ある疑念
メディアは、まだ弱小政党に過ぎない維新の会や、まだ結成もされていない石原新党の動きを追うのに忙しい。
政局だけを追うメディアからは、政党間に争点があるのかどうかすら、わからない。
原発、TPPこそが争点になるべきなのに、自公・民・第三極のいずれからも、この対立軸が見えない。ただ、いかに勇ましいかを右翼的かを競っているだけのように見える。
何という選挙になるのだろうかと思っていたら、以下のような報道があることを知った。
TPP参加反対 次期衆院選へ共同公約案 野党6党1会派
(日本農業新聞 2012年10月25日)
国民の生活が第一、社民党、新党きづな、新党大地・真民主、減税日本、新党日本、改革無所属の6党1会派は、次期衆院選に向けた共同公約の骨子案を作成 した。焦点の環太平洋連携協定(TPP)については「交渉参加に反対する」方針を明記した。次期衆院選でTPPの賛否を争点に据えることで、民主、自民両 党に真っ向から対決するのが狙いとみられる。
TPP交渉参加反対の理由として「単なる自由貿易協定でなく、1次産業を破壊し、日本の経済・社会の仕組みや生活・文化にまで及ぶ大きな変化をもたらす」ことを挙げた。一方で、自由貿易協定(FTA)などの経済連携については積極的に推進するとした。
国民の生活が第一や社民党などが先の通常国会に提出し継続審議となった「脱原発基本法案」については「早期成立」を図り、10年後までに「脱原発」を実現、原子力発電を利用せずに電力を安定供給する体制を確立するとした。
また次期衆院選で勝利すれば、先の国会で成立した消費税増税法を廃止し、社会保障制度は消費税増税を前提としない形で再構築するとした。
共同公約の骨子案は22日の世話人会で確認。各党が持ち帰り、詳しい内容などを調整する予定だ。
これこそが、本来問われるべき対立軸ではないだろうか。
「国民の生活が第一」は、現在、実質的な野党第1党と言ってもいいだろう。ところが、メディアではほとんど無視されている。実質的野党であるこれらの党がどのような政策決定をしているか、得体の知れない維新系の政党や人物の片言隻句を追うのではなく、政策の帰趨こそメディアは報じるべきだろう。
報じられて当然のこのニュースが、日本農業新聞でしか報じられていないという事態は一体何を意味するのか。
メディアの小沢バッシングには、目にあまるものがあった。無罪判決で改善されるかと考えていたが、甘かった。小沢一郎に関する一切が報道タブーにされたようだ。
12日には、小沢一郎事件の控訴審判決が下される。秘書の単なる事務的ミスの共謀共同正犯という、どう考えても無罪しかあり得ない事件だが、これほどの小沢排除の空気が、裁判所(最高裁)と無関係なのかどうか、一抹の不安を覚える。
難儀な世の中になった。
今や、目に見えるものが何かを追及するのではなく、目に見えないものが何かを考えなければ、最も重要な事柄については、本質の手がかりすらつかめないのだ。
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