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2013年12月 1日 (日)

特定秘密保護法施行後の緊急事態閣議

東日本大震災が、もしも秘密保護法成立後だったら、その日、緊急に召集された閣議で。


総理大臣「原発はどうなっている?」
防衛大臣「…(原発事故情報を特定秘密に指定したため守秘義務に縛られて無言)」
副総理「どうなってるんだ経産省には情報はないのか」
経産大臣「先ほど、原子力保安院に問い合わせましたが、委員長から特定秘密にあたるような事柄は守秘義務があるから答えられないと言われ…」
官房長官「そんなばかなことがあるか。緊急事態だろう」
経産大臣「秘密を漏洩すると10年の懲役だと言われまして…」
一同「…」
経産大臣「自分が罪に問われないように『特定秘密を提供する必要があることを認めるに足りる相当な証明を出してほしい』と言われ今、至急に書類を作成させております」
総理大臣「経産省には東電からの報告は入っているのだろう」
経産大臣「我が省は特定秘密に指定すべきことは包括的に秘密指定する方針を取って万が一にも重大な秘密が漏れないように万全を期していることはおわかりでしょう。先日我が省の秘密は1000万件を突破しました」
(なぜか得意げに胸を張る)
官房長官「いい加減にしないか」
経産大臣「どうしてもとおっしゃるなら、万が一にも秘密漏洩の汚名を着せられないように、我が省の保有する特定秘密を提供する必要があることを認めるに足りる相当な必要を証明していただきたい」
秘書官が駆け込んでくる。
秘書官「テレビが原発の爆発映像を流しています」
総務大臣「何てことだ。至急特定秘密に指定しなければ」
(と慌てて会議室を出て行く)


同じ頃、ワシントン。
大統領「地震直後にメルトダウンしたということだったから、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、イスラエルの国籍を持つ者と家族には避難措置を通報したが、避難は完了したか」
補佐官「全員の無事を確認しました」
大統領「スピーディーのデータは北方向は特に危ないと言うことだったが、回避したのだろうな」
補佐官「もちろんです」
大統領「そろそろ日本政府に知らせるタイミングだろうか」
補佐官「東京も危ないかもしれないということでしたね。今、知らせるとパニックを起こしかねません。」
大統領「どうしたらいい」
補佐官「危険だという科学的証拠が出そろってからでも遅くないのではないでしょうか」
大統領「では2、3日様子を見るか」
補佐官「それが賢明かと。日本人は我慢強い国民ですから、多少のことでは文句が出てくることはあるまいと。」


同じ頃、東京。
特定秘密提供手続きを理由に閣議を抜け出した経産大臣が豪華な官舎に戻り、避難準備を終えた家族に「それにしても、経産大臣で幸運だったな。特定秘密を知っているのは日本人では東電以外にはほんの数人だぞ」



こうした閣議の様子は某国と武力衝突が起きた場合も同じだ。
特定秘密保護法には閣議なら特定秘密を一般的に提供してもよいという本来あるべき秘密漏洩を許す例外規定がない。国家安全保障会議を例外にする規定すらない。
特定秘密=重要情報は日本政府の頭越しに全てワシントンに渡る。
重大な情報ほど閣議でも国家安全保障会議でも出てこないことになるのだ。
アメリカからの天の声が届くまで行政は「法律的に」機能不全を起こす。


特定秘密保護法で一番不自由するのは日本人で政治上の位が上の方の人たちだ。政治的な権能は些細なことにしか及ばなくなる。国民は現実の東日本大震災では政府に目をふさがれたので、特定秘密保護法ができたところでこの場面に限っていえば同じことだ。ふさぐ手が日本人から白人に変わるだけのことだ。
(尤も原発の爆発がさらに拡大する可能性は高い。避難指示も出ないか大幅に遅れるだろう。国民は自己責任で身を守るしかない。ことは武力衝突でも同じである。このどこが国家安全保障に資するのか。右翼も怒るべきだ。怒)。
大臣たちは自分たちの目耳口をふさがれることになぜ気づかない。
特定秘密保護法は内閣機能をバラバラに分断して内閣として機能しないようにする。省庁同士が特定秘密を守り合って牽制しあい、機能不全になる。重大事態ほどそうなる。
特定秘密保護法がねらっているのは内閣自体だということにすら気が付いていないのか、それとも知っていて実態は変わらないからと、未来の内閣まで巻き添えにするつもりか。


もしもそうならそれは国際法の言葉では『主権の放棄』という。そして国内法的には『憲法違反ゆえ無効』という。
あなたたちは憲法があるからそこに座っていられるということを忘れてはならない。


2013年冬、日本は予断を許さない。

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» 内閣が特定秘密保護法を通すという事は「主権の放棄」である [Dendrodium]
今日も晴れて穏やかなお天気。 今週末に特定秘密保護法が可決されたら、日本が日本ではなくなるかもしれないというのに、 今日も穏やかに過ぎていこうとしている。 「街の弁護士日記」によると特定秘密保護法案が日本の法律として機能する様になると、 日本の国会議員が日本で何が行われているのかを、把握する事が出来なくなるのだそうである。 それどころか日本の国会議員だけではなく、 内閣総理大...... [続きを読む]

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