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2013年9月 4日 (水)

国連憲章破壊を許してはならない シリア情勢

オバマ大統領がシリア政府の化学兵器の使用を理由として、シリアへの軍事攻撃を表明し、これをアメリカ議会に諮るという。
フランスを除き、いずれの国もアメリカの武力攻撃を支持しない状況の下、日本政府は、「オバマ大統領の決意を重く受け止める」、「米国議会の推移を注視したい」旨、表明している。
この国は、アメリカか。
一体、自国としての判断は存在しないのか。
化学兵器の使用がシリア政府によるのか反政府軍によるのかを問わず、パレスチナ問題に独自の立場を持つはずの日本は日本として独自の判断をすべきだろう。
しかも、今回は、国連憲章への言及が全くないのも異様だ。


国連憲章は、武力行使を原則として違法としている。


第2条原則
3 すべての加盟国は、その国際紛争を平和的手段によって国際の平和及び安全並びに正義を危うくしないように解決しなければならない。
4 すべての加盟国は、その国際関係において、武力よる威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎まなければならない。


国連憲章で正当と認められる武力行使は二種類しかない。
集団的安全保障に関する強制措置と、自衛権の二つだ。
集団的安全保障に基づく武力行使は、安全保障理事会が平和に対する脅威を認定し、武力行使を相当と決議された場合に認められる。


第39条安全保障理事会の一般的権能
  安全保障理事会は、平和に対する脅威、平和の破壊又は侵略行為の存在を決定し、並びに、国際の平和及び安全を維持し又は回復するために、勧告をし、又は第41条及び第42条に従っていかなる措置をとるかを決定する。
第42条軍事的措置
  安全保障理事会は、第41条に定める措置では不十分であろうと認め、又は不十分なことが判明したと認めるときは、国際の平和及び安全の維持又は回復に必要 な空軍、海軍又は陸軍の行動をとることができる。この行動は、国際連合加盟国の空軍、海軍又は陸軍による示威、封鎖その他の行動を含むことができる。


そして自衛権は武力行使を受けた国家(及び集団的自衛権行使が容認される国家)が、反撃のために武力を行使する場合で、安全保障理事会が措置をとるまで限定的に認められるものだ。


第51条自衛権
  この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。この自衛権の行使に当って加盟国がとった措置は、直ちに安全保障理事会に報告しなければならな い。また、この措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持又は回復のために必要と認める行動をいつでもとるこの憲章に基く権能及び責任に対して は、いかなる影響も及ぼすものではない。


今回のシリアに対する軍事攻撃が、集団的安全保障に基づく強制措置でも、自衛権の発動でもないことは明らかだ。
したがって、仮にもシリア攻撃がなされるとすれば、国連憲章に反する違法なものだ。


現実の国際社会の力関係が反映する国際公法の分野では、厳密に国連憲章を遵守させることはむつかしい。
たとえば、国連憲章は、もともとは各国から兵力の提供を受けた国連軍が集団的安全保障に当たることを想定していたが、国連軍を創設するための特別協定は締結されないまま推移した。
このため、国際社会では、安全保障理事会の決議によって、停戦後に各国軍隊の協力を得て、平和維持活動に当たる軍の派遣(PKO)をするなど、現実に即した解決が模索され、定着してきた。
湾岸戦争(1991年)では、その当否は別として、安全保障理事会の決議に基づき国連軍に変わる多国籍軍が編成された。


国連憲章の武力不行使原則は、人類史上最大の悲劇である二つの世界大戦の惨害から導かれた真実に裏付けられている。


われら連合国の人民は、
われらの一生のうちに二度まで言語に絶する悲哀を人類に与えた戦争の惨害から将来の世代を救い、

基本的人権と人間の尊厳及び価値と男女及び大小各国の同権とに関する信念をあらためて確認し、
正義と条約その他の国際法の源泉から生ずる義務の尊重とを維持することができる条件を確立し、
一層大きな自由の中で社会的進歩と生活水準の向上とを促進すること、
並びに、このために、
寛容を実行し、且つ、善良な隣人として互に平和に生活し、
国際の平和及び安全を維持するためにわれらの力を合わせ、
共同の利益の場合を除く外は武力を用いないことを原則の受諾と方法の設定によって確保し、

すべての人民の経済的及び社会的発達を促進するために国際機構を用いることを決意して、
これらの目的を達成するために、われらの努力を結集することに決定した。


第二次世界大戦後、70年近い年月が経過した。
大戦を知る人は、日本だけでなく世界でも少なくなってきている。
しかし、二度の世界大戦が、人類史上未曾有の悲劇であったことは、改めて胸に刻むべき歴史的事実だ。
武力不行使原則は、人類史の歴史的真実に根ざしたものだ。
軽く扱われてよいはずがない。


少なくとも、一国が超越的な立場で、集団的安全保障でもなく自衛権にも該当しない武力行使を制裁や懲罰として与えてよい等という法理は、国連憲章のどこにも存在しない。
オバマは国連憲章を壊しにかかっている。
彼はノーベル平和賞受賞者であるにも拘わらず、だ。


アフガン戦争、イラク戦争がもたらした最大の教訓は、武力行使は有害無益だという厳然たる事実だ。
武力行使は、事態をますます混乱させ、解決不可能な事態を引き起こし、人々を苦しめるだけだ。


イラク戦争の場合、日本政府は少なくとも表向きは、湾岸戦争当時に採択された安全保障理事会決議を根拠として集団的安全保障を国連憲章上の正当化の根拠としようとした。
イラク特措法の第一条には繰り返し安全保障理事会決議が掲げられていた。
今回のシリアの事態では、米国の武力行使に対して、国際法上、何の正当化根拠も示そうとしていない。
全てをオバマ大統領と米国議会の判断に委ねるという体たらくだ。
そのざまは独立国家ではあり得ない。


安倍政権は、内閣法制局長官人事によって、国民の意思を問うことなく、集団的自衛権を認めるように一国の基本法たる憲法の重大な部分を実質的に書き換えようという国民無視の大事をなそうとしている。
一国の基本法を蹂躙する政府は、国際社会の基本法すら無視する。


その姿は、日本を経済植民地化しようとするTPPに前のめりになっている憲法・国際法無視の姿勢と完全に重なる。

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