『トヨタる』奴と、中日新聞
正直に言う。トヨタは嫌いである。
地元では、意味もなく、偉ぶることを「トヨタる」という。
えらく細かく、どうでもいいようなことにケチを付けて、相手を叱り飛ばして、原価割れまで値切りに値切って、ろくな対価も支払わいくせに如何にもテメエに支払ってやっているとばかりに、ふんぞり返るという、イヤな奴の典型のような奴のことを「あいつはトヨタっている」というのだ。
というのは、今、マチベンが勝手に考えた言葉である。
正直に言う。しかし、トヨタを守れと。
アメリカにこびへつらうことなく(アメリカのハイエナ弁護士に欠陥車だと因縁を付けられて震え上がって、940億円だかを脅し取られてしまったことがあるにしても)、正面からアメリカと伍して競っている企業は有名どころでは、おそらくトヨタだけだからだ。
財界が挙げてTPPを推進しているようにみえるのは、多分、財界が財閥に仕切られているからだろう。
アメリカ側のTPP推進勢力の代表格であるモンサント社と日本経団連の米倉会長率いる住友化学が提携関係にあるように、財閥と米多国籍企業は悉く結託しているに違いない。
財閥系の狙いは一つだ。
アメリカ多国籍企業の忠犬ポチを演じて、おこぼれに与ること。
アメリカの自動車産業がなべてTPPに反対しているのも、トヨタがアメリカ自動車メーカーの軍門に下るのをよしとしないからだろう。
もう一度言うが、トヨタは嫌いである。
とくに高慢な社員を含むトヨタの振るまいがどれほど、地元で嫌われているか、何度繰り返しても、過ぎることはない。
まあ、三菱や中電とか、名鉄とか、みんなその社員であるというだけで、えらそうにしている奴が多いのはどこでも同じだとは思うが、なかでもトヨタは恨みを買っている。
しかし、TPPの狙いの一つがトヨタ潰しにある以上、誠に残念ながら、ここはトヨタを応援するしかなさそうなのである。
中日新聞は、全国レベルの問題では、論陣を張るが、地元自治体や企業にはからきし弱い。
なぜだかTPPは、全国レベルの問題であるにも拘わらず、5大紙と足並みを揃えて推進していた。
2月初め頃だったか、僕は、TPPに関してメディアで論じられない問題点があることを中日新聞のしかるべき記者にお話ししたことがある。
記者は一時間以上書けて聞いてくれたが、反応はおよそ悪かった。
それ以前に、憲法学者にも軽くあしらわれたこともあった。
仕方がないので、自分が正面に出るしかなくなったのである。
前に出てみれば、決して気分の悪いことではないが、できれば、権威ある筋に前に出てほしかったのが正直なところだ。
僕は自分の疑問に素直に従って、問題提起型の訴訟をずいぶん起こしてきた経験がある。
先例がほとんどない分野の訴訟であれば、専門家の協力がほしい。
しかし、自分の素朴な疑問を、専門家にぶつければ、大抵の場合に帰ってくるのは、冷笑か、適当にあしらうという対応だった。
このとき、記者から感じた空気も「専門家」のものだった。
だから、僕は、安倍訪米後に中日新聞がTPP推進の社説を掲げても、失望もしなかった。
その中日が突然、TPPに反旗を翻した。
昨日も中日は闘っている。
僕は、トヨタがとりあえず、TPPを嫌がっているのだろうと想像している。
多少なりとも、トヨタ労組の息のかかった民主党議員は、これまで決してTPPに批判的な対応を示さなかった。
これから彼らがどう動くのか、少し見物ではないかと淡い期待を抱くのも悪くはない。
衆院予算委で質問する日本維新の会の松野頼久氏 |
共産党の笠井亮氏(左)=8日、国会で |
環太平洋連携協定(TPP)への交渉参加に関連し、後から交渉に参加したカナダとメキシコが著しく不利な交渉条件を求められた問題が、八日の衆院 予算委員会で論戦の主要テーマになった。野党側が事実関係の公表を求めたのに対し、安倍晋三首相らは終始、後ろ向きな姿勢。TPPは国民生活を大きく変え る可能性のある重要な課題なのに、首相は説明責任を軽視したまま、交渉参加表明に踏み切ろうとしている。(金杉貴雄、関口克己)
日本維新の会の松野頼久氏はこの問題を報じた本紙を片手に「不利な条件で参加しなければいけないのか、カナダやメキシコに確認したのか」と、何度も政府に迫った。
問題は、二〇一〇年までにTPP交渉に参加した九カ国が、一一年十一月に参加の意向を表明したカナダとメキシコに対し、すでに合意した条文は後発の参加国は原則として受け入れ、再協議も要求できないなどの不利な条件を提示したというもの。
岸田文雄外相は松野氏の質問に「他国のことをコメントする立場にない」と繰り返した。自民党の山本有二委員長が「日本の立場を明確に」と促しても、答弁を変えず、松野氏は「議会として聞いているのに怠慢だ」と憤った。
首相も「交渉にまだ参加していないから情報収集が難しい」と釈明したが、これには松野氏が逆襲。松野氏は、自民党が野党時代の二〇一一年十一月、 当時の野田政権による交渉参加表明に反対する決議案を衆院に提出した際、「政府の情報収集と国民への説明が不足している」と批判したことを指摘し、現在の 首相の姿勢との矛盾を突いた。
また、共産党の笠井亮氏は、七日の予算委で「既に交渉に参加している国と、後から参加する国では条件が違うのか」との質問に、首相が「判然としない部分がある」と答えた点を取り上げた。
笠井氏が「判然としない内容を把握しているのか」と聞くと、首相は「取っている情報もあれば、輪郭がぼやっとしているものもある」と答弁。笠井氏 は「ぼやっとしたものがあって、入ってみたら大変だったら責任問題だ」と情報把握が不十分なまま、近く交渉参加を表明しようとしている首相を批判した。
八日の質疑では、岸田氏が、後発組の国には包括的で高いレベルの貿易自由化を約束し、交渉進展も遅らせないなどの要求があることを明らかにした。
日本のTPP参加では、コメなどの農産品が関税を撤廃しない「聖域」となるかが焦点。笠井氏は、林芳正農相が岸田氏の説明を知っていたかと聞くと、林氏は「そういう情報を事前に知っていたことはない」と述べた。閣内でTPPに関する情報共有が不十分なことも露呈した。
笠井氏は「国民や国会には都合の悪い情報は出さず、国のあり方に関わる重大問題で、拙速に結論を出そうとする。絶対に許されない」と迫った。
開かれた議論を求めて選挙を戦ったのは、自民党、あなた自身だ。
TPPについては、国民の理解を得る為の情報が決定的に不足しており、政府の改善努力も全く見られません。従って、国益を踏まえて、何を取り、何を守るかの国民的議論が未だ深まっていない状況です。
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