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2013年6月の9件の記事

2013年6月23日 (日)

TPP 守るべきを守らず、攻めるべきを事前に放棄して、国益を捨てる

3日前の中日新聞

Seiikihanbun

自民党は参院選の選挙公約にTPPについて、「守るべきは守り、攻めるべきは攻めて最善の国益を追求する」としている。
守るべきは、半分も守れればよい、攻めるべき交渉材料(自動車)は、すでに手放した。
そもそも交渉と言いながら、他の加盟国は持っている交渉において日本から何を要求するのか、さっぱりわからない。
ひたすら宗主国に屈服するのが、最善の国支配者益というのが自民党の参院選公約である。

まさかね、交渉において堂々と自民党の党議決定6項目を要求するんじゃないでしょね。
ISD条項は、オーストラリアだけ除外するかもという情報もあったりするから、頑張ってもらいたい。

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2013年6月18日 (火)

お勧め『TPP黒い条約』(集英社新書)

中野剛志編『TPP黒い条約』(集英社新書)、お勧めです。
TPP黒い条約(集英社新書)

序にかえて/中野剛志
第一章:世界の構造変化とアメリカの新たな戦略―TPPの背後にあるもの―/中野剛志
第二章:米国主導の「日本改造計画」四半世紀/関岡英之
第三章:国家主権を脅かすISD条項の恐怖/岩月浩二
第四章:TPPは金融サービスが「本丸」だ/東谷 暁
第五章:TPPで犠牲になる日本の医療/村上正泰
第六章:日本の良さと強みを破壊するTPP/施 光恒
第七章:TPPは国家の拘束衣である―制約されるべきは国家か、それともグローバル化か―/柴山桂太


右派論客が揃うと、どんな本になるのかなあ(汗w)と思っておりましたが、読み終えた印象は、極めて着実な議論で貫かれたバランスの取れた良書です。


米国の世界戦略の分析(中野剛志氏)と対日要求の歴史(関岡英之氏)という総論を踏まえ、ISD(岩月)、金融・保険(東谷暁氏)、医療(村上正泰氏)の各論(網羅的ではないが、経済的観点からはTPPの本質的部分を摘出している)を経て、ボーダレス化と人間(施光恒氏)、グローバル化と脱グローバル化の歴史の視座(柴山桂太氏)を提供して展望とする一連の流れは、さすがに中野剛志氏の見事な編集だと思いました。


末席を汚させていただいたのは光栄としか言いようがありません。


要するに、TPP(並行日米二国間協議=日米FTAを含む)は、普通の日本人にとって、ごく公平に見て『売国』と呼ぶしかない訳です。
そして、グローバル化というのは、一種のイデオロギーに支えられた運動であって、それは普遍的なものでも歴史的必然的なものでもない。
むしろ行き過ぎたグローバル化が国家間の対立を抜き差しならないものにしたという20世紀初頭の状況を教訓とすべきだということです。


個人的には、施光恒氏が、第6章で、国内に多様な仕事があるということが生きるということの多様性を保障するといった趣旨を述べておられることに大変、共感した次第です。
グローバルに最適地での経済活動が行われれば、当然、国家の産業は資本に都合のいいようにモノカルチャー化し、仕事の種類は限られてきます。
多様性のある国家の間での(互恵的な)交易という世界秩序を提示されています。


「仕事」は生きるということの重要な一環を占めています。
フロムが、全体主義からの脱却の展望として「愛」と「生産的な仕事」を挙げていたことを思い起こしました。

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追記 そういえば、佐伯啓思氏は、「インターナショナル(国際)」でもなく、「ワールド(世界)」でもなく、「グローバル(地球)」という言葉を使うことの意味を問い、強い警鐘を鳴らしていました(『アダムスミスの誤算』)。
「インターナショナル」は当然、国家間の関係であるから国家が強く意識されている。
「ワールド」と呼んでも、世界の中の各地域、各国の多様性は前提になる。
しかし、「グローブ」として宇宙から見てしまえば、陸と海があるだけの一様の空間になる。
「グローバル」という言葉には、多様性を無視した一律一様なルールの適用を理想とする含意がある。1999年の日本において、2013年TPPに直面する日本でまさに問われる問題の本質を喝破していたことには、改めて敬服せざるを得ません。

【CM】 IWJクロストークカフェに出演 お近くの方遊びに来てね

クロストークカフェ vol.8 in 名古屋 岩月浩二 × 岩上安身
~民主主義を空洞化させるTPPは憲法違反のクーデター!~[6月29日]

http://iwj.co.jp/info/whatsnew/wp-content/uploads/2013/06/iwjtalkcafe_606.jpg

尊敬してやまない岩上安身さんの主宰するIWJの公開対談企画が名古屋で開催されます。

声がかかったときは、パネラーの一人みたいな軽い乗りだった(と感じた)ので、喜んでお引き受けしたんですが、チラシができたら、岩上さんのお相手は僕一人(汗)。

ということで、人集めもしないといけないのです。
お気持ちのある方は、是非、お越しくださいな。

申込制ですのでご注意を。

2013年6月17日 (月)

年内妥結を既成事実化するマスコミのウソ TPP 『極度の秘密交渉』に米議会の異議

AFP BBNEWS
米民主党議員ら、TPPの「秘密主義」に懸念

2013年06月12日 19:24 発信地:ワシントンD.C./米国

【6月12日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領の民主党に所属する議員らが12日、環太平洋連携協定(Trans-Pacific PartnershipTPP)の交渉が過度に秘密主義であり、米国の雇用喪失につながる恐れがあるとして懸念を表明した。

 議員1期目の民主党下院議員の過半数が署名した書簡は、オバマ大統領が政権の目玉となる優先事項として進めているTPP交渉が、「極度の秘密主義」の中で進展していると述べた。


 議員らは、オバマ大統領に「迅速な」貿易推進権限を与えることへの抵抗を表明。この権限が与えられれば、オバマ大統領のチームが交渉を行い、議会はその交渉結果について修正を求めることができないまま、賛否投票をすることになる。


「議会は米国の貿易政策を再び軌道に乗せるために協働しなければならい──その権限を手渡すのではなく」と書簡は述べている。


「貿易協定が公益に資するものであることを確認するわれわれの権限を弱めることは、米国の製造業と雇用を外国に移転させてわれわれの製造拠点を荒廃させた、誤った貿易政策を改革し、米国に雇用を創出するというわれわれの取り組みを台無しにするものだ」


 この書簡はウィスコンシン(Wisconsin)州選出の下院議員、マーク・ポーカン(Mark Pocan)氏がとりまとめた。


 TPPは、アジアにおける米国の存在感を高めるためにオバマ政権が掲げる「旋回」戦略の一部となっている。中国の台頭が目立つアジアにおいて、中国が交渉に参加していないTPPで地域の規則と基準を構築することが狙いの1つだ。(c)AFP

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オバマ大統領には、何の権限もない。(当ブログ2013年3月14日


貿易促進権限法は失効しているため、議会から大統領に通商交渉権限が与えられていないなかで、TPP交渉が進められている。


(略)TPP 交渉開始の意図を議会に通告しながら、交渉が法的根拠なしに進められている状況は前例がない。」(「季刊国際貿易と投資」84号滝井光夫「米国のTPP参加交渉と貿易関連問題」15p~16p)


無権限であるのに、本来の権限を持つ議会にすら交渉内容を知らせず、極秘で交渉を進めるというのは議会にとっては、耐え難い侮辱であろう。
オバマ大統領は、2007年7月1日に失効した大統領貿易促進権限法にのっとる手続は践んでいるだろうが、その手続自体も失効している。
議員が、極度の秘密交渉に異議を表明するのも当然である。

議員らは、オバマ大統領に「迅速な」貿易推進権限を与えることへの抵抗を表明。


「貿易協定が公益に資するものであることを確認するわれわれの権限を弱めることは、米国の製造業と雇用を外国に移転させてわれわれの製造拠点を荒廃させた、誤った貿易政策を改革し、米国に雇用を創出するというわれわれの取り組みを台無しにするものだ」

ということなのだから、オバマが貿易権限の授権を受けるのはなまなかなことではないだろう。
現に2011年9月には、授権法が否決されている。
2007年に失効した貿易促進権限法もわずか1票差で可決されたとされる。


わかっていて年内妥結を当然の前提として報道し続けるマスコミは、既成事実になったとして、TPP反対の世論が広がることを妨げようとしているのだろう。


今頃になって、この問題について、詳しいサイトを発見しました。
ブログ「方谷先生に学ぶ
正確で詳細な説明があります。
是非、どうぞ。


日本語情報では、大本営発表しかないという状況はいい加減、どうにかしてもらえませんかね(`ε´)

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2013年6月13日 (木)

日米FTA進行状況 公聴会その他

   

NHKWEB

 

米 日本のTPP参加に警戒も
6月12日 7時20分

 
 米 日本のTPP参加に警戒も    

 

TPP=環太平洋パートナーシップ協定への日本の交渉参加について、アメリカの産業界などから意見 を聞く公聴会が開かれ、日本では市場開放が進まず、アメリカ製の自動車輸入が低迷する一方で、輸出が有利となるよう円安誘導をねらっているなどと日本に批 判的な意見が改めて出されました。

 

関税をはじめとした貿易問題を調査しているアメリカ政府の国際貿易委員会は11日、公聴会を開き、産業界や労働界の代表が出席して日本のTPP交渉への参加について意見を述べました。
このうち、全米自動車労働組合の幹部は、日本ではアメリカ製の自動車の輸入を拡大させる市場開放の取り組みが進まない一方、日本車の輸出が有利となるよう円安誘導をねらっているなどと改めて批判しました。
そのうえで、「日本が対応を変えないかぎり、日本車にかけている今の関税を引き下げてはならない」などと述べ、アメリカ政府に厳しい対応を求めました。
また、金属製品のチタンを製造する企業は、関税の撤廃で日本からの輸入が拡大すればチタンを多く扱う国防関連の産業に打撃が及ぶなどと日本の参加に懸念を表明しました。
一方でアウトドア用品の業界団体からは、日本のTPPへの参加は市場拡大の大きなチャンスになるとして強い期待が示されましたが、アメリカの製造業の一部に日本の交渉参加について、強い警戒があることが改めて示されました。

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 【ワシントン時事】7月からの日本の環太平洋連携協定(TPP)交渉への参加に向け、米通商代表部(USTR)が実施していた各業界などからの意見公募 が9日締め切られた。この中で、対日最強硬派である米自動車大手3社のロビー団体、自動車政策会議(AAPC)は日本に対する米国の自動車関税の撤廃期間 を「25~30年間を下回らない期間」とするよう要求した。
 TPPは関税の全面撤廃を原則としており、各国は貿易自由化による国内産業への配慮が必要な重要品目についても、関税撤廃の対象から除外するのではな く、長期間で段階的に廃止することを求められている。ただ、その場合でも10~15年が限度と見られており、25年以上の撤廃期間は極めて異例な要望だ。 日本の米国車輸入に対する関税はゼロとなっている。 

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来月初めと報道されていた公聴会が早々に開かれたようだ(NHK)。
自動車業界の警戒心は異様に強い。
関税撤廃までに25年から30年の猶予を求めるなど(時事)、この分野での競争にはアメリカ産業界が耐えられないことを示している。
日本がアメリカの自動車業界の保護主義を認めれば、アメリカが日本の農産品の保護主義を認めるかといえば、そんなことはない。
米国としては、自由貿易と保護主義(知的財産権の強化はあくまでも保護主義の文脈でとらえるべきだろう)を都合よく使い分けられる相手が日本だということだ。


国際経済法学の分野では、「自由貿易」それ自体に、特別な価値があることを前提として、FTAを評価する議論がなされるが、ことアメリカとの協定においては、「自由貿易」等という建前は通用しない。
理念ではなく、すぐれて実益に関する問題であることがあからさまである。


TPPにおける最大の市場が日本であるから、アメリカ産業界にとっては、TPPとは日本市場が目的だったとしか言いようがない。
TPPを餌におびき出して、日米FTAを約束させる。
属国との交渉である限り、日本は自由貿易にも保護主義にも抵抗することなく、慫慂として従う。


とりあえず、目に付いた報道を貼り付ける次第である。

   
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2013年6月12日 (水)

日米FTA進行状況  メディアのこれほどの奇形

赤旗 6月12日

TPP“米企業有利に”要求次々
関税撤廃・食品添加物使用拡大
日本の交渉参加に意見公募
 

 

 米国政府は9日(日本時間10日)、日本の環太平洋連携協定(TPP)交渉参加に対する意見の公募を締め切りました。農業分野では、関税撤廃を求 める要求が多く出されるとともに、遺伝子組み換え農産物や食品添加物の認証手続きの緩和、かんぽ生命や薬価制度の分野などでも、米国の多国籍企業に有利な 扱いを求める意見が相次ぎました。


写真

(写真)環太平洋連携協定(TPP)交渉への日本の参加について米通商代表部(USTR)が公募した企業・団体の意見

 日本に店舗を有する世界最大の米小売業者ウォルマートは、日本人顧客の主な食品となっている赤肉、カンキツ類、ワイン、乳製品とさまざまな加工食 品には、高い関税がかかっていると非難し、関税の撤廃を要求。ウォルマートは日本がTPPに参加することで「日本におけるウォルマートの店にとってさらな る競争環境をつくり出すことになる」と強調し、同社にとって有利さを強調しました。

 米穀物大手のカーギルは、米国の輸出の障害をつくり出している高関税、関税割り当て、行政価格、規制などがあると指摘。日本に対し「非関税障壁と ともに、交渉の過程で、これらの障害を取り除く取り組みをしなければならない」と強調しています。さらに、貿易にかかわる規制の共通化が必要だと強調。と くにバイオテクノロジー(遺伝子組み換え)農産物や表示規制の共通化を求め、規制緩和を要求しました。

 全国生乳生産者連盟と米国乳製品輸出協議会は連名で、チーズなどの乳製品の関税撤廃を要求。また日本の食品添加物の認証基準が他国と違って厳しいと指摘。認証手続きの緩和や日本では認められていない添加物の使用拡大も要求しました。

 在日米国商工会議所は、日本の参加で、TPPが世界の国内総生産(GDP)の40%、世界貿易の3分の1を占めることになると歓迎しました。日本 の参加によって、経済的には、米国がTPPから得られるGDP増加分が240億ドルから770億ドルへ3倍化すると指摘。また、戦略的には、2国間関係全 般を強化し、米国の戦略的利益をより広範囲に手助けすると評価しました。

 米保険協会は、非関税障壁に関して、TPP交渉と並行して行われる日米2国間の交渉を歓迎。2国間交渉の誓約がTPPと同様に拘束力を持つよう希望しました。

 米国研究製薬工業協会は、日米経済調和対話(EHI)で協議している日本の薬価制度の「改革」などをTPPと並行して行われる他の交渉でも行うよう求めました。

 サービス産業連盟は、日本郵政グループのかんぽ生命保険や共済が日本の保険市場をゆがめていると指摘。米国企業を含めた民間保険会社と同じ扱いにするよう求めました。

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確認できる限り、NHKが午前6時台に配信した以外、日本メディアでは、赤旗と日本農業新聞6月11日だけが、この内容を伝えるにとどまるようだ。


上記赤旗記事末尾のサービス産業連盟の保険市場の同一競争条件を求めた範囲には簡保だけでなく、共済も含まれている。


日本農業新聞(6月11日。会員制記事なので、全引用は避ける)も、米国保険協会の要求に関して、

「民間保険業者約300社でつくる米国保険協会は、日本郵政と民間保険事業者の対等な競争条件を求めた上で「TPPは少なくとも米韓自由貿易協定(FTA) と同等の範囲・規則を有さなければならない」と指摘。米韓FTAは付属書で韓国農協の共済にも民間事業者と同一のルールを適用するよう定めており、日本の 共済制度も念頭に置いている可能性がある。

と注釈をしており、共済が除外される謂われはないようである。
共済は農協だけでなく、生活協同組合にもあれば、労働組合や各業界団体ごとにも共済があり(弁護士協同組合にも共済がある)、影響が及ぶ範囲は極めて広い。
簡保を含めれば、ほとんどの国民が何らかの形で関わる問題なのではないだろうか。
米国保険業界としては、自分たちに解放されるべき競争市場が、公的な性格の制度によって不当に侵害されているということになる。
国際経済法的な言葉使いによれば合理的な期待利益が阻害されているという風に表現する。
理念的に言えば、共助(実態がどうかはやぶさかではないが共済の建前はそうだろう)より競争原理が重要なのだ。


国会で共済制度の廃止が議論されるのであれば、いくら何でもニュースになるだろうし、さすがに国民的議論になるだろう。
宗主国との交渉で決まるので、秘密だということなのだ。


アメリカやヨーロッパと違い、誰それがメディア王であるという私物化されているわけではない。
にもかかわらず、これほどに報道統制が徹底するのは、TPPがグローバル企業が支配する暗黒社会への道だということを示唆している。
どこぞの国のメディアや言論統制を嗤っている場合ではないのである。
我が国に、報道の自由が存在しているなどと思っている人は、マインドコントロールされているのだ。


ちなみに、農業新聞は、農協の機関誌かと思っていたが、編集権は、農協から独立していた。
コメントを事前に確認させて欲しいと要求した弁護士がいたが、それをすれば、農協中央会にも事前に確認をとることになり編集権の独立が損なわれるとして、拒まれた。

何度でも言うが、赤旗も、いい加減に、共産党から編集権を独立させて、一般紙化を図ってもらいたいものである。
今ほどのビジネスチャンスは、少なくともこの半世紀の間にはなかったほどのビッグチャンスなのだから。
指をくわえて見ているのは、あまりにももったいない。

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2013年6月11日 (火)

日米FTAの進行状況

NHKニュース
米 日本のTPP交渉参加に70余の意見

6月11日 6時12分
   
        米 日本のTPP交渉参加に70余の意見    
       

TPP=環太平洋パートナーシップ協定への日本の交渉参加をにらんで、アメリカ通商代表部がアメリカ国内の産業界などの意見を募ったところ、農業団体からの日本の市場開放への強い期待など、これまでに70余りの意見が寄せられました。

   

アメリカ通商代表部は、日本がTPPの交渉に来月下旬から加わる見通しなのを踏まえ、今月9日までのおよそ1か月の間、日本の参加についての意見を産業界などから募るパブリックコメントの手続きを実施し、これまでに70余りの意見が寄せられました。
このうち、農業団体などからは、日本がTPPに参加すれば関税の撤廃などで日本の市場開放につながるとして強い期待が寄せられたほか、食品添加物に関する規制をほかの参加国とそろえるよう要望する意見が出されました。
一方、自動車産業の労働組合や製造業の団体からは、輸出を有利にする意図的な円安誘導への懸念などが示され、TPPの交渉で為替操作に歯止めをかける条項を盛り込むよう求める意見も相次ぎました。
また、日本の保険市場について、かんぽ生命の存在が大きく、公平な競争ができないといった意見もありました。
アメリカ通商代表部はこれらの意見に加え、来月はじめに公聴会を開いて業界団体の懸念や要望を確認したうえで、TPPの交渉と並行して行われる自動車や非関税措置を巡る日米2国間の協議に臨みます。

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日本との二国間協議に対するアメリカ産業界の期待と警戒は、TPPを上回るものがありそうだ。


自動車を全面献上した事前協議に引き続き、二国間協議では、為替操作までやり玉にあがるという。
日本との交渉ではアメリカはいつも、自分のことは棚に上げているから、FRBの量的緩和には、触れない。日本の手足だけをしばろうという思惑だろう。
保険に関する公平な競争条件の確保には、簡保だけでなく、共済なども対象になっているとの情報もある。
食品添加物の緩和の要求も切実なようだ。


日本側から二国間協議で、何かを要求するかというと当然ながら、そうではないようである。
先日、NHKは、米国へ牛肉を輸出しようとすると、75工程について、条件が付けられており、米国への輸出が極めて難しいと報道をしていたが、TPPに付随してこれが撤廃される等ということは一切ないようだ。


自国に要求がなく、相手国だけが要求する交渉というのは、何なのだろう。


そもそも、TPP参加への事前協議で、米国から並行二国間協議を要求されることを予想していたのだろうか。


地域で最大かつ最も発展した二つの経済大国として,日本と米国は,経済成長を更に促進し,二国間の貿易を更に拡大し,及び法の支配を更に強化すべく,共に取り組んでいきます。
この目的のため,両国政府は,TPP交渉と並行して,保険,透明性/貿易円滑化,投資,知的財産権,規格・基準,政府調達,競争政策,急送便及び衛生植物検疫措置の分野における複数の鍵となる非関税措置に取り組むことを決定しました。これらの非関税措置に関する交渉は,日本がTPP交渉に参加した時点で開始されます。両国政府は,これらの非関税措置については,両国間でのTPP交渉の妥結までに取り組むことを確認するとともに,これらの非関税措置について達成される成果が,具体的かつ意味のあるものとなること,また,これらの成果が,法的拘束力を有する協定,書簡の交換,新たな又は改正された法令その他相互に合意する手段を通じて,両国についてTPP協定が発効する時点で実施されることを確認します。

(佐々江賢一郎駐米大使からマランティス米国通商代表代行宛の書簡)


法的拘束力のある二国間協議を呑むことになることがわかっていたのだろうか。


唯一、外交上、抵抗の痕跡が窺われるとしたら、この二国間協議の成果が「TPP協定が発効する時点で実施される」とされている点だ。
かろうじて、TPP不成立の場合に、二国間協議だけ食い逃げされることには抵抗したように見える。


TPPの妥結は決して容易ではない。
TPPが発効しない限り、一方的に締め付けられる二国間合意も実施されない。
時間は、ある。
運動の工夫の余地はあるということだ。

検索の仕方が悪いのか、USTRに寄せられた業界団体の意見を紹介するニュースを検索しようとしても、NHKくらいしか、ピックアップできなかった。検索妨害は、何かと気になって仕方がないテーマではある。

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2013年6月 5日 (水)

意図せざるスクープ TPPは肥満への道

ずいぶん前の中日新聞に、OECD加盟国の肥満率を比較した、こんな表が掲載されていた。

Himanritsu


別にTPPに関わる記事ではない。
ところが、この表の上位1位から6位の国は、奇しくも全てTPP交渉参加国である。
TPP交渉主要参加国が肥満率上位を独占しているのだ。


日本人の自己評価は、常に低い。
今、懐かしく振り返っている高度成長の時代、日本人の自己評価は、「ウサギ小屋に住む」「エコノミックアニマル」だった。


この表では、日本人の肥満率は、OECD加盟国では韓国と最下位争いをしている。


そして、日本は、世界トップクラスの長寿国となって久しい。
食文化や、医療保険制度が何らかの形で影響していると思ってもよいだろう。
女性に比べて、男性の平均寿命のランクが低いのは、社会的ストレスを反映しているのかもしれない。
でも、日本は、今でも結構いい線を行っているのだ。
世界に遅れるな等と、浮き足立つ必要など何もないように見える。


まして、世界一の肥満大国を見習う必要などあろうはずがない。


TPP加盟から20年も経てば、きっと「あの頃、日本は世界一の長寿国だった」と懐かしむ日が来るだろう。
そんなことを思わせる、「TPP交渉参加は肥満大国への道」であることを示す、中日新聞のたくまざるスクープである。

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2013年6月 4日 (火)

農産物の関税撤廃は食の安全に直結する 自由貿易を害さない範囲の生存権

我が国では、牛に成長ホルモンを投与することは認められていない。
ところが、成長ホルモンを投与した牛肉は輸入しなければならない。


おかしな話だが、国内政策より自由貿易を優先させるというWTO/SPS協定の当然の帰結だ。
国民の健康リスクより、自由貿易が重要なのである。


つまり、日本国憲法25条1項には、すでに食生活に関して、
すべて国民は、『自由貿易を害さない範囲で』健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する
と書き換えられている訳である。


TPPによる農産物の関税撤廃は、もっぱら農畜産業者の保護の観点から語られ、輸入農作物に負ける分はブランド競争力を付けて輸出でカバーすべきだ等と論じられている。


しかし、農産物の有り様は、国民の食の安全、少なくとも食に対する安心を破壊する問題として論じられるべきだ。


現在、国内で消費される牛肉の6割が、輸入牛であり、大半は成長ホルモン牛である。
(平成23年食糧需給表で、国産牛50万5000トン、輸入牛73万7000トン)
正直、スーパーでの買い物の実感からは国産牛の方が売れているのではないかと思っていたが、調べてみたら、輸入牛の方が多かった。
外食産業の大半は、安い輸入牛が使われているということだろう。
思いの外、成長ホルモン牛を食べている訳である。


それでも、今は、自分はホルモン牛を避けようとする選択肢は残されている。
外食やコンビニ弁当の牛肉を控え、スーパーでは国産牛を買えばよい。


ところが、TPPにより、国内牛がブランド牛しか残らないということになれば、こうした選択の自由はなくなる。
極めて高価なブランド牛以外は、全てが成長ホルモン牛になる。
TPPの交渉参加国であるアメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、カナダは成長ホルモン牛の輸出国である。


同じことは、コメについても言える。
関税撤廃で(仮に例外として認められることがあっても10年の内には関税ゼロを強いられる)、ごく限られたブランド米を除いて、全てが輸入米になる。
日本では、遺伝子組み換え食品の栽培は試験栽培以外に認められていないが、国際基準は、遺伝子組み換え食品の有害性を認めていない。
遺伝子組み換えのコメであっても、輸入せざるを得ない。
モンサントの遺伝子組み換え米が、大半を占めるようになるだろう。
大統領貿易促進権限法に付された条件によれば、TPPで遺伝子組み換え表示義務が許される余地はない。
遺伝子組み換え米を避けるには、コメを食べないか高級ブランド米を食べるしか選択の余地はなくなる。


産直運動に取り組む人たちには、食の安全に対する意識が極めて高い人たちがいる。
この人たちは、案外、自分たちの問題と考えていない可能性がある。
しかし、遺伝子組み換え米は、外来種として自生する可能性が高く、産直の生産地にも遺伝子組み換え米による汚染が生じる可能性は否定できない。
すでに、日本には存在しないはずの遺伝子組み換え菜種が生育しているとされる。
在来種のコメより遺伝子組み換え米の方が生命力が強ければ、在来種が駆逐される可能性があることは、様々な分野で体験済である。
そして、遺伝子組み換え米が混じった農家を特許権侵害で訴えるのは、モンサントの常套手段である。
TPPは、産直運動に対しても、直接の脅威になりうるのだ。


TPPによる農産品の関税撤廃は、単なる産業の問題ではない。
関税撤廃は、食の安全を守る国家の規制を無効にしてしまう。
農産品の関税撤廃は、食の安全、食に対する安心を破壊するのだ。
このことに消費者はもっと敏感になってもいいと思う。

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