公共放送NHKのとんでも憲法論
訳あって、前のブログのNHK部分だけ、分けて二重投稿します。
【みんなの公共放送:NHKの憲法議論】
7時台のニュースは、『シリーズ憲法』という連続枠を組んでいるようだ。
今日のお題は「『新しい人権』と憲法~ネット社会とプライバシー権」
まず、ネットへの投稿や、書込で、プライバシー権の侵害を受けたという被害を紹介。ネット業者にインタビュー。削除依頼があっても、『表現の自由』があるために、十分には応じられていないかのような回答を得る。
最後は、自治体の民生委員が、個人情報=プライバシー権の壁で、十分な福祉が行えず、孤独死が起きているという問題もある、と紹介。
学者の先生の訳のわからんコメント(先生が話した内容がかみ合っていないのか、意図的に歪曲されたのかは不明)を聞かされた末、取材記者が登場して、憲法13条の『個人の尊重』、『幸福追求権』でプライバシー権は保障されているという『意見もある』(憲法学では通説である)が、明確に規定することが必要とする声もあるとまとめる。
おいおい、これでは、憲法を、民事紛争を解決するルールを決める民法と同じに扱ってるじゃないかい。
おまけに、福祉行政では、プライバシー権が邪魔になっているという訳だから、行政に対してはプライバシー権を放棄して、私人間では、憲法によってプライバシー権を守ろうという話になっている。
憲法は、権力を拘束するもので、個人を縛るものではない。
憲法に書かれている権利は、直接は、権力に対して主張するものだ。
私人間の話であれば、民事法で対応するのが筋である。
私人間ルールとして衆目が一致するような課題は、行政法規に取り込んでいけばよい。
ネット被害は、公権力による規制以外は、憲法問題ではない。
おいおい、天下のNHKさん。
こんな高校生や中学生並みのことを教えてもらわなければならないほど、劣化しちゃったのかい。
この企画、局のどっかで、誰かが、間違ってると思わなきゃウソでしょ。
訂正放送をすべきである。
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