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2013年7月 8日 (月)

TPPと憲法1 ISDについて憲法論を論じる意味

「TPP 黒い条約」では、一般向けにISD条項が、主権侵害さもなくばクーデターであると主張しました。

今回は、多少、法律家らしい言い回しを使って、書いてみた文章を紹介しておきます(月刊「憲法運動」7月号)。

「ISD条項の憲法違反性 TPPと憲法」(PDFファイル)

TPPについては、憲法論をきちんと詰めておくことが、大変に大事です。


第1に、憲法違反の条約は、仮に締結・批准されることによって国際法的に効力を生じても、国内法的には、無効になるからです。
国内法的に無効を主張できるということは重要な意味を持ちます。


たとえば、日本政府が投資家国際法廷で、外国投資家に対する賠償を命じられたとします。
国際法的に、日本政府は投資家に対して、賠償義務を負います。


ところが、政府が、国庫から賠償金を引き出そうとすると、国内法の根拠が必要です。 
ISD条項は憲法違反で国内法的に無効ですから、政府は国庫から賠償金を引き出す国内法的な根拠がありません。
賠償金を引き出す行為自体が、憲法違反になります。
国民は、国庫から金を出すなと政府に対して主張することができます。


というわけで、国際法上の義務はあるが、国内法上、履行できないということになります。


政府は自己矛盾を抱えざるを得ないことになるでしょう。

投資家国際法廷に違反した場合の、外国投資家に対する国際法違反の責任追及の手段も全く未知の問題です。
いったいどのように国家責任を追及することになるのでしょうか。
ICSID条約では、投資家国際法廷の仲裁判断を国内の確定判決と同じに扱って強制執行できるとありますが、そもそもISD条項が違憲無効であれば、日本の裁判所を使って、政府の財産を差し押さえることも法律的にできない理屈です。


憲法違反論を確立することができれば、将来にわたって、日本国の財産を保全することができることになります。


多分、外国投資家としては、事実上、日本から撤退するという経済的不利益を与えることで履行を求めるか、母国に外交問題として、交渉してもらうように外交保護権の行使を求めるということになりますが、結局、そうなれば、外交問題に戻る訳です。


EUが、WTOの上級委員会の判断に反して、成長ホルモンを使用した牛の輸入をせずに、主権を貫いた例があることは前に述べたとおりで、国家対国家関係になってしまえば、どれだけ強い姿勢で臨むかによって結果は異なるものになっていく訳です。


第2に、憲法論を論じることによって、TPPの問題が憲法改正問題を含んだ課題であることを明確にすることができるようになります。
推進派の中には、EU等は個々の国家の主権を委譲しているが、法的な問題がある訳ではないとする主張もありえます。
確かにEU等の国家連合は、国家主権の一部を委譲して連合体を目指しています。
しかし、注意すべきは、フランス、ドイツ、イタリア等主要国の憲法を見れば、欧州連合についての規定を憲法の中に設けながら、つまり、並行的に憲法も改正しながら、国家連合の歩みを進めていることです。
TPP論議のように憲法論の不存在が続くと、憲法改正をしないまま、なし崩しに憲法が無効化され主権が制限されていきかねません。


憲法改正には、国民投票が必要な訳ですから、極秘交渉で、国民に知らせないまま、TPP交渉を進めるということもできなくなる訳です。


憲法は国家権力を制限するものですから、TPP問題においても、憲法の視点から、日本政府の権力行使を制限していくことが求められています。


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