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2012年12月の11件の記事

2012年12月30日 (日)

東電のお粗末 被曝米兵「トモダチ」損害賠償訴訟

昨日のブログで、アメリカの裁判所になぜ米兵の東電に対する損害賠償訴訟の管轄が認められるのか、検討した。
マチベンの結論は、不法行為の被害発生地としてアメリカの裁判所に国際裁判管轄があるというものだった。

しかしながら、訴状を見ると、不法行為地を理由とする国際裁判管轄の主張はない。
東電の原発事故について、アメリカの裁判所に管轄が認められる理由は、単純に被告の所在地がアメリカにあるとするものだった。
支社や事務所所在地も国際裁判管轄を生じさせる。
東電は、ワシントンに事務所を構えていた。
だからアメリカに裁判管轄があり、カルフォルニアでも事業をしているから、カルフォルニア州の連邦地方裁判所にも管轄があると、原告は主張していたのだ。

唖然とした。
被告所在地は最も一般的な管轄原因である。
マチベンが東電のアメリカでの事業展開を想定していなかったという意味ではない。
まさか、アメリカに「日本法人」の事務所を構えているとは想像もしなかったからだ。
訴訟リスクの高いアメリカで事業展開するのであれば、現地法人を設立して、日本本社に累が及ばないようにするのが企業法務のイロハではないかと思っていたからである。
まして福島原発事故後であれば、当然である。
つくづく東電は阿呆である。
確かに、「トモダチ」から企業の存亡を左右されるような訴訟を提起されるとは、マチベンも想像していなかったが、仮にマチベンが東電の企業法務を担当していたとすれば、この種訴訟の可能性には、容易に思い至っていた筈だ。

何ともお粗末な東電のリスク管理である。

昨日のブログでは、不法行為地として管轄があると考えたが、原告は発ガンリスクが高まる程度の被曝を具体的に主張立証しようとしているわけではなく、偽情報を流して騙したことによる被爆自体を損害を主張しているようである。
そうであれば、不法行為地に基づく管轄は発生しない。
日本法人ではなく、現地法人を設立しておけば、この件では、国際裁判管轄がアメリカに生じることもなかったはずである。

東電の阿呆さは、日本での傲慢さと裏腹である。
傲慢な体質が身に染みついているから、足下をすくわれる危険性をまじめに検討することができない。
自分だけは、安全地帯にいると思っているから、国民を次々と突き落とし、見殺しにすることができる。
やがて、それが自分に及ぶという想像力など東電にはかけらもない。
これが、日本の大企業共通の体質だとすれば、日本の大企業は「終わっている」。

この訴訟の請求内容については、「税金と保険の情報サイト」に“賠償50兆円?『トモダチ作戦』米兵8人が東電に賠償請求”としてかなり正確な記事が載っていた。
健康被害に対する賠償が一人当たり1000万ドル、懲罰的慰謝料が全体で3000万ドル、原告らの将来的な医療費をカバーするための1億ドルの基金の設立を求めている。
原告9名で、合計2億2000万ドルが請求額ということのようである。

この記事は、この種の訴訟がトモダチ作戦に参加した米兵2万400人に波及する可能性を指摘し、この訴訟リスクを最大50兆円と見積もっている。
アメリカには、ビジネスチャンスとあれば、見境いなく飛びつくハイエナ弁護士が跋扈しているし、賠償額、賠償方法はアメリカでは陪審員が決めると思われるから、このリスクは杞憂には止まらないだろう。
東電に投入される日本国民の血税は、ハイエナ弁護士たちに巻き上げられていく。
彼らがハイエナでなければ、被爆リスクを承知の上で、作戦を展開したアメリカ政府こそ被告に加えられてしかるべきだろう。

脱原発に向けた国民の願いを踏みにじって原発推進政策に転換を図ろうとする日本政府も、原発をなくせば競争力を失い経済が衰退する騒ぐ財界も、福島原発事故の重大性と原発リスクの大きさを思い知ってもらいたい。

政府にしろ、官僚にしろ、財界にしろ、メディアにしろ、今やトップは目先の利益にしか見えていない。
その原因をマチベンは某大企業との交渉を通じて体験的に知っている。
今、組織のトップにいるのは、みんな自分の保身だけしか考えていない。
自分の身の安泰をはかることしか考えていない。
みな、国のことも、自分の会社のことすら考えていない。
自分さえ安泰なら、国も会社もこの先、どうなってもいいのである。

だから、企業法務も想像力のかけらもないお粗末なものになる。
この訴訟の対策を委ねる適切な弁護士も準備していないのではないか。
人ごとでなく、心配である。

日中間の企業交渉等を担当する中国人の通訳が言ったとされるエピソードがある。
「中国では、上に行くほど、賢い人物が出てくるが、日本では上に行くほどバカが出てくる」

繰り返すが、弁護士激増政策の災厄は、必ず大企業に降りかかる。
米国のハイエナ弁護士に恰好の武器を与えるTPPは、必ず、日本政府や財界に再起不能なダメージを与えるだろう。

弁護士激増政策と、TPP推進は直ちにやめるのが身のためである。

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2012年12月29日 (土)

財界へのアドバイス -- 東電に対する被曝米兵の損害賠償訴訟をめぐって

東電がアメリカで訴えられた。
請求額は1億1000万ドルという報道もあるので、情報は錯綜しているようだ。

米空母乗組員8人、東電提訴=誤情報で被ばく、120億円請求

時事通信2012年12月27日(木)23:27

 米メディアなどによると、東日本大震災を受けて被災地沖合に派遣された米原子力空母ロナルド・レーガンの乗組員8人が27日までに、東京電力が福島第1原発事故について誤った情報を伝え、危険なレベルまで被ばくさせたとして、同社を相手に損害賠償など計1億4000万ドル(約120億円)の支払いを求める訴えを、米サンディエゴの連邦地裁に起こした。

 「トモダチ作戦」として救援活動に当たった乗組員側は「米海軍が東電による健康と安全に関する偽りの情報を信頼し、安全だと誤解させられた」と主 張。「東電だけが入手できた当時のデータによると、原告が活動していた地域における放射線被ばく量は、チェルノブイリ原発から同距離に住み、がんを発症し た人々の被ばく量にすでに達していたことになる」と指摘した。

 また日本政府についても、「ロナルド・レーガンや乗組員への放射能汚染の危険はないと主張し続けていた」とし、意図的なミスリードだったと非難した。 

[時事通信社]

原告にしてみれば、日本国も当然、被告にしたいところだ。
しかし、アメリカで日本国を訴えることはできない。
主権免責(主権免除)と呼ばれる法理があるからだ。
国際法上、国家主権は絶対的な権利であり、侵犯されてはならない。
例外的に、契約責任等を追及される場合を除けば、国家は、他国の司法で裁かれることはない。


しかし、東電は別だ。
東電は、一民間企業に過ぎない。
裁判所の管轄は、被告の住所地だけではなく、不法行為地にもある。
トモダチ作戦の活動は日本で行われたが、今後生じる可能性のある健康被害は、アメリカで発生している。
そして、不法行為地は、被害の発生した地を含む。
したがって、アメリカの裁判所に管轄はある(アメリカの裁判所には、この件で東電を裁く権限がある)。


訴訟の行方を見通すことはむろん困難だが、被曝リスクの上昇が認められれば、アメリカの裁判所は容赦なく東電の責任を認める可能性がある。
東電が正確な情報を発信していなかったことは、火を見るより明らかだからだ。


東電といえども日本国民を蹂躙し、見殺しにできても、米兵を踏みつけにすることは不可能だということだ。


但し、トモダチ作戦の実相には、よくわからないことが多い。
2011年5月2日付の中日新聞の社説「大震災と米軍支援 日米を真のトモダチに」によれば、

 日本政府から十分な情報が得られないと分かると、米政府は希望を募って在日米軍の家族七千五百人を帰還させ、福島第一原発の周囲八十キロを避難地域に指定した。これを受けて「トモダチ作戦」は八十キロ圏外で行われている。フクシマを米国に波及させないことに関して、米政府は徹底している。

とされている。活動が80キロ圏外で行われていたとする場合に、それでも、アメリカの裁判所が被曝リスクの上昇による健康被害を認めるか。注目されるところだ。


仮に、被曝リスクの上昇による健康被害が認められる可能性があれば、今回、訴訟を提起した8名だけではなく、トモダチ作戦に動員された多数の米兵から次々と訴訟が提起される可能性がある。


そうなると、問題は賠償額である。
単純に数字を見れば、一人当たり10億円を遙かに超える賠償を求められている。
アメリカには制裁的(懲罰的)慰謝料の法理があるから、億を超える賠償が認められても不思議ではない。


アメリカの弁護士にとって、東電訴訟は、日本の過払金訴訟のように旨味のある裁判になる可能性がある。


アメリカでは毎年4万人だったかの弁護士が生まれており、すでに弁護士人口は100万人を遙かに超えている。
利益が上がると見れば、ハイエナのように群がって、東電を食いつぶすだろう。
東電に投入された税金は、瞬く間にアメリカの弁護士に吸い取られる可能性がある。


フクシマの被災者は、恣意的で不当な線引きによって、苦しんでいる。
避難地域外だとされれば、汚染しているにも拘わらず、避難することは認められない。被曝リスクを覚悟して地元に止まるか、補償らしい補償もなく、「自主的に」避難生活を送ることを余儀なくされている。
不当な線引きを超えて「避難する権利」が認められていないのだ。
アメリカ国民と日本国民の、この落差を、どう説明したらよいのか、言葉がない。


司法改革が目指した弁護士の自由競争による「法の支配」が、すでに十分に実現された国がアメリカである。
弁護士激増政策に歯止めをかけなければ、一般市民がブラック士業に巻き込まれるだけではない。
回収が確実な大企業が狙い打ちにされる可能性が高い。
そうなってから、財界が司法改革を推進したことを悔やんでも、もはや手遅れである。


また、財界が政府に対して強力な推進圧力をかけているTPPでは、アメリカの弁護士資格を有するアメリカ弁護士と日本の弁護士による日本の法律事務所の共同経営が目論まれている。アメリカの弁護士は、居ながらにして、日本の弁護士を支配下に置くことができるようになるのだ。
そうなったとき、アメリカのローファームの豊富な資金力を利用して、共同経営とは名ばかりの、飢えた雇われ日本弁護士が、次々と日本企業に襲いかかる。
過払金訴訟の負担に耐えかねて倒産した武富士の二の舞が起きるだろう。
そのことがわかっていて、その覚悟があって、財界はTPPに前のめりになっているのか。
増やしすぎた弁護士の報いは、必ず、財界にも向けられる。
日本企業の衰退を狙う勢力の先兵として、日本の飢えた弁護士が雇われるのだ。


財界は、弁護士大増員も、TPPも直ちに止めるべきだ。
市場圧力に圧迫されたハイエナ弁護士ほど怖いものはない。
今なら、間に合う。
貧困マチベンから、財界に対するアドバイスである。

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2012年12月28日 (金)

言論の暴力 タレントの『所得隠し』とメディアの『申告漏れ』

新聞各紙は、どうも板東英二さんの『所得隠し』問題で、大にぎわいのようである。

代表的なインテリ新聞朝日新聞を見ると、大はしゃぎ状態である。

板東英二事務所、5千万円所得隠し 本人が主導か 2012-12-27

1700万円の架空貸し付けか 板東さん事務所所得隠し 2012-12-27

所得隠し協力先に1500万円謝礼か 板東事務所問題 2012-12-28

板東さん正月特番中止 事務所の所得隠し問題が影響 2012-12-28


わたしゃ、板東さんが好きなわけでもない。何と言っても、商売敵の司法書士法人だったかのコマーシャルに出ているのを見るたんびに、また、マチベンの売上が減るような気がするから、天敵のような気もする。


だけど、7年間で8000万円の申告漏れをこれほど重大事件扱いしてはしゃぐなら、あんたはどうよと思う。
朝日新聞社の5年間で2億1000万円の申告漏れの扱いである。


朝日新聞2012年3月30日

申告漏れ指摘、本社が修正申告 法人税7500万円納付

 朝日新聞社は、東京国税局から2010年度までの5年間で、法人所得に約2億5100万円の申告漏れを指摘され、29日に修正申告して法人税約7500万円を納付した。これに伴う加算税は約1100万円、うち重加算税は約400万円と見込まれる。

 重加算税の対象と認定されたのは2件。西部本社が06、07年度に新聞販売店に支払った販売奨励金のうち、4300万円について支払い根拠を確認できな いとして販売経費とは認められなかった。また西部本社が10年度に費用として計上した催事宣伝物品のうち500万円分について、同年度末時点で未納品だったと指摘された。

  朝日新聞社広報部の話 指摘を真摯(しんし)に受け止め、今後一層、適正な経理、税務処理に努めます。

朝日新聞サイトを検索しても、記事はこれ一本で続報はないみたい。
何だかね。┐(´д`)┌ヤレヤレ
板東さんは、『所得隠し』だけど、朝日新聞社はもっと大規模で重加算税が課されても『申告漏れ』なんだそうな。


最近ではテレビ朝日もやりましたよね。


朝日新聞2012年10月16日

テレビ朝日が2億7千万円申告漏れ 東京国税局指摘

 テレビ朝日(東京)が東京国税局の税務調査を受け、2011年3月期に約2億7300万円の申告漏れを指摘されたことが分かった。追徴税額(更正処分)は重加算税を含めて約9300万円で、同社はすでに納付したという。

 

 同社や関係者によると、経費の計上時期の誤りがほとんどだったが、このうち約3800…(以下、デジタル朝日新聞の会員にならないと読めない)

2億7300万円の申告漏れも、この記事しか朝日新聞の検索には、かからないのだよ。追及甘いよなε-( ̄ヘ ̄)┌ ダミダコリャ…


よってたかって、板東さんの8000万円は問題にするけど、自分のことは、ひっそりと記事一本でごまかすというこの神経には、ほとほとあきれかえる。
重加算税が課されているのだからね、朝日新聞社もテレビ朝日も。
『所得隠し』を認めているんでしょ。
板東さんは『所得隠し』で叩いて、自分のことは『申告漏れ』とするこの神経もよくわからん。


こういう不公平って、言論の暴力っていうんじゃないかなあ。
板東さんは、せいぜい一タレントでしょ。
かたや『公器』を自称する一大言論機関の不正じゃあないですか。
前者に厳しくって、後者に甘いという神経がよくわからないよ。


小沢一郎さんの記帳ミスにはあれほど、厳しかったのに、なんで、自分にはこんなに甘いんですか (`へ´)フンッ。


朝日新聞は、社説で、オリンパスの不正経理が防げなかったのはオリンパスに社内弁護士だったか社外取締役に弁護士がいなかったからだと書いた。不正経理は弁護士不足のために起きた、弁護士をコンビニ並みに増やせと論陣を張った。
マチベンは絶対に忘れんからね。


弁護士激増政策の最大の被害者はマチベンなんだかんね。


社内浄化なら、利に走らず、義と情一筋に31年働いてきた、このマチベンを雇わない手はないですよ。


役員並みの給与なんて贅沢は言いません。
朝日新聞社員の平均賃金1240万円でいいから、是非、マチベンの採用をお勧めします。
不正義を憎む心意気ではひけをとらないマチベンは、必ずや、『所得隠し』や悪質な「『所得隠し』の隠蔽」を御社から一掃してみせますよ。

サービス精神旺盛なマチベンは、ついでに御社に潜むその他の不正義も一掃してさしあげますよ。

一人分の社員の給料なら、安いもんじゃないですか。

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板東さんが、税務申告のキャラをしていたことも書いてあったので、急に思い出したけど、この人のことは、忘れたみたいだね。
いったいどうなっちゃたんだろね、つくづくメディアは身勝手な不公平なもんだと思わざるを得ないですね。

21日発売の「週刊文春」で、元暴力団員の要求に応じて1億円を払っていたと報じられた巨人の原監督。 
  過去には警視庁が作製する暴力団排除を推進するポスターに起用されていた。   

 

  警視庁は毎年2回、同種のポスターを作製しており原監督が起用されたのは09年。 
  スーツ姿で口を真一文字に結んだ厳しい表情が使用されている。 

 

http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kouhoushi/no35/image/9110_5.jpg

角界を追われた琴光喜関があまりにも可哀想である。

2012年12月26日 (水)

今日の中日新聞

自民圧勝の選挙予想が氾濫する中、迎えた投票日は鬱な気分だった。


鬱だったので、「今日の憂鬱」を報告した。
自民党のTPP党議決定(ISD条項付のTPPには参加しないとしている。ISD条項抜きのTPPは絶対にあり得ない。したがって、自民党は絶対にTPPに参加しない)を楯に、自民党の圧勝を祝したのも、鬱から逃れる術だった。


その後、国民がバカではなくて、比例区で27.62%の支持しか得られない政党が61.3%の議席を占める選挙制度がおバカさんなのだと、気付いた。
自民党自体は、惨敗した09年総選挙の比例区獲得票より、219万票も減らしていることにも気づいた。
5割を大幅に超える投票が死票になる選挙制度は、一人一票が云々というレベルの問題ではない。
完全な機能不全である。
民意を反映しない選挙制度は、国民代表の名が泣く。憲法43条1項、41条、前文違反である(国民代表としての最低限の正統性を担保しない選挙制度は憲法違反であるという意味である)。


このバカ選挙制度を、比例区の定数を大幅に削減して、さらに大バカにしようとしているのが、バカ選挙制度で当選した議員たちだから、この国の政治は本当にどうかしている。


怒りを選挙制度に向けていたところ、中日新聞が今日の記事で、僕の感じた憂鬱に根拠がないわけではないことを伝えている。Netaikokusya1212261304
やはり秋葉原の熱狂は尋常ではなかったのだ。
まだ、社会はこの熱狂と距離を置いている。
しかし、あの戦争の時代も、皆が熱狂した訳ではない。
最後まで熱狂から距離を置いていた人も少なからずいたし、逆に最初から熱狂していた人も多くはなかったに違いない。
時代の流れの中で、熱狂が、社会を飲み込んでいく。
そのことへの畏れは持ち続けなければならないやっかいな時代に我々は生きている。


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2012年12月25日 (火)

『トリクルダウン』と『サックアップ』

あたし知ってるの。


金融緩和すれば、景気がよくなるなんてウソ。
金融緩和したら、株価が上がったとテレビは囃し立ててる。
あたし、株なんかもってないもん。
毎日、ころころ転がすおカネがあるひとはいいわよね。
あたしなんか、スーパーのチラシと睨めっこ
乏しい旦那の給料で、旦那の小遣いリストラしても
一円でも安いお店を探してるの。


あたし知ってるの。
金融緩和したら、賃金が上がるなんてウソ。
テレビは言うの。
金融緩和したら、金利が上がって、物価が上がる、そうすると賃金もあがるんだって。
誰も信じないわよ、そんなの。
風が吹けば桶屋が儲かるっていうの、
そういう感じの話よね。
雨が降れば、弁護士が儲かるって話があるの。
交通事故が増えるからね。
こっちの方が、ずっと信用できるわよね。


あたし知ってるの。
トリクルダウンなんてウソ。
国全体のおカネが増えれば、いずれ庶民も、豊かになるんだって。
まずは大金持ちが儲かって、そのおこぼれが、庶民に来るんだって言うの。
おこぼれ経済理論って言うんだって。
そんなのウソよ。
小泉さんのとき、いざなみ景気っていうのがあった。
6年も続く空前の経済成長期間だったけど、うちの財布は、縮んだわ。
旦那の給与は15%もダウンよ。
お小遣い5割カットしてやったけど、わたしんちなんて青息吐息よ。


あたし知ってるの。
だから、あたしの暮らしと景気なんて関係ないのよ。
景気だったら循環するのよ。
不況と好景気が交互に来るから、景気って言うの。
一時的に不況(供給過剰とか言うんだって)が来たら、そのときだけおカネつぎ込めば、自然に経済は回復して好景気が来て経済が成長するって、ケインズってんだっけ、言ってたのよね。
でも、今は一時的な不景気な訳じゃないの。
循環なんかじゃなくて、もっとずっとおっきな変動が起きてるのよ。
だから、おカネを刷れば刷るほど、孫子の代に回すツケがおっきくなるだけ。
なんで、こんなこと、エライ人がわかんないんだろ。


あたし知ってるの。
どうして赤字国債が出せるか、赤字国債を出すと、一時的な不況が治るから、後は、経済成長するので、必ず利息付けて返せるっていうのよ。
だから、赤字国債を出してもいいんだって。
さぞかし、未来は経済成長、ばかばかしてるんだろね。
だれも、そんなこと信じやしない。


あたし知ってるの。
3年前の政権交代の選挙にあって、今回の総選挙になかったもの。
「格差社会の是正」って言うの?
消えちゃったわよね。
3年前、大金持ちと庶民の差があんまり大きいから、なおしましょうねって、民主党さんは言ってたのよ。
今回は、民主党さんも言わない、テレビも言わない、景気、景気、景気のオンパレードね。


あたし知ってるの。
たまには、テレビも教えてくれるわ。
日本のGDPは約500兆円、貯蓄は1500兆円あるんだって。
わかりやすく日本の人口を1億人にすると、赤ちゃんからお年寄りまで、一人あたりの年収は500万円になるの。
それで、一人あたりの貯金は1500万円になるのね。
4人家族だと、世帯で平均2000万円の収入があって、6000万円の貯金があるの。
どこのうちの話さ。


あたし知ってるの。
たまには、新聞も教えてくれるわ。
お金持ちは今、1000分の1秒を争って、市場で争ってるんだって。
1000分の1秒でも早く売って、早く買って、利ざやを稼ぐんだって。
95年から2010年までの15年間に世界の総生産は30兆㌦から63兆㌦に増えて、その間に金融資産は72兆㌦から212兆㌦になったんだって。
総生産が2倍になる間に、金融資産は3倍になったんだって。
その差はどんどん膨らんでるんだって。
15年前には、金融資産は実社会の倍、今は3倍、そしてどんどん差が開いているの。
実社会にいるのがバカみたいだね。


あたし知ってるの。
安倍さんが総理になって10兆円の金融緩和したんだって。
赤ちゃんからお年寄りまで、国民1人あたり10万円よね。
かれこれ金融緩和を全部合わせると100兆円になるんだって。
一人100万円よね。
4人家族だったら、400万円。
あたしの周りに、そんなにおカネもらった人いないわ。
でも、おカネが出たんだから、どっかにあるのよね。
どんどんお札を刷れって言った人の近くにたまってるんだわ、きっと。
いいわね~、おカネたくさんあって。


あたし知ってるの。
金融緩和されたおカネは結局、だれかが返さなきゃいけないの。
お金持ちはいったんもらったおカネは絶対にはなさないの。
結局、一般庶民から搾り取るのよ。
あたしの孫子が返す仕組みになってるの。


だから、あたし知ってるの。
トリクルダウン(したたり落ちる)なんて、ウソだって。
100年待ったって、したたり落ちてなんか来ないわよ。
真実はサックアップ(suck up・吸い上げる)なんだって。
奴隷のように働いて、あたしたちは、欲望のままおカネを転がして遊んでる富裕層に貢いでるのよ。
シェークスピアの昔から非難されてる金貸しの天下よね。


30年前から紹介者がなくても、市民から依頼を受けてきたマチベンさんが言っていたわ。
経済のパイがずっと小さかった30年前は、破産する人でも、30万円の着手金を一括で持ってきたって。
だれか親しい人が援助してたんだって。
だれかがそのおカネを工面するくらいは苦もなかった時代だって。
お国は、当時の倍近く、豊かになったのに、破産は全部、1年以上の分割払いになるって。
普通の事件でも、着手金を分割しないと払えない人が増えてるって。


あたし知ってる。
ホワイトカラーだと思ってる人が、維新やみんなの党みたいに自己責任が好きな政党を躍進させたんだって。
この人たちは、自分の身は安泰って思ってる。
でも、派遣を見下してたら、正社員もブラックに働かされて、「自己都合退職」という名のリストラを強いられるようになったでしょ。
明日は我が身っていうじゃない。
だからホワイトカラーもどんどん没落して、貧乏になるの。
この国の99%が貧乏になるまで、この欲望は止められないのかなあ。


あたし知ってる。
みんな知ってる。
トリクルダウンなんてウソ。
景気回復なんてウソ。
この世は今やサックアップなんだって。
世界中、おカネがめぐるおカネ支配の世界になっちゃんたんだって。
だから、結局あたし、スーパーのチラシと睨めっこ。
旦那は僅かな小遣いで、200円弁当。
こんな世の中にだれがしたんでしょ。
みんなで投票して、したんだわ。


みんな知ってる。
トリクルダウンの真実はサックアップ。

関連記事 2013年11月7日「トヨタの繁栄と衰亡」

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2012年12月20日 (木)

政治の非情 河村市長へのお願い

未来の党は、名古屋では実質的に減税日本と国民の生活が第一の系列の立候補者が合わさったものだ。


減税系の候補が全滅したことは広く報道されているとおりだ。


減税系が未来の党の空白選挙区をなくすために、全選挙区に候補者を擁立する方針の中で、弁護士になって1年ほどの新人弁護士が、突然、立候補するということがあった。
減税系では、河村さんの秘書であった、政治家として実績のある佐藤夕子さんすら落選したのだから、急増候補者が当選する筈もない。
彼は、当選者と3倍ほどの票差が開いた第3位であった。


突然、告示日の2日前、12月4日なって法律事務所の退所を決意しての立候補表明であったと聞く。
強い立候補の懇請に押し切られたとも聞く。


彼なりの決断であっただろう。
僅かな選挙期間で、集めた票としては、彼の得票は決して少なくはないだろう。


しかし、弁護士としての経験も不十分なまま、いったん退所した弁護士を採用してくれる事務所があるだろうか。昔のように落選しても、弁護士に復帰すれば、資格だけで食べていけるという時代ではない。


彼を口説き落とした河村市長の関係者は、新人弁護士を取り巻く弁護士業界の厳しさを知らなかったのではないだろうか。
だから、お伝えしたい。
あなたがたが考えているのは、おそらく10年前の状況だろう。弁護士という資格さえあれば、選挙の捨て駒になっても、すぐに弁護士業で生活していける、そう軽く考えていたのではないか。
そんな古き良き時代は、とっくに終わっている。
ごく一部の渉外事務所系列の経営弁護士がおそらくは億の単位の収入を得て、わが世の春を謳っているのを除けば(但し、渉外事務所系列の新人弁護士の採用の仕方は以前から、使い回して、使い回しに耐える剛の者だけを淘汰するといういわゆるブラック企業的な人事管理をして「優秀な」人材だけを残していくと聞く)、弁護士業界の状況は、荒涼たる有様だ。


他方、弁護士になるということは、合格者が2000名を上回る今になっても、決して容易なことではない。
彼が弁護士になるまでの貴重な努力と、それに費やした時間と費用を思うなら、どうして彼に白羽の矢を立てたのか、残念に思う。


政治は、往々にして非情だ。
人を駒のように使い捨てることもある。


河村市長及びその関係者も、懇願して立候補させた候補者を使い捨てにするのだろうか。
懇請してまで立候補させた彼の活躍の場を必ず、保障してもらいたい。
庶民を称する市長には、非情は似合わない。彼の立候補決意の決断に必ず報いるよう引き続きフォローしてもらいたい。

マチベンからの切なるお願いである。

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2012年12月17日 (月)

自由民主党さま 圧勝おめでとうございます 愛国者より

自由民主党さまゑ


現行選挙区制の歴史上初となる圧倒的大勝利、心よりお慶び申し上げます。


私は、愛国者であります。

TPPが我が国の国家主権をまるごとアメリカに売り渡す売国的なものであることは、火を見るより明らかであります。
したがって、愛国者はみな、TPPに反対であります。
御党も売国的TPPには断固として反対されておられます。
今回の総選挙では、ISDS条項(投資家対国家紛争解決条項)すら知らずに、交渉参加に前のめりになった無知蒙昧な売国的野田政権を完膚なきまでに駆逐一掃していただいたことに心から感謝申し上げます。


さて、私は、「日本を取り戻す」と力強く繰り返された御党が、TPPを推進する売国的経済界や経産官僚、これに蝟集するあまたの売国的メディア・学者やビジネスロイヤー等々、不逞の輩どもを一掃してくれるものと固く信じております。


畏れ多くも、知らない者などはいないと思いますが、万一にも御党の方針を知らぬ輩がおるといけませんので、御党が今回の総選挙に当たって、掲げたTPPに関する考え方を引用いたします。


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TPPについての考え方

自民党はTPP交渉参加の判断基準を明確にしています。

  • TPPについては、国民の理解を得る為の情報が決定的に不足しており、政府の改善努力も全く見られません。従って、国益を踏まえて、何を取り、何を守るかの国民的議論が未だ深まっていない状況です。
  • 昨年11月のAPEC前に、野田総理は「(交渉参加の為の)関係各国との協議を開始する」と表明しましたが、これは国内的事情によって、敢えて曖昧な表現にしたものであり、外交の常識では、事前協議の段階から事実上の交渉は始まっていると言わざるを得ません
  • アジア太平洋地域における経済連携については、様々なオプション・進め方(例えば、ASEAN+3/+6など)が考えられ、わが党もその構築の必要性については、関係各国、国内各層と共有してきたところです。更に、日・EUや日・中・韓の経済連携も着実に進めていくことが重要です。
  • また、アジアが今後も世界の成長センターとしての地位を維持していく為に、米国との経済的な繋がりを一層強くしていく必要があることは言うまでもありません。わが国は、米国も含めたアジア太平洋全体の経済発展に主体的に取り組んでいくべきです
  • こうしたことを踏まえ、わが党は、TPP交渉参加の判断基準を明確に示します。

TPP交渉参加の判断基準

     

  • 政府が、「聖域なき関税撤廃」を前提にする限り、交渉参加に反対する。
  • 自由貿易の理念に反する自動車等の工業製品の数値目標は受け入れない。
  • 国民皆保険制度を守る。
  • 食の安全安心の基準を守る。
  • 国の主権を損なうようなISD条項(注)は合意しない。
  • 政府調達・金融サービス等は、わが国の特性を踏まえる。

 (注)ISD条項...外国政府の差別的な政策により何らかの不利益が生じた場合、投資家(Investor)である当該企業が相手国政府 (State)に対し、差別によって受けた損害について賠償を求める(Dispute)権利を与えるための条項。これが濫用されて、政府・地方自治体が定 める社会保障・食品安全・環境保護などの法令に対し、訴訟が起こされる懸念があります。

 わが党は、政府が11月と同様に二枚舌を使いながら、国民の知らないところで、交渉参加の条件に関する安易な妥協を繰り返さないよう、政府に対して、上記の判断基準に沿うことを強く求めていきます。

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安倍総裁の「わが党は、できることしか公約に入れません」と明快なお約束に私は、心から励まされた次第でございます。


安倍総理は、必ずや、アメリカとの事前協議で、毅然たる態度で、TPP交渉参加の6条件を突きつけアメリカに一泡吹かせて、日本を取り戻してくれることを確信しております。


TPPは、競争市場原理をさらに推し進め、古来、和を尊ぶ日本民族の絆を破壊いたします。
何より、TPPに加盟すれば、マチベンが依存する中間層は、完全に没落の憂き目に遭うのであります。マチベンも同時に沈没することは明らかであります。


したがいまして、毅然として、米国の厳しい対日攻勢に立ち向かわれんことを心からお祈り申し上げる次第であります。

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2012年12月16日 (日)

今日の憂鬱

東日本大震災が起き、福島第一原発事故が起きたのはつい先頃のことだ。
どうして、直後の選挙で、原発を復活させようとする勢力が圧勝するのか。


日本人は、将来を考えることのできぬバカであると思っていたら、根はさらに深いようである。


秋葉原は熱狂状態だと昨日のツイッターは伝えた。



再びのファシズム:自民党街頭演説(秋葉原)での愛国的熱狂

この秋葉原の異様な熱気を、ぜひ皆さんに見ていただきたい。僕はこれから始まろうとしている日本の黒歴史の序章に立ち会っているのかもしれない。平和主義を捨て、日本に軍隊を作り、これからも原発を推進し、利権に溢れた生活を続ける人たちが絶賛されている。


僕が思っている以上に日本は、深刻な状態に陥っているのかも知れないと思う。


政権交代を果たした2009年総選挙の興奮と表裏一体の閉塞感がなせることなのだろう。不安が支配するとき、民意はどちらにもぶれる。経済と外交が混乱し、政治が混乱を極める中、軍事的な体制だけは着実に固め続けられている。愛国的な熱狂が交われば、その構図は、やはりあの戦争の時代と重なる。


中日新聞 社説 歴史に学ぶ「明日」を 衆院選投票日に考える


毎日新聞 社説 16日投票 白紙委任はやめよう


自由民主党憲法改正草案のQ&Aは読んでおく価値があるんだろう。

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2012年12月11日 (火)

司法改革の大成功  ブラック士業の登場

司法改革の本当の意味での『成果』が現れ始めている。『ブラック士業』の登場である。

ブラック企業に入れ知恵する“ブラック士業”が暗躍中

ところが、最近の“ブラック士業”はもっと劣悪だという。POSSE代表の今野晴貴氏の著書『ブラック企業』(文春新書、2012年)によると、「明らかに違法な行為に若い弁護士が加担するケースが後を絶たない」。その背景には弁護士の激増(2000年・1万7126人→2011年・3万485人)がある。
(中略)
例えば「すき家」(ゼンショー)では、アルバイトの残業代請求に対して、会社側が「アルバイトは業務委託で労働者ではない」と言い出し、このいくらなんで も無理筋な主張は世間からも失笑を買った。ゼンショーの代理人は労使紛争の企業側弁護士として有名で、確信犯的にこんな主張をしたのだろうが……

儲かるという理由で、ブラック企業に加担する人たち

弁護士の中にも、ブラック企業に入れ知恵をして儲けている人がいるという。法科大学院設置後の弁護士増による過当競争で、色々と食うために大変なのは理解できるが、弁護士の理念に逆行するようなことをやっていては、胸のバッジが泣くだろう。

 

社労士にせよ弁護士にせよ、なぜ労働者側ではなく、企業側の立場に立とうとするのだろうか。理由はいたって簡単である。そのほうが儲かるからだ。労働問題に巻き込まれてしまった個人よりも、会社のほうがお金を持っているのが普通である。市場が大きい方に行く、というのはビジネスの基本だ。B2CのビジネスよりもB2Bのビジネスのほうがマネタイズが容易なのと、理由が似ている。

 

構造的には間違いなくそうであるにせよ、僕はこの手の士業の人たちにはなんとか一線を超える前に踏み止まってもらいたい、と思っている。自分が食べるために、他の人を食い物にしていいという道理はない。良心だけは、最後まで捨てずにいてもらいたいものである。

典型的なブラック士業から損害賠償請求の内容証明

未払い残業代を請求したところ、誠意を持って対応したいとしておきながら、末尾には、「急な退職で業務引継も万全ではなかったために当社は多大な損害を受けておりますので、貴殿に対する損害賠償を請求することを検討しています」と書かれています。

これって、もう笑うしかありません。損害賠償請求が認められる可能性は皆無だからです。ブラック士業はそれを知りながら、一般人である相談者に対し損害賠償請求の可能性を告げることによって畏怖させているだけのことなのです。

こけおどしは経営側弁護士の専売特許みたいなものですからね。

しかしそれにしても、一般人がこうした弁護士からの内容証明を読めば、夜も眠れないような精神的苦痛を感じることでしょう。

脅迫罪が成立しないのだろうかとも思いますが、まず無理でしょうね。

そういえば、突然、B社の代理人弁護士から900万円の請求をされてびっくりして駆け込んできた経営者の方がおられた。
それらしい根拠もないのに、突然、900万円もの大金を請求されれば、びっくりする。
むちゃくちゃな要求でも、中には相手の弁護士に電話して、金額を半額にしてもらって、泣く泣く示談している人もいるに違いない。弁護士の名前で根拠のない大金をふっかけて、半額取れれば丸儲けである。まるでボッタクリバーではないか。
大量生産による弁護士“公害”である。


まぎれもなく、これこそが司法改革の大いなる成果である。

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何ともやりきれないのが、この司法改革を先陣を切って推し進めたのが、常は人民・大衆の味方であると称している、共産党主流派の弁護士たちであることだ。

司法改革推進に走った共産党主流派弁護士たちよ。
もう、そろそろ総括と反省の弁を聞かせてもらってもいい頃ではないのか。

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2012年12月 8日 (土)

脱原発とTPP

20××年、日本政府は、10年以内に全ての原発を廃炉にするとの方針を閣議決定し、同年、原発廃止法が成立した。


という近未来のシチュエーションを仮定してみる。


ここからの筋書きはそのとき日本がTPPに加盟しているかどうかで、大きく異なる。


【TPPに加盟していなかった場合】
この立法に猛反発した盗電、癇電など原発利権に群がっていた各電力会社は、一斉に、原発廃止によって、生じた損害の賠償を求めて、提訴した。
政府の政策転換と立法によって、将来得られるべき莫大な利益が失われ、廃炉に要する膨大な無用のコストが生じたことを理由とする国家賠償請求だ。


合計で数百兆円に及ぶ損害賠償請求に対する各地の裁判所の判断は分かれた。


盗電は、史上最高額である147兆円の損害賠償について勝訴判決を得た。
他方、厨電は、敗訴し、むざむざ数億円に及ぶ訴状添付印紙と、同じく数億円と見られる弁護士費用を失うことになった。


厨電判決は、原発事故が発生した場合、国民とりわけ原発立地自治体周辺の住民の将来にわたる健康被害は、金銭では測りがたい深刻かつ、回復不可能なものであること、事故による共同体の破壊、原発事故の事後処理には少なくとも数百年を要すること等を考慮すれば、原発廃止の政策には高度の公共性があり、憲法29条2項の「公共の福祉」により許容される財産権の制限に該当するとした。


厨電は、原発を浜岡原発しか保有しておらず、浜岡原発については、米軍横須賀基地や新幹線、東名高速道路に近すぎるため、アメリカ政府筋からも、密かに停止を求められていた事情もあって、控訴を断念した。


他方、厨電と同じく敗訴した癇電は、強硬であり、即日控訴を申し立てた。盗電に敗訴した国も即日控訴した。


東京、大阪、福岡等、各地の高等裁判所の判決も結果が分かれた。


争点は、原発廃止政策が、憲法29条2項による、公共の福祉による財産権の制限として、適法なのか否か、さらに適法だとしても、収用に準じて憲法29条3項により、損失補償を電力会社が求めることができるか否かであった。


最高裁は、20××年○月○○日、電力各社の請求を棄却する判決を言い渡した。
最高裁は、原発廃止は、高度に政治的な選択であり、広汎な立法裁量に属するものであって、裁量権の逸脱が一見して明白でない限り、公共の福祉による財産権の制限として許容されるとした。他方、損失補償については、原発廃止が直ちに29条3項による収用とは認められないとした上、政治的な選択に関しては、立法府の判断に委ねられる部分が極めて大きいことを指摘して、電力会社の請求を棄却した。


政治に介入するのを極端に嫌う最高裁の伝統にしたがった最高裁正統派の判決であったが、最高裁長官が、密かにアメリカ大使館に呼ばれた事実が伝わる等、どのような判決がなされるのか、予断を許さなかった。
かろうじて米国の圧力を排し、従来なにかと批判されてきた政治的中立性論(司法消極主義)を楯に、財産権至上主義に歯止めをかけることで、司法の独立を保つという皮肉な結果となった。


【TPPに加盟していた場合】
この立法は、電力各社に対して巨額の投資をしていた米国系マネーの憤激を買った。米国投資家は、こぞって日本政府に直談判を行ったが、ときの総理大沢二郎は、頑としてこれをはねつけた。


米国投資家は、直ちに、TPP協定のISD条項(投資家対国家紛争解決条項)に基づき、日本政府を相手取って、国際投資紛争仲裁センター(ICSID)に仲裁を申し立てた。
ICSIDは、世界銀行傘下の仲裁機関で、ワシントンに本部を置いている。
世界銀行に対する出資は、アメリカが群を抜いており、世界銀行の歴代総裁は、アメリカが独占している。


仲裁人は3人で構成される。申立人である米国投資家が指定する仲裁人、申し立てられた日本政府が指定する仲裁人、そして、両当事者が合意した首席仲裁人で構成される。
両者が首席仲裁人の指定で一致をみないときは、ICSID総裁が首席仲裁人を指名する。
このケースでも、主席仲裁人について、一致を見なかったため、ICSID総裁が首席仲裁人を指名することになった。
ICSID手続に熟練した巨大ローファームは、米国投資家の依頼を受け、密かに米国の原子力会社に働きかけ、総裁とコネクトし、日本政府推薦の仲裁人も含めて仲裁人らに巨額の原発マネーが流れたとする風聞があるが、真相は定かではない。


NAFTAのISD条項によって、米国投資家から提訴されたカナダ政府、メキシコ政府は、これまでに仲裁判断が示された事例では、ことごとく敗訴している。世界銀行に対して、米国が大きな発言権を持っていることが仲裁判断を左右していると考える識者も少なくない。


原発を廃止したのは、ドイツなど、限られた国家であり、アメリカは、地球温暖化を防ぐ20カ年計画に基づいて原発輸出を促進している。世界の市場関係者は、日本政府の原発廃止を無謀なものとして厳しく非難している。


審理の内容は、一切が非公開とされているため、不明であるが、近々に結論が示されるとの観測が流れている。


仲裁人団が、原発廃止を外国人投資家に対する間接収用に該当すると判断するのは、確実であり、仮に公共目的による間接収用であっても、迅速で適切な補償をするというルールに違反したとみなされることは必至である。公共目的すらないと判断される可能性もあり、この点に関する仲裁人団の判断が注目を集めている。


なお、迅速な補償がなされなかったことによる遅延損害金は年5%であるが、請求額が巨額であり、すでに5年が経過していることから、遅延損害金も莫大な計算になる。
これまでの実績から見ても、日本政府の敗訴は確実であり、焦点は、仲裁人団が決定する損害額が過去最高を大きく上回る1000億ドルに及ぶのではないかという点に絞られている。


仲裁人団による損害額の判断は、日本国の存亡を左右するものといえよう。

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国家は、自国における法規制について、自国の裁判所が判断する権能を最低限の権能として保持している。
たとえ、条約であろうと、国内に適用される限りにおいて、その解釈は各国の司法に委ねられる。
司法は、国家が存立するための、国家主権の不可欠の構成部分である。


ISD条項は、この司法権を深く侵害する。
司法権を奪われた国家は、国家たりえないと言っても過言ではない。


TPPへの加盟は、国内のあらゆる規制が、アメリカ人投資家本位に、アメリカのの支配下にある裁判所で裁かれる結果をもたらすと考えるべきだろう。


TPPは、日本が主権国家として成立する基盤を深く侵害する。
そのことに、政治家もメディアもどれほど気づいているのか、知りながらこれを推進しようとしているのだとすれば、この国の政治家とメディアが完全にアメリカに支配された売国奴だということになる。
TPPはそのことを問うている。

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2012年12月 4日 (火)

世論調査とネットでの選挙運動

世論調査は、相変わらず、固定電話でやってるらしい。
マチベンは、離婚してボロ屋に越して以来、固定電話など引いていない。
携帯電話があれば、十分である。
最初の頃こそ、書類にサインするときに、固定電話はないのか聞かれたことがあったが、今は、そんな野暮なことを言う所もないので、携帯しかないのが当たり前になった。


確認のためネットを見たら、「固定電話数の移り変わりをグラフ化してみる(2011年版情報通信白書より)」の記事がすぐに見つかった。

携帯電話の普及率は1995年時点では1%台だったのが、2000年には4割を超え、最新データでは93.3%という値が出ている

一方固定電話は、1996年までは増加傾向にあったもの の、その後漸減傾向を見せ、直近の2010年度末(2011年3月末)には1995年と比べると半数近くにまで減っている。携帯電話の普及率上昇と相反し ていること、昨今においては固定電話を持たずに携帯電話のみの世帯も増えていることから、電話というインフラの所有・利用のトレンドが確実に変化を遂げつ つあるのが分かる(今件にはIP電話は含まれていないことに注意。IP電話は逆に漸増している)。


今や携帯電話は社会生活上の必需品だが、固定電話は、必ずしもそうではないのである。固定電話を持っているかどうかは、生活スタイルや生活意識の反映もあるだろう。
世論調査は、固定電話を持っている人が対象だから、否応なく偏りが出る。
しかもナンバーディスプレイが普及したから、たとえば「03」とか「06」とかからの見知らぬ電話番号からの電話に無条件に出る人が対象になる。
企業なんかは、そんな電話にも出るんだろうけど、まさか電話口に出た人に世論調査する訳にはいかないだろう。
ちなみにマチベンは事務所設立以来20年以上、一度も世論調査の電話に出くわしたことはない。


以前から、固定電話方式に、世論調査の方法として、一定の偏りがあることが指摘されてきたが、今や世論調査で表される民意は現実と隔たりがあることを認めざるを得ないのではないだろうか。


もうそろそろ、こうした問題を本気で研究した成果があってもいいだろうに、テレビも新聞も旧態依然とした世論調査を流し続ける。
世論調査を流すこと自体が、世論操作になりうるので、本気で研究する資金はどこからも出そうもない。


訪問調査も同じだろう。僕のような独居社会人は、通常の時間帯で家でつかまえるということはまずできないだろう。
オートロックのマンションなんかは、調査員も入れないだろう。


かと言って、ネット投票の類はいよいよ怪しい。


結局、一番、大事なものは何かを決め、さらに候補者を見極めて、ぶれずに自分の判断で、投票行動するしかないのである。


こうなると、困るのは、ネットでの選挙運動が禁止されていることだ。
あまりにも時代遅れである。
ネットでの情報発信は、公職選挙法の文書図画の制限に違反するとの政府解釈が示されているために、選挙目的の情報発信は控えられているようである。
選挙ビラ等の文書類が制限される最も大きな理由は、資力の違いによって、投票行動を左右することができるという点にあろう。
ネットでの情報発信には基本的には費用は発生しない。
ネットでの選挙運動を禁止するのは、明白に表現の自由の過剰な制限に該当して、憲法21条違反だと思う。


国民の政治への関心が最も高まる時期にネットでの情報発信を禁止し、相も変わらぬ名前の連呼が、選挙運動の中心になるのは、およそ時代錯誤だ。


とくに、今回のように急ごしらえの候補者ばかりになると、情報の集めようがなく、とんでもない候補者に票を入れることにもなりかねない。


今回の選挙でも、僕が支持したいと思った政党の小選挙区の候補者を見たら、全く知らない人物で、ネット検索しようにもひらがな登録のため、一体いかなる人物なのか、全く不明である。こんなことでは困る。
現に、河村ブームに乗って名古屋市議会の議員になった人の中には、愛人同伴の公費出張が問題にされた上、当て逃げ事件を起こしても開き直っているような人物もいる。


ネットでの選挙運動の解禁は焦眉の課題である。
ことは解釈ですむ問題なのであるから、政府は直ちに、従来の解釈を改めるべきだ。
ネット選挙運動の弊害も出るだろうが、一度、やってみて、それから法規制のあり方を考えるのが現実的だろう。


この問題は、すでにすぐれた論考がいくつもあるようである。

Galileoのブログ 参議院選候補者がつぶやくのは本当に違法なのか

Wikipediaでも興味深い記述がなされている。ネット選挙

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