TPP 前倒しで強いられるトンでも「オーガニック」
日米で、有機農産品の相互承認をしたという記事が出ている。
アメリカで有機農産品と認証された食品は、日本でも有機農産品として「オーガニック」としてJASマークを付けて販売できる、逆に日本で「オーガニック」の認証を受けていれば、アメリカでも「オーガニック」食品の認証済として扱われるということだ。
有機農産品、日米で相互認証 輸出拡大へ合意
共同通信 2013年9月26日 09時26分 ;(2013年9月26日 09時27分 更新)
【ワシントン共同】日米両政府が有機農産品の相互認証で合意したことが25日明らかに なった。どちらかの国で認証を得た農産物や加工食品は、新たな審査を経なくても有機食品として互いに輸出できるようになり、販売拡大が期待される。26日 に両政府が発表する。有機農産品は、農薬や化学肥料を原則として用いないため高い価格で販売ができる。
堤未果氏の「(株)貧困大国アメリカ」によれば、有産階級は、さすがにジャンクフードを避ける傾向にあり、オーガニックがブームになっているようである。モンサントの社員がモンサント品を避けるのとよく似ている。
但し、アメリカの有機農産品大手のマーケット「ホールフーズ」の販売する商品は、完全な有機農業ではなく、自然派の通常食品であると言う。
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オーガニックブームは、結局、オーガニック認証を得るための膨大なコストや手間暇のため、小規模自営農家はオーガニック市場からはじき出された。一方、食品業界のコスト競争を激化させ、メキシコ、イタリア、トルコ、中国からの安い農産品が輸入されるようになったとされる。
また、実態は抜け穴だらけで、オーガニックチキンとして有名な鶏肉は、工業式養鶏場より25%広いスペースを与えているとされるが、工業式養鶏場の一羽当たりのスペース「216㎜×279.5㎜」に対して、「300㎜×300㎜」なので、鶏が一回りできるという。
オーガニック基準は、外部へのアクセスがある鶏舎で飼育されることが必要とされているそうだが、巨大な鶏舎の端に申し訳にドアが儲けられていればよく、ぎゅう詰めになっている鶏が出入りする筈もないと言う。
日本の認証も似たりよったりだから、アメリカと相互承認できることになったのだろう。
しかし、アメリカの農業の効率化のための工業化と食品産業の肥大化は、やはり日本人の想像を超えるところがある。
今回は、「オーガニック」の相互認証であるから、まだ罪は軽いかもしれない。
TPPが発効すれば、食の安全の最低基準を相互承認の名の下に、アメリカの基準に統一される可能性が高い。
モンサントが牛耳るアメリカの食品安全局(FDA)の基準が最低限基準として日本にも押しつけられるだろう。
そこに向けて日本の食品安全委員会は、せっせと認可の先取りを進めているように見える。
末尾にUSTRの該当ページリンクを貼り付けておこう。
ずいぶん長文のリリースになっている。
USTR プレスリリース
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