ISD条項の罠5 韓国朴チュソン議員の発行冊子全体版
ようやく朴チュソン議員の冊子全体の校正を終えた。
全体版をアップする。
TPPの賛否を問わず、絶対に参考にしなければならない必読文献である。
全体の構成は、以下のようになっている。
1. [法務部、2006年]
国際投資紛争分野対応方案
2. 投資紛争2次交渉対応方案
3.[大法院、2007年]
韓米FTA国際投資紛争解決手続関連検討意見
4. [大韓弁協、2012年]
韓米FTA国際投資家国家間紛争解決手続(ISD)に対する意見 ・・
5. [米国、2012年]
米国州議会議員らがTPP交渉者である米国貿易代表部に送る投資家対国家紛争解決拒否要求関連の公開書簡
なお、韓国語を日本語に翻訳していただいたのは、反グローバリゼーションの志を共通にする李洋秀氏である。韓国と日本に精通した優秀な通訳である氏の惜しみない労なくして、この作業は不可能であった。
是非、多くの国会議員、学者、市民の方に目を通していただきたい。
なお、大法院(最高裁)も含め、政府機関が強い危機感を持って対応しているのに対して、資料4の大韓弁協の見解は、いかにも些末である。このことはISDが彼らにビジネスチャンスをもたらすことを示している。大韓弁協の意見は、完全に英米法的思考に取り込まれているように見える。
また、資料5は、米国州議会議員、全50州と一自治区の州議会議員で構成される州立法者協議会がISDに反対している点は、特筆すべきである。急ぎ公開することを優先したので、この部分の翻訳は甚だ不十分である。英語が添付されているので、正確にはそちらを参照していただいた方がよいと思う。
強調しておくが、今後のTPP議論は、この報告書の到達点を出発点にしない限り、まやかしである。
今後は、この到達点を基礎として、いくつか、憲法論、法律論として考えられる問題点を指摘していくことにする。
憲法学者さんが拾ってくれれば、あるいは、日弁連執行部が拾ってくれれば、いつでもマチベンは撤退します。(^^)V
残念ながら、現状では、正確な情報を提供しようとする法律家が不足しているので、しばらくマチベンの議論にお付き合い願います。(^-^;
といっても、基礎とされるべきものは、全て仮訳して公開したので、真面目な議論は、休み休み進めたいと思います。
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