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2014年1月28日 (火)

ダボスの首相演説  経済関係

ダボスの世界経済フォーラムで、日中の武力衝突の可能性を聞かれた際に安倍総理が第一次大戦前の英独関係を引き合いに出したことが、世界的に衝撃を与えている。

他方、演説内容自体に対する異論はほとんど聞こえてこない。
僕の目から見れば、外国投資家本位に国を作り替えると、言いたい放題に言われているように見える。
首相官邸のサイトから一部を引用しておこう。

経済のために人間があるような、あるいは人間が投資家の奴隷のように扱われるという内容は、知るだけで、気分が悪くなる。

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平成26年1月22日
世界経済フォーラム年次会議冒頭演説~新しい日本から、新しいビジョン~


昨年終盤、大改革を、いくつか決定しました。できるはずがない――。そういう固定観念を、打ち破りました。

電力市場を、完全に自由化します。2020年、東京でオリンピック選手たちが競い合う頃には、
日本の電力市場は、発送電を分離し、発電、小売りとも、完全に競争的な市場になっています。

日本では、久しく「不可能だ!」と言われてきたことです。

医療を、産業として育てます。
日本が最先端を行く再生医療では、細胞を、民間の工場で生み出すことが可能になります。
日本では、久しく「不可能だ!」と言われてきたことです。

40年以上続いてきた、コメの減反を廃止します。
民間企業が障壁なく農業に参入し、作りたい作物を、需給の人為的コントロール抜きに作れる時代がやってきます。
日本では、久しく「不可能だ!」と言われてきたことです。
これらはみな、昨年の秋、現に、決定したことです。

加えて、昨日の朝私は、
日本にも、Mayo Clinicのような、ホールディング・カンパニー型の大規模医療法人ができてしかるべきだから、制度を改めるようにと、追加の指示をしました。

既得権益の岩盤を打ち破る、ドリルの刃になるのだと、私は言ってきました。
春先には、国家戦略特区が動き出します。

向こう2年間、そこでは、いかなる既得権益といえども、私の「ドリル」から、無傷ではいられません。

世界のトップクラス入りを望む都市では、
容積率規制がなくなります。文字通り、青空だけが限界です。質の高い住宅とビジネスのコンプレックス、ゼロエミッション・タウンが、次々と登場するでしょう。
TPPは、私の経済政策を支える主柱です。欧州とのEPAも進めます。日本はこれから、グローバルな知の流れ、貿易のフロー、投資の流れに、もっとはるかに、深く組み込まれた経済になります。
外国の企業・人が、最も仕事をしやすい国に、日本は変わっていきます。

日本の資産運用も、大きく変わるでしょう。
1兆2000億ドルの運用資産をもつGPIF(年金積立管理運用独立行政法人)については、そのポートフォリオの見直しを始め、フォーワード・ルッキングな改革を行います。成長への投資に、貢献することとなるでしょう。
法人にかかる税金の体系も、国際相場に照らして競争的なものにしなければなりません。
法人税率を、今年の4月から、2.4%引き下げます。
企業がためたキャッシュを設備投資、研究開発、賃金引上げへ振り向かせるため、異次元の税制措置を断行します。
本年、さらなる法人税改革に着手いたします。


古い産業に労働者を縛り付けている、雇用市場を改革します。新たな産業には、イノベイティブで、クリエイティブな人材が必要です。古い産業に「社内失業」を温存させていた補助金を、良い人材を求める新たな産業への労働移動の支援へと、転換します。
少子高齢化が進む日本のどこに、イノベイティブで、クリエイティブな人材がいるのか。そう仰る向きがあるかもしれません。
アリアナ・ハッフィントンさんは、「リーマン・ブラザーズが、もしリーマン・ブラザーズ&シスターズだったなら、生き残れただろう」と仰いました。
日本の企業文化は、いまだにピンストライプ、ボタンダウンです。
いまだに活用されていない資源の最たるもの。それが女性の力ですから、日本は女性に、輝く機会を与える場でなくてはなりません。2020年までに、指導的地位にいる人の3割を、女性にします。

多くの女性が市場の主人公となるためには、多様な労働環境と、家事の補助、あるいはお年寄りの介護などの分野に外国人のサポートが必要です。
女性の労働参加率が、男性並みになったら、日本のGDPは16%伸びるという話です。ヒラリー・クリントンさんのお話です。私は大いに勇気づけられました。
企業のボードメンバーたちに対する、大いなる刺激も必要でしょう。
24日からの国会に、
会社法改正を提案します。これで、社外取締役が増えます。来月中には、機関投資家に、コーポレート・ガバナンスへのより深い参画を容易にするため、スチュワードシップ・コードを策定します。
それらを実現させれば、2020年までに、対内直接投資を倍増させることが可能になります。
そのとき社会はあたかもリセット・ボタンを押したようになって、日本の景色は一変するでしょう。

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追記
発送電分離については、これが議論され始めた頃から、環境派と市場派が一致して進めようとする、この手の話は地球温暖化対策を名目に空気を市場化しようとするのと同じで、脱原発とは別の問題で、膨大な投資市場を生み出すのが目的と思っていた。
今や発送電分離は、投資市場の創設自体が自己目的として臆面もなく語られている。その間、わずか2年である(2011年12月24日付ブログ)。

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