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2013年10月の23件の記事

2013年10月30日 (水)

民族と被害 完?

昨日のブログで述べた事件について、事案の概要を簡単に紹介しておきたい。


昭和19年6月、韓国から小学校(国民学校)卒業まもない少女たちが、「日本へ行けば、女学校に行ける」、「働いてお金ももらえる」等と、担任教師らに騙されて、日本に連れて来られて、軍用機生産工場で働かされた。
日本で祖国の解放を迎えた彼女たちは、結局、女学校はむろん、賃金も支払われずに帰国させられた。


彼女たちは、朝鮮女子勤労挺身隊と呼ばれた。


当時、日本と同じく韓国総督府は、女性の勤労動員を「挺身隊」と呼称していた。
他方、貞操観念の極めて強い(当時は日本でも強かったが、韓国はテッパンであった)韓国では、挺身隊は「処女供出」(当時は、慰安婦という言葉はポピュラーではなかった)と恐れられた。
自分の娘を挺身隊=「処女供出」に取られるのを恐れた親は、娘の結婚を急ぎ、この時期、早婚化が進行する事態も生まれた(挺身隊は独身女性が対象であった)。


戦後、彼女たちを待っていたのは、思いもかけない誤解だった。
韓国社会では、「挺身隊」は「汚れた女」の代名詞になっていた。
当時、女性の人生のあり方は限られていた。女性は、家庭に入り、子どもを産み育てるという模範に強く縛られ、それ以外の生き方はないといってもよかった。
儒教思想の強い韓国では、貞操を失った女性が家庭に入ることは絶対に許されなかった。
(日本でも婚姻するまで性的関係を持つべきではないとする考え方が、支配的であった。なお、日本人は、基本的には性におおらかな国民であると思われる。厳格な性観念や貞操観念が通用した時代は、戦前戦後の一時期に止まるだろう)
こうして彼女たちは強制労働被害者であったにも拘わらず、その過去に固く封印しなければ結婚することも、家庭生活を送ることもかなわなかった。


彼女たちは過去を隠して結婚したが、その後、多くは、夫に過去が発覚し、家庭生活は崩壊した。
騙されたとの思いから行き所のない憤りを夫たちは、彼女たちにぶつける。
彼女たちは、暴行・暴言を受け家庭生活はすさむ。
夫が幼い子どもたちを残して家を出てしまった者、夫が他の女性との間に産まれた子を連れて来て育児を押しつけられた者、我が子の戸籍の母親欄に他の女性の名前が記された者等々、夫に過去が発覚して円満な家庭生活を送った者は1人としていない。


日本でも、おそらく1970年近くまで、貞操観念は強固なものであった。
マスターベーション(現在のオナニー)は体に悪いなどという根拠のない風説が知識人から振りまかれ、そう信じられていた。
「愛と死をみつめて」の主人公は、亡くなる直前、病室で彼と一夜を過ごすが、純潔であったことを誇りにしていた。
ましてや儒教思想の強い韓国では、原告らの人生は、全て奪われたといってよい。
幼い頃、騙されて日本に連れて行かれたという、ただ、そのことだけで、だ。


被害者でありながら、過去を隠し続け、過去が発覚することに怯え続けたのが彼女たちの半生であった。
奪われた人生は戻りはしない。
真っ直ぐに生きるのであれば、せめて、謝罪と賠償を求めることに自らの人生のけじめを求めざるを得ないだろう。


韓国の法廷における彼女たちの証言を傍聴した感想を以下に掲載しておきたい。

(もう少し詳細な説明は、2007年に僕が書いた文章がリンク先に掲示されていることに気づきました)

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          民族に帰る    弁護士 岩月浩二

僕は、元勤労挺身隊員であった原告らの被害で最も特殊であったのは、被害者でありながら、被害者であることを「民族」の前で隠し続けなければならなかった六十余年であると思う。

その意味で、原告らが自らの言葉で、自らの国である韓国の法廷で自らの被害を証言する原告本人尋問は格別な意義があった。


この裁判中に小出さんがパスポート入りの鞄を紛失する事件が発生した。原告らの尋問中に気づいた小出さんは、顔色を失い、30年近くにわたって寄り添ってきた原告らが初めて韓国の法廷で証言するという極めつけに重要な機会であるにも拘わらず、気もそぞろで過ごさなければならなかった。そう、自らのアイデンティティを明らかにすることができないというのは、たとえば、異国でパスポートを失ったような事態を想像すればよいのではないだろうか。


原告らは、日本の法廷で、数え切れないほど何度も何度も裁判官に訴え続けた。そして、判決を受けては、「恨」に満ちた憤激の涙を流し続けてきた。
10年(弁護団結成は98年8月、最高裁決定は08年11月)にわたるその長い期間、韓国国内で原告らを支えた人は、太平洋犠牲者遺族会の会長である李金珠さんを除けば、ほぼ皆無だったと言ってもよい。原告らは、自らの過去を「民族の恥」として封印し続けなければならなかった。
弁護団は訴訟の準備や打ち合わせのため数十回と光州を訪れた。形式的なセレモニーが開かれたことはあったが、原告らに寄り添おうとする人々は現れなかった。
「民族の過剰」が彼女たちから「民族」=アイデンティティを奪っていた。日本での裁判闘争は原告らにとって、孤立した孤独な闘いだった。原告らが日本の裁判所で流した涙は、日本だけに向けられたものではなかった。自らが強制労働被害者の証をもって、韓国に帰りたい、その願いが叶わない「恨」の涙でもあった。

だからこそ、韓国の法廷で、通訳を介さず、自国民の前で、原告らが被害を証言する原告尋問の機会は、それほどまでに貴重だったのだ。堂々とした原告らの証言姿勢に、被告代理人もたじろいでいた。

この法廷は原告らが民族(韓国)に帰ったことを公に証明するものだった。

もう一つ、民族の回復を象徴するできごとがあった。

日本裁判で「匿名原告」に終始し、マスクと眼鏡で顔を覆い続け、写真に写ることを拒み続けた李東連さんが、堂々と本名を出して尋問に答え、テレビカメラも避けることなく素顔をさらしていたことだった。
この春から夏の出来事だったらしい。長男の妻が、テレビで李東連さんを見つけた。李東連さんは、口実をつけてごまかそうとしたが、長男の妻は許さなかった。被害者であれば、堂々と姿を示しなさい、と。血縁ではなく、長男の妻に押されるようにして、李東連さんは民族の前に現れるようになったのだ。

女子勤労挺身隊については、光州を初めとして、全羅南道、京畿道、ソウル市と相次いで、勤労挺身隊支援条例が制定され、今や彼女たちは強制労働被害者のシンボルとなっている。

民族に受け入れられなかった原告らを民族の元に帰す。

私たちが成し遂げたことの意義は計り知れないほど大きいのだ。

追記 民族は極めてデリケートな問題だ。個人にとって民族の不足はアイデンティティの根底を揺さぶる。一方、民族が過剰にあふれる社会は、民族からの排除をもたらし、人権を侵害する。今、日韓は、過剰な民族言説のため、問題の最終的解決のための糸口を見失ってしまっているかのように見える。私たちは、被害者の人権というテーマを見失ってはならないだろう。個人の人権が保障される社会を目指すという。一点において、日韓市民の連帯は、これまで以上に私たちにとって切実な課題となっている。

 
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トンデモ『政府情報ブロック法』 国民家畜化計画進行中

備忘録のため。

漢字。秘 のデコメ絵文字保護法については、反対運動はさまざまにイマジネーションを働かせて特定漢字。秘 のデコメ絵文字を想定してきた。

TPPは当然想定の範囲であったが、法制定前から担当大臣が堂々とのたまうのは想定外であったのではないだろうか。

TPPも対象の可能性 秘密保護法で森担当相
(産経10月29日)

 特定秘密保護法案を担当する森雅子少子化担当相は29日の記者会見で、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉内容が同法案で漏洩(ろうえい) を禁じる「特定秘密」の対象になりうるとの認識を示した。「(法案の)別表に掲げる事項に該当すれば、なる可能性もある」と述べた。

 政府はこれまで、TPPなどの貿易関連情報は同法案の対象外だと説明してきただけに、整合性が問われそうだ。

 森氏は「国家や国民の安全保障に関わる事項であれば(特定秘密に)なる。細かい基準を有識者会議で作る必要がある」とも指摘した。

  

日米安全保障条約には経済協力条項があるので、やっぱしTPPも安全保障名目で入れることができるわけよね。

しかし、「総理の一日」という新聞の欄が特定漢字。秘 のデコメ絵文字に当たるとは、想定外であった。

首相動静は「知る権利を超えているのでは」小池百合子元防衛省が指摘
The Huffington Post 10月29日

10月28日の衆議院国家安全特別委員会で、自民党の小池百合子元防衛相が質問に立ち、首相の1日の行動を報道する「首相動静」について、「国民の『知る権利』(の範囲)を超えているのではないか」と述べ、見直すべきだとの認識を示した。MSN産経ニュースが報じた。

新聞各紙でよく見かける「首相動静」。日々、安倍首相など歴代首相の動向は分刻みで掲載されてきた。以下に朝日新聞デジタルが報じた10月27日の首相動静を引用する。

【午前】9時36分、東京・市谷本村町の防衛省。42分、陸上自衛隊ヘリコプターで同所発。礒崎、長谷川両首相補佐官同行。50 分、東京・大泉学園町の陸自朝霞駐屯地着。57分、同駐屯地内の東部方面総監部庁舎で小野寺防衛相。10時30分、埼玉県新座市の朝霞訓練場で自衛隊観閲 式に出席し、訓示。
(以下略)

(朝日新聞デジタル「首相動静 27日」2013/10/28 5:00)

この日の首相動静には、東京都内の美容室で安倍首相が散髪したことが、店の名前と共に掲載されていた。小池氏は「特定秘密保護(法案)の問題にも関わってくる」として、以下のように述べた

私、毎日、新聞に首相の動静とかですね、何時何分に誰が入って、何分に誰が出てとか、必ず各紙に出ていますね。私は、これは知る 権利を超えているのではないだろうかと思いますし、また中にはですね、自分は首相に近いからそのことを見せつけるためにわざわざ総理官邸に行って書いても らったりですね、ぜひこのレストランには来てくださいみたいなそんな風に使われているようなところも無きににしもあらずでございますけれども。

(中略)

諸外国のですね、首相大統領の動静ということで、国会図書館にお調べいただいたのですが、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスの主要な新聞15紙を調べ ていただいたものでございましてね。結果はいわゆる首相動静のような記事を日々掲載しているものは確認できなかったんです。アメリカではワシントンポスト がwebサイトで日々のオバマ大統領の動向を掲載しているというのがあるんですが。いわゆる日本のような詳細なものではございません。かつ、2012年の 6月20日を最後に更新をされていないということでございます。

小池氏は、海外もこの首相動静をチェックしており、日本対して厳しい対応をしている議員は、毎日これを読んでチェックしていると指摘した上で、「知 る権利もあるが、何を知り、何を伝えてはいけないかを精査してほしい」と強調した。この小池氏の質問に対する政府側の答弁は無かったが、今後国会で審議さ れる特定秘密保護法案をめぐり、「知る権利」が脅かされるのではないかという懸念が出ている中で、新聞報道に直接注文をつけた小池氏の発言は波紋を呼びそ うだ。

この小池氏の発言に対し、「マスコミは知る権利ばかり強調するが国民目線かは疑問」など、様々な意見が上がった。

このメディアは知らなかったけど、日本のマスコミには該当がないことは確かだよね。
日本のメディアは、小池元防衛省の発言自体が「特定漢字。秘 のデコメ絵文字」に当たるとして報道を避けているように見える。
少なくとも検索サイトは、これを「特定漢字。秘 のデコメ絵文字」に指定したようだ。

かろうじて拾えたのは、東京新聞と産経新聞。
もっとあるかもしれないけれど、時間がないので、ご容赦。

首相動静は「知る権利を超えているのでは」小池百合子元防衛相が指摘
産経新聞10月28日

 自民党の小池百合子元防衛相は28日の衆院国家安全保障特別委員会で、首相の1日の行動を報道する「首相動静」について「国民の『知る権利』(の範囲)を超えているのではないか」と述べ、見直すべきだとの認識を示した。

 機密を漏らした公務員らに厳罰を科す特定秘密保護法案をめぐり、国によって秘密の範囲が拡大解釈され情報統制が強まる懸念が出ているだけに、発言は波紋を呼ぶ可能性がある。政府側の答弁はなかった。

 小池氏は、諸外国は動静を基に首相の動向をチェックしていると指摘し「知る権利もあるが、何を知り、何を伝えてはいけないかを精査してほしい」と強調した。

 

「首相動静」守るべき秘密? 自民・小池氏 見直し発言で早くもやり玉
東京新聞10月29日

政府が特定秘密保護法案と一体と位置づける「国家安全保障会議(日本版NSC)」創設関連法案が二十八日、衆 院国家安全保障特別委員会で実質審議入りした。質問した自民党の小池百合子広報本部長は首相の一日の動きを報じる首相動静について「国民の『知る権利』の 範囲を超えている」と見直すべきだとの考えを示した。

 政府に情報提供の制限を促したのか、報道機関に自粛を求めたのかは分からないが「知る権利」の制限に前向きと受け取れる発言は秘密保護法案で権力側の情報が国民から遠ざかる懸念を広げた。

 首相動静は、国の最高権力者の行動を明らかにすることで、意思決定の過程を伝え、国民の「知る権利」に応えるのが主な目的。報道各社が自主的な取 材で「首相の一日」などとして報じている。ただ、ホテルでの会食など記者が近づけない場合は首相秘書官らを通じて確認する。明確なルールはなく、今でも首 相側が面会相手を伏せることもできる。

 小池氏は見直すべき理由に、米紙に大統領の詳しい動静が載らないことを挙げた。日本版NSCは米国の組織が手本。秘密保護法案は、米国からの情報 保護強化の要請で政府が提出を急いだ。小池氏は第一次安倍政権で安全保障担当の首相補佐官を務め、NSC設置を目指した経験があり、米国ばかりを向く政府 の体質もにじむ。

 憲法学者の山内敏弘一橋大名誉教授は「秘密保護法案が提出された時に、国民の知りたいことを秘密にする議論が出てきたことは、法案の本質を象徴している」と指摘した。 (城島建治)

◆小池氏の発言要旨

 日本は機密への感覚をほぼ失っている平和ぼけの国。首相動静とか各紙に出ているが、国民の知る権利を超えているのではないか。何を伝えてはいけないか精査してほしい。

 

漢字。秘 のデコメ絵文字保護法も先取り実施されたのか、新聞は極めて静かなようで、ネット検索は早速「政府情報ブロック」体制に入ったようだ。

考えてみれば、総理との会食が最高の楽しみというマスコミ幹部が幅を利かせているのでしょうから、マスコミがそもそも「総理の一日」という欄を廃止したくなっているんでしょう。

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追記
朝日新聞の社説が頑張っていることに気がついたので、貼り付けおこう。
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連日、緊張感のある素晴らしい社説である。
後者などは「盗聴国家」=「米国の言いなりか」、という意味であるから、捨て身の社説のようにすら見える。
ところが、紙面全体の作りは、中日の方がはるかに緊張感がある。
上の画像ファイルの社説の左下に貼り付けたのは、憲法、メディア法、刑事法の研究者の反対声明を報じる記事だが、わずか数行である。
中日新聞が一面に「学者265人が反対」と大きな見出しを掲げた上、2,3面にインタビューを26面に大きなスペースを使って、反対声明の要旨を掲載しているのに比べると、あまりに落差が大きい。
朝日は、弁護士をさんざんいたぶった上(中日も弁護士増員論の主張による弁護士に対して正義と人権を捨てよとの圧力には、ひどいものがあるが)、法学者も見下すようになったのか、とも思うが、社内全体の緊張感の不足を表しているようにも見える。(以上、10月31日)


追記(10月31日 20時30分)

まさか、僕が、天皇や皇后の言葉を引用したくなる時代がくるとは、思わなんだ。
お二人は、国民ではないので、パブリックコメントも出せないんですよね。
相当なご決意で語られたおことばと拝察いたします。


皇后陛下 お誕生日に際し(平成25年10月20日)
5月の憲法記念日をはさみ,今年は憲法をめぐり,例年に増して盛んな論議が取り交わされていたように感じます。主に新聞紙上でこうした論議に触れながら,かつて,あきる野市の五日市を訪れた時,郷土館で見せて頂いた「五日市憲法草案」のことをしきりに思い出しておりました。明治憲法の公布(明治22年)に先立ち,地域の小学校の教員,地主や農民が,寄り合い,討議を重ねて書き上げた民間の憲法草案で,基本的人権の尊重や教育の自由の保障及び教育を受ける義務,法の下の平等,更に言論の自由,信教の自由など,204条が書かれており,地方自治権等についても記されています。当時これに類する民間の憲法草案が,日本各地の少なくとも40数か所で作られていたと聞きましたが,近代日本の黎明期に生きた人々の,政治参加への強い意欲や,自国の未来にかけた熱い願いに触れ,深い感銘を覚えたことでした。長い鎖国を経た19世紀末の日本で,市井の人々の間に既に育っていた民権意識を記録するものとして,世界でも珍しい文化遺産ではないかと思います。

天皇陛下 水俣で異例のおことば(10月27日)
どうもありがとうございます。本当にお気持ち、察するに余りあると思っています。
やはり真実に生きるということができる社会をみんなで作っていきたいものだと改めて思いました。
本当にさまざまな思いを込めて、この年まで過ごしていらしたということに深く思いを致しています。
今後の日本が、自分が正しくあることができる社会になっていく、そうなればと思っています。
みながその方に向かって進んでいけることを願っています。


追記 11月1日 17:35
淡々と、家畜国家日本の状況を伝えるNHK。
淡々とでも伝えてくれるのは、今の内。

漢字。秘 のデコメ絵文字保護法で当然特定漢字。秘 のデコメ絵文字
TPPでNHKも解体・市場化か??

「米情報機関」 日本でも情報収集
NHK11月1日 4:53

アメリカの情報機関による通信傍受への国際的な批判が高まるなか、アメリカ政府の当局者はNHKの取材に対 し、アメリカは、イギリスやオーストラリアといった一部の同盟国との間で互いに諜報活動を行わないという取り決めを結んでいるものの、日本などそれ以外の 同盟国は諜報活動の対象となっていることを明らかにしました。 

ヨーロッパなどのメディアは、アメリカのCIA=中央情報局の元職員、スノーデン容疑者が持ち出した情報をもとに、アメリカのNSA=国家安全保障局がドイツのメルケル首相の携帯電話の盗聴などを行っていたと伝え、アメリカに対する国際的な批判が高まっています。
この問題を巡って、
アメリカ政府の当局者はNHKの取材に対し、アメリカはイギリス、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドの4つの国との間で互いに諜報活動を行わないという取り決めを結んでいることを明らかにしました。
英語圏のこれら5か国は「ファイブ・アイズ」とも呼ばれ、第2次世界大戦当時から世界各地で連携して諜報活動を行うなど、情報収集を巡っては「特別な関係」を続けてきたということです。
この当局者によりますと、それ以外の同盟国である日本やドイツなどは、アメリカの情報機関による諜報活動の対象となっているということです。
また、アメリカは世界各地のアメリカ軍基地や大使館に情報収集を行う拠点を設けていて、日本国内にも通信を傍受するための施設があるということです。

2013年10月29日 (火)

民族と被害 だから私は嫌われる

僕が、15年にわたって、関わってきた韓国の強制労働被害者の損害賠償請求事件の判決が11月1日に韓国光州地方裁判所で言い渡される予定だ。


強制労働による損害賠償を求める事件で、日韓の裁判所で結論が食い違うことが、民族的な対立を生んでいる。
僕は、極めて不本意だ。
日韓の民族的対立が煽られることは、日本の将来にとっても、決して好ましいとは思わない。


僕が知る限り、日本の裁判所の多くは真摯に被害に向き合い、一部の判決は、不法行為の成立を認めていた。
請求を排斥した理由は、時効や、企業再建整備法等によって新会社と旧会社に分割したので、加害企業と現在の企業は別法人であるとか様々だった。


最終的には、日韓請求権協定によって、「裁判所に訴える権利」がなくなったとする理由に落ち着いた。
(この理由付けは日中共同声明に関する中国人被害者の例と同様である)
請求権は存在するが、「裁判所に訴える権利」だけはなくなったというのである。
韓国の裁判所は請求権があるから勝訴させている。
結論ほどには、日韓の裁判所の判断は開いていない。
むしろ、日本の裁判所の判断の方が、不法行為による損害賠償請求権の存在を認めながら、「裁判所に訴える権利」だけを否定している点で、特殊技巧的であり、政治的な配慮を感じさせる。
しかし、なかなかそうした実態が伝わらず、結論の違いだけが、大きく取りざたされる。
そして日韓の間の感情的な対立に発展している。
(感情的対立に発展するように仕組まれている)


日本で裁判をしていた頃、日経や読売を含め、ほぼ全ての新聞は、原告らの被害に共感を寄せて多くの記事を書いてくれた。


僕は、せめてもう一度、被害者個人の立場に立って、ものを考えるだけの寛容性を日本社会が取り戻してくれることを願っている。
人権という観点からすれば、何らかの救済が必要なまま推移してきたのは、否定しがたい事実だと考えるからだ。


そうした考えに基づき、以下の文書を弁護団は発表している。


ここでは、具体的には述べていないが、日本政府、日本の加害企業、韓国政府、受益企業(請求権資金で潤った企業をいう)の4者、それぞれに責任があることを踏まえ、4者の拠出する基金による被害救済という問題の抜本的解決を構想している。
提訴が相次ぐような事態を避けたい筈の加害企業の予測可能性を担保する上でも、こうした基金構想は有益でる。ドイツの『記憶・責任・未来』基金などの先例もある。
この基金による解決の構想は、むしろ韓国の弁護団から提示されており、日韓の弁護士や運動体の間では共通の構想となっている。


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PDFはこちら
                                              2013年10月14日
              名古屋三菱・朝鮮女子勤労挺身隊訴訟弁護団
              名古屋三菱・朝鮮女子勤労挺身隊訴訟を支援する会

  強制労働関係韓国裁判所の判決に関するマスメディアの論調に関する意見

  1 問題の所在
     戦時中、日本に徴用された韓国人労働者が新日鐵、三菱重工業に損害賠償を求めた裁判で、韓国の高等裁判所が相次いで賠償を命じたことが、議論になっている。
     国内世論は、徴用工などの問題は、日本の裁判で最高裁で敗訴が確定しているのだから、このような矛盾した判決は日韓の間に新たな緊張をもたらすものとして、批判的な論調が一般的だ。批判の根拠は判決の結論的な食い違いのほか、日韓請求権協定で日韓両国間及び日韓両国民の間の権利及び請求権の問題が、完全かつ最終的に解決したと明記されていることを根拠とするものが多い。
     私たちは、一貫して人権尊重の立場から韓国の強制労働被害者の救済に取り組んできた。被害者の人権の観点から意見を表明したい。

  2 日韓請求権協定における「5億ドル」について
     まず、多くのメディアが、事実関係として誤解を生みかねない報道をしていることを指摘したい。
     多くの場合、強制労働被害者の問題が解決したとされる根拠に日本が日韓請求権協定に従い、韓国政府に3億ドルを供与し、2億ドルを低利で貸し付けたことが挙げられる。5億ドルの提供と引き換えに被害者の請求権問題は解決したとする論調であるが、この点は多分に誤解を招きかねないことを懸念する。
     5億ドル提供の事実は、韓国政府が責任を負うべき立場にあることを指摘する理由にはなるが、個々の被害者に対して、加害企業や日本政府の責任を免責する十分な理由にはならない。
     日韓請求権協定では
5億ドルは現金で払われるものとされていない。「日本国の生産物及び日本人の役務」で提供するとされている。5億ドル相当の円に等しい「日本国の生産物及び日本人の役務」が提供され、あるいは貸与されるとしている。しかも、「前記の供与及び貸付けは、大韓民国の経済の発展に役立つものでなければならない。」とされており、少なくとも法的には、5億ドルは被害救済に充ててはならない経済協力資金である。被害者に対する賠償に充てられる余地のない「経済協力資金」の枠組みは日本政府が主導したと言ってもよい。
     「日本国の生産物及び日本人の役務」で5億ドル相当を供与・貸与するのであるから、当然、経済協力資金によって、どのような事業を行うか両国の協議が必要となる。日韓請求権協定では、実施のための日韓合同委員会を設置することを定めるとともに、実施のための取り決めを別に行うことを規定している。
経済協力資金によって展開される事業については日本政府も関与する仕組みになっていたのである。
     つまり、日韓請求権協定上、5億ドルは、個人の被害の回復とは全く無関係である。
     5億ドルは、ダム、道路などインフラの整備に当てられ、日本の生産物及び日本人の役務が提供され、貸与された。
韓国最大の製鉄所である浦項製鉄所はこの請求権資金を使って築造され、築造工事は強制労働加害企業である新日鐵株式会社の前身に当たる会社が受注している。加害企業は、韓国人に強制労働を強いて利益を挙げ、請求権資金によってさらに利益を挙げたのだ。
     高度成長を実現して、政権基盤を確立した韓国政府に強制労働被害者の救済のため相応の責任を果たすべき責任があることは明らかである。しかし、韓国一般の社会生活が向上したのだから、人権侵害の被害者である個人に対して、日本政府や加害企業の加害責任の問題が解決されたというのは無理がある。
     
韓国政府は強制労働問題については相応の責任を果たすことを表明している。また経済協力資金によって利益を受けた代表的な韓国企業であるポスコも強制労働問題の解決のために資金を提供することを明言している。問われるのは日本政府及び日本の加害企業の姿勢である。
   
  3 サンフランシスコ平和条約
     それでは、日韓請求権協定による「解決」が、なぜ被害者を排除するような「日本国の生産物と日本人の役務」で行われることになったのだろうか。
     この問題は、
戦後日本が主権を回復して国際社会に復帰したサンフランシスコ平和条約までさかのぼらざるを得ない。日本の判決も、日韓請求権協定はサンフランシスコ平和条約による枠組みに沿うものであると指摘している。
     サンフランシスコ平和条約では、日本には戦争賠償を負担するだけの経済力がないことが確認され、賠償問題は被害国と日本との二国間で解決すべきものとされた。その結果、
アメリカを初めとする多くの西側先進国は日本に対する賠償を放棄した。また、対日賠償を求める場合でも、「日本人の役務」による形式に限定された。
     その後、日本は主として東南アジア諸国との間で二国間の賠償交渉を進めたが、これらの賠償は、いずれも
日本人の役務提供によりダムや発電所などのインフラの建設などの形で行われた。また、これらの事業を受注する中には日立や東芝、三菱等、戦争により利益を得た企業が含まれ、これらの企業に製品の製造を注文して発電機等を製造させて被害国に無償で輸出し、被害国に発電所を建設するといったことが「賠償」であった。
     いうまでもないが、ここには、戦後秩序に関するアメリカの思惑が作用している。
     サンフランシスコ平和条約と同時に発効した日米安全保障条約により、アメリカは、日本の独立後も全土に米軍基地を置くことを可能にした。他方、日本を駐留米軍の補給基地とするためには日本の経済復興が必要であった。そのためにアメリカは、日本に対する戦争賠償を大幅に軽減させた上、経済復興に有益な役務賠償の方法に限定したのである。
   
  4 結論
     以上のように、サンフランシスコ平和条約の枠組みによる限り、戦争被害者個人に対する賠償は基本的になされない仕組みになっていた。

     被害者の人権は置き去りにされたのである。
     とりわけ直接的に甚大な人的被害が発生していた韓国や中国における問題は深刻である。両国との国交回復に当たっては、両国が何ら関与していないサンフランシスコ平和条約の枠組みが適用されたことから、多数の被害者の救済が置き去りにされた。被害者の人権が基本的に回復されないまま長い期間が推移したのは厳然たる事実である。
     ここに、戦後70年近くを経て、なお私たちが韓国被害者の訴えに直面せざるを得ない根本的な理由がある。

     サンフランシスコ平和条約を初めとする冷戦下のアメリカの対日政策が、いわば冷戦の果実として日本の経済的繁栄を支える一つの要因となった。
     アメリカの国力が相対的に低下し、アジア諸国が台頭する中、私たちは多極化が想定される新たな世界秩序に直面しようとしている。
     近隣諸国との友好関係の確立は決定的に重要である。
     人権という普遍的価値を再確認し、人権を基本的価値とする友好関係を韓国との間で結ぶことができるかは、私たち自身の切実な課題でもある。



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2013年10月28日 (月)

【拡散希望】TPP交渉と憲法73条3号但書 国会の承認権をめぐって

TPPに対する長野県弁護士会の会長声明は、TPP交渉が秘密交渉とされる観点から、国民主権、国権の最高機関性を侵害することを指摘するものである。
交渉締結過程の秘密性について、改めて憲法問題を提起したものである。


同弁護士会の会長声明には以下のくだりがある。

その契約によれば,交渉中はもとより,協定発効から4年間は,交渉経過等の開示が禁じられるとされているとのことであり,交渉中に国民に十分な情報発信を行ってTPPに関する国民的議論を行うことが不可能である。更に,外交に対する民主的コントロールを必要とする,条約締結に関する国会の承認権(憲法73条3号但書)の行使にも支障が生じることは明らかである。

条約に関する国会の承認権の論点については、同弁護士会の会長声明から教えられる点も多い。


この条約に関する国会の承認権について、TPPの関係で、少し補充して考えてみたい。


外交関係の民主的コントロールについて、結論的に条約を締結するか否かだけではなく、条約によっては、どのような条約を締結するのかという条約の内容面にも国会の承認権を背景として民主的コントロールを及ぼすのが望ましい。


さらに、条約の場合、国内法の整備(法律の改廃、新法の制定など)を要するもの(法律事項を含む条約)とそうでないものがある。
法律の改廃を要する条約にあっては、とくに交渉過程から国会の議論を背景として交渉に臨むことが必要ではないか。
単一の論点であれば、承認決議のみの関与で十分であるかもしれないが、複数の論点に渡る場合には、国会が唯一の立法機関であるとする趣旨を踏まえれば、交渉過程で国会における議論が必要的と考えるべきケースもあり得る。
そうでなければ、国会は、不可分の条約の場合には、望ましい改廃と、望ましくない改廃をセットで承認するか否決するかの二者択一を迫られることになる。
これは唯一の立法機関としての国会の権能を侵害すると考えることができそうである。


以上を前提として、さて、TPPである。
TPPの本質は非関税障壁の撤廃にあり、広範囲にわたる法令の一括した改廃が必要とされる。
このような一括改廃は、本来、行うべきことではない。
医療の問題は、医療の問題として、労働の問題は労働の問題として、食生活の問題は食生活の問題として、それぞれ個別に議論し、決定すべきである。
国会立法一括バーゲンのような条約は、この点ですでに問題がある。


仮に百歩譲って、この点に目をつむるとしても、それであれば、最低限、政府の交渉に国会を通じて民意を反映させることが絶対に必要だ。
このような広範囲な法令の改廃を伴う条約については、交渉段階から、交渉の進展の都度に、どのような交渉姿勢で臨むかを国会で議論すべきである。
唯一の立法機関であり、国権の最高機関である国会の意向を受けて、個別論点についての国民の意思に従って政府は、交渉に臨むのが当然である。
理想論であるが、憲法論として正当だと思われる。


現実は、交渉参加に先だって秘密保持契約を結ぶことになっており、一切の情報が非公開になっている。
あらゆる国民に影響が及ぶことが必至であるのに、ごく限られたメンバーだけが内容を知っている。
このような状態は、まず、民主主義とは呼べない。
国民主権でもない。
一握りによる一括り主権である。


仮にTPPが署名されて、国会の承認を求める段階になったとしよう。
さすがに、この段階になれば、TPPの正文(英語)は国会議員に示される。
仮に国会議員が、膨大な英語が読めたとして、実は、これだけでは、TPPの条文の意味内容を知り得たことにはならないのだ。
条約法に関するウィーン条約31条によれば、条約は「文脈」によって解釈しなければならないとされており、この「文脈」には、


(a) 条約の締結に関連してすべての当事国の間でされた条約の関係合意


(b) 条約の締結に関連して当事国の一又は二以上が作成した文書であつてこれらの当事国以外の当事国が条約の関係文書として認めたもの 

を含むとされている。


ところが、秘密保持契約は、
TPP発効後4年間は「交渉原文、各国政府の提案、添付説明資料、交渉の内容に関するEメール、及び交渉の文脈の中で交換されたその他の情報」は絶対的に秘匿することとされている(ニュージーランド首席交渉官マークシンクレア)。
当然この中には、条約を解釈すべき「文脈」が含まれている。


つまり、TPPの規定の意味を解釈するために法律的に必須不可欠だとされている「文脈」を与えられることがない状態で、国会は承認決議を迫られることになるのだ。

条文は出てきた。
しかし、必要な「文脈」がないので、いったい、この条文がどういう意味を持つのかもわからない。
改廃を要する法律が何なのか、わかるものもそれなりにあるが、分からない部分も相当残っている。
この段階で、国会の承認がなされる見込なのだ。


本来、これほど国会を馬鹿にした話はない。
国会は、主権者である国民の代表であるから、これほど国民を愚弄する話はない。


しかし、これが法的な事実だ。
世界帝国主義を目論む者にとって、民主主義はすでに過去のものになりつつある。


しかし、敢えて言う。
そのような状態で国会承認がなされたとしても、そのような白紙委任的な承認は、憲法73条3号但書による国会承認には該当しない。
国会の承認が形式的に成立したとしても唯一の立法機関としての責務を放棄して白紙委任的になされた承認は憲法41条に違反し、無効である。

そのことは二つのことを意味する。
第1に、行為規範としては、国会は、憲法41条が国会に課している責務に忠実であるのならば、TPPを承認すべきではない。
第2に、評価規範としては、仮に国会がTPPを批准してしまったとしても、それは無効な国会承認だというほかない。
したがって、TPPは、国内法的には永続的無効な状態が続く。

ごまかされずに、屈することなく、闘い続けるかどうかは、私たちの選択に任されている。

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2013年10月26日 (土)

秘密保護法案の国会提出を歓迎する

朝刊を見れば恰も日本が戦争への道を歩み始めたかのように憂う声がしきりだ。


われわれにとっては日本が戦前化しようがしまいが大した問題ではない。また日本がアメリカの代わりにアフリカや中東の武力行使を肩代わりし、日本の若者たちがアメリカのために命を捧げようがどうでもよい。早い話、日本が滅んだとしてもわれわれには問題ではない。


われわれのスピード感ある投資を邪魔立てする民主主義が秘密保護法のおかげで滅びることを大いに歓迎する。


われわれはあまりにも長い時間、民主主義と呼ばれる非効率なシステムのため投資を最適化し、スピード感ある展開をすることを妨げられてきた。われわれはあまりにも長い時間われわれの合理的な期待利益を損ねられ不当に虐げられてきた。


社会主義というバカげたシステムが死を迎えたとき、われわれは、これで世界が最適化され、われわれの合理的な期待利益を邪魔立てするものがなくなったことを喜んだ。


しかし今度は民主主義というシステムがわれわれを邪魔立てすることがわかった。
われわれは長い時間を民主主義との闘いに費やさなければならなかった。われわれは国民と呼ばれる者たちが正しい選択をするよう国民を教化し続けた。700名もの国会議員を養っていることの損害や、さして代わり映えしないのに二つも議院を抱えることの非効率をわれわれは訴え続けてきた。


原発事故直後という不利な情勢にもかかわらず日本国民は最適解を選択し、国会をわれわれにとって最適化した。
秘密保護法によって民主主義というバカげたシステムの終わりが近づいたことを何より歓迎する。
われわれの合理的期待利益を邪魔することは許さない。それが社会主義であろうが、民主主義であろうが、国民国家であろうがわれわれの行く手を阻むものは断じて許さない。
効率と最適化こそが世界を支配しなければならない。

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参考
賛成していいんですか? 東京オリンピックを「元気な日本へ変革する大きなチャンス」とする決議 冷静なウォールストリートジャーナル 取り込まれる共産・社民
(10月22日当ブログ)

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追記 10月27日

このブログを読んで、マチベンが、シカゴ学派に洗脳されてしまったのではないかという、心配の声が上がっていることを聞きました。
あらぬ誤解を抱かせて申し訳ありません。m(__)m
猛省、猛省。(^_^;

電車で移動中、携帯電話からの投稿なので、文体まで変わりました。

マチベンは、ときどき、いたずらします。
いたずらとして成功しないことが多いと注意をいただいています。
今回はご心配までいただいたこと猛省しますが、そこまで迫真だったかと思うと、また、いたずらします。
こんな奴ですが、よろしくお付き合いください。
それにしても、きっとシカゴ学派は、この記事のような気持ちで、2013年、東日本大震災から2年後のの日本で進行している事態を眺めているでしょう。
悪気はなく、心底そう思っているんでしょうから、恐ろしい奴らです。

有害産品輸入促進ルール(SPS) 詳説4 予防的アプローチの制限1

いよいよ、有害産品輸入促進ルール(SPSルール)史上、最大の争点となっている予防的アプローチの限定(暫定性)について述べたい。
第6ルールまで、国民の生命・健康を守る国家の主権が、がんじがらめにされている中、この第7ルールだけは、とりあえずは、恣意的で差別的でなく、偽装された障壁に当たらなければ、「十分な科学的証拠」がなくても輸入制限的措置を採ることができる、とする。しかし、実態はここも息苦しい。


《第7ルール》予防的アプローチの暫定性ないし制限(5条7項)



十分な科学的な証拠がなく、健康被害等の有害情報がある段階で、被害を予防する観点から輸入制限措置を採ることを予防的アプローチと呼ぶ。
(環境法学で使われる「予防原則」とは呼ばない。おそらく「原則」はあくまで「国際経済活動の自由化」であり、衛生的観点からなされる「予防」は修正の手法に過ぎないというのが国際経済法学の意地だからだろう)
さすがのSPSルールも予防的アプローチまでは否定はしない。しかし、あくまでも暫定的なものでなければならないとされている。暫定的な期間内にさらに情報を集めて、有害だとするに足りる十分な科学的証拠が得られなければ、予防的アプローチに基づいて採られた措置は再検討しなければならない。限られた期間内では科学的な証拠は見つからないが、疑わしいという場合、第7ルールは、輸入制限措置の撤回を求めるのだ。



法的な説明をとりあえず離れて、ここで少し息をつきたい。ちょっと立ち止まって現代日本のありようを見ておきたい。
第7ルールを考える上で、常々感じている数々の違和感と、向き合っておく必要があると思う。



たとえば、子宮頸ガンワクチンの定期接種問題。
少女が痛ましい副作用に苦しむ姿を見て、胸を痛める人は多いだろう。
激甚例も含む、2000件に及ぶ副作用報告があった。
その結果、採られた措置は、積極的に定期接種を勧奨することをやめるに止まっている。いや、積極的勧奨をやめたのではない。とりあえず積極的に勧奨することを差し控えているにすぎない。
子宮頸ガンワクチンについては、子宮頸ガンの前がん症状(近藤誠氏がいうところの「がんもどき」に近そうだ)に対する効果が認められているに過ぎない。直接、子宮頸ガンの予防効果が証明されているわけではない。しかも子宮頸ガンで死亡するのは大半が60歳以上で、20歳代の罹患者は多いが、死亡例はほとんどない(製薬会社のグラフを見ても、死亡率は40代、さらに60代後半から一気に上がるが、30代までの死亡率は極めて低い)。さらに子宮頸ガンワクチンには5年を超える薬効は確認されていない。

図:子宮頸がんの罹患率と死亡率(日本人女性)国立がんセンターがん対策情報センター / 図:日本における20~39歳の女性10万人当たりの各種がんの発症率推移 国立がんセンターがん対策情報センター、人口動態統計(厚生労働大臣官房統計情報部)

それなのに、なぜ12歳から16歳の少女に定期接種をし、少女達をいたずらに苦しめなければならないのか。
薬効は明らかではない、激しい副作用例は多い。少し前なら、薬としての承認が取り消されたのではないか。少なくとも、定期接種はやめて、これ以上、少女達に痛ましい被害が発生するのを防いだろう。



しかし、そうはならない。積極的勧奨の中止に止まる。
少女達に現れた病的な現象が副作用であることの科学的な証拠が十分にそろうか、その間、定期接種の積極的な勧奨は差し控えるというのが、この国の行政だ。




僕には、この国の行政が、まるで逆に見える。定期接種までするのであれば、子宮頸ガンワクチンの薬効には科学的な確実性ある証明が必要だろう、副作用についてはそのおそれが認められれば、必ずしも厳密な科学的立証は不要ではないのか。
人間の論理から言えば、この国の行政は、まるで逆立ちしているのではないのか。
どうしてこうなってしまうのだろうか。



子宮頸ガンワクチンの製薬会社はイギリスのグラクソ・スミス・クライン社(サーヴァリックス)とアメリカのメルク社(ガーダシル)だ。平成25年度の定期接種に盛り込まれる予算は1000億円以上に上るとされる(月刊日本平成25年6月号)。
つまり、定期接種を取りやめたりすれば、英米の2社には莫大な損害が発生することになる。
そして、国際経済法の規律原理を介すれば、2社の私益を図ることこそ、まさに全世界の国民、とくに消費者の福利の実現につながるということになる。



SPSの措置は、必ずしも輸入だけには限らない。国内での使用方法の制限等であっても、それが貿易に影響する場合、「措置」と見ることができるようになっている(付属書A1条の「措置」の定義は非常に広汎である)。ただ薬剤については、微妙にSPSルールが措置の目的とする事項とずれているようにも見える。
しかし、行われていることは、あまりにもSPSルールに酷似し、企業利益に偏っている。
念のため厚労省に確認してみたが、SPSとは無関係だとのことだった。



そう、日本の風景は、すでに十分、国際経済法の規律原理によって汚染されている。
ルールが適用されていないところの風景も有害産品輸入促進ルール(SPSルール)もどきに支配されているのだ。
その結果、引き起こされている少女達のいたましい悲劇には言葉を失う。
これが、国際経済法が支配する世界のさまだ。
そして憲法25条1項が「すべて国民は、国際経済活動の自由を害しない限りにおいて、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」とされる世界の姿だ。
おぞましい、世界だ。
ただ、まだ、今であれば、薬事行政の分野は転換すれば悲劇を防ぐことはできる。
しかし、TPPを結んでからでは、そうはならない可能性がある。



その他にも見ておくべき風景がある。
次の風景は、まさにSPSに直結している風景だ。
字数が増えたので、次回に譲る。

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2013年10月25日 (金)

有害産品輸入促進ルール(SPS) 詳説3 憲法25条違反


さて、国際経済法の規律原理を拒否したとき、私達は、何を「規律原理」として考えることができるだろうか。
国内法の実務家としては、結局、日本国憲法に立ち返るしかない。
日本国憲法の基本原則は、平和主義、基本的人権尊重主義、国民主権主義だ。



現行憲法の平和条項には種々の議論があることは承知している。
しかし、基本的人権尊重主義を放棄するように求める議論は極めて限られた支持しか得られないだろう。
基本的人権尊重主義から改めてSPSを見る。



占領下で制定された日本国憲法とはいえ、その条文の中には、いくつか帝国議会の審理の中で加えられた条項がある。
日本オリジナルな条項と言ってもよい。
憲法25条1項もその一つだ。
「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」
日本国民が味わった第二次世界大戦の悲劇は、人類史に残る凄惨なものだ。
主要都市の大半が焦土と化した。
終戦直後の日本は、世界最貧国レベルの窮乏状態に陥った。
戦争末期から、猛烈な飢餓が国民を苦しめた。
飢餓と無縁な国民は農民だけだっただろう。



この条項の法的な性格については、憲法上の議論はある。
しかし、国家が、積極的に生存権を脅かす事態が生存権侵害に当たることについては、大方の異論はない。
生存権の自由権的側面と呼ばれることもある分野だ。



今日、無数の化学物質が世界を覆っている。
とくに先進国では、これらの物質と無縁な生活を送ることは不可能だ。
これらの物質が健康に悪影響を与えないように食品行政や環境行政は現代国家にとっては不可欠な機能だ。
大方の国民は国家がこうした物質が及ぼす危害から国民の生命・健康を守っていると信じているはずだ。
国内法の、建前も、食品安全基本法や環境基本法など、食品と環境の安全は国が保障することになっている。



自由貿易ルール、なかんずく有害産品輸入促進ルール(SPS)は、この国の構造が国際経済活動をゆがませるとして、書き換えることを求めている。



国際基準に委ねる選択肢が安全サイドのものであれば、それもよいが、SPSの恐怖で述べたように、国際基準は当てにならない。



国際経済活動の利益のために、国家の枠組みを書き換えられることは、有害だと判明するまで、毒でも食べよということを意味する。


以上を踏まえて、単純な話をする。
国際経済活動自由化ルールを受け入れれば、憲法25条は次のように書き換えられる。
「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。但し、国際経済活動を妨げてはならない
または、
「すべて国民は、国際経済活動をさまたげない限りにおいて、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」


国内法秩序では、憲法は条約に優位する。
憲法の条項に但書を付するような条約は憲法に違反している。
国内法の観点からする限り、憲法に違反する条約は無効であり、有害産品輸入促進ルール(SPSルール)は国内法的効力が否定される。



さて、今、問題にしている有害産品輸入促進ルール(SPSルール)はすでに締結されたWTO条約によるものだ。
国家主権との関係には一応の配慮があるとされ、各国の適切な保護の水準を下げる必要はないとの前文規定もあり、一面では機械的な適用を避けようとする思惑も見え隠れしている。
実際上、160ヶ国近くに及ぶ多国間協定では、各国はかなりばらばらに独自の安全基準を運用していたとされる。
したがって、WTOのSPSは、条文の文章そのままほどには、厳しく追及されるものではない実情があった。
WTOのSPSはその緩やかな適用を踏まえ、憲法と整合する運用がされてきた、あるいは、憲法に反しない限りにおいて、効力を有していたと考えることも許されよう。
だからこそ政府は、月齢20ヶ月以上のアメリカ牛の輸入を制限し、遺伝子組み換え作物については、表示義務を課すことができた。


問題は、TPPが、SPSルールをさらに進化させ、国家の権能をさらに制限しようとしていることだ。
TPPの原協定に当たるニュージーランド、シンガポール、チリ、ブルネイの間の協定には、国際基準へのいっそうの一致が謳われるとともに、WTOでは何かと議論のあった証明責任の問題について輸入国側に輸入を拒む理由の証明責任があることを明確にし、有害産品輸入促進ルールの例外規定と言うべき暫定措置(予防的アプローチ)の範囲をいっそう限定している。


その上、さらに日本は、アメリカとの二国間合意(日米FTA)によりSPSルールをいっそう徹底することを約束させられている。
その内容は、不明というほかないが、暫定措置の範疇すら認められない可能性がある。
暫定措置(予防的アプローチ)の否定は、懸念事項として、政府も挙げていた事項だ。
また、措置の同等という分野に基づいて、アメリカは日本に対して、食品安全基準の統一、つまりアメリカの食糧安全局(FDA)の認可を受けた産品の輸入は全面的に認めることを求めている可能性が極めて高い。
日米の二国間協議で求められる有害産品輸入促進ルール(SPSルール)は、食品安全行政や環境行政を放棄することだと言ってもよい。



こうした事態は、日本国憲法25条に由来して日本国が国民に対して負う健康で文化的な生活の保持義務を放棄するに等しい。
憲法違反は顕在化する。
TPP及び日米二国間協議(日米FTA)によるSPSが憲法25条違反であることは明らかである。

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2013年10月24日 (木)

あんたも偉い! 長野県弁護士会 『TPP反対』初の弁護士会会長声明

ついに弁護士会からTPP反対の声が上がった。
          PDFファイル
長野県弁護士会である。
さすがに、桐生悠々が主筆を務めた信濃毎日新聞や、農村予防医療の草分けとなった佐久総合病院の伝統を受け継ぐ、民衆の県である。


東京とか大阪の弁護士会は、新自由主義から利益を挙げる渉外系ビジネスロイヤーが牛耳っている。
困窮した弁護士は、彼らに付いていけば、その内にいいことがあるかもしれないという切ない幻惑から抜けることはあるまい。
したがって、申し訳ないが、ことTPP関連事項については、「国家戦略特区」違憲問題も含めて、日弁連には何も望めない。
日弁連ができることは、従来から取り組んできた課題の連続上にある課題だけで、TPPのような経済が人の生命や健康、生活を飲み込むような新たな課題には決して取り組めないに違いない。
今にして思えば、弁護士大増員は、グローバル資本専制社会主義国家建設への長い道程として位置づけられていたに違いない。
司法改革の大成功である。


長野県弁護士会の声明は、民主主義・国民主権の観点からの秘密交渉の国民不在を鋭くつくものとなっている。
内容自体より手続に比重を置いた声明は至って穏当であり、誰しも異議はないといえよう。

しかし、現実は、歪んでいる。
安倍政権は、会期53日の短期国家では、日本版安全保障会議設置法と、『政府情報ブロック・国民コントロール法』を最優先させる方針と伝えられ、売り物の経済政策にかかる『産業強化国民奴隷化法』や『黒い特区法』すら優先順位が低いと伝えられる。
東京新聞10月24日


一体、いつ、日本全体の在り方を変え、国民の生命・健康・暮らしに重大な影響を及ぼすTPPに関する議論をするつもりなのか。
英文1000頁に及ぶアメリカとの自由貿易協定を野党不在の議会で議論すらなく承認する安倍政権の姿が目に浮かぶ。

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平成25年10月12日

環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への交渉参加の秘密保持契約が国民主権・国会の最高機関性等に反することを懸念する会長声明

                    長野県弁護士会          
                      会 長          
  諏 訪 雅 顕

 

政府は,環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉について,本年7月に開催されたマレーシア交渉から参加を開始したところである。


TPP交渉への参加について,政府は,平成25年7月25日付け甘利明TPP対策本部長名義の「日本のTPP交渉への正式参加について」という文書の中 で,「アジア太平洋地域における新たなルールを作り上げていくことは,日本の国益となるだけでなく,世界に繁栄をもたらし,この地域の安定にも貢献するも のであり,日本が一旦交渉に参加した以上,重要なプレーヤーとして,新たなルール作りをリードしていく」「強い交渉力を持って,守るべきものは守り,攻め るべきものは攻めていくことによって,我が国の国益を最大限に実現するよう全力を挙げて交渉にあたる」などと表明している。


しかし,「我が国の国益を最大限に実現する」にあたって,その「国益」の判断が政府ないし官僚機構の独りよがりの判断であってはならない。また,TPPへ の参加が真に「国益」に適っているか否かの判断は,TPPに参加した場合の効果等について広く国民に情報提供した上で,国民的議論を踏まえたものでなくて はならない。それにも関わらず,報道に拠れば,TPP交渉への参加国には秘密保持契約の締結が求められ,政府はマレーシア交渉からTPP交渉に参加するに あたり,この秘密保持契約を締結したとされている。その契約によれば,交渉中はもとより,協定発効から4年間は,交渉経過等の開示が禁じられるとされてい るとのことであり,交渉中に国民に十分な情報発信を行ってTPPに関する国民的議論を行うことが不可能である。更に,外交に対する民主的コントロールを必 要とする,条約締結に関する国会の承認権(憲法73条3号但書)の行使にも支障が生じることは明らかである。


TPPは21分野にわたって行われるものであり,食の安全や環境・労働,国民生活に不可欠な各種サービスなど,国民の生活に大きな影響を及ぼす広汎な分野 が交渉の対象となっているが,それらの分野に於いては例外規定に該当しない限り完全な自由化が求められるとされる(ネガティブリスト方式の採用)。また, 投資分野に於いては,ISDS条項(外国の投資家や企業が,進出国において相手国政府の法律や行政上の不備等で損害を被った場合,協定に基づいて相手国政 府に対する損害賠償を相手国の司法手続ではなく国際仲介機関によって解決することを選択できるという条項)を入れることが見込まれる。そうなると,国民の 生命・身体・健康・財産を保護するために行う国家の規制や,日本固有の司法権のあり方や弁護士制度を含む司法制度等についても大きく改廃を迫られる危険が ある。そのように,国民生活に多大な影響が出るTPPへの参加の是非や参加した場合の内容が,十分な情報による国民的議論なしに決められ,国会の承認にす ら十分な情報が提供されないことは,およそ国民主権(憲法前文,1条)や国民の知る権利(同21条1項参照),国会の最高機関性(同41条)に反し,到底 容認されるものではない。


以上の意味で,国民生活に多大な影響が出るTPP交渉への参加が,国民や国会に対して十分な情報を提供なく進められることは憲法の理念に反するものであ り,当会は,このような現状を強く憂う。真に政府が,国益のために「強い交渉力を持って,守るべきものは守り,攻めるべきものは攻めていく」決意を持って いるのであれば,現状の秘密保持契約のもつ問題性を根拠として,国民や国会への十分な情報の提供が可能となるような新たな約定を交わすべく交渉すること, それが不可能であれば,直ちにTPP交渉から脱退することを求める次第である。

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有害産品輸入促進ルール(SPS) 詳説2 国際経済法の規律原理

第6ルールまで確認したところで、少し、振り返ってみよう。


普通の人なら、多分、最も重要な権利であると考える国民の生命や健康と、自由貿易法はどのようにバランスを取っているか。
天秤の片方に国民や動植物の生命・健康を置き、もう片方に自由貿易を置いて、考えてみる。


自由貿易法の世界では、
①輸入を拒む側が、有害であることを示す十分な科学的証拠を提示しなければ、輸入制限措置を採ることができない。

②有害物、すなわち毒でもあることがわかっても、措置は、人などの健康を守るために必要な限度において、貿易に与える影響を最小限にしなければならない。毒であっても、直接の食品としてではなく、家畜の飼料や加工品としてなら輸入できないか検討しなければならない。

③措置を採る以上、差別的であったり、自国産業保護の効果をもたらすような恣意的なものであってはならない。

④以上の要件を満たしたとしても、本音が特定の国の産品を排除・制限することや国内産業保護にあることが疑われるような態様であれば、許されない。

⑤毒に対する措置を採るときは、輸出する相手方の損害も考慮して、これとバランスするように経済合理性のある措置を採らなければならない。

⑥国際基準等がある場合は、国際基準に一致する措置であれば、一応、許される。
国際基準より高い水準で措置をする場合は、『正当な科学的理由』が必要である。


天秤の支点が大きく貿易の保護に偏っている。
どうして、これほどまでに貿易を保護しなければならないのだろう。
国民は、無意識にも、国家が基本的な生活の安全を保障してくれていると思っているだろう。
そのためにこそ国家に税金も納めている。
しかし、その国家は、自由貿易のために国民の生命・健康を守るのさえ四苦八苦させられている。
大半の国民・市民は、上記のルールを支持しないと私は考える。


どうして貿易の保護なのかという疑問に対する答えは、国際経済法の教科書の中に書いてある。
教科書のほぼ冒頭、「国際経済法の規律原理」の項には、次のような記載がある(中川淳司ほか著「国際経済法(第2版)」有斐閣)。


国際経済法の共通の規律目的は、「国際社会の共通利益の観点から、国家の自己利益の観点から、国家の国際経済活動に対する規律権限を調整し、規制権限に制約を加えることである」


この共通利益に基づく規律原理は、


「第1に、国際経済活動の自由化である。国際経済活動は、国により生産要素の価格が異なることを利用して、グローバルな資源配分の最適化、費用の最小化と利潤の最大化を目的として営まれる。この目的を達成するためには国家による制限や規制を調整し制限して、国際経済活動の自由を最大限に保障することが必要である。このようにしてグローバルな市場が形成されるとき、そこでグローバルな資源配分の最適化が達成され、世界の人々の得る福利の最大化が達成されることが期待される」
ここで、同教科書は、アダム・スミスやリカードの名前を援用し、彼らによって唱えられた考えが、「今日もなお、国際経済活動の自由化を推進する理論的な支柱として支持されている。」
「その意味で、国際経済活動の自由化は国際経済法の最も基本的な規律原理である」
とする。


また、規律原理の
「第2に、公正な競争条件の確保が挙げられる。自由化を推進してグローバルな市場が形成されたとしても、競争の公正さが確保されなければ、市場にゆがみが生じ、資源配分の最適化と福利の最大化は達成されない。」

「国際経済法は、自由化を通じて形成されるグローバルな市場における公正な競争条件の確保をめざす。そして、公正な競争条件の確保をはばむもの(国家による規制や制限、私人・私企業による競争制限的慣行)を規制し、それを取り除こうとする。公正な競争条件の確保は、自由化と必ずしも対立するものではない。それは、経済合理性という観点から、そして究極的には各国の消費者の保護という観点から、自由化の目標(グローバルな資源配分の最適化、費用の最小化と利潤の最大化)が完全に達成されるよう確保することを目指すものである」


この二つが根本原理であり、これに対する修正原理として、南北問題への配慮、環境保護、人権保障、文化的な多様性を挙げている。
ここでようやく何番目かの修正原理として人権保障が挙げられる。
天秤の支点が貿易の保護に大きくずれるのも当然である。
しかし、多くの国家の国内法は、基本的人権の保障を第一原理とし、人権に最大の価値を置いている。
この亀裂は深い。


アダム・スミスが、現在のグローバル資本主義を見れば、自らが目指したものと違うと断定してくれることは確実だろう。
佐伯啓思氏の「アダム・スミスの誤算」や「経済学の犯罪」によれば、グローバル化した経済圏において、私益の追求が同時に公共益と一致する等というのは、アダムスミスの曲解も甚だしいということになろう。



また、水田洋氏を初めとする先達によって開かれたスミス理解は、スミスが道徳哲学者であり、「国富論」の前提として「道徳感情論」を何度にもわたって書き直してきた経過を重視する。
スミスが道徳的本質として「同感性」を挙げたことは周知だ。
同感性とは「自分がやられて嫌なことは、相手にもしないでおこう」とする道徳観念だ。
スミスは、市場の基礎に、同感性を置き、これを前提にして、私益の追求が同時に公共的な全体の利益に収斂することを説いた。
これは、今日のアダム・スミスの共通理解ではないだろうか。
少なくとも経済思想史・社会思想史の分野においてはそのはずだ。


スミスは「同感」が働く範囲を限定していた。
自国民の間では、共感が作用することを確信していたスミスは、遠く隔たった異国の国民との関係では同感について悲観的である。
スマトラ沖地震で亡くなった犠牲者を、東日本大震災で亡くなった犠牲者と同じようには悼まなかったのは現代も同じだろう。
グローバル化した世界であっても、国民は、どこかナショナルなものに共鳴している。
距離だけではない、文化的な、制度的な、あるいは国家的な何物かが同じ人間でありながら、同感の届く範疇を決定していることは否定しがたいだろう。
この枠は意外に強固である。


スミスの説いた自由市場の公共性は、あくまでも一国の国内で閉じるものであったことを改めて、確認するべきである。


グローバル企業に、果たして取引相手に対する同感を見いだすことができるだろうか。
特許付の遺伝子組み換え作物の種子を毎年、農民に買わせるモンサントが、モンサントの種子によって困窮し、自殺に追いやられた農民に対して、同感しているであろうか。
モンサントの種子と交配してしまった隣接農家に対して、特許権侵害を理由として、巨額な損害賠償を求めて農家を破綻させていくモンサントは、破綻させた農民に同感しているだろうか。
答えは明らかにノーだ。


私益の追及が見えざる手に導かれて、公共益=諸国民の福利に予定調和するという市場論は、あくまでも同感性を前提にしていた。
同感性を前提としない私益の追及の手放しの称揚は、弱肉強食のジャングルの是認に他ならない。
まさに、現代は、その様相を呈しているではないか。


リカードについては知らない。
中野剛志氏の紹介によれば、リカードの議論にはいくつもの仮定された想像上の前提が存在し、グローバルな自由貿易市場を正当化する前提は全く欠けているとされる(「自由貿易の罠」「反自由貿易論」)。


スミスも支持せず、リカードにも支持されないとすれば、国際経済法の規律原理なるものは、単なるお題目に過ぎない。


労働資源の最適化によって、途上国の賃金と平準化されることが、国民の福利なのか。
途上国の国民にとってすら貧富の格差を拡大させる方向へと働く「国際経済活動」が、福利であるのか。
国民は、何年か前にブータンを幸せの国と讃えた。
国際経済活動はブータンにも及んでいる。
格差の波が押し寄せ、ブータン国民の幸せの総量を奪いつつある。


自由貿易を否定する必要はないのかも知れない。
しかし、度を超した自由貿易は国民を不幸にする。
国民の立場からは、自由貿易を保護するために、国家の制度、何らかの意味で国民を保護する規制や慣行を制限する理由はないと言わざるを得ないだろう。


国際経済法は、全てを通貨単位に換算し、人間をすら通貨に換算する主流派経済学の後ろ盾があるから、自らの前提を顧みる必要がない。
しかし、一般市民、一般国民は、別に主流派経済学のために生きているわけではないのだ。

どこまでも街の弁護士である僕は、国際経済法の規律原理を拒否するところから議論を始めたい。

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追記 

共著者が申すのは何でありますが、「TPP 黒い条約」は、そこら辺のことを考えるのにも有益な示唆を与えてくれますので、どうぞ、お読みくださいませ。

2013年10月23日 (水)

【再掲】夕日新聞社説 『コンビニが足りない! 大胆なコンビニ改革を』

下記は、2012年4月27日付の拙ブログ記事である。
当時、日弁連会長選挙が異例の再選挙にもつれこみ、市民派と執行部派(日弁連官僚派)の会長候補が激戦を展開していた。
そんな中、某新聞は、市民派会長の2年間を司法改革の停滞として、厳しく論難し、さらなる弁護士増員を主張する社説を掲げていた。


これをおちょくったのが下記ブログである。
先見の明があったというべきか、当然というべきか、「移動するコンビニ」が登場しているという記事に先ほど気がついた。
関西テレビ放送2013年10月14日「限界集落走る 移動コンビニ」
但し、大手コンビニチェーンが進出したという話題ではないようである。


某新聞は、それみたことか、弁護士もコンビニを見習えという社説を書きそうである。
先手を打って言っておこう。
限界集落を目指して、移動していく弁護士はすでに実現しておりますので、ご心配なく。
マチベン所在地の近隣情報では、名古屋市内から多治見市(岐阜県西濃地方)へ、多治見市でも仕事にあぶれて瑞浪、恵那、中津川さらに山奥へと、チャレンジ精神あふれる若き弁護士が縄張りを転々と移動させております。
コンビニは毎日でも必要だが、それでも限界集落での経営は苦しいと記事には書いてある。
弁護士は一生に1回あるかどうかの買い物である。
彼らの献身的な努力が実を結ぶか否かは、予断を許さない。
某新聞論説委員はちゃんと現実を認識して社説を書くように、念のため釘を刺しておく。


某新聞では、大型所得隠し(自称『申告漏れ』)事件が発覚したが、今に至るも、大量生産された弁護士から社内弁護士を採用して綱紀粛正を図ったという話は聞いたことがない。


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離島や僻地にはコンビニがないため、住民が不便を強いられている所が少なくない。今やコンビニは、生活のためになくてはならないインフラだ。特に独り暮らしの多い地方の高齢者には宅配もしてくれるコンビニは、ときに高齢者の生死にすら関わる。

地方にコンビニが少ないのはコンビニの絶対数が少ないからだ。コンビニ協会はコンビニを大幅に増やさなければならない。採算割れなどは理由にならない。

地方にはまだまだコンビニを必要とする人たちが無数にいる。採算を主張するのは業界エゴである。コンビニ業界は既得権にあぐらをかくのではなく、大胆な需要の掘り起こしをしなければならない。

客を待つだけのコンビニから、宅配はむろん、物だけでなくサービスにも目を広げるべきだ。地方のお年寄りの要望に応えて、犬の散歩や、掃除、炊事や洗濯などの家事、簡単な修理や雪かきなど、コンビニならではの安価で安定的なサービスが必要とされている分野も少なくない。

最近、相次いで発覚し言論機関の名を貶めた大手新聞社の巨額の申告漏れも、社内にコンビニが少なかったからだとも聞く。

視野を広げれば無限の需要があると言っても過言ではない。

そうしてこそ、国民の期待に応え、コンビニの使命を果たすことになるのである。


残念ながら、コンビニ業界は内向きな議論に終始しているように見える。大胆な改革によってコンビニ倍増を実現しなければ、やがてコンビニは国民に見放されるだろう。
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全国のコンビニ数 約45000軒
全国の弁護士数 約32000名

追記 コンビニを、弁護士あるいは法律事務所と読み替えていただくと、どこかの大手新聞の社説とそっくりになるしかけです。(^^)V

有害産品輸入促進ルール(SPS) 詳説1

TPPの本質は、『非関税障壁』の撤廃であり、『非関税障壁』とは、自由貿易を妨げ、公正な競争市場を損なう、政府の『全ての制度や慣行』である。

参照:韓国法務省は、間接収用による補償対象となる政府の措置に関して、以下のとおり結論づけている。

○特に、「間接収用」の概念は国際的定義が確立してない概念で租税、安保、公共秩序、保険等すべての政府(地方自治体および政府投資機関、司法府等を含む)の措置に対して提訴可能

※措置(actionまたはmeasure)は政府の法規定、制度、慣行、不作為、公務員の事実的行為等を含む広範囲な概念である


ISD(もしくはISDS)の問題性を考える上で、『投資家私設法廷』で用いられる国際経済法が、どのような基準に基づいて、国家の措置を違法と判断するのか、探ってみたい。


法的な違法性判断は、対立する諸価値のバランスを取る支点をどこに設けるかによって、異なってくる。


日本国憲法では、たとえば、財産権や経済活動に対する制限は、合理的な目的によるものであれば、政府には政策目的であっても、経済的基本権を制限する裁量が認められる。
したがって、裁量からの逸脱がない限り、財産権や経済活動に対する制限は違法とはならない。
これに対して、民主主義の基盤をなす表現の自由や思想・良心の自由に対する制限は、政策的な制限は認められず、やむを得ない理由による場合に限り許される。その場合でも制限は必要最小限でなければならず、より制限的でない他の手段がある場合には、それを超える制限は違法(違憲)となる。
これを憲法学は精神的自由と経済的自由に関する二重基準と呼んでいる。
(最高裁判例を見る限り、筆者は、学者が説くようなダブルスタンダードを最高裁が採用しているのか危惧を感じるが、少なくとも学者の定説はそう主張している)。


ここではWTO(1995年1月1日発効)のSPSルールを例に検討したい。
SPS(衛生及び植物検疫)は有害物質が国内に流入、流通して、人や動植物の生命や健康を害することを防ぐため、輸入に当たって国家が行う国家主権に基づく措置である。


TPP交渉参加事前合意の寸前まで日本は、狂牛病に罹患した牛肉が流入するのを防ぐために月齢20ヶ月を超える牛の輸入を禁止する措置を維持していたが、こうした措置が衛生及び植物検疫措置である。
福島第一原発からの汚染水漏れが明らかになった後、大国ではアメリカや、ロシア、中小国では韓国等が、日本の農水産品の一部の輸入を制限しているが、これも衛生及び植物検疫措置(SPS)である。


ここでSPSルールを例にするのは、SPSは、人や動植物の生命・健康という最も重要な法益を守るためになされる措置であるので、自由貿易ルールの中でも、最大限に国家の措置が尊重されるべきルールだと考えられるからである。


この点は、先に『SPSルールの恐怖』シリーズでもさわりの部分を検討したところであるが、さらに詳細にルールについて、確認しておきたい。


《第1ルール》有害性に関する十分な科学的証拠ルール
輸出国が安全である証明をしなければならないのか、輸入国が有害性を証明しなければならないのか、という基本的な点に関わる。


この点、自由貿易ルールは、明確である。
輸入を求められる国家が、有害であることの十分な科学的証拠を示さなければならない(2条2項)。
そうしなければ、安全性にかこつけて、差別的に扱うことを許すことになる。それでは自由貿易が妨げられる結果になるから、自由貿易のルールでは、有害だという側が十分な科学的証拠に基づいて措置をすることが求められている。
したがって、前記した狂牛病の例では、日本が有害であることを示す十分な科学的証拠を示さなければならないし、日本の農水産品の例では、アメリカやロシア、韓国が輸入を拒む措置を裏付ける、日本産品が有害であることの、十分な科学的証拠を示さなければならない。


また、

 

危険性の評価を行うに当たり、入手可能な科学的証拠、関連する生産工程及び生産方法、関連する検査、試料採取及び試験の方法、特定の病気又は有害動植物の発生、有害動植物又は病気の無発生地域の存在、関連する生態学上及び環境上の状況並びに検疫その他の処置を考慮する(5条2項)

 

ことをしなければならない。


《第2ルール》は、必要最小限規制のルールである。

仮に有害である十分な科学的証拠があるとしても、検疫措置は、正当な目的で、必要な限度に止められなければならない。

人、動物又は植物の生命又は健康を保護するために必要な限度においてのみ適用すること(必要限度規制)2条2項


つまり、貿易に与える影響を必要最小限にとどめる限りにおいて衛生及び植物検疫措置は認められる(5条2項)。
輸入の全面的禁止より貿易に与える影響が小さい手段があれば、これを選ばなければならない。たとえば、人の食品としての輸入は禁止したとしても、家畜に与えたり、加工食品にするために利用できるならば、輸入自体を拒んではならないということだ。


《第3ルール》恣意的・不当な差別の禁止


有害だという十分な科学的証拠がある場合でも、その行使の態様が恣意的・不当な差別になる措置は禁止される(2条3項、5条5項)。
つまり、放射能汚染が明らかになったとしても、第3国の産品は輸入しているのに、日本の産品の輸入を禁止するのは恣意的・不当な差別に当たる。
また、自国の域内でも狂牛病の牛が発生しているのに、流通を制限せず、アメリカの牛だけ輸入を禁止するのは、恣意的で不当な差別に当たる。
貿易を制限する以上、無差別でなければならなず、自国産品についても同一の措置を採らなければならない。
余計なお世話だと言うのは、貿易の自由に背く重大な背信行為である。


《第4ルール》偽装した障壁・制限の禁止


有害だという科学的証拠が十分にあり、無差別に措置を適用したとしても、それが、「偽装した障壁」(2条3項)であったり、「偽装した制限」(5条5項)に当たる場合は許されない。
つまり狂牛病の牛肉の流入阻止を目的とした輸入禁止措置だとしても、アメリカ産の牛は、ひどい育てられ方をしているから、ご遠慮いただきたいなどという本音が隠されていたりすると、「偽装した障壁」、「偽装した制限」として許されない。


《第5ルール》「調和」の原則 ハーモナイゼイション

 

国際的な基準や指針、勧告がある場合に、国際基準等に基づいて採られた措置は適法と推定する(3条1項)。
さすがに、毒でも何でも輸入しなさいという訳ではない。国際基準等があれば、これと一致した措置であれば、許してあげますよ、というわけだ。ことに途上国にはありがたい規定かも知れない。輸入を求められる度に、いちいち有害であることを示す科学的証拠がないかを探していては大変である。


さらに国際基準より高い水準の措置を採ることも認められているが、この場合には「科学的な正当な理由」が必要である(3条4項)。
アメリカ産牛肉の月齢制限をめぐる問題は、日本が狂牛病発生国の牛に対する国際基準である月齢30ヶ月を超える牛肉ではなく、それより「高い水準」の月齢20ヶ月を超える牛肉の輸入を禁止をしたことから発生した。アメリカは「科学的な正当な理由」(アメリカに言わせれば、「十分な科学的証拠」より厳格な科学的な理由が必要だ)がないと主張して強く輸入制限の解除を要求し、日本は国民の生命・健康に関わる問題であることから「科学的な正当な理由」があると頑張ったのだ。
TPP交渉参加決定直前、いっせいに国内の全頭検査がほぼ廃止されたのは、アメリカに対する恭順の意を示すための禊ぎであった。
おそらく、自民党政権が続く限り、二度と、アメリカに逆らおう等とは考えまい。こうして国民の生命・健康の安全は、TPP参加の引き換えに捧げられたのだ。


《第6ルール》損害と費用効果の均衡

有害動植物や病気が侵入したり、まん延する十分な科学的証拠があったとしても、輸出国が被る生産・販売の減少による損害の可能性と、輸入国における防除や撲滅の費用ないし危険を限定するために輸入禁止以外の方法を採った場合の費用効果を考慮しなければならない(3条5項)。
つまり、予め輸出国に与える経済的損害に配慮して、防除や撲滅の費用や、より輸入制限的でない他の手段をとった場合の費用対効果を考えた場合に、輸出国の損害が大きいような場合には、有害動植物でも輸入しなさいということだ。
5条6項では、技術的・経済的な実行可能性を考慮し、措置が適切な保護の水準を達成する以上に貿易制限的であってはならないと定めてもいる。


第7ルール(予防的アプローチ)もあり、これがWTOの紛争解決制度では最大の争点となったものであるが、すでにかなり長文になっている。
これについては、別の機会に譲る。


ざっとこれだけ見ても、自由貿易ルールでは、如何に国家が不自由な状態に置かれているかわかるのではないだろうか。
159ヶ国も参加しているのだから、自然なルールではないかと思っては間違える。
ルール自体は、国民の生命や健康を守ろうとする国家にとっては、極めつけに不自由なルールになっている。



SPSルールは極めて複雑であるし、経済法学者はかみ砕いた説明をしてくれないので、一般にわかるようにルールを説明したものがない。
マチベンは、庶民の相談パートナーであるから、やさしく説明しようとする訓練はときどき、していた。
市民にもわかるSPSルールの説明になっていることを祈るばかりである。

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2013年10月22日 (火)

賛成していいんですか? 東京オリンピックを「元気な日本へ変革する大きなチャンス」とする決議 冷静なウォールストリートジャーナル 取り込まれる共産・社民

10月15日、衆参両院でオリンピック推進決議がされたそうだ。
決議は衆参両院とも同じ内容。五輪開催を「元気な日本へ変革する大きなチャンスとして国民に夢と希望を与える」と強調したものだそうだ。
山本太郎参議院議員以外、反対者も棄権者もないということだそうだ。


共産党も、社民党も「元気な日本へ変革する大きなチャンス」とオリンピックをとらえているということだ。
げんなりだ。


オリンピックが、平和の祭典らしい体面を保っていたのは、もう遠い昔の話だ。
しっかり、コマーシャリズムに占拠されたオリンピックが「変革のチャンス」だなどと、共産党も社民党もよく言えたものだ。
とくに共産党は未だに共産主義政党のはずだが、どこをどう取り替えれば、資本主義の祭典を「変革のチャンス」にできるというのか。
一貫性があるとは到底思えない。


東京オリンピック決定に関する社説を全部見た訳でもないが、ウォールストリートジャーナルの社説が、情緒に流れることなく、一番、本質を突いていたと思う。



WSJjapan社説 2013年9月10日

 東京が2020年夏季五輪の開催地に決定した。一部コメンテーターはイスタンブールやマドリードと比較すれば「安全な選択肢」だったとし、日本の首都に気の抜けた称賛を送った。しかし、われわれはこの大会が日本、周辺地域、世界を奮起させるイベントになると予想しよう。

 1964年東京五輪は、軍国主義という精神的つまづきと大戦による物理的荒廃から日本が国際舞台に復帰することを象徴するイベントとなった。五輪がまだ高いモラルを備えていた時代に東京で聖火をともすことは、日本が民主主義、寛容、自由に向け前進していることを国際社会に認めてもらうことを意味した。五輪がより外向きな国家的世界観を形成するきっかけとなったことを示す証拠は、この時代を生き抜いた日本人が示すことになろう。


 それから半世紀、日本も五輪ムーブメントも大きくつまずいている。東京は景気停滞と、福島第1原発のメルトダウン(炉心溶融)を招いた政府の稚拙な原発運営で知られるようになった。08年北京五輪は、中国の自由化を促す原動力になるとうたわれたが、むしろ中国共産党が社会をコントロールする新たな手段を得るきっかけとなり、以来共産党は中国全土でそれを展開している。来年ロシアで開催される冬季五輪も、やはり権威主義体制の虚栄心を満たすプロジェクトにすぎない。開催地の選考プロセスは低俗化し、そもそも選ばれることは名誉なのかと疑問を持たずにいられないほどだ。

 しかし、ロンドンが昨年示してくれたように、正しく実行しさえすれば、五輪は国家的ムードを盛り上げ、自信を高める力を依然として持っている。日本がまさに必要としているのがそうした高揚力だ。

 
安倍晋三首相が環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉参加を受け入れたことで、日本が競争相手に国境を開放すれば、教育水準が高く革新的な市民が世界の第一人者であることを再び証明してくれるのではないか、との期待が持ち上がっている。問題は、利益団体による政治的駆け引きと日本を部分的鎖国状態にしておくことを望む社会的惰性にある。それは日本の衰退につながる。ゆっくりとした下降で、恐らく快適ではあるだろうが、衰退は確実だ。

 安倍首相は提案していないが、論理的と考えられるのが、改革の範囲を広げ、日本の国境を移民にも開放することだ。そうでなければ日本の人口は縮小する一方だ。ここでも選択肢はやはり閉鎖的で停滞した国であり続けるか、開放的な社会としてより明るい未来を目指すかの選択だ。賢明な日本人はそれが必要だということは分かっている。しかし、それについてあえて議論しようとする政治家はほとんどいない。


 日本は歴史上、国家的コンセンサスが突然変化する場面を何度も経験してきた。ペリー提督率いる黒船の電撃的な来航をきっかけに、明治維新によって世界への扉を開くことになった。そして、第2次世界大戦の敗戦が2度目の開放につながった。さらに2年前、当時の野田佳彦首相は、TPP 交渉参加への意欲を表明した際、日本は「第3の開国」を迎えようとしていると語った。


 しかし、政治的抵抗は、日本の国内世論がまだ転換点に達していないことを示しており、最終的にTPPが批准されるかどうかは確実とは言えない。移民制度改革となれば、なおさらだ。日本は幸運にも、この民主主義の時代にあって差し迫った戦争も革命もない。したがって、
大胆な開放を望む人たちにとっては、決起する別のきっかけが必要だ。東京で行われる2度目の五輪がその重要な役割を果たす可能性がある。


 日本は、戦時の恨みを晴らさんとするかのような中国の台頭をはじめ、多くの難題に直面している。日本が経済的に復活し、民主主義を導く光となって周辺地域をリードできるかどうかは、これまで日本の発展に大きく貢献してきた開放性を再び受け入れられるかどうかにかかっている。20年五輪が日本の経済的・政治的復活に弾みをつけるきっかけとなれば、五輪ムーブメントにも新たな息吹が吹き込まれることになるだろう。


この社説は、2020年オリンピックが東京にきっまたのは、マイナス比べの結果だと冷静に分析。
何と言っても、隣国シリアが攻撃されるかもしれないイスタンブールとの決選投票になったのだから、ご説ごもっともだ。
運動(ムーブメント)として見たときの五輪が「大きくつまずいている」ことは社説のとおりであり、アマチュアリズムが称揚されたアスリートの闘いとはかけ離れた商業主義が五輪を覆っている。
だから、WSJは東京決定自体、「選考プロセスは低俗化し、選ばれること自体名誉なことなのか」と疑問を呈してさえいる。


「08年北京五輪は、中国の自由化を促す原動力になるとうたわれたが、むしろ中国共産党が社会をコントロールする新たな手段を得るきっかけとなり、以来共産党は中国全土でそれを展開している」と総括し、ソチ五輪もロシアの虚栄心を満たすプロジェクトに過ぎないとして、つれない。


ただ、2012年のロンドン五輪は評価している。
「ロンドンが昨年示してくれたように、正しく実行しさえすれば、五輪は国家的ムードを盛り上げ、自信を高める力を依然として持っている。日本がまさに必要としているのがそうした高揚力だ。」という。


後半は、もっぱら経済論であり、五輪をTPPの示した発展方向に日本を持って行くことができるのか、閉鎖的な社会的惰性、利益集団の抵抗を戒める。移民を受け入れるように勧奨し、日本が大胆な開放に向けて、一大革新を遂げる画期になることを力説している。


要するにTPPを速やかに受け入れ、国家資源を国際市場に任せる画期になることこそが、東京五輪の意義だと強調している。
そのとおりになっている。
バリ会合をオバマが欠席したために気の抜けたビールのような状態にあるTPPを安倍首相は日本が主導すると力んで見せている。
「国家戦略特区」による日本の国家機構の解体売却もしばしば東京オリンピックの成功と結びつけて語られている。


何より「汚染水はコントロールされ」「ブロックされている」と、原発事故をだしに使ってまで、オリンピックを誘致するという倒錯が存在した。


そうした中の「元気な日本へ変革する大きなチャンスとして国民に夢と希望を与える」決議である。
ウォールストリートジャーナルが「大胆な開放を望む人たちにとっては、決起する別のきっかけが必要だ。東京で行われる2度目の五輪がその重要な役割を果たす可能性がある。」と強調している意味合いがわかっているのであろうか。
共産党も社民党も、生活もよく足下をみてほしい。
オリンピック翼賛体制にますます組み込まれれば、TPPや国家戦略特区による統治機構の売国バーゲンセールに加担することになるに違いない(怒)。


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2013年10月21日 (月)

【拡散希望】『国家戦略特区』提案一覧  国家機構の売国バーゲンセール

マスコミに載らない海外記事さまが、10月16日付の「欧米文明は一体どうなったのか?」で、奈須りえ氏の講演資料のPDFをテキスト化してくださった。画像ファイルであり、鮮明さにも欠けていたので、大変なご苦労だったと思う。
しかし、これでずっと読みやすくなった。
まずは、「国家戦略特区」で、一体だれが、何をしようとしているのか、これで見てみる気がする状態になったと思うので、考えていただくよすがにするため、ご紹介する次第です。


念のため、これは日本の「国家戦略特区」であるが、圧倒的数の提案を寄せたのは、なぜか外資のモルガン・スタンレー証券日本法人のチーフ・アナリスト兼調査部部長であるフェルドマン氏である。
論理は飛躍するが、マチベンが、TPPを先取りする「国家戦略特区」が主権や統治機構のバーゲンセールであると断言する所以である。
論理は飛躍するが、と書いたのは、政府要人や大方のマスコミはアメリカは日本に悪いことはしないと思いこんでいる様子なので、もし、政府やマスコミが正しければ、アメリカの証券会社が日本のことを思ってアドバイスしてくれている可能性が否定できないからである。

参照:既出 拙ブログ



   
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*有識者などからの「集中ヒアリング」において提案された規制・制度改革事項

 

 1.都市再生
都心居住促進等のための容積率の大幅な緩和【伊藤、安念、不動産協会、八代】
都心部における容積率2000%以上の象徴的開発プロジェクトの推進【伊藤】
都心部において用途地区混在地区を商業地域500%に統一し、日影規制を解消【伊藤】
都心部における附置義務駐車場制度の廃止【伊藤、不動産協会】
都市計画手続きの迅速化(自治体、開発事業者、専門家による計画裁定プラットフォームによる円滑・迅速な大規模再開発事業の推進など)【伊藤、不動産協会】
都心周辺部における国際居住区〔国際化に対応した多様で文化的な住宅市街地)の指定(容積率緩和による高層集合住宅化や、遊休地化した公有地の海外関係組織への優先的譲渡又は賃貸など)、伊藤】
プライペートジエット機専用の羽田空港第6滑走路の整備【伊藤】
リニア新幹線の整備及び品川地域の再開発等【伊藤】
カジノ等による臨海部の国際的利用【伊藤】
都市の有効利用・都心居住の推進のための「特区版法制審議会」の創設【安念】
自治体の高さ規制や景観規制への迅速な対応【不動産協会】
区分所有権法のマンション建替え決議要件の緩和(議決権方式で2/3以上など)【八代、不動産協会】
借地借家法の定期借家権法への乗り換え【フェルドマン、八代】
羽田・成田間、成田・仙台間の高速鉄道化【フェルドマン】

2.医療

外国医師による外国人向け医療の充実(特区内医療機関所属外国医師による全国往診可能化)【阿曽沼、不動産協会、八代、翁】
国内未承認の医療技術・医療機器の持ち込み・使用許可解禁【阿曽沼、フェルドマン】
病床規制の見直し(再生医療等先進医療分野での病床開設許可の推進、休眠病床に関する知事等による再配分等の地域管理の実施)【阿曽沼、不動産協会、翁】
患者負担軽減策(民間保険の第三分野拡大等)及び患者救済策(医療自賠責保険制度の開設等)を併せ、先進医療分野(再生医療のみならず難病・稀少疾病分野、小児病分野等へ段階的に範囲拡大)に関する混合診療の解禁【阿曽沼】
高齢者の自己負担率の引上げ(2割以上、年齢に応じた負担率の導入等)【フェルドマン】
健康を基準とした自己負担率の導入(基本負担を6割とし、メタボ基準以下は3割、喫煙者は7割とする【フェルドマン】
医療分野へのマイナンバー制度の早期導入【フェルドマン】
高度な診療手術の可能な病院の集中化・絞り込み(臨床研究中核病院の機能集中の加速化など)【フェルドマン、翁】

 

3.介護・保育
介護施設等への外国人労働者の受け入れ解禁【フェルドマン】
介護保険報酬を基準とレた質の高いサービスに関する価格の上乗せ(混合介護の解禁)【八代】
介護制度・社会福祉法人制度の見直し【翁】
保育所に関する株式会社の参入促進【八代】
認可保育所にも多様な保育サービスを容認(混合保育の解禁)【八代】

 

4.雇用・人材
解雇規制の緩和・合理化(金銭解決などを含む)【大竹、大内、フェルドマン、八代、製薬工業協会】
零細企業・ベンチャー企業に対する解雇規制の適用除外【大内】
有期雇用契約の自由化(6.0歳以上の労働者を対象とするなど)【フェルドマン、青木】
有期雇用契約に関し雇止めを制限する場合の、金銭解決手段の導入【大竹、大内】
労働時間規制の適用除外(一定の要件を満たす業種・職種等の労働者に関するガイドライン規定の法令整備)【大内】
労働時間規制の見直し(労働時間の上限規制緩和、休息に関する規制強化など)【大内】
労働者の権利の一部放棄の容認(個別合意における適用除外)【大内】
賃金政策の再検討(貧困対策としての在り方など)【大内】
全てのスキルレベルにおけるビザの発給要件の緩和(労働ビザの緩和)【フェルドマン】
積極的な移民政策の推進(医療、介護、農業の分野など)【フェルドマン、八代】

 

5.教育
海外留学(一年間)を大学卒業のための必須要件化【フェルドマン】
教育委員会の廃止・権限縮小【フェルドマン】
公設民営学校(公立学校の運営の民間委託)の早期解禁【大森、新しい学校の会】
教育バウチャー制度の創設1新しい学校の会】
複数地域にまたがる株式会社立学校(通信制高校など)の解禁(特区内での添削指導、試験の義務付けの撤廃など)【新しい学校の会】
教育基本法上の「学習指導要領」の柔軟化【楠本】

 

6.農業
株式会社等による農地所有の解禁【本間、フェルドマン、八代】
農地転用規制の強化(一定期間における転用、の罰則化等)【本間】
農協への独占禁止法の適用【本間、フエルドマン、八代】
減反制度の廃止【フェルドマン】
米価設定の廃止【フェルドマン】

 

7.エネルギー
電カシステム改革(小売自由化、発送竃分離等)の早期実施【大上、フェルドマン】
バイオマス等の再生可能エネルギープロジェクトに関する全ての規制の撤廃【大上】
環境・エネルギー分野における欧米との規制・基準の統一化【大上】
サマータイム制度の導入【中上】

 

8.文化・芸術・クールジャパン
世界に誇る新しい文化施設(美術館、博物館、劇場ホール、ライブハウス等)に関する容積率の緩和【青木】
案内サインや野外広告に関する規制緩和【青木】
古民家等の伝統的建築物(国宝、重要文化財等以外)の旅館・レストラン等としての活用のための総合的施策の推進(「地域再生特写物件」として、建築基準法の一部適用除外、旅館業法・消防法等に関する規制緩和など)【金野・西本】
「料理人」に対する就労ビザの発給要件の緩和(国内の調理学校卒業者及び海外での経験を有する者への対象拡大、料理の種類・料理人の国籍・就業地の紐付け撤廃)【楠本、フェルドマン】
「国際業務」ではなく「フアッシヨン産業の専門職種」として、就労ビザの発給要件の緩和(国内の大学・専門学校卒業者及び海外で同等の教育を受けた人材、並びに、海外の実務経験を有する専門家への対象拡大)【楠本、フエルドマン】
「ダンス」の風営法上の規制対象からの撤廃【青木、楠本】

9.インフラ等の民間開放PFI/PPP等

公的データベースの民聞開放(不動産等)【フェルドマン】
有料道路に関する料金徴収業務の民間開放【福田】
有料道路における、建設費のみならず維持管理費も含めた費用回収(償還)後の料金徴収の容認【福田】
水道事業に関する民間参入の推進(公共施設等運営権者が事業認可を受ける際の各種手続の整備、地方自治体と同一水準の支援策の付与、官民の役割分担など)【福田、美原・杉田】
公共施設等運営権者と指定管理者との二重適用の排除【福田】

 

10,その他行政改革等
公務員の給料を民間と同一基準化【フェルドマン】
マイナンバー制度に基づく行政コンシェルジュの推進【フェルドマン】
国家戦略特区推進のため特区担当部局が関係各省・自治体の人事を担当【フェルドマン】
外国法規に基づく教育・金融・法律・医療機関等の認可の推進【フェルドマン】
地方議会議員に対する選挙度毎の人口比例での議決権の配分【フェルドマン】
新聞の再販規制及び公正取引委員会からの特殊指定の廃止【フェルドマン】
官庁の記者クラブを廃止【フェルドマン】
企業業績やその他の重要情報漏洩への刑事罰適用【フェルドマン】

 

参考:税制関係
跡田直澄 嘉悦大学ビジネス創造学部学部長
・法人税を中心に、所得税も含め、以下の視点からの各種減税措置を提案。
-特区への内外企業の投資促進
-特区での継続的操業'再投資促進
-特区への内外の優秀な研究者の招聰・定着
-特区での先端研究の促進
・佐藤主光一橋大学国際・公共政策研究部教授
-全国レベルでの法人減税を原則としながらも、
-短期的な呼び水効果
-長期的な構造改革の推進
の観点から、規制改革と一体となった特区での減税措置の意義を主張。

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(産業競争力会議議員名簿(平成25年1月23日現在)

議長   安倍晋三  内閣総理大臣
議長代理 麻生太郎  副総理
副議長  甘利明   経済再生担当大臣
                兼内閣府特命担当大臣(経済財政政策)
同    菅義偉   内閣官房長官
同    茂木敏充  経済産業大臣
議員   山本一太  内閣府特命担当大臣(科学技術政策)
同    稲田朋美  内閣府特命担当大臣(規制改革)
同    秋山咲恵  株式会社サキコーポレーション代表取締役社長
同    岡素之    住友商事株式会社 相談役
同    榊原定征  東レ株式会社代表取締役 取締役会長
同    坂根正弘  コマツ取締役会長
同    佐藤康博  株式会社みずほフィナンシャルグループ取締役社長グループCEO
同    竹中平蔵  慶慮義塾大学総合政策学部教授
同    新浪剛史  株式会社ローソン代表取締役社長CEO
同    橋本和仁  東京大学大学院工学系研究科教授
同    長谷川閑史 武田薬品工業株式会社代表取締役社長
同    三木谷浩史 楽天株式会社代表取締役会長兼社長

 

2013年10月20日 (日)

活断層問題をうやむやにするマフィア暗躍 19日の中日新聞から

昨日の中日新聞『特報』。
しばらく、聞かないと思っていたら、原発活断層問題は、マフィアたちがないことにしようと暗躍していた。

Chunichi131019

民主主義と平和、そして人権尊重に関わるあまりにも多くの事柄がなし崩しに壊されようとしているため、目が行き届かぬことをよいことに、マフィアたちは活断層問題すらうやむやにして、超危険級の原発までも再稼働させようとしている。
傍線が汚くてすみませんm(__)m

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2013年10月18日 (金)

あんたは偉い!愛知県弁護士会 政府情報隠蔽・国民監視法で28年振りのデモ

愛知県弁護士会が政府情報隠蔽法・国民監視法(秘密保護法案)反対のデモを行った。

つぶやきまとめ

総勢200名。愛知県弁護士会としては、国家機密法のデモ以来28年振りの弁護士会主催のデモである。


その場の模様を活写した畏友中谷雄二弁護士のメールを無断転載する。
ベテラン弁護士の智恵と経験、その中にひときわ光る若い弁護士のセンスがかみ合ったよいデモであったようだ。


私も、デモに参加しましたが、矢崎さんのコールはすばらしいの一言です。


参加者を元気にさせ、楽しませ、大声で抗議の声を上げる。参加した人々は皆笑いながらデモを楽しんでいました。happy01


私の息子は、「これまで参加したデモの中で(子どもの頃からデモに連れて行っています)一番おもしろかった」と言っていました。私の妻も「隣のおばちゃんが笑って笑って、本当に楽しそうだった」と矢崎さんをほめていました。ハナマルスタンプよくできました画像

沿道の人から声援があり、店の中から飛び出してきて声援してくれる人、沿道の人の声援に即座に答えて、シュプレヒコールに取り入れるなど、矢崎さんの活躍によって昨日のデモは成功しました。


終わってから参加者は、楽しかったからまたやりたいと口々に言っていました。


久しぶりの弁護士会主催のデモで、どうなるかと心配しました。殆ど市民への案内の機会がなく、直前に本当にデモをやるのかと聞いて来る人すらいました。


その中で200人の参加でこれだけのデモができたのです。息子の話では警備の警官も矢崎さんのトークで笑っていたと言っていました。


私は市民の方が危機感を持って駆けつけてくれ、大成功したと思います。


なお、矢崎さんのあまりのすばらしさに、秘密保全法反対のデモを企画している方から、矢崎さんに協力して欲しい、駄目なら録音させて使わせて欲しいという要請がきているほどです。
昨日、参加した人にはわかっていただけると思いますが、参加していない人は本当に残念でした。次回には是非、参加していただけるとすばらしさがわかると思います。


ご参加いただいた皆さんにもお礼を申し上げます。


なお、中谷雄二弁護士が共同代表を務める秘密保全法に反対する愛知の会のホームページはこちら


マチベンは、どうしていたかというと、参加していない。
何と言っても、マチベンは、へき地に棲息しており、デモに行こうとすると、小一時間かかるし、人混みが苦手な生き物なのだ。
へき地から声援を送ったのみである。


居酒屋談義もできない秘密保護法なんてスローガンはいかがかしらん。
あかん、センスがおじさん臭い。(゚ー゚;

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2013年10月15日 (火)

あなたがそうするのは、世界を変えるためではなく


あなたがすることのほとんどは無意味であるが、それでもしなくてはならない。
そうしたことをするのは、世界を変えるためではなく、
世界によって 自分が変えられないようにするためである

マハトマ・ガンジーの偉言から


とりあえず、この10年近くは連戦連敗になるような闘いを私たちは強いられるだろう。
ときには、世界がおかしいのか、自分がおかしいのか、わからなくなるかもしれない。


ガンディーのものとされる冒頭の言葉が、リアルに感じられる。


確かなものを確認したくなる。
今は、佐伯啓思「経済学の犯罪」(講談社現代新書)を読んでいる。


こと経済思想史に関する限り、僕は、ケイジアンならぬ啓思アンである。


--------------------------
初めてスーパーやコンビニのレジに若い男性が立っているのを見て、違和感を感じなかっただろうか。
主婦のパート勤務が当たり前だった、こうした仕事に一人前の男性が立つようになってから、たかだか数年ではないだろうか。
労働条件が改善されて、男女の機会が平等になったのなら、結構なことだが、事態は逆だ。正規で働きたいと思っても、家計補助的とみなされていた仕事しか見つからないようになったのだ。
わずかな期間で、レジに男性が立つのを、当たり前のように受け入れている自分がいる。


若い人が、8時間働いて、家族を持ち、子どもを育てられないような収入しか得られないのはおかしいだろう。
もう一度、確認してみる。


--------------------------
住宅ローンが不払いになった。
ほとんど手遅れ状態になった相談を受けて、必ず払うから、競売にかけないでほしいと、銀行窓口に掛け合おうとする。


窓口ですったもんだの末、銀行の手は離れた、代位弁済先の会社はこれこれだと言われる。


代位弁済先の会社に電話をかけて話をしようとする。
代位弁済した会社は、すでに回収会社に回ったと言う。
回収会社の電話番号はこれこれだ、と。


回収会社に掛け合ってみても、回収会社に権限がある訳ではなく、猶予をもらって、住宅ローンを払い続けることができるわけもない。
競売への針は刻々と進んでいく。
(住宅ローン特約付小規模個人再生なら別だったかもしれないが、調べてまで書くほどのことではない)


一昔前なら、銀行の窓口で、いろいろ事情を訴える。担当者が、住宅ローンを組んだときから顧客を見ているので(担当者が代わっても、少なくとも引き継がれているので)、担当者の人柄次第で、何とかしましょうかとなる例もあった筈だ。


しかし、今は、システムが許さない。


システムは資本にとって最適な状態にチューンアップされているが、生身の人間はシステムによって切り刻まれ、姿が見えなくなっている。


○○電機の池袋店への苦情が、沖縄やタイのコールセンターにつながる。
システムは最適化されている。
しかし、生活感覚には背いている。


------------------------------
自己啓発本が山と積まれて、売れているようだ。
資本が最適化した世界に、ヒトが適合しようとしているように見える。


だから、改めて思う。
大切なのは、
「世界によって自分が変えられないようにする」ことだ。


そのためには、日常的な違和感を大事にすることなのではないかと、改めて考えている。
確か、堤未果氏が言っていた。


なんぞかんぞと思いつつ、どうやら猛暑が過ぎたらしい2013年の秋を過ごしている。

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2013年10月14日 (月)

国家戦略特区を読み解く 前大田区議奈須りえ氏のレジメから

10月9日付ブログで以下のリンクを貼ったままにしてあった。
少しだけ解説してみたい。

「産業競争力会議名簿」PDF

 

「国家戦略特区検討状況」PDF

 

「奈須りえ前大田区議レジメ」PDF

 
9月29日の東京でのTPPシンポジウムでの前大田区議会議員の奈須りえ氏の講演は極めてすぐれたものであった(と聞いている)。

奈須氏のレジメと資料に基づいて、読み取れる範囲で、ざっくり国家戦略特区に関するこれまでの経緯と今後を見ておきたい。

国家戦略特区に関する検討経緯は、次の資料に示されている。

Kentoukeii 

8月12日から国家戦略特区に関する提案募集を開始し、8月23日に「提案募集」の説明会を開催、9月5日から提案者からのヒアリングを実施し、9月11日に締め切られている。
242団体から応募があり、内地方公共団体61団体、民間企業等181団体となっている。

奈須氏によれば、「特区」は従来は、自治体の制度で、自治体からの提案によるものであったという。
しかし、今回は、4分の3が民間企業による提案である。

提案者を見るとより顕著だ。

Teian11p 
Teian12p 
Teian13p 
自治体提案は圧倒的に少ない。
民間企業(個人名は会社サイドの意見だろう)の言いたい放題と言ったところか。

企業版特区であって、本社が特区にあれば、特区ルールの特権を振りかざして、のさばることができるという企業にとっては、これほどありがたいものはないのであるから、民間企業の意見が圧倒的になるのも当然だろう。
バーチャル特区などという考え方がどこから出てきたかと探れば、アメリカ合衆国のものである。
かの国では、企業規制が最もゆるいデラウェア州に本社を登記すれば、どの州で活動しても、企業規制はデラウェア州で行けるんだそうだ。
デラウェア州には、さしたる産業もないらしいのに、名だたるグローバル企業の本社が集中(あくまで、紙の上だけ)しているという。

とくにフェルドマンの提案数が群を抜いていることが目を引く。
だれかと思えば、モルガン・スタンレーMUFG証券の日本担当チーフアナリストだそうである。
気をつけてみていると、しばしばテレビに専門家として登場なさって、日本経済の再生について、講釈を垂れていらっしゃる。
どうして外資の証券会社に日本の在り方をアドバイスされなければならないのか、わからん。
というか、アドバイスというより、これは指揮命令なのかもしらん。
日本の伝統文化大好きだったはずの、安倍ちゃんが、「美しい国」から、「日本の経済・社会風景を変える」と心変わりしたのも、不本意ながら、彼氏の命令に従わざるを得ないのかもしれん。
何か握られとるんか。
かくして、日本の在り方は、アメリカの証券会社にお伺いを立てて一変させよう、ちゅうわけだ。

いやあ、それにしても、国民は知らなんだぞ。
こんな重要な提案募集をかけて日本を作り替えようとしているなんぞは想像もせんかった。
そいでもって、奈須氏の見るところでは、パブリックコメントという「民」に対する意見募集はせんのではないかっちゅうことやった。
そりゃそうだわ。
企業にとっては、今や民主主義は敵である。
民主主義なんぞという危険なイデオロギーを持っている奴は駆逐の対象なのだ。
中国みたいな統制国家が企業にとっては望ましい、っちゅううわけだ。


で、「岩盤規制」。
産業競争力会議では目の敵にされとる。

Kihontekinakangaekata 

次は、ありがたい竹中平蔵大先生のレジメである。

Takenakaganban 
竹中大先生によれば、岩盤規制が規制があっちゃこっちゃで邪魔してるので、

  1. 目に見える形でスピーディに
  2. 一つ一つではなく、包括的・総合的に
  3. 国・地方・民間が三者一体で

「規制改革の実験場」として「特区」を突破口にすりゃ、日本経済は成長するんだと。


でもね、「岩盤規制」っちゅうのは、竹中大先生の指導だと思っとったけども、きっとフェルドマンだいだい先生の教えでないかと思うな。

で、直近の具体的な論点は何かというと、次のとおりだ。

Tosigatabijinesukyotenn

Koyou

Nougyou1

Tihougikai

農水省や厚労省が守旧勢力として、抵抗しているが、すべて「特区」だからという名目で押し切られるのだろう。
ここには国民の権利や利益といった観点はないように見える。


奈須氏は、この間の特区の変遷を一覧表にしておられる。
これは秀逸である。
是非、よく見ておくことだ。
Rejime1 

構造改革特別区法、総合特別区域法、そして国家戦略特区法を比較している。
実施主体は、これまでは自治体であったが、国家戦略特区では、自治体にプラス民間事業者(といってもおそらくグローバル企業)となっている。
ヴァーチャル特区が入れば当然のことではある。
振るっているのが目的である。
よっく確認しておくがいい。


構造改革特区法では、一応ではあるが、「国民生活の向上及び国民経済の発展」が目的とされていた。
本当のところはどうかわからんが、一応、小泉氏の言葉は、内需拡大による経済成長を目指していたという。
で、総合特区法では、これがどうなるかというと「国民経済の発展及び国民生活の向上」と順番が逆になっているんですね。
そいでもって、国家戦略特区になると、どうなるかというと、法案があるわけではないが、これまでの流れを見る限り、「世界一ビジネスしやすい環境を整備し、もって産業競争力の向上を図る」ことが目的になるのは目に見えているではないかという訳ですよ。



まぁ、つくづくマスコミも、国民もおバカチャンでした。
自民党を2連勝させては絶対にあかんかったです。


そろそろ目を覚まさないと、トンデモ国家にこの国はなってしまいますよ。
日本人は、基本的に、無欲を美徳としておりますから、「所有」や「利益」を行動原理とする海外勢を歓迎してはいかんです。
お隣にも利にさとい方がおられるから、世界一ビジネスしやすい環境を作れば、お隣やらアメリカさんやらが入り乱れて、日本を占領しに来るかもしれません。
まあ、それが安倍ちゃんが目指す国家像なんだろうけど。
何か変ではないかとマチベンは思うのでありました。

さすがに真面目に議論する気が起きなくなったので、後半、文体が乱れた。
いくら馬鹿馬鹿しくても、これがこの国の現実である以上、直視し、対峙しなければならない。
何度も繰り返すが、これは「突破口」であって、始まりである。


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2013年10月13日 (日)

TPP先取りの「産業競争力」という名の猛毒矢 問題は解雇特区だけではない

「知らない間に憲法を書き換える」とは比喩ではなかった。
猛烈な勢いで国民の命と暮らしを破壊する改革が進む。
誰の秘密を保護するのかも不明な「秘密保護法」というネーミングに比べれれば、「ブラック特区」「解雇特区」というネーミングは秀逸なセンスがあった。
だが、問題は、ブラック特区だけではない。
また、特区と言いながら、空間的概念でもない「ヴァーチャル特区」という論点には追いつけない。
以下では、一応、現在の政府の到達点を首相官邸の公開文書から紹介しておく。
問題はあまりにも多岐に亘るが、早急に対抗運動を作らなければ、一気に潰されてしまうだろう。




今国会で、政府が提出を予定しているTPP先取り「産業競争力」関連法案は次の通りだ。
日本経済再生本部「成長戦略の当面の実効方針」(10月1日付)

【次期臨時国会提出予定等関連法案】

産業競争力強化法案、国家戦略特区関連法案、会社法改正法案、薬事法等改正法案、再生医療等安全性確保法案、電気事業法改正法案、農地中間管理機構(仮称)整備のための関連法案及び農山漁村再生可能エネルギー法案

何が何だか分からないかも知れないが、「岩盤規制の突破」(10月9日当ブログ)という言葉を思い出してもらいたい。
国民の生命・健康・暮らしを守る規制が岩盤規制だ。
国家の存立意義に関わる根本的な規制であるからこそ岩盤なのだ。
岩盤規制の突破とは、国民国家の解体を意味する。

マチベン流の憲法言葉で言えば、生存権を企業利益に従属させるもので、自由権としての生存権の侵害である(日本国憲法25条違反)。


労働・雇用、医療、食糧、電力を初めとするインフラにかかっている規制を全面的に撤廃して、何もかもグローバル市場に投げ入れることが目標になっている。

そのために「1.規制・制度改革のための基盤整備」では、次のように総論している。

民間の力の活用が十分でない分野等での規制・制度改革を断行するため
①戦略地域単位、
②企業単位、
③全国単位
の三層構造で構造改革を推進する制度的基盤を整備する。

全面的に国の在り方を変えてしまうというのだ。
TPPという敵国はとっくに上陸していた。
トロイの木馬として国民に襲いかかっている。

以下、内容を並べてみる。

○ 国家戦略特区」の創設による戦略地域単位での規制・制度改革・日本の経済社会の風景を変える大胆な規制・制度改革を実行していくための突破口として

「居住環境を含め、世界と戦える国際都市の形成」、「医療等の国際的イノベーション拠点整備」といった観点から、特例的な措置を組み合わせて講じ、成長の起爆剤となる世界で一番ビジネスがしやすい環境を創出するため、「国家戦略特区」の具体化を進める。
具体的には、容積率・用途等土地利用規制の見直し公立学校運営の民間への開放、国際医療拠点における病床規制の特例による病床の新設・増床の容認保険外併用療養の拡充滞在施設等の旅館業法の適用除外農業の競争力強化のための環境整備等の特例措置を検討、具体化し、国家戦略特区関連法案を次期臨時国会に提出するなど、所要の措置を講ずる。

日本の経済・社会風景を変えるとの言葉には、かつて「美しい国」などと言ったおためごかしを使った人の面影は全くない。
安倍首相を愛国者だと勘違いするのはもういい加減にやめよう。


ここには米国の年来の対日要求がほぼ全て盛り込まれていると言ってよい。
とくに
混合診療の解禁は、まさにTPPの焦点であったはずだ。
農業の特例は
モンサント従属農場の本格的上陸へ門戸を開くだろう。
旅館業法改正は想像するに、短期間滞在型の外国人のための施設になるのではないか。少なくともTPPの「商用関係者の移動」といわれる分野と直接に関係していそうだ。
あるいは、たとえば、競争入札で公共工事を落札した海外の建設事業者が工事期間限り、安価な海外労働者を滞在させるための施設の拡充に発展するのかもしれない。
これだけ並べられれば、土地利用規制の見直しによる、景観権や日照権など、マチベンが長年、苦闘して取り組んできた、「良好な住環境」の問題など、些末な問題に見えてくる。


これらは全て「特区」を利用した「
突破口として 」の規制撤廃案に過ぎないことに注意が必要だ。
終わりではなく、始まりなのだ。

4月12日、TPP日米事前協議合意直後4月17日の産業競争力会議で新藤大臣は次の通り発言している(第6回産業競争力会議議事要旨)。

竹中先生とも何度か話し合いをさせていただいた。当方で、今考えていることを申し上げる。特区については、アベノミクス特区ということで、これまでとは次元の違う取組とする。そのミッションは、「世界で一番ビジネスのしやすい国にする」である。

アプローチとしては、新しい特区は仮称ではあるが、「国家戦略特区」と名付けた。

「国家戦略特区諮問会議」は、総理を長として民間有識者が参加し、さらに特区ごとに「統合推進本部」を作る。また特区を実質的に動かしていくための「国家戦略特区ワーキンググループ」を作っていく。ワーキンググループの人選と運営は産業競争力会議の皆さんと協働したい。

スケジュールとしては、5月にワーキンググループを立ち上げて、現行の特区を検証した上で、国家戦略特区の制度設計をしたい。その後、速やかに統合推進本部を立ち上げて、計画の策定・必要な規制改革や税制措置の措置に入っていきたい。 

ここで初めて、国家戦略特区という名称が現れる。
続いて、4月23日に開催された産業競争力会議で竹中平蔵委員は次のように発言して、岩盤規制突破へ発破をかけている(第7回産業競争力会議議事要旨)。

今日は、人材力、雇用、そして農業、極めて重要な個別具体的な問題を議論したと思う。これは重要なことなので是非やっていかなければならない。同時に、500 兆円経済を持続的に自律的に成長させるためには、相当の大ダマの規制改革を織り込んでいかないと長期的な成長にはならない。 アベノミクスの成功は成長戦略にかかっているとよく言うが、この大ダマの改革は、気が付いてみると今日議論されたことも 10 年前から議論していることと重なっている。したがってアベノミクスの成功は、この大ダマの改革にどこまで手をつけられるかにかかっているという結論にな る。例えば、大学の話が出たが、大学の法律には自治という概念があるが、経営という概念がない。非常に大きな問題。そして、例えば厚生労働省関係では解雇 のルールや雇用のルールは大きな問題。更には農業生産法人の要件の見直し。これは極めて難しいということはわかる。今日のような個別の問題を幅広くやって いくのと同時に、大ダマについて、最初は特区で狭くてもいいので、特区をとっかかりとして、この大ダマに必ず手をつける。のことを担当の大臣は大変だと思うが是非やっていっていただきたい。

この発言を受けて、5月10日、産業競争力会議に国家戦略特区ワーキンググループが設けられた。日本経済再生会議の設置、その下に置かれる産業競争力会議のいずれも閣議決定によって設置されているが、ワーキンググループは産業競争力会議での意見を踏まえて迅速に立ち上げられた。「国家戦略特区」は、一つ一つが、10年かけて議論しても結論が出せないような重大な問題だ。
これを「アベノミクス」とTPPの幻惑の中、「特区」という名で、一気になしとげようというのだ。

○「企業実証特例制度(通称)」の創設による企業単位での規制改革

・安全性確保等の代替措置が講じられることを前提とし、企業単位で規制の特例措置を講じることにより、事業者の新分野進出等を支援する「企業実証特例制度(通称)」を創設する(産業競争力強化法案関連)。

これが「企業版特区」と報道されたもの(10月11日付当ブログ)だろう。
特区と呼ぶのがミソであるが、特定企業に、解雇自由なり、営利目的医療許可なり、混合診療解禁なりの特権を与える。
敢えて地域的な意味での特区を指定するかもしれないが、特区に本店を置く企業は、全国どこに支社・支店を置いても、特区と同じ特権が得られるようにする構想だ。
この場合の特区は空間的概念ではない。
ヴァーチャルな概念なのだ。

○「グレーゾーン解消制度(通称)」の創設による規制の適用の有無の明確化

これはISDの外国投資家に対する「公正衡平待遇ルール」が求める、透明性と関わるように見える。
グレーに見えてもおそらく国内法人ならさほど困らないだろう。
国内で共有されている作法や同感性(アダム・スミス)がある。
外国投資家はそれでは困る。
逐一明確にしてもらわなければ、適切な投資の機会を失うことになる。
政府と自治体の間の説明に透明性、一貫性がなかったこと(普天間基地問題に関する日本政府と沖縄県の対応の違いのようなものだ)を理由として補償を命じられたケースがメタルクラッドケースであった。

○産業競争力会議と規制改革会議との連携による全国単位での規制・制度改革
・新たに創設する特例制度の改革効果等も踏まえつつ、日本再興戦略の趣旨に沿った、雇用(柔軟で多様な働き方の促進に向けた人事労務管理制度の構築等)、医療・介護(効率的で質の高いサービス提供体制の確立等)及び農業(法人参入を促すための方策等)の分野を中心に、産業競争力会議と規制改革会議等が連携して、更なる規制・制度改革について検討を進め、構造改革を加速する。

   
重ねて言うが、狙いは命と暮らしなのだ。
命と暮らしを市場に投げ込むことが「産業競争力」であり、「成長戦略」なのだ。

2項目目は「2.民間投資・産業新陳代謝の促進」となっている。
税制などはよくわからないので、飛ばすが、

○コーポレートガバナンスの強化

・少なくとも一人以上の社外取締役の確保に向けて、独立性の高い社外取締役の導入促進等を内容とした会社法改正案を次期臨時国会に提出する。

とあるのは、無視できない。
社員のためでもなく、社会のためでもなく、株主のための会社であるとするのは、米国の公的方針である。
独立性の高い社外取締役とは、株主代表取締役に他ならず、赤字路線の運営など、企業の社会的役割を理由とする企業買収の拒否を許さない。
そのために社外取締役が必要だということだ。
日本企業は、取締役数が多すぎる、だから投資対象である企業を流動化できない(買収しにくいのは非関税障壁だ)、取締役を減らせと言う要求も米国はしていたのではなかったか。


3項目目は「3.雇用制度改革」である。

・人材力強化民間人材ビジネス活用の加速や待機児童の解消など、人材力強化や雇用制度改革に向けた取組を早期に進めるとともに、国立大学改革プランを本年10月を目途に取りまとめ、人事給与システム改革をはじめとする大学改革の加速を図る。

名ばかり待機児童解消の他に、とくに国立大学が狙われている。
学問の自由・大学の自治(憲法23条)が狙われていることは先の竹中発言からも理解できる。

○民間人材ビジネス活用の加速化
・ハローワークの求人・求職情報の開放に向けた検討を進めつつ、ニート・フリーター等を対象としたトライアル雇用奨励金の民間人材ビジネス等の活用や対象拡大を前倒しするため、年内に支給要件の見直しを行う。

ニート・フリーター等という若者の自己責任のような克服されたはずの言説がここでは繰り返されている。


○少子化対策・男女が共に仕事と子育て等を両立できる環境の整備
・必要な財源を確保しつつ「待機児童解消加速化プラン」による取組の加速的実行を図るとともに、育児休業中の経済的支援の強化や次世代育成支援対策推進法の延長について労働政策審議会等で検討を行い、次期通常国会への雇用保険法改正案及び次世代育成支援対策推進法改正案の提出を目指す。

公的保育の解体。


○高度外国人材の活用促進
・新たな高度外国人材ポイント制度の年内開始に向けた制度改革を進めるとともに、高度外国人材の永住が許可されるための在留歴の短縮に必要な措置を講じるため、次期通常国会に出入国管理及び難民認定法の改正法案を提出する。

財界が求めていた移民受け入れ自由化の第一歩を刻もうというのだ。
大学を出ても就職先がない若者はあふれている。
博士号など取ろうものなら、任期付の非常勤講師の先すら滅多にありつけない。
にも関わらず、「高度外国人材」と競わせるというのだ。
とりあえず「高度外国人材」であるが、ゆくゆくは、単純労働者にまで拡大されよう。
NAFTAの結果、メキシコ人労働者が流入したアメリカの賃金水準は今や40年前にまで落ち込んだ。
日本もそうなってこそ「産業競争力」が得られるということだろう。
すばらしい未来像だ。

○大学のイノベーション機能の強化・大学改革の推進
・国立大学のイノベーション機能を強化するため、大学発ベンチャー支援ファンド等への出資を可能とする措置を前倒しで講ずる(産業競争力強化法案関連)。
・教育・研究機能の強化に向けた人事給与システム改革等を直ちに開始し、平成27年度までに改革を完成させるため、本年10月を目途に国立大学改革プランを策定する。

これが何を意味するのか、企業に奉仕する大学にしようということは、わかるが、大学の先生に譲りたい。
論文本数で評価されるシステムは、少なくとも理科系については、企業利益に奉仕するほど掲載数も引用数も増えるということは聞いたことがある。


4項目目

4.構造改革等による戦略市場の創出
PPP/PFIの活用や規制制度改革等により官業開放を進めつつ、健康・医療、エネルギー、農業等の戦略市場において、民間資金、技術・ノウハウ等を呼び込みながら、新たな日本経済の成長エンジンとなる市場の形成を図る。

横文字が出てきたので、調べた。
PPPは「Public Private Partnership」。直訳すれば、官民提携であるが、ここでは、アメリカ流の、ネオコーポラティズム(企業支配国家)が目指されている。
PFIはもっと露骨だ。「Private Finance Initiative」。民間(企業)主導財政ということだ。
企業が立案して、国家が財政出動する。
・PFIについては誤訳ではないかとの指摘があった。
正確な訳は、民間資金主導ということになるようだ。しかし、実情の説明はさほど変わらない。

健康・医療、エネルギー、農業等の生命や健康を企業が計画を立案し、国家の財政負担で、市場化しようということだ。
これでは、まるで逆計画経済・逆社会主義のようだ。


一応、公平を期して、これに続く部分を引用しておく。

○民間資金等を活用した社会資本整備・運営(PPP/PFI)の推進
・民間資金の導入を促進し早期にインフラ投資市場の育成を図っていくため、本年10月上旬に(株)民間資金等活用事業推進機構(官民連携インフラファンド)を創設する。
・コンセッション方式の国管理空港等への導入に関する基本方針を本年11月までに定める。なお、羽田・成田両空港の年間合計発着容量75万回化達成以降の更なる首都圏空港の機能強化に向けて、本年10月から更なる具体的な検討に着手する。
・都市再生と連携した首都高速の再生を進めるため、築地川区間等をモデルケースとした検討に前倒しで着手し、年内に制度上の課題と対応策を取りまとめる。

これだと民間が資金を出して、政府を主導するように見えるが、空港の例でも分かると思うが、最後は財界主導の計画に政府が巨額を投じる仕組みになっている。
「逃げ出さないで企業様}という訳で、企業に優位な環境を作る仕組みだ。
企業にかしずく国民国家だ。

○戦略的イノベーション創造プログラム
・革新的研究開発推進プログラムの創設・府省横断型の「戦略的イノベーション創造プログラム」、プログラムマネージャーの下で柔軟な運営を可能とする「革新的研究開発推進プログラム」の創設に向けて検討を行い、その結果に基づいて、次期通常国会への内閣府設置法改正案の提出を含め、所要の措置を講じる。

○健康・医療市場の改革
・医薬品・医療機器開発や再生医療の実用化を加速するため、薬事法等改正法案、再生医療等安全性確保法案の次期臨時国会での早期成立を目指す。
・医療分野の研究開発の司令塔機能の実現に向けて、一元的な研究管理の実務を担う独立行政法人(「日本医療研究開発機構(仮称)」)を設立するため、次期通常国会に所要の法案を提出する。
・国際競争を意識した、規制・制度改革、研究開発及び海外展開支援の取組を加速する。

○農地集約、生産合理化等による農業の競争力強化
・担い手(法人経営、大規模家族経営、企業、新規就農者等)への農地集積・集約化を進める農地中間管理機構(仮称)を整備するため、次期臨時国会に関連法案を提出する。

○電力システム改革の断行と再生可能エネルギーの導入促進
電力小売の全面自由化や送配電部門の法的分離等を実現する電力システム改革を進めるため、電気事業法改正法案を次期臨時国会に提出する。
・農林漁業の健全な発展と調和のとれた再生可能エネルギー電気の発電を促進することにより農山漁村の活性化を図るため、新たな農山漁村再生可能エネルギー法案を次期臨時国会に提出する。

○インフラ長寿命化に向けた取組の推進
・本年11月中に、インフラ長寿命化基本計画(基本方針)を取りまとめ、安全性の向上とライフサイクルコスト縮減に向けた目標やロードマップを明確化する。

ここらへんになると、リバタリアニズム的な改革と、ケイジアン的改革とがごっちゃになっているように見える。
解説が困難である。


最後にここに書く必要もないが、私見を言いたくなった。
発送電分離のように、あるいはCO2排出削減のように、異論が出ないものほど怪しい。
これらは膨大な金融商品市場を約束する。
だから、異論のない異様な一致が生まれる。
その実、発送電分離の必要性や、CO2温暖化主犯説は確証があるわけではない。
CO2が主犯なら、100年前のCO2濃度は、すでに今のように高濃度であったということでなければ、98年振りの猛暑の理由は説明できないだろう。


発送電分離など必要がない。日本政府が脱原発を選択するのかどうかという政策選択の問題であって、市場に任せるべき問題ではない。
「脱原発敗れて、発送電分離あり」の状況は、悲惨である。
電気を市場化したとしよう。
余剰電力を抱えることは、市場競争に晒される企業にとっては愚の骨頂である。
ストックはないのがよろしいというのはトヨタのカンバン方式が世界に示したところである。
したがって、国民は、停電が日常的に起きる生活を強いられる。
供給が逼迫すると今とは桁違いの電気料金を負担しなければならない。
電気が当たり前に安定的に日常的な負担で手に入る時代は終わる。

何度も言っているが、日本の産業界の技術レベルは優秀だから、無理難題でもふっかければ何とかする。
かつて大気汚染公害が問題になったとき、工場では、まず二酸化硫黄の削減が求められた。ところが低硫黄原料を使うと、高温燃焼が必要になった。高温燃焼させると二酸化窒素が出るということを公害反対運動は問題にした。
相反する両者をちゃんと日本産業界はクリアして見せたのだ。


二酸化硫黄も二酸化窒素も少ない、さらに二酸化炭素も少ないという、つまり環境負荷が少ないという自動車の高い環境技術も、国民からの無理難題に答える中で、生まれてきたのだ。これが、今や世界的な競争力の源となっている。
企業の利益のためにやりたい放題にやらせれば、競争力が高まると言う問題ではない。

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2013年10月11日 (金)

『産業競争力法』という名の毒矢

アベノミクス最後の矢が放たれる。
最後の矢は国民に致命傷を負わせる毒矢だ。
みな毒矢だと気づかないまま推移することがおそろしい。
メディアが経済成長を讃え、財界やユニクロまでが、安倍首相が勧めた賃金アップを了解した振りをしているのも、最後の毒矢がばれないためのカムフラージュだ。
毒矢は、確実に国民の生命や健康、そして高い文化的土壌をぼろぼろにする。


取り急ぎ、ニュースだけを掲載しておく。

NHKニュース
自民 産業競争力強化法案を了承

 自民党は、8日の総務会で、規制を業界一律ではなく企業によって緩和し、競争力を強める、いわゆる「企業版特区」制度を導入することなどを柱とする、「産業競争力強化法案」を了承しました。
 政府が、経済の成長戦略を実現するためにまとめた「産業競争力強化法案」では、これまで業界で一律だった規制を、企業によって特例的に緩和する、いわゆる「企業版特区」制度を導入するとしています。
 また、医療など規制が多い分野への新規参入を促すため、新たな事業を行う際、どんな規制がかかるかを、企業側が事前に確認できる「グレーゾーン解消制度」を創設することや、業界の再編を促すため、企業が事業を売却したり経営を統合したりする際に新たな支援策を講じることなどが盛り込まれています。
 8日開かれた自民党の総務会で、出席者から異論は出されず、「産業競争力強化法案」は了承されました。
 政府は、この法案を、来週15日に召集される臨時国会に提出し、成立を目指すことにしています。


TPP先取りの総集編が「産業競争力法」だ。
特区という名で、アメリカが望んでいた規制緩和を全て先に仕上げてしまおうというのが、産業競争力法だ。

企業版特区とは解雇自由企業とか、営利病院運営企業とか、公立学校運営株式会社とか「特区企業」と認定されれば、全国どこでも、解雇が自由にでき、株式会社病院を設立でき、株式会社公立学校を運営できるという仕組みである。
国家戦略特区に関する議論では《バーチャル特区》とも呼ばれていたと思う。
「特区」が空間的な概念をはるかに超越していることに注意が必要だ。


アメリカ帝国が仕組んだトロイの木馬は、アメリカが衰退しようが凋落しようが、大手をふるって日本をアメリカに捧げ尽くそうとしている。


ショックドクトリン状態にある日本では、多分、「企業版特区」ということの意味もわからないまま法律が成立しそうだ。
率直に言って、恐るべき専制国家に日本はなっていると思う。


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2013年10月10日 (木)

UNCTAD『世界投資レポート World Invest Report 2013』和訳練習中

UNCTADの世界投資レポート2013からISDS部分に関する和訳の練習をしました。
和訳が全くないよりかはいいかと思い、掲載します。
総論部分を訳すのがやっとのありさまで根が尽きました。


少なくともISDSについては、弊害が顕著なために、現在、抜本的な制度見直しに取り組むのが世界の趨勢である。
にも拘わらず、現状のISDSを肯定して、濫訴大国であるアメリカとの間でISDSを締結することは、よほどのオタンチンか、アメリカに国の主権を売り飛ばしたい奴らのやる蛮行である。

ISDSは、よい制度だとか言って、推進している日本政府よ。
マチベンが苦労して、世界の趨勢を教えてあげたから、オタンチンか、売国奴集団のどちらなのか、はっきりさせてください。

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【和訳訓練中】

4. Investor-State arbitration: options for Reform 

a. ISDS cases continue to grow

 

A record number of new ISDS cases were initiated in 2012.

 

In 2012, 58 new international investor-State claims were initiated.63 This constitutes the highest number of known ISDS claims ever filed in one year and confirms foreign investors' increased inclination to resort to investor-State arbitration (figure III.10). In 66 per cent of the new cases, respondents were developing or transition economies.

 

2012年、58件の新たなISD提訴がなされた。これはかつて1年の間に提訴された判明する限りのISDS提訴の最大件数をとなった。また、投資家対国家仲裁を好む傾向のある外国投資家が増加していることを確信させる。新たな事件の内66%が被告は途上国あるいは過渡期にある国である。

 

In 2012, foreign investors challenged a broad range of government measures, including changes to domestic regulatory frameworks (with respect to gas, nuclear energy, the marketing of gold, and currency regulations), as well as measures relating to revocation of licences (in the mining, telecommunications and tourism sectors). Investors also took action on the grounds of alleged breaches of investment contracts; alleged irregularities in public tenders; withdrawals of previously granted subsidies (in the solar energy sector); and direct expropriations of investments. By the end of 2012, the total number of known cases (concluded, pending or discontinued64) reached 514, and the total number of countries that have responded to one or more ISDS claims increased to 95. The majority of cases continued to accrue under the ICSID Convention and the ICSID Additional Facility Rules (314 cases) and the UNCITRAL Rules (131). Other arbitral venues have been used only rarely.

 

2012年、外国投資家は幅広い政府措置に対して、挑戦した。これらには資格(採掘、電機通信、旅行業)の取消に関係する措置と同様、国内規制の骨格(ガス、原子力、金市場、貨幣規制等に関連する)を変えようとする挑戦を含んでいる。投資家はまた投資契約の違反の疑い、公共入札の違法の疑い等を提訴し、また、あらかじめ約束された助成金の撤回(太陽光エネルギー分野)、投資の直接収用を提訴した。2012年末には、判明した事件(係属中、終結分を含む)の件数は514件に達し、1件以上のISDS裁判の被告とされた国は、95ヶ国に増加した。事件の多くは、ICSID憲章とICSIDの追加規定(314件)によるものとUNCITRALルールによるもの(131件)である。他の仲裁法廷はほとんど使われていない。

 

At least 42 arbitral decisions were issued in 2012,including decisions on objections to a tribunal's jurisdiction, on the merits of the dispute, on compensation and on applications for annulment of an arbitral award.

In 12 of the 17 public decisions addressing the merits of the dispute last year, investors' claims were accepted, at least in part.

 

2012年、仲裁廷の管轄の異議、訴えの利益、代償及び裁定の無効の適用に関する42件の仲裁判断が2012年に出された

昨年は、訴えの利益 に関する17件の公的決定の内12件について、投資家の訴えの全部又は一部が認容された。

 

 

Of all cases concluded by the end of 2012, 31 per cent ended in favour of the investor and another 27 per cent were settled.

2012年末までに終結した全ての事件の内、31%が投資家の勝訴で終わり、他の27%が解決(和解?)した。

 

By the end of 2012, the overall number of concluded cases reached 244. Of these, approximately 42 per cent were decided in favour of the State and 31 per cent in favour of the investor. Approximately 27 per cent were settled.65

2012年末までに、全終結事件数は244件に達した。これらの、約42%は国側の、31%は投資家の勝訴である。約27%は、解決(和解?)した。

 

Last year saw some notable developments, including:__ the highest monetary award in the history of ISDS ($1.77 billion) in Occidental v. Ecuador,66 a case that arose out of that country's unilateral termination of an oil contract; and __ the first treaty-based ISDS proceeding in which an arbitral tribunal affirmed its jurisdiction over a counterclaim that had been lodged by a respondent State against the investor.67

昨年、注目すべき進展が見られた。-石油協定の一方的な終了に関して提起されたオキシデンタル対エクアドルの事件でISDS史上最高額(17.7億ドル)の裁定がなされ、仲裁廷の管轄逸脱について被告から投資家に対して提起された反訴、ISDS手続に基づく最初の例を含む-。

 

 

b. Mapping five paths for reform

 

The ISDS mechanism, designed to ensure fairness and neutrality, has in practice raised concerns about its systemic deficiencies.

公正かつ中立性を保障するように設計されたISDS制度の、実際の組織的な不備に関する懸念が高まっている。

 

In light of the increasing number of ISDS cases, the debate about the pros and cons of the ISDS mechanism has gained momentum, especially in those countries where ISDS is on the agenda of IIA negotiations or those that have faced controversial investor claims.

The ISDS mechanism was designed to depoliticize investment disputes and create a forum that would offer investors a fair hearing before an independent, neutral and qualified tribunal. It was seen as a mechanism for rendering final and enforceable decisions through a swift, cheap and flexible process, over which disputing parties would have considerable control.68 Given that investor complaints relate to the conduct of sovereign States, taking these disputes out of the domestic sphere of the State concerned provides aggrieved investors with an important guarantee that their claims will be adjudicated in an independent and impartial manner.

ISDS事件が増加するのを踏まえ、とくにISDSが二国間投資協定交渉の議題になっている国々、又は論争的な投資家の提訴に直面した国々で、ISDS制度に対する賛否両論が勢いを増している。ISDS制度は、投資紛争を非政治化し、投資家の求めによって事前に公平な聴取をする、独立した中立で良質な法廷の場を創造するために設計された。それは、紛争当事国以上に、配慮され統制された、迅速で安価かつ柔軟な手続を通して、最終的で強制的な決定をなすための制度に見えた。主権国家の指導に服するより、原告にとっては、ホスト国の国家勢力の外でこれらの紛争を採り上げることは、投資家にとって納得できる集中的な規定と投資家の提訴が独立で偏見のない方法によって決定されるであろう重要な保障をもたらすと。

 

However, the actual functioning of ISDS under investment treaties has led to concerns about systemic deficiencies in the regime. These have been well documented in the literature and need only be summarized here:69

 

しかしながら、投資協定に基づくISDSの実際の機能は、管理された組織的決定にならないとの懸念を導くことになった。これらは、文献の中のよい文書であり、ここにただ要約されていることが必要であるであろう。

 

 

 

 __ Legitimacy. It is questionable whether three individuals, appointed on an ad hoc basis, can be entrusted with assessing the validity of States' acts, particularly when they involve public policy issues. The pressures on public finances70 and potential disincentives for public interest regulation may pose obstacles to countries' sustainable development paths.

 

_合法性: なぜ、その都度、偏った指名を受ける3人の個人に、国家法の正当性-とくにそれらが公共政策課題を含むときに-に関する評価を委ねることができるのか疑問である。財政負担と公共的関心による規制に消極的になる可能性が、国々が持続可能な発展をする妨げになるもしれない。

 

__ Transparency.71 Even though the transparency of the system has improved since the early 2000s, ISDS proceedings can still be kept fully confidential - if both disputing parties so wish - even in cases where the dispute involves matters of public interest.72

_透明性: システムの透明性は2000年代初頭以来、改善してきたが、それでも、もし両当事者が望むのであれば、公共的関心事項を含む紛争に関する事案ですら、ISDS手続は、いまだに完全に秘密を保つことができる、

 

 

__ "Nationality planning". Investors may gain access to ISDS procedures using corporate structuring,

i.e. by channelling an investment through a company established in an intermediary country with the sole purpose of benefitting from an IIA concluded by that country with the host State.

_ "国籍計画" 投資家は企業構造を利用してISDS手続を用いるかも知れない。

 すなわち、ただ二国間投資協定の当事国とするためだけの目的で、媒介する国に会社を設立することを通して、投資をチャネリングすることで。

 

__ Consistency of arbitral decisions. Recurring episodes of inconsistent findings by arbitral tribunals have resulted in divergent legal interpretations of identical or similar treaty provisions as well as differences in the assessment of the merits of cases involving the same facts. Inconsistent interpretations have led to uncertainty about the meaning of key treaty obligations and lack of predictability as to how they will be read in future cases.73

 

_仲裁判断の安定性: 同じ事実関係であるにも拘わらず訴えの利益に関する評価が異なるように、同一または同様の協定文言の異なる法的解釈のため仲裁廷による結論に不一致が見られるというエピソードが再発すること。矛盾した解釈は、鍵となる条約上の義務の意味について不確実性をもたらし、将来のケースについてどのように読めばよいのか予測可能性の欠如をもたらす。

 

__ Erroneous decisions. Substantive mistakes of arbitral tribunals, if they arise, cannot be corrected effectively through existing review mechanisms.

In particular, ICSID annulment committees, besides having limited review powers,74 are individually created for specific disputes and can also disagree among themselves.

 

_誤った決定:仲裁廷の実質的な誤りがもし起きても、上訴機構がないため効果的に正すことができない。

とくに、ICSID取消委員会は、限られた再評価権限を持つに止まり、個別紛争のために独自の創造(的解釈)をすることもでき、また彼らの間で異なった見解を持つこともできる。

 

__ Arbitrators' independence and impartiality. An increasing number of challenges to arbitrators may indicate that disputing parties perceive them as biased or predisposed. Particular concerns have arisen from a perceived tendency of each disputing party to appoint individuals sympathetic to their case. Arbitrators' interest in being re-appointed in future cases and their frequent "changing of hats" (serving as arbitrators in some cases and counsel in others) amplify these concerns.75

_仲裁人の独立と公正さ:仲裁人に対する異議申立の増加は、紛争当事国が彼らを偏向や先入観があると考えていることを示すものかもしれない。それぞれの紛争当事国がそらの事件に対して個人的な共感のある個人を指名する傾向があることから、格別の懸念が生じている。将来の事件について繰り返し指名されることに対する仲裁人の利益と彼らの頻繁な「帽子変え」(事件によって意見が変わること)がこれらの懸念を増幅している。

 

__ Financial stakes. The high cost of arbitrations can be a concern for both investors (especially small and medium-size enterprises), and States. From the State perspective, even if a government wins the case, the tribunal may refrain from ordering claimant investors to pay the respondents'costs, leaving the average $8 million spent on lawyers and arbitrators as a significant burden on public finances and preventing the use of those funds for other goals.76

_財政的賭金: 仲裁の高額の費用は、投資家(特に中小企業)と国家の双方に心配となり得る。国家の観点からは、もし政府が勝訴すれば、仲裁廷は原告投資家が仲裁費用を払うように請求を繰り返すかも知れない。平均800万ドルを超える支出を代理人と仲裁人に重要な支出として公的予算から支払い、それらの資金を他の目的に使うことを妨げられている。

 

These challenges have prompted a debate about the challenges and opportunities of ISDS. This discourse has been developing through relevant literature, academic/practitioner conferences and the advocacy work of civil society organizations. It has also been carried forward under the auspices of UNCTAD's Investment Commission and Expert Meetings, its multi-stakeholder World Investment Forum77 and a series of informal conversations it has organized,78 as well as the OECD's Freedom of-Investment Roundtables.79

Five broad paths for reform have emerged from these discussions:

 

これらの異議は、ISDSの異議と機会に関する議論を促した。この講演が、関係する学術的・実践的な文献や会議を通じて、市民社会や市民組織の自発的な活動を発展させた。OECDの投資の自由円卓会議のように、世界投資フォーラムの多数の利害関係者、一連の非公式の会話を通じて、UNCTADの投資委員会・輸出会議の後援によって繰り返された。

改革のための5つの広い通路は、これらの議論から現れた。

 

1. Promoting alternative dispute resolution

2. Tailoring the existing system through individual IIAs

3. Limiting investors' access to ISDS

4. Introducing an appeals facility

5. Creating a standing international investment court

 

1 他の紛争解決(ADR)を発達させること。

2 二国間投資協定を通じた既存のシステムの調整。

3 投資家のISDSへのアクセスを制限すること。

4 有効な上訴の導入。

5 常設国際投資法廷の創設。

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(i). Promotion of alternative dispute

resolution methods

 

Reform options range from

tailored modifications by

individual States to systemic

change that requires dialogue

and cooperation between

countries.

 

This approach advocates for increasing resort to so-called alternative methods of dispute resolution (ADR) and dispute prevention policies (DPPs), both of which have formed part of UNCTAD's technical assistance and advisory services on IIAs. ADR can be either enshrined in IIAs or implemented at the domestic level, without specific references in the IIA.

Compared with arbitration, non-binding ADR methods, such as conciliation and mediation,80

place less emphasis on legal rights and obligations. They involve a neutral third party whose main objective is not the strict application of the law but finding a solution that would be recognized as fair by the disputing parties. ADR methods can help to save time and money, find a mutually acceptable solution, prevent escalation of the dispute and preserve a workable relationship between the disputing parties. However, there is no guarantee that an ADR procedure will lead to resolution of the dispute; an unsuccessful procedure would simply increase the costs involved. Also, depending on the nature of a State act challenged by an investor (e.g.a law of general application), ADR may not always be acceptable to the government.

 

An investment

ombudsman can help

defuse disputes in

the early stages.

 

ADR could go hand in hand with the strengthening of dispute prevention and management policies at the national level. Such policies aim to create effective channels of communication and improve institutional arrangements between investors and respective agencies (e.g. investment aftercare services) and between different ministries dealing with investment issues. An investment ombudsman office or a specifically assigned agency that takes the lead should a conflict with an investor arise, can help resolve investment disputes early on, as well as assess the prospects of, and, if necessary, prepare for international arbitration.81

In terms of implementation, this approach is relatively straightforward, and much has already been implemented by some countries. Importantly, given that most ADR and DPP efforts are implemented at the national level, individual countries can also proceed without need for their treaty partners to agree. However, similar to some of the other options mentioned below, ADR and DPPs do not solve key ISDS-related challenges. The most they can do is to reduce the number of full-fledged legal disputes, which would render this reform path a complementary rather than stand-alone avenue for ISDS reform.

 

(ii). Tailoring the existing system

through individual IIAs

 

This option implies that the main features of the existing system would be preserved and that individual countries would apply "tailored modifications" by modifying selected aspects of the ISDS system in their new IIAs. A number of countries have already embarked on this course of action.82 Procedural innovations, many of which also appear in UNCTAD's IPFSD, have included:83

__ Setting time limits for bringing claims; e.g. three years from the events giving rise to the claim,in order to limit State exposure and prevent the resurrection of "old" claims;84

__ Increasing the contracting parties' role in

interpreting the treaty in order to avoid legal

interpretations that go beyond their original

intentions; e.g. through providing for binding

joint party interpretations, requiring tribunals to

refer certain issues for determination by treaty parties and facilitating interventions by the nondisputing contracting parties;85

__ Establishing a mechanism for consolidation of related claims, which can help to deal with the problem of related proceedings, contribute to the uniform application of the law, thereby increasing the coherence and consistency of awards, and help to reduce the cost of proceedings;86

__ Providing for more transparency in ISDS; e.g.

granting public access to documents and hearings, and allowing for the participation of

interested non-disputing parties such as civil society organizations;87

 

Reform options range from

tailored modifications by

individual States to systemic

change that requires dialogue

and cooperation between

countries.

An investment

ombudsman can help

defuse disputes in

the early stages.

__ Including a mechanism for an early discharge of frivolous (unmeritorious) claims in order to avoid waste of resources on full-length proceedings.88

To these, add changes in the wording of IIAs'substantive provisions - introduced by a number of countries - that seek to clarify the agreements'content and reach, thereby enhancing the certainty of the legal norms and reducing the margin of discretion of arbitrators.89

 

Tailored modifications can

be made to suit individual

countries' concerns, but they

also risk neglecting systemic

deficiencies.

 

The approach whereby countries provide focused modifications through their IIAs allows for individually tailored solutions and numerous variations. For example, in their IIAs, specific countries may choose to address those issues and concerns that appear most relevant to them. At the same time, this option cannot address all ISDS-related concerns.

What is more, this approach would require comprehensive training and capacity-building to enhance awareness and understanding of ISDSrelated issues.90 Mechanisms that facilitate highquality legal assistance to developing countries at an affordable price can also play a role (box III.7).

Implementation of this "tailored modifications"option is fairly straightforward given that only two treaty parties (or several - in case of a plurilateral treaty) need to agree. However, the approach is limited in effectiveness: unless the new treaty is a renegotiation of an old one, the "modifications" are applied only to newly concluded IIAs while some 3,000 "old" ones remain intact. Moreover, one of the key advantages of this approach, namely, that countries can choose whether and which issues to address, is also one of its key disadvantages, as it turns this reform option into a piecemeal approach that stops short of offeringa comprehensive,integrated way forward.

 

(iii) Limiting investors' access to ISDS

 

Limiting investors' access to

ISDS can help to slow down

the proliferation of ISDS

proceedings, reduce States'

financial liabilities and save

resources.

 

This option narrows the range of situations in which investors may resort to ISDS. This could be done in three ways: (i) by reducing the subject-matter scope for ISDS claims, (ii) by restricting the range of investors who qualify to benefit from the treaty, and (iii) by introducing the requirement to exhaust local remedies before resorting to international arbitration. A far-reaching version of this approach would be to abandon ISDS as a means of dispute resolution altogether and return to State-State arbitration proceedings, as some recent treaties have done.91

Some countries have adopted policies of the first kind; e.g. by excluding certain types of claims from the scope of arbitral review.92 Historically, this approach was used to limit the jurisdiction of arbitral tribunals in a more pronounced way, such as allowing ISDS only with respect to expropriation disputes.93

To restrict the range of covered investors, one approach is to include additional requirements in the definition of "investor" and/or to use denialof-benefits provisions.94 Among other things, this approach can address concerns arising from "nationality planning" and "treaty shopping" by investors and ensure that they have a genuine link to the putative home State.

Requiring investors to exhaust local remedies, or alternatively, to demonstrate the manifest ineffectiveness or bias of domestic courts, would make ISDS an exceptional remedy of last resort.

Although in general international law, the duty to exhaust local remedies is a mandatory prerequisite for gaining access to international judicial forums,95

most IIAs dispense with this duty.96 Instead,they allow foreign investors to resort directly to international arbitration without first going through the domestic judicial system. Some see this as an important positive feature and argue that reinstating the requirement to exhaust domestic remedies could undermine the effectiveness of ISDS.

These options for limiting investor access to ISDS can help to slow down the proliferation of ISDS proceedings, reduce States' financial liabilities arising from ISDS awards and save resources.

Additional benefits may be derived from these options if they are combined with assistance to strengthen the rule of law and domestic legal and judicial systems. To some extent, however, this approach would be a return to the earlier system, in which investors could lodge claims only in the domestic courts of the host State, negotiate arbitration clauses in specific investor-State contracts or apply for diplomatic protection by their home State.

In terms of implementation - like the options described earlier - this alternative does not require coordinated action by a large number of countries and can be put in practice by parties to individual treaties. Implementation is straightforward for future IIAs; past treaties would require amendments, renegotiation or unilateral termination.97 Similar to the "tailored modification" option, however, this alternative results in a piecemeal approach towards reform.

 

(iv) Introducing an appeals facility98

 

Consistent and balanced

opinions from an

authoritative appeals body

would enhance the credibility

of the ISDS system.

 

An appeals facility implies a standing body with a competence to undertake a substantive review of awards rendered by arbitral tribunals. It has been proposed as a means to improve the consistency of case law, correct erroneous decisions of firstlevel tribunals and enhance the predictability of the law.99 This option has been contemplated by some countries.100 If the facility is constituted of permanent members appointed by States from a pool of the most reputable jurists, it has the potential to become an authoritative body capable of delivering consistent - and balanced - opinions,which could rectify some of the legitimacy concerns about the current ISDS regime.101

Authoritative pronouncements on points of law by an appeals facility would guide both the disputing parties (when assessing the strength of their respective cases) and arbitrators adjudicating disputes. Even if today's system of first-level tribunals remains intact, concerns would be alleviated through the effective supervision at the appellate level. In sum, an appeals facility would add order and direction to the existing decentralized,non-hierarchical and ad hoc regime.

At the same time, absolute consistency and certainty would not be achievable in a legal system that consists of about 3,000 legal texts; different outcomes may still be warranted by the language of specific applicable treaties. Also, the introduction of an appellate stage would further add to the time and cost of the proceedings, although that could be controlled by putting in place tight timelines, as has been done for the WTO Appellate Body.102

In terms of implementation, for the appeals option to be meaningful, it needs to be supported by a significant number of countries. In addition to an in-principle agreement, a number of important choices would need to be made: Would the facility be limited to the ICSID system or be expanded to other arbitration rules? Who would elect its members and how? How would it be financed?103

In sum, this reform option is likely to face significant, although not insurmountable, practical challenges.

 

(v) Creating a standing international

investment court

 

A standing international

investment court would be

an institutional public

good - but can it serve a

fragmented universe of

thousands of agreements?

 

This option implies the replacement of the current system of ad hoc arbitration tribunals with a standing international investment court. The latter would consist of judges appointed or elected by States on a permanent basis, e.g. for a fixed term. It could also have an appeals chamber.This approach rests on the theory that a private model of adjudication (i.e. arbitration) is inappropriate for matters that deal with public law.104 The latter requires objective guarantees of independence and impartiality of judges, which can be provided only by a security of tenure - to insulate the judge from outside interests such as an interest in repeat appointments and in maintaining the arbitration industry. Only a court with tenured judges, the argument goes, would establish a fair system widely regarded to be free of perceived bias.105

A standing investment court would be an institutional public good, serving the interests of investors, States and other stakeholders. The court would address most of the problems outlined above: it would go a long way to ensure the legitimacy and transparency of the system, and facilitate consistency and accuracy of decisions, and independence and impartiality of adjudicators.106

However, this solution would also be the most difficult to implement as it would require a complete overhaul of the current regime through the coordinated action of a large number of States.

Yet, the consensus would not need to be universal.

A standing investment court may well start as a plurilateral initiative, with an opt-in mechanism for those States that wish to join. Finally, it is questionable whether a new court would be fit for a fragmented regime that consists of a huge number of mostly bilateral IIAs. It has been argued that this option would work best in a system with a unified body of applicable law.107 Nonetheless, even if the current diversity of IIAs is preserved, a standing investment court would likely be much more consistent and coherent in its approach to the interpretation and application of treaty norms, compared with numerous ad hoc tribunals.Given the numerous challenges arising from the current ISDS regime, it is timely for States to assess the current system, weigh options for reform and then decide upon the most appropriate route.

Among the five options outlined here, some imply individual actions by governments and others require joint action by a significant number of countries. Most of the options would benefit from being accompanied by comprehensive training and capacity-building to enhance awareness and understanding of ISDS-related issues.108

Although the collective-action options would go further in addressing the problems, they would face more difficulties in implementation and require agreement between a larger number of States.

Collective efforts at the multilateral level can help develop a consensus on the preferred course of reform and ways to put it into action.

An important point to bear in mind is that ISDS is a system of application of the law. Therefore, improvements to the ISDS system should go hand in hand with progressive development of substantive international investment law.109

* * *

The national policy trends outlined in this chapter give mixed signals to foreign investors. Most countries continue to attract FDI, but ongoing macro economic, systemic and legal reforms, together with the effects of political elections in several countries, also created some regulatory uncertainty. Together with ongoing weakness and instability in the global economy, this uncertainty has constrained foreign investors' expansion plans. Overall, the world economy is in a transition phase, adjusting previous liberalization policies towards a more balanced approach that gives more weight to sustainable development and other public policy objectives. This is also reflected by policy developments at the international level, where newgeneration IIAs and opportunities for reform of the ISDS system are gaining ground.

 

48 This lack of clarity arises from the fact that the treaty's

reference to "the Parties" could be understood as covering

either all or any of the parties to the regional agreement. The

latter interpretation would also include BITs, hence resulting in

parallel application; the former interpretation would only include

agreements which all of the regional treaty parties have signed,

hence excluding bilateral agreements between some - but not

all - of the regional agreement's contracting parties.

49 The Central America-Mexico FTA (2011) replaces the FTAs

between Mexico and Costa Rica (1994), Mexico and El

Salvador, Guatemala and Honduras (2000), and Mexico and

Nicaragua (1997).

50 Vienna Convention on the Law of Treaties (1969), http://untreaty.

un.org/ilc/texts/instruments/english/conventions/1_1_1969.

pdf.

51 The COMESA investment agreement, for example, states

in Article 32.3: "In the event of inconsistency between this

Agreement and such other agreements between Member

States mentioned in paragraph 2 of this Article, this

agreement shall prevail to the extent of the inconsistency,

except as otherwise provided in this Agreement." Article 2.3

of the ASEAN-Australia-New Zealand FTA enshrines a "soft"

approach to inconsistent obligations whereby "In the event

of any inconsistency between this Agreement and any other

agreement to which two or more Parties are party, such Parties

shall immediately consult with a view to finding a mutually

satisfactory solution."

52 On various interpretative tools that can be used by States,

see UNCTAD, "Interpretation of IIAs: What States Can Do", IIA

Issues Note, No.3, December 2011.

53 "Notes of Interpretation of Certain NAFTA Chapter 11

Provisions", NAFTA Free Trade Commission, 31 July 2001.

Available at http://www.sice.oas.org/tpd/nafta/Commission/

CH11understanding_e.asp.

54 As opposed to amendments, renegotiations are used when the

parties wish to make extensive modifications to the treaty.

55 Article 54(b) of the Vienna Convention on the Law of Treaties.

56 If not, and if needed, in addition to the rules set out in the treaty,

the rules of the Vienna Convention on the Law of Treaties apply.

57 These were BITs with Cuba, the Dominican Republic, El Salvador,

Guatemala, Honduras, Nicaragua, Paraguay, Romania and

Uruguay. Subsequently, on 9 March 2013, Ecuador announced

its intent to terminate all remaining IIAs and that the legislative

assembly would work on the requisite measures to that effect

from 15 May 2013 onward. See Declaration by the President

of Ecuador Rafael Correa, ENLACE Nro 312 desde Piquiucho

- Carchi, published 10 March 2013. Available at http://www.

youtube.com/watch?v=CkC5i4gW15E (at 2:37:00).

58 This section is limited to BITs and does not apply to "other

IIAs" as the latter raise a different set of issues. Importantly, an

investment chapter in a broad economic agreement such as an

FTA cannot be terminated separately, without terminating the

whole treaty.

59 In accordance with general international law, a treaty may also

be terminated by consent of the contracting parties at any time,

regardless of whether the treaty has reached the end of its initial

fixed term (Article 54(b) of the Vienna Convention on the Law of

Treaties).

60 Publication by a spokesman of South Africa's Department

of Trade and Industry. Available at http://www.bdlive.co.za/

opinion/letters/2012/10/01/letter-critical-issues-ignored.

61 It is an open question whether the survival clause becomes

operative only in cases of unilateral treaty termination or also

applies in situations where the treaty is terminated by mutual

consent by the contracting parties. This may depend on the

wording of the specific clause and other interpretative factors.

62 This will not automatically solve the issue of those older treaties

that were not renegotiated; but it will gradually form a new basis

on which negotiators can build a more balanced network.

63 For more details, see UNCTAD, "Latest Developments in

Investor-State Dispute Settlement", IIA Issues Note, No. 1,

March 2013.

64 A case may be discontinued for reasons such as failure to pay

the required cost advances to the relevant arbitral institution.

65 A number of arbitral proceedings have been discontinued for

reasons other than settlement (e.g. due to the failure to pay

the required cost advances to the relevant arbitral institution).

The status of some other proceedings is unknown. Such cases

have not been counted as "concluded".

66 Occidental Petroleum Corporation and Occidental

Exploration and Production Company v. The Republic of

Ecuador, ICSID Case No. ARB/06/11, Award, 5 October 2012.

67 Antoine Goetz & Others and S.A. Affinage des Metaux v.

Republic of Burundi, ICSID Case No. ARB/01/2, Award, 21

June 2012, paras. 267-287.

68 For a discussion of the key features of ISDS, see also, "Investor-

State Dispute Settlement - a Sequel", UNCTAD Series on

Issues in IIAs (forthcoming).

69 See Michael Waibel et al. (eds.), The Backlash against

Investment Arbitration: Perceptions and Reality (Kluwer Law

International, 2010); D. Gaukrodger and K. Gordon, "Investor-

State Dispute Settlement: A Scoping Paper for the Investment

Policy Community", OECD Working Papers on International

Investment, No. 2012/3; P. Eberhardt and C. Olivet, Profiting

from Injustice: How Law Firms, Arbitrators and Financiers are

Fuelling an Investment Arbitration Boom (Corporate Europe

Observatory and Transnational Institute, 2012), available at

http://corporateeurope.org/sites/default/files/publications/

profiting-from-injustice.pdf.

70 Host countries have faced ISDS claims of up to $114 billion

(the aggregate amount of compensation sought by the three

claimants constituting the majority shareholders of the former

Yukos Oil Company in the ongoing arbitration proceedings

against the Russian Federation) and awards of up to $1.77

billion (Occidental Petroleum Corporation and Occidental

Exploration and Production Company v. The Republic of

Ecuador, ICSID Case No. ARB/06/11, Award, 5 October 2012).

71 UNCTAD, Transparency - A Sequel, Series on Issues in IIAs II.

(United Nations, New York and Geneva, 2012).

 

72 It is indicative that of the 85 cases under the UNCITRAL

Arbitration Rules administered by the Permanent Court of

Arbitration (PCA), only 18 were public (as of end-2012). Source:

Permanent Court of Arbitration International Bureau.

73 Sometimes, divergent outcomes can be explained by

differences in wording of a specific IIA applicable in a case;

however, often they represent differences in the views of

individual arbitrators.

74 It is notable that even having identified "manifest errors of

law" in an arbitral award, an ICSID annulment committee may

find itself unable to annul the award or correct the mistake.

See CMS Gas Transmission Company v. The Republic of

Argentina, ICSID Case No. ARB/01/8, Decision of the ad hoc

Committee on the application for annulment, 25 September

2007. Article 52(1) of the Convention on the Settlement of

Investment Disputes Between States and Nationals of Other

States (ICSID Convention) enumerates the following grounds for

annulment: (a) improper constitution of the arbitral Tribunal; (b)

manifest excess of power by the arbitral Tribunal; (c) corruption

of a member of the arbitral Tribunal; (d) serious departure from

a fundamental rule of procedure; or (e) absence of a statement

of reasons in the arbitral award.

75 For further details, see Gaukrodger and Gordon (2012: 43-51).

76 Lawyers' fees (which may reach $1,000 per hour for partners in

large law firms) represent the biggest expenditure: on average,

they have been estimated to account for about 82 per cent of

the total costs of a case. D. Gaukrodger and K. Gordon, p. 19.

77 http://unctad-worldinvestmentforum.org.

78 During 2010 and 2011, UNCTAD organized seven "Fireside"

talks - informal discussions among small groups of experts

about possible improvements to the ISDS system.

79 See e.g. OECD, "Government perspectives on investor-state

dispute settlement: a progress report", Freedom of Investment

Roundtable, 14 December 2012. Available at www.oecd.org/

daf/inv/investment-policy/foi.htm.

80 Mediation is an informal and flexible procedure: a mediator's

role can vary from shaping a productive process of interaction

between the parties to effectively proposing and arranging a

workable settlement to the dispute. It is often referred to as

"assisted negotiations". Conciliation procedures follow formal

rules. At the end of the procedure, conciliators usually draw

up terms of an agreement that, in their view, represent a just

compromise to a dispute (non-binding to the parties involved).

Because of its higher level of formality, some call conciliation a

"non-binding arbitration".

81 See further UNCTAD, Investor-State Disputes: Prevention

and Alternatives to Arbitration (United Nations, New York

and Geneva, 2010); UNCTAD, How to Prevent and Manage

Investor-State Disputes: Lessons from Peru, Best Practice in

Investment for Development Series (United Nations, New York

and Geneva, 2011).

82 In particular, Canada, Colombia, Mexico, the United States

and some others. Reportedly, the European Union is also

considering this approach. See N. Bernasconi-Osterwalder,

"Analysis of the European Commission's Draft Text on Investor-

State Dispute Settlement for EU Agreements", Investment

Treaty News, 19 July 2012. Available at http://www.iisd.org/

itn/2012/07/19/analysis-of-the-european-commissions-drafttext-

on-investor-state-dispute-settlement-for-eu-agreements.

83 Policy options for individual ISDS elements are further analysed

in UNCTAD, Investor-State Dispute Settlement: A Sequel

(forthcoming).

84 See e.g. NAFTA Articles 1116(2) and 1117(2); see also Article

15(11) of the China-Japan-Republic of Korea investment

agreement.

85 See UNCTAD, Interpretation of IIAs: What States Can Do,

IIA Issues Note, No.3, December 2011. Two issues merit

attention with respect to such authoritative interpretations.

First, the borderline between interpretation and amendment

can sometimes be blurred; second, if issued during an ongoing

proceeding, a joint party interpretation may raise due-process

related concerns.

86 See e.g. NAFTA Article 1126; see also Article 26 of the Canada-

China BIT.

87 See e.g. Article 28 of the Canada-China BIT; see also NAFTA

Article 1137(4) and Annex 1137.4.

88 See e.g. Article 41(5) ICSID Arbitration Rules (2006); Article 28

United States-Uruguay BIT.

89 UNCTAD, World Investment Report 2010. Available at http://

unctad.org/en/Docs/wir2010_en.pdf. See also UNCTAD's Pink

Series Sequels on Scope and Definition, MFN, Expropriation,

FET and Transparency. Available at http://investmentpolicyhub.

unctad.org/Views/Public/IndexPublications.aspx

90 Such capacity-building activities are being carried out by among

others, UNCTAD (together with different partner organizations).

Latin American countries, for example, have benefited from

UNCTAD's advanced regional training courses on ISDS on an

annual basis since 2005.

91 Recent examples of IIAs without ISDS provisions are the

Japan-Philippines Economic Partnership Agreement (2006),

the Australia-United States FTA (2004) and the Australia-

Malaysia FTA (2011). In April 2011, the Australian Government

issued a trade policy statement announcing that it would stop

including ISDS clauses in its future IIAs as doing so imposes

significant constraints on Australia's ability to regulate public

policy matters: see Gillard Government Trade Policy Statement:

Trading Our Way to More Jobs and Prosperity, April 2011.

Available at www.dfat.gov.au/publications/trade/trading-ourway-

to-more-jobs-and-prosperity.pdf.

92 For example, claims relating to real estate (Cameroon-Turkey

BIT); claims concerning financial institutions (Canada-Jordan

BIT); claims relating to establishment and acquisition of

investments (Japan-Mexico FTA); claims concerning specific

treaty obligations such as national treatment and performance

requirements (Malaysia-Pakistan Closer Economic Partnership

Agreement); and claims arising out of measures to protect

national security interest (India-Malaysia Closer Economic

Cooperation Agreement). For further analysis, see UNCTAD,

Investor-State Dispute Settlement: Regulation and Procedures

(New York and Geneva, forthcoming).

93 For example, Chinese BITs concluded in the 1980s and early

1990s (e.g. Albania-China, 1993; Bulgaria-China, 1989)

provided investors access to international arbitration only with

respect to disputes relating to the amount of compensation

following an investment expropriation.

94 Denial of benefits clauses authorize States to deny treaty

protection to investors who do not have substantial business

activities in their alleged home State and who are owned and/

or controlled by nationals or entities of the denying State or of a

State who is not a party to the treaty.

95 Douglas, Z. (2009). The international law of investment claims.

Cambridge: Cambridge University Press.

96 Some IIAs require investors to pursue local remedies in the host

State for a certain period of time (e.g. Belgium/Luxembourg-

Botswana BIT and Argentina-Republic of Korea BIT). A small

number of agreements require the investor to exhaust the host

State's administrative remedies before submitting the dispute

to arbitration (e.g. China-Cote d'Ivoire BIT).

97 Termination of IIAs is complicated by "survival" clauses that

provide for the continued application of treaties, typically for 10

to 15 years after their termination.

98 In 2004, the ICSID Secretariat mooted the idea of an appeals

facility, but at that time the idea failed to garner sufficient State

support. See ISCID, "Possible Improvements of the Framework

for ICSID Arbitration", Discussion paper, 22 October 2004, Part

VI, and Annex "Possible Features of an ICSID Appeals Facility".

In the eight years that have passed since, the views of many

governments may have evolved.

99 For the relevant discussion, see e.g. C. Tams, "An Appealing

Option? A Debate about an ICSID Appellate Structure", Essays

in Transnational Economic Law, No.57, 2006.

 

100 Several IIAs concluded by the United States have addressed

the potential establishment of a standing body to hear appeals

from investor-State arbitrations. The Chile-United States FTA

was the first one to establish a "socket" in the agreement into

which an appellate mechanism could be inserted should one

be established under a separate multilateral agreement (Article

10.19(10)). The Dominican Republic-Central America-United

States FTA (CAFTA) (2004) went further, and required the

establishment of a negotiating group to develop an appellate

body or similar mechanism (Annex 10-F). Notwithstanding

these provisions, there has been no announcement of any

such negotiations and no text regarding the establishment of

any appellate body.

101 An alternative solution would be a system of preliminary

rulings, whereby tribunals in ongoing proceedings would

be enabled or required to refer unclear questions of law to

a certain central body. This option, even though it does not

grant a right of appeal, may help improve consistency in

arbitral decision making. See e.g. C. Schreuer, "Preliminary

Rulings in Investment Arbitration", in K. Sauvant (ed.), Appeals

Mechanism in International Investment Disputes (OUP, 2008).

102 At the WTO, the appeals procedure is limited to 90 days.

103 Other relevant questions include: Would the appeal be limited

to the points of law or also encompass questions of fact?

Would it have the power to correct decisions or only a right of

remand to the original tribunal? How to ensure the coverage of

earlier-concluded IIAs by the new appeals structure?

104 Because these cases "involve an adjudicative body having

the competence to determine, in response to a claim by an

individual, the legality of the use of sovereign authority, and to

award a remedy for unlawful State conduct." G. Van Harten, "A

Case for International Investment Court", Inaugural Conference

of the Society for International Economic Law, 16 July 2008,

available at http://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_

id=1153424.

105 Ibid.

106 A system where judges are assigned to the case, as opposed

to being appointed by the disputing parties, would also save

significant resources currently spent on researching arbitrator

profiles.

107 Similarly to the European Court of Human Rights, which

adjudicates claims brought under the European Convention for

the Protection of Human Rights and Fundamental Freedoms.

108 Such capacity-building activities are being carried out by,

among others, UNCTAD (with different partner organizations).

Latin American countries, for example, have benefitted from

UNCTAD's advanced regional training courses on ISDS on

an annual basis since 2005: see http://unctad.org/en/Pages/

DIAE/International%20Investment%20Agreements%20(IIA)/

IIA-Technical-Cooperation.aspx.

109 IPFSD, 2012.

Box III.1

a Decree No.86, China Securities Regulatory Commission, 11

October 2012.

b Press Notes No. 4, 5, 6, 7 and 8, Ministry of Commerce and

Industry, 20 September 2012, Circular No. 41, Reserve Bank of

India, 10 October 2012.

c Press release, Ministry of Finance, 21 December 2012.

d "New areas in Dubai where expats can own property", Khaleej

Times, 22 June 2012.

e Foreign Investment Law (Law No, 21/ 2012), Presidential Office,

2 November 2012. See www.president-office.gov.mm/en/hluttaw/

law/2012/11/23/id-1103.

f Resolution No. 111-F/2012, Official Gazette, 28 December 2012.

g "Government adopted a decree on privatization of the fuel and

energy complex enterprises", Ukraine government portal, 19

February 2013.

Box III.2

a "Simplification of direct investment foreign exchange management

to promote trade and investment facilitation", State Administration

of Foreign Exchange, 21 November 2012.

b Press release, Ministry of Economy, Industry and Commerce,

23 October 2012.

c "Emergency Economic Measures for the Revitalization of the

Japanese Economy", Cabinet Office, 11 January 2013.

d "President Asif Ali Zardari signs Special Economic Zones Bill

2012", Board of Investment, 10 September 2012.

e "Cabinet Approves Bill of National Investment for 2013", Ministry of

Cabinet Affairs, 3 February 2013.

Box III.3

a Resolucion Conjunta 620/2012 y 365/2012, Official Gazette, 23

October 2012.

b Regulation No. 14/8 / PBI/2012, Bank Indonesia, 13 July 2012.

c "Kazakh Law Sets State Control of New Oil Pipelines", Reuters

14 June 2012.

d Executive Order No.79-S-2012, Official Gazette, 16 July 2012.

Box III.4

a New Land Code (Law No. 2013-1), 14 January 2013.

b "Government nationalizes Electropaz, Elfeo and ensures job

security and salary workers", Official press release, 29 December

2012.

c "Morales Dispone Nacionalizacion del Paquete Accionario de

Sabsa", Official press release, 18 February 2013.

d Statement by the Prime Minister of Canada on foreign investment,

7 December 2012.

e Act T/9400/7 amending the Fundamental Law, 18 December

2012.

f Law 56 of 2012, Official Gazette No. 111, 14 May 2012.

Box III.5

a Bloomberg, "Deutsche Boerse-NYSE Takeover Vetoed by

European Commission", 1 February 2012. Available at www.

bloomberg.com/news/2012-02-01/european-commissionblocks-

proposed-deutsche-boerse-nyse-euronext-merger.html

(accessed 30 April 2013).

b Reuters, "Singapore Exchange ends ASX bid after Australia rebuff",

8 April 2011. Available at www.reuters.com/article/2011/04/08/usasx-

sgx-idUSTRE7370LT20110408 (accessed 30 April 2013).

c The Economic Times, "BHP Billiton abandons bid for fertilisermaker

Potash", 15 November 2010. Available at http://articles.

economictimes.indiatimes.com/2010-11-15/news/27607057_1_

potash-corp-marius-kloppers-saskatchewan (accessed 30 April

2013).

d Press release, Ministry of Industry, Canada, 7 December 2012.

Available at http://news.gc.ca/web/article-eng.do?nid=711509

(accessed 30 April 2013).

e Financial Times, "China clears Marubeni-Gavilon deal", 23 April

2013. Available at www.ft.com/cms/s/0/032f2e7c-ac33-11e2-

9e7f-00144feabdc0.html#axzz2Rw2yv1Ly (accessed 30 April

2013).

f Competition NEWS, "The Rhodes-Del Monte merger", March 2011.

Available at www.compcom.co.za/assets/Uploads/AttachedFiles/

MyDocuments/Comp-Comm-Newsletter-38-March-2011.pdf

(accessed 6 May 2013).

g CBCNews, "Govt. confirms decision to block sale of MDA space

division", 9 May 2008. Available at http://www.cbc.ca/news/

technology/story/2008/05/09/alliant-sale.html (accessed 30 April

2013).

Box III.7

a http://cancilleria.gob.ec/wp-content/uploads/2013/04/22abr_

declaracion_transnacionales_eng.pdf.

 

Box III.7. Addressing ISDS-related challenges: initiatives from Latin America

On 22 April 2013 during a ministerial-level meeting held in Ecuador, seven Latin American countries (the Plurinational

State of Bolivia, Cuba, the Dominican Republic, Ecuador, Nicaragua, Saint Vincent and the Grenadines, and the

Bolivarian Republic of Venezuela) adopted a declaration on "Latin American States affected by transnational

interests".a In the declaration ministers agreed to establish an institutional framework to deal with challenges posed

by transnational companies, especially legal claims brought against governments under BITs. The declaration also

supports the creation of a regional arbitration centre to settle investment disputes and an international observatory

for cooperation on international investment litigation. To that effect, the Dominican Republic, Ecuador and the

Bolivarian Republic of Venezuela have agreed to produce a proposal to create such an observatory by July 2013.

This follows various earlier initiatives, undertaken by groups of countries in the region, that were aimed at helping

countries find an adequate response to the lack of capacity and resources on one hand, and the overall legitimacy

of the ISDS system on the other. As early as 2009, UNCTAD, together with the Academia de Centroamerica, the

Organization of American States and the Inter-American Development Bank, was invited to pursue the possibility of

establishing an Advisory Facility on International Investment Law and ISDS. This resulted in a series of meetings that

addressed technical issues, including what type of services such a facility should offer (e.g. capacity-building for IIA

negotiations and implementation, management or prevention of ISDS cases, provision of legal opinions, and legal

representation in ISDS cases), what its membership limits could be (open to all countries and organizations or only

a limited number of countries) and how it should be financed.

Source: UNCTAD.

Note: Notes appear at the end of this chapter.

 

 

2013年10月 9日 (水)

バーゲンセール:主権たたき売り 安倍首相『岩盤規制を打ち破る』  産業競争力と名付けられた国民家畜化・生け贄計画

「岩盤規制を打ち破る」安倍首相APECで改革を前面に
 WSJ日本10月8日


APEC・CEOサミット 安倍内閣総理大臣基調講演
 首相官邸10月7日

 

成長戦略という名の「三本目の矢」を、次々と放ちます。改革は、待ったなし。もはや岩盤のように固まった規制を打ち破るには、強力なドリルと、強い刃 (は)が必要です。自分はその、「ドリルの刃」になるのだと、申し上げてまいりました。電力や農業、医療分野で規制の改革を進め、新たなサービス、新しい産業を興し、日本経済の活力を、そこから引き出します。


「岩盤規制」とは、電力や農業、医療分野だという。
ググれば、雇用分野こそ最強の岩盤規制だという主張も強い。
生命に関わる最も規制の厳しい分野を市場に開放して、「成長」と名付け、富豪による収奪に供するということだ。
これを国民家畜化・生け贄計画と呼ばずして、何としよう。


TPPがあろうがなかろうが、グローバル企業に対して、国民の生命や健康を貢ぐ方針は変わらない。
アメリカ帝国の凋落が明らかになればなるほど、急いで生け贄を捧げようとしているようにしか見えない。


9月29日に東京で開かれたTPPシンポで奈須りえ前大田区議が配布された資料をとりあえず貼り付けておこう。
解雇自由化、混合診療の解禁、教育の株式会社、農地の株式会社保有等々、断片的に聞いていたが、全てが同じ出元であった。


産業競争力会議のフォローアップ分科会の「立地競争力等」ワーキンググループという細分の上に細分化されたチームが、もともと日本経済再生本部の下部組織である産業競争力会議の下にさらに国家戦略特区ワーキンググループを設置し、多分、ごく少人数で次々と国民家畜化計画、国民生け贄計画を立案している。


「産業競争力会議名簿」PDF

「国家戦略特区検討状況」PDF

「奈須りえ前大田区議レジメ」PDF


読み解くだけの時間がないので、とりあえず、PDFだけ貼り付けておく。
非常に貴重な紹介であるので、是非、開いてご覧頂きたい。
この国が壊れていくさまが見える。


非関税障壁(=生命・健康・生活を守るための国家の制度)の一括解除法が近く国家戦略特区法として、提出されるのだという。
ごく少人数で密やかに行われていたこの作業が、「岩盤規制を打ち破る」という安倍首相の海外発言で伝えられた。


国民が、「岩盤規制」というものが国民の生命・健康・生活を守るための国家の最低限の制度だということに気づくのか、気づかないまま「岩盤規制の突破」をアベノミクス第3の矢として支持し続けるのか。
法案の提出はおそらく3ヶ月後くらいか。


2013年猛暑の秋、日本は、ショックドクトリン状態だ。


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2013年10月 8日 (火)

ISD条項と憲法・国際法(短文まとめ)

▼ ISD条項(もしくはISDS条項)


 ISD(Investor-State Dispute Settlement)とは、協定に反する加盟国の制度や慣行によって外国投資家が損害を被ったときに相手国政府を国際仲裁に訴えることを認める制度だ。


 多国籍企業と日本政府の間の紛争は本来、日本の司法の管轄下にあり、日本の裁判所の判断に服すのが当然だ。しかし、ISD条項は、外国投資家が日本の裁判所を回避して国際仲裁に訴えることを認める。


 国際仲裁といえば聞こえはいいが、実態は、「投資家私設法廷」だ。


 仲裁人は事件ごとに選任され、裁定を下せば解散する。その場限りの私設法廷であり仲裁人は誰にも責任を負わない。仲裁人は、グローバル市場原理主義を基本原則とする「国際経済法」に堪能なビジネスロイヤーなど一握りの人物に限られている。


 国家の制度や慣行という公的なものを裁くにはあまりにも杜撰な仕組みというほかない。


▼ ISD条項と憲法秩序の破壊


 投資家私設法廷では、政府(自治体等を含む)のあらゆる政策や制度、慣行が提訴の対象となる。多国籍企業の利益を違法に侵害したと判断されれば、莫大な賠償を命じられる。相手国政府に対する威嚇訴訟も可能だ。


 日本の国内で起きている法的紛争なのに、国際法によって日本の裁判所の関与が排除される。そのような例外は、外交官特権と日米地位協定による在日米軍内部及び公務中の犯罪に限られる。


 これ対して、ISDによる例外は多国籍企業が関わるあらゆる場面に適用される極めて広範囲なものだ。このような広範な例外を認めることは「すべて司法権は最高裁判所と系列の裁判所に属する」旨を規定する日本国憲法76条1項に反する。


 違憲立法審査権が認められる等、国内裁判所には基本的人権の最後の砦としての役割が課されている。一方、投資家私設法廷で適用される基本ルールは多国籍企業の利益を国民の生命や健康より優先するものだ。外国投資家に、我が国の裁判所を回避して投資家私設法廷に訴えることを認めるISD条項は、日本国憲法の基本的人権尊重原則を、多国籍企業の利益を最優先するものに書き換える。国民には多国籍企業の利益に反しない限りの人権しか認められなくなる。


 国会や内閣による政策決定は、ISD条項によって、常時、多国籍企業の監視下に置かれることになる。萎縮効果によって、国会の政策決定は、外国投資家の利益を害さないことを第一に配慮したものとならざるを得なくなる。ISD条項は、国会を外国投資家の監視下に置くことによって、国民主権から外国投資家主権へと憲法を書き換える。


▼ ISD条項と国際法


 国家間の紛争の解決を強制的に解決する制度は基本的に存在しない。国際司法裁判所制度では、被告とされた国家は裁判に応じるか否か原則として自由である。WTOにおける紛争解決制度もWTO協定に反するか否かを判定するに止まる。仮にWTO協定違反と認定された場合でも、最終的には国家間の交渉によって解決せざるを得ない仕組みになっている。


 これらに対して、ISD条項は、外国投資家に対して、国家を強制的に裁判に引き出す権利を認める。しかも、具体的な損害賠償や補償を直接に命じ、裁定には、相手国の国内裁判所を通じて強制執行ができる効力が与えられている。


 ISD条項は、国家を超える強力な法主体性を外国投資家に認めるものだ。


 国際社会では長年、個人の国際法上の主体性をめぐる議論がなされてきた。ところが、ISD条項は、議論の蓄積もなく突如として、外国投資家に国家を超える国際法主体性を認めるもので、平和と人権を基調としてきた国際法秩序を著しく紊乱する。


▼ ISD条項を認めてはならない


 ISD条項は、我が国を外国投資家が支配する外国投資家主権国家に変え、外国投資家に仕える国へと我が国を作り替えてしまう。


 投資家主権国家では、基本的人権は投資家の利益に害さない範囲で認められる副次的な価値へと貶められる。


 国民主権原則、基本的人権尊重原則は、平和主義と並ぶ日本国憲法の三大原則だ。ISD条項は、この内の二つまでをも同時に書き換えてしまう。


 「知らない間に憲法が変わっていた」という事態を決して許してはならない。


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2013年10月 2日 (水)

TPP 前倒しで強いられるトンでも「オーガニック」

日米で、有機農産品の相互承認をしたという記事が出ている。
アメリカで有機農産品と認証された食品は、日本でも有機農産品として「オーガニック」としてJASマークを付けて販売できる、逆に日本で「オーガニック」の認証を受けていれば、アメリカでも「オーガニック」食品の認証済として扱われるということだ。

有機農産品、日米で相互認証 輸出拡大へ合意

共同通信 2013年9月26日 09時26分 ;(2013年9月26日 09時27分 更新)

 【ワシントン共同】日米両政府が有機農産品の相互認証で合意したことが25日明らかに なった。どちらかの国で認証を得た農産物や加工食品は、新たな審査を経なくても有機食品として互いに輸出できるようになり、販売拡大が期待される。26日 に両政府が発表する。有機農産品は、農薬や化学肥料を原則として用いないため高い価格で販売ができる。

 

堤未果氏の「(株)貧困大国アメリカ」によれば、有産階級は、さすがにジャンクフードを避ける傾向にあり、オーガニックがブームになっているようである。モンサントの社員がモンサント品を避けるのとよく似ている。
但し、アメリカの有機農産品大手のマーケット「ホールフーズ」の販売する商品は、完全な有機農業ではなく、自然派の通常食品であると言う。

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オーガニックブームは、結局、オーガニック認証を得るための膨大なコストや手間暇のため、小規模自営農家はオーガニック市場からはじき出された。一方、食品業界のコスト競争を激化させ、メキシコ、イタリア、トルコ、中国からの安い農産品が輸入されるようになったとされる。
また、実態は抜け穴だらけで、オーガニックチキンとして有名な鶏肉は、工業式養鶏場より25%広いスペースを与えているとされるが、工業式養鶏場の一羽当たりのスペース「216㎜×279.5㎜」に対して、「300㎜×300㎜」なので、鶏が一回りできるという。
オーガニック基準は、外部へのアクセスがある鶏舎で飼育されることが必要とされているそうだが、巨大な鶏舎の端に申し訳にドアが儲けられていればよく、ぎゅう詰めになっている鶏が出入りする筈もないと言う。


日本の認証も似たりよったりだから、アメリカと相互承認できることになったのだろう。
しかし、アメリカの農業の効率化のための工業化と食品産業の肥大化は、やはり日本人の想像を超えるところがある。


今回は、「オーガニック」の相互認証であるから、まだ罪は軽いかもしれない。
TPPが発効すれば、食の安全の最低基準を相互承認の名の下に、アメリカの基準に統一される可能性が高い。
モンサントが牛耳るアメリカの食品安全局(FDA)の基準が最低限基準として日本にも押しつけられるだろう。
そこに向けて日本の食品安全委員会は、せっせと認可の先取りを進めているように見える。


末尾にUSTRの該当ページリンクを貼り付けておこう。
ずいぶん長文のリリースになっている。
USTR プレスリリース

   
 
      

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