問題に端を発する日中関係の悪化に伴う国益の毀損については、何のお咎めもご反省もなく、めでたく国政にご進出あそばせるとのこと、慶賀に堪えない次第でございます。


国政におかれましても、益々、勇ましく振る舞われ、史上最年長の総理に就任遊ばれて、我欲にとりつかれておる経済界に大打撃を与えいっそうの我欲一掃にお励みになられることとご期待申し上げます。


さて、石原殿(以下、「殿」という)におかれては、国政進出の最大の目的が官僚制の打破にあるとのことであります。


小生が聞き及びましたところによれば、殿は東京都政におかれましても、悪しき官僚制を打破されたとのことであります。


東京電力(以下、「東電」という)の天下りリストによりますれば、同社が創立された1951年以来、官庁出身の役員の中では、東京都が9人を占めており、最多であったと聞き及ぶところであります。


東電への天下り1位は東京都幹部の計9人
My News Japan 2011年5月14日

1951年の創業以来、同社の役員に天下った官庁出身者は計20人。うち最多は東京都の幹部たちで、石原知事に抜擢された元副知事の青山やすし氏が現職の社外取締役に天下っているのを筆頭に、計9人にのぼることが分かった。

【東京都】
●青山やすし(現職取締役=2003年6月~。東京都副知事)

●中島正剛(取締役=2001年6月~03年6月。都環境保全局長)

●越智恒温(取締役=1995年6月~2001年6月。都出納長)

●三科亮次(取締役=1993年6月~95年6月。都出納長)

●仁田山実(取締役=1985年6月~2003年6月。都交通局長)

●斉藤清(1978年6月顧問で入社、取締役=1979年6月~85年6月。都交通局長)

●人見捨蔵(取締役=1962年5月~77年6月。都交通局長)

●渡邊伊之輔(取締役=1958年11月~62年5月。都交通局長)

●山下又三郎(取締役=1951年5月~58年8月、死亡により退任。東京市電気局長)

上記記事による限り、殿が都知事におなりなられた1999年以降も、東京電力の取締役の内1席は途切れなく、東京都幹部の天下り指定席になっております。


しかしながら、これをもって、殿が官僚制を温存されたとするのは、軽薄な理解でございましょう。殿は実権を確実にされた03年には、これまで特定部局の局長によって占められていた東電取締役の椅子を副知事に差し替えておられます。官僚側の相当、強い抵抗を押し切ってのご決断と拝察いたします。殿は、より直接、御自らの意向を反映する者を天下りポストに送り込まれたのでございましょう。


かようにすれば、殿と東電の関係は、より密接なものとなり、殿と東電も蜜月の円満な関係を築き、東電や官僚だけに我欲を独り占めさせることも防ぐことができるというものでありましょう。


また、殿は、東北地方以外の自治体で初めて、震災瓦礫をお受け入れになられました。
殿は「放射線が出ていれば別だが、皆で協力して力があるところが手伝わなければしようがない」、「皆、自分のことばかり考えている。日本人がだめになった証拠だ」とおっしゃったそうですが、さすが殿でございます。誠に昨今の我欲にとらわれた日本人の醜態を鋭く喝破されておられます。


産経新聞2011.11.4 21:47

がれき処理反対には「黙れ」 石原都知事「皆の協力必要」


 

東京都が東北以外の自治体で初めて、東日本大震災で発生した災害廃棄物(がれき)を受け入れて処理を始めたことに対し、都民らから反対の声があることについて、石原慎太郎知事は4日の定例会見で「(放射線量などを)測って、なんでもないものを持ってくるんだから『黙れ』と言えばいい」と語った。

 都は3日、岩手県宮古市から第1便として約30トンを受け入れ、処理を開始。がれきそのものから放射線量は検出されず、都内の処理施設周辺の空間放射線量にも影響はなかった。

 石原知事は「放射線が出ていれば別だが、皆で協力して力があるところが手伝わなければしようがない」と指摘。「皆、自分のことばかり考えている。日本人がだめになった証拠だ」と述べた。


殿は、この瓦礫の焼却処理を、東京電力が95%以上の株を所有する東電の子会社「東京臨海リサイクルパワー」一社に委ねられました。瓦礫処理については、3年間で270億円の予算が都議会で可決されております。

入札条件について、焼却処理業者については「一日100トン以上の処理能力」を有すること等が挙げられ、この条件は、都内では同社しか満たさないとのことであります。浅薄なマチベンごときには思いもよらない入札処理には殿ならではの思慮の深さに感銘を受けた次第でございます(角川SSC新書:堤未果「政府は必ず嘘をつく」165p以下)。


巷間、これによって、東京臨海リサイクルパワー社は、毎年数十億円の売上が保障されたとされております。
不慮の原発事故によって、東電は極めて深刻な痛手を被っております。大所高所から思慮深く考えれば、東電こそ原発事故の最大の犠牲者でありましょう。ゆえにせめてもの東電へのご支援は、逆風の中、殿のなされた極めて偉大な業績として特筆されるべきものであります。心ない東電バッシングが横行した中、殿のご英断は、東電を大いに励ますものとなったでございましょう。


国政にご進出あそばせた暁には、東京都知事ではできなかったようなダイナミックな殿と東電の蜜月をご実現あそばせることでありましょう。殿ほどのご大人でありますから、蜜月に預かりたい大手企業は、あまたおありでございましょう。これらの大手企業も、殿の勇ましいお振る舞いを、二度と批判なぞできないよう折伏あそばせますよう心から祈念申し上げる次第でございます。


それにしても怪しからぬのは、殿の国政進出に当たって、殿のこうした輝かしいご実績を一切報じようとしないマスコミでございます。
このような実績を通じてこそ、我欲や私益にとらわれ大日本帝国の栄華の自覚を喪失した輩どもを一掃する、殿の崇高なご決断が、官僚制打破との思いに込められていることが、無知蒙昧な庶民にもわかろうというものでございます。

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追記情報

都が日比谷公園からのデモ出発を許可せず 危機にさらされる「集会の自由」

だそうでございます。我欲にとらわれて大所高所から物事を見ることの出来ない反原発の輩などは、殿と東電の蜜月に嫉妬する輩に他なりません。殿が不逞の輩を追い払われ、原発をお守りになられるのは至極当然のことと存じます。裁判所ですら殿の高いご見識にお墨付きを与えたというではありませんか。

繰り返しますが、怪しからぬのはマスコミです。このような殿の崇高な志を広く世に知らしめるのが当然ではありませんか。

反原発の輩と対決する殿の毅然たる姿勢には誠に心打たれる次第でございます。

2012年11月 2日 (金)

日本共産党と竹島問題

10月31日付のブログで、共産党綱領と司法改革の関係について、疑問を呈したついでに、日韓の領土問題に関する共産党の見解について、触れた。

歴史認識が領土問題に先立つべきだと日本共産党を批判した部分には誤りがあった。

現在の共産党の主張は、第15回中央委員会総会幹部会報告(2012年10月14日)によれば、以下のとおりである。

竹島問題――どうやって冷静な話し合いのテーブルをつくるか

 つぎに竹島問題について報告します。

 日本共産党は、竹島は、歴史的にも国際法的にも、日本の領土であるという見解を発表しています。同時に、この島を日本に編入した1905年という時期 は、日本による韓国の植民地化の時期と重なっているという問題があります。日本は、1904年に「日韓議定書」、「第1次日韓協約」を強制して、韓国の外 交権を事実上奪っており、かりに韓国が日本の竹島領有に異議を持っていたとしても実際上異議を唱えることはできなかったのは事実であります。

 そうした歴史的事情を考えるならば、日本が過去の植民地支配に対する根本的反省と清算をおこなうことが、この問題での冷静な話し合いのテーブルをつくる うえで不可欠になってきます。とりわけ、1910年の韓国併合について、不法・不当なものだったということを認めること、日本軍「慰安婦」問題などの植民 地犯罪について謝罪と賠償をおこなうことが必要であります。そうした立場のうえに、両国で歴史的事実をつきあわせた共同研究をおこない、解決への道を開く ことを提唱するものです。

共産党も勉強して、領土問題以前に歴史認識の問題こそが問われるべきだとする認識に転換したようである。その点では、それなりの成長が見られるという印象だ。

しかし、韓国併合を違法(であれば無効になる)としながら、拡張・侵略主義と並行して行われた竹島編入だけは有効とするのもピンとこないし、領有権の根拠とする先占の法理が植民地主義下における領土拡張を正当化する法理(早い話がアメリカ合衆国は、現地人を排除してどんどん「先占」して成立した国家である)であるのは、植民地支配の反省という主張に微妙に反していないだろうか。
アメリカが意図的に竹島の領有権をあいまいにし、日韓を分断して統治する材料にしている点について触れて いないのも不満だ。

尖閣問題については、相変わらず、歴史認識としての深まりもない。

海上保安庁自身が、尖閣諸島を構成する久場島と大正島を、中国名である「黄尾嶼」、「赤尾嶼」と称して、米軍の射爆場に提供している問題について、共産党はどう考えているのだろう。

日米安保条約に基づき米軍に提供されている島嶼をアメリカは中国名で呼び、我が国もそれを受け入れている。
領有権より、そこらのアメリカの戦略の解明こそ、対米従属打破を党是とする共産党には期待したいものである。

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