石原前東京都知事国政進出 官僚制打破とは
石原前東京都知事殿におかれては、尖閣諸島購入問題に端を発する日中関係の悪化に伴う国益の毀損については、何のお咎めもご反省もなく、めでたく国政にご進出あそばせるとのこと、慶賀に堪えない次第でございます。
国政におかれましても、益々、勇ましく振る舞われ、史上最年長の総理に就任遊ばれて、我欲にとりつかれておる経済界に大打撃を与えいっそうの我欲一掃にお励みになられることとご期待申し上げます。
さて、石原殿(以下、「殿」という)におかれては、国政進出の最大の目的が官僚制の打破にあるとのことであります。
小生が聞き及びましたところによれば、殿は東京都政におかれましても、悪しき官僚制を打破されたとのことであります。
東京電力(以下、「東電」という)の天下りリストによりますれば、同社が創立された1951年以来、官庁出身の役員の中では、東京都が9人を占めており、最多であったと聞き及ぶところであります。
東電への天下り1位は東京都幹部の計9人
My News Japan 2011年5月14日
1951年の創業以来、同社の役員に天下った官庁出身者は計20人。うち最多は東京都の幹部たちで、石原知事に抜擢された元副知事の青山やすし氏が現職の社外取締役に天下っているのを筆頭に、計9人にのぼることが分かった。
【東京都】
●青山やすし(現職取締役=2003年6月~。東京都副知事)
●中島正剛(取締役=2001年6月~03年6月。都環境保全局長)
●越智恒温(取締役=1995年6月~2001年6月。都出納長)
●三科亮次(取締役=1993年6月~95年6月。都出納長)
●仁田山実(取締役=1985年6月~2003年6月。都交通局長)
●斉藤清(1978年6月顧問で入社、取締役=1979年6月~85年6月。都交通局長)
●人見捨蔵(取締役=1962年5月~77年6月。都交通局長)
●渡邊伊之輔(取締役=1958年11月~62年5月。都交通局長)
●山下又三郎(取締役=1951年5月~58年8月、死亡により退任。東京市電気局長)
上記記事による限り、殿が都知事におなりなられた1999年以降も、東京電力の取締役の内1席は途切れなく、東京都幹部の天下り指定席になっております。
しかしながら、これをもって、殿が官僚制を温存されたとするのは、軽薄な理解でございましょう。殿は実権を確実にされた03年には、これまで特定部局の局長によって占められていた東電取締役の椅子を副知事に差し替えておられます。官僚側の相当、強い抵抗を押し切ってのご決断と拝察いたします。殿は、より直接、御自らの意向を反映する者を天下りポストに送り込まれたのでございましょう。
かようにすれば、殿と東電の関係は、より密接なものとなり、殿と東電も蜜月の円満な関係を築き、東電や官僚だけに我欲を独り占めさせることも防ぐことができるというものでありましょう。
また、殿は、東北地方以外の自治体で初めて、震災瓦礫をお受け入れになられました。
殿は「放射線が出ていれば別だが、皆で協力して力があるところが手伝わなければしようがない」、「皆、自分のことばかり考えている。日本人がだめになった証拠だ」とおっしゃったそうですが、さすが殿でございます。誠に昨今の我欲にとらわれた日本人の醜態を鋭く喝破されておられます。
がれき処理反対には「黙れ」 石原都知事「皆の協力必要」
東京都が東北以外の自治体で初めて、東日本大震災で発生した災害廃棄物(がれき)を受け入れて処理を始めたことに対し、都民らから反対の声があることについて、石原慎太郎知事は4日の定例会見で「(放射線量などを)測って、なんでもないものを持ってくるんだから『黙れ』と言えばいい」と語った。
都は3日、岩手県宮古市から第1便として約30トンを受け入れ、処理を開始。がれきそのものから放射線量は検出されず、都内の処理施設周辺の空間放射線量にも影響はなかった。
石原知事は「放射線が出ていれば別だが、皆で協力して力があるところが手伝わなければしようがない」と指摘。「皆、自分のことばかり考えている。日本人がだめになった証拠だ」と述べた。
殿は、この瓦礫の焼却処理を、東京電力が95%以上の株を所有する東電の子会社「東京臨海リサイクルパワー」一社に委ねられました。瓦礫処理については、3年間で270億円の予算が都議会で可決されております。
入札条件について、焼却処理業者については「一日100トン以上の処理能力」を有すること等が挙げられ、この条件は、都内では同社しか満たさないとのことであります。浅薄なマチベンごときには思いもよらない入札処理には殿ならではの思慮の深さに感銘を受けた次第でございます(角川SSC新書:堤未果「政府は必ず嘘をつく」165p以下)。
巷間、これによって、東京臨海リサイクルパワー社は、毎年数十億円の売上が保障されたとされております。
不慮の原発事故によって、東電は極めて深刻な痛手を被っております。大所高所から思慮深く考えれば、東電こそ原発事故の最大の犠牲者でありましょう。ゆえにせめてもの東電へのご支援は、逆風の中、殿のなされた極めて偉大な業績として特筆されるべきものであります。心ない東電バッシングが横行した中、殿のご英断は、東電を大いに励ますものとなったでございましょう。
国政にご進出あそばせた暁には、東京都知事ではできなかったようなダイナミックな殿と東電の蜜月をご実現あそばせることでありましょう。殿ほどのご大人でありますから、蜜月に預かりたい大手企業は、あまたおありでございましょう。これらの大手企業も、殿の勇ましいお振る舞いを、二度と批判なぞできないよう折伏あそばせますよう心から祈念申し上げる次第でございます。
それにしても怪しからぬのは、殿の国政進出に当たって、殿のこうした輝かしいご実績を一切報じようとしないマスコミでございます。
このような実績を通じてこそ、我欲や私益にとらわれ大日本帝国の栄華の自覚を喪失した輩どもを一掃する、殿の崇高なご決断が、官僚制打破との思いに込められていることが、無知蒙昧な庶民にもわかろうというものでございます。
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追記情報
都が日比谷公園からのデモ出発を許可せず 危機にさらされる「集会の自由」
だそうでございます。我欲にとらわれて大所高所から物事を見ることの出来ない反原発の輩などは、殿と東電の蜜月に嫉妬する輩に他なりません。殿が不逞の輩を追い払われ、原発をお守りになられるのは至極当然のことと存じます。裁判所ですら殿の高いご見識にお墨付きを与えたというではありませんか。
繰り返しますが、怪しからぬのはマスコミです。このような殿の崇高な志を広く世に知らしめるのが当然ではありませんか。
反原発の輩と対決する殿の毅然たる姿勢には誠に心打たれる次第でございます。
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