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2013年11月12日 (火)

止まらぬ安倍首相の暴走 定義なき秘密 秘密保護法がカラの器だという理由

殻だけあって中身がない、奇妙な法律だとマチベンが感じたのは、行政法規に欠かせない定義規定がないからだ。
「秘密」の定義規定がないという追及手法はマチベン独特の直感によるものだが、多分、間違いはないはずだと思う。
以下に書く理由から、この議論はマチベンの「まんじゅう論」と呼ぶことにしよう。

 

たとえば、憲法違反の事態をもたらした自衛隊のイラク派遣の根拠となった「イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法」ですら、詳細な定義規定を置いている。
自衛隊の派遣範囲や活動に拘束をかけるためだ。
末尾に貼り付けるので、参照にしてほしい。


不十分な縛りにしてもずいぶん細かく書き込むものだとわかっていただけるのではないだろうか。
ところが、秘密保護法では、この定義規定が、存在しないのだ(まんじゅうの皮である行政機関だけが定義され、あんこに当たる「秘密」が全く定義されていない)


行政法規の定義規定は、しばしばその法律の適用範囲を決めることによって行政権の行使が及ぶ範囲を画し、国民の自由を確保することになるので、国民の権利を保護するためには必須のものである。
これを欠くことだけで、この法律が本質的に国民の権利を侵害するものであることを示している。
このことは多分、法制局や法務大臣ならよくおわかりのことと思われる。
わかっていて、このような法律案を作らざるをえない、何か、のっぴきならない事情があるのだろう。


定義規定がないので、マチベンが、あんこにあたる「秘密」関係の定義規定を試作してみる。
ざっとしか読んでいないので、細部には間違いがあるかもしれないが、この法律の趣旨を損なわないように定義規定を作るとすると、おそらくこんな風になるだろうと思う。
なお、以下の作成に当たっては、先日の中日新聞が、秘密保護法に「その他」という用語が多用されている結果、法律の底が抜けている(「秘密」の範囲を画する皮膜が破れている)ことを明らかにしてくれたことを参考にしている。


(行政機関に関するものを除く定義等)
第2条の2 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

 

  1.  秘密 Abちゃんが隠しておきたいこと。
  2.  防衛 Abちゃんの地位を脅かさないようにすること(以下、安全もしくは安泰ともいう)。
  3.  防衛に関する事項 Abちゃん及びAbちゃんを取り巻く人(以下、Abちゃん等という)の安全・安泰に関連することの全部。
  4.  外交 Abちゃん等と外国及び多国籍企業(日本企業でも多国籍企業の場合は、これを含む)との関係。
  5.  外交に関する事項 Abちゃん等と外国や多国籍企業との関係に関すること全部。
  6. 特定有害活動 外国(多国籍企業を含む。以下同じ)の利益を図る目的で行われるわが国及び国民(Abちゃんを含む。以下、同じ)の安全を脅かすおそれのある活動。
  7. 特定有害活動の防止に関する事項 外国(多国籍企業を含む)の利益を図る目的で行われるわが国及び国民の安全を脅かすおそれのある活動を防止するために国家等が行う計画、研究、措置その他全ての活動及びこれに関わる情報。
    とくにAbちゃん等が外国(多国籍企業を含む)の利益を図る目的で、わが国及び国民(この場合は、Abちゃんを含まない)の安全を脅かす活動に関わる事項は、関係のある全てのことが該当する。
  8. テロリズム 平和的手段であるか否かを問わず、主義主張に基づき国家や他人に強要する活動の全て(以下、国民運動ともいう)。
  9. テロリズムの防止に関する事項 国民運動の発生・拡大を防止するために国家等が行う計画、研究、措置その他全ての活動及びこれに関わる情報。
  10. 特定秘密 Abちゃん等の安泰・安全を害するおそれが高いため隠匿・ブロックすることが相当と行政機関が認める情報。
    但し、7号後段の事項は必ず特定秘密とする。

こんな定義規定を作っても、ほとんど無意味である。
無意味であるが、定義規定を作ってみると、この法律が何を隠そうとしているのか、よく分かるのではないだろうか。
法律の趣旨を踏まえて秘密を定義しようとすれば、無意味な定義規定になる。
そのこと自体がこの法律の恐ろしさを示している。
マチベンがひらたく考えるところでは、Abちゃん一党がしたい放題するために都合の悪いことは全部、隠蔽するのである。


おそらくこの国の最高機密は、日本の顔である首相官邸ページに「JAPAN is BACK」等と、英語として意味が通じるかどうかもあやしい、悪ふざけのような英文を掲げて得々としている神経の方々がこの国を支配しているということではないかと、マチベンは秘かに考えたりするのであるよ。
安倍首相の暴走状態はちょっとやそっとでは止まらない。
政治状況以外にも原因があるのではないかという話がたかがマチベンの耳にも入ってくる。
にもかかわらず、世論調査なぞという時代遅れの代物(電話も訪問も現代社会から超然として暇している特定の層の意識しか把握できない)によって作られた虚構の支持率の高さに怯えて、取り巻きの者どもも注進できない。
仮にそうであれば、これこそが日本最大の特定秘密なのであろう。
なんて思われる根拠を与えるのに十分なので、首相官邸のHPは悪ふざけしないように。
マチベンブログとはわけが違うのである(怒)。

追記 11月13日
海外サイトも検索してみた。
比較的普通に受け止められているようだ。
元になった言葉は、"I am back and so is Japan”で、確かにこれなら簡明なのだが。
ここからJAPAN is BACKだけを取り出して、公文書にするのはやっぱりいかがなものかとマチベンは思案する。

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イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法

(定義等)
第三条
 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 人道復興支援活動 イラクの国民に対して医療その他の人道上の支援を行い若しくはイラクの復興を支援することを国際連合加盟国に対して要請する国際連 合安全保障理事会決議第千四百八十三号又はこれに関連する政令で定める国際連合の総会若しくは安全保障理事会の決議に基づき、人道的精神に基づいてイラク 特別事態によって被害を受け若しくは受けるおそれがあるイラクの住民その他の者(以下「被災民」という。)を救援し若しくはイラク特別事態によって生じた 被害を復旧するため、又はイラクの復興を支援するために我が国が実施する措置をいう。
二 安全確保支援活動 イラクの国内における安全及び安定を回復するために貢献することを国際連合加盟国に対して要請する国際連合安全保障理事会決議第千 四百八十三号又はこれに関連する政令で定める国際連合の総会若しくは安全保障理事会の決議に基づき、国際連合加盟国が行うイラクの国内における安全及び安 定を回復する活動を支援するために我が国が実施する措置をいう。
三 関係行政機関 次に掲げる機関で政令で定めるものをいう。
  イ 内閣府並びに内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第四十九条第一項及び第二項に規定する機関並びに国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第三条第二項に規定する機関
  ロ 内閣府設置法第四十条及び第五十六条並びに国家行政組織法第八条の三に規定する特別の機関
四 人道復興関係国際機関 国際連合難民高等弁務官事務所その他国際連合の総会若しくは安全保障理事会によって設立された機関若しくは国際連合の専門機関 又は我が国が締結した条約その他の国際約束により設立された国際機関であって人道復興支援活動に関するものとして政令で定める国際機関をいう。
2 人道復興支援活動として実施される業務は、次に掲げるもの(これらの業務にそれぞれ附帯する業務を含む。)とする。
一 医療
二 被災民の帰還の援助、被災民に対する食糧、衣料、医薬品その他の生活関連物資の配布又は被災民の収容施設の設置
三 被災民の生活若しくはイラクの復興を支援する上で必要な施設若しくは設備の復旧若しくは整備又はイラク特別事態によって汚染その他の被害を受けた自然環境の復旧
四 行政事務に関する助言又は指導
五 前各号に掲げるもののほか、人道的精神に基づいて被災民を救援し若しくはイラク特別事態によって生じた被害を復旧するため、又はイラクの復興を支援するために我が国が実施する輸送、保管(備蓄を含む。)、通信、建設、修理若しくは整備、補給又は消毒
3 安全確保支援活動として実施される業務は、国際連合加盟国が行うイラクの国内における安全及び安定を回復する活動を支援するために我が国が実施する医 療、輸送、保管(備蓄を含む。)、通信、建設、修理若しくは整備、補給又は消毒(これらの業務にそれぞれ附帯する業務を含む。)とする。

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