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2014年1月 3日 (金)

日本の国力について

年末の再放送番組の中で、美輪明宏さんが、高校生か大学生を相手にコンサートする番組があった。
質問の時間になり、これからの日本の展望に関連して、自分たちは何を重視すればよいのかという、若い人の問いかけに、美輪さんは、即座に「文化です」と答えていた。
他にも、美輪さんの受け答えは素晴らしかったが、この応答も、素晴らしかった。
日本文化は、誇りをもっていい。
政治家を初めとする一部の人たちが、これを、明治期以降の、欲望にまみれてしまった、日本全体の精神史からみれば、逸脱としか言いようのない一時期に結びつけるから話がややこしくなるが。


戦後日本の著しい文化に「平和」があった。
少なくとも、国際社会で日本は、平和国家として受け止められてきた。
だから、毎年行われているBBCの好ましい影響を与える国に関する世界各国の意識調査で、日本は、いつも最上位近くにランクされてきた。
とくに人口1億を超えるような国では、常にダントツの好感度を誇ってきた。


好戦的で野蛮な国家だとみなされた極東の島国が、欺瞞に満ちているにしろ、平和国家のブランドを勝ち得るまでには、営々とした積み重ねがあった。
冷戦崩壊後、長らく、僕は、非武装防衛論は現実的な選択肢になったと考えてきた。
その裏付けが、平和国家ブランドだった。


現代国際法によれば、侵略は違法であり、集団的安全保障による強制措置の対象である。
したがって、侵略国は国際社会で孤立し、制裁を受け、結局撤退せざるを得ない。
それが、国連憲章を中心とする国際法の帰結だ。


理想通りには行かないのは、その通りだろう。
裏付けとなる国力や防衛力が必要なこともそのとおりだろう。
しかし、何より、平和国家ブランドは、国際社会の同情を誘い、侵略国を孤立させるための、最大の国力であり、文化であった。
だから、日本国民は、不服従であればよい。
そう僕は考えてきた。


さて、2013年、日本国民が戦後、営々として築いてきた平和国家ブランドはどうなっただろう。


世界中を駆けめぐった日本の指導者の言動の数々。


4月、ニューヨークで行われた猪瀬都知事の中東侮辱発言。
6月、橋下大阪府知事の『慰安婦』合理化『風俗』発言。
7月、麻生副総理の『憲法改正は、ナチスを見習ったら』発言。


そして、何より、12月の秘密保護法強行採決から首相の靖国参拝に至る動向は、世界中に、日本の国家主義の台頭を鮮明に印象づけただろう。
『同盟国』(宗主国)のアメリカ国民ですら、日本国家の印象を変えざるを得ない事態であったろう。


今年のBBCの好感度調査は、5月に発表される。
そのとき、私たちが失ったものが、どれくらい大きいのか、私たちは確認することができるだろう。
中国や韓国、あるいはアメリカと並ぶ程度の好感度(悪感度)に失墜していれば、危機に入っていることが明確になる。

築き上げるのに60余年、壊すのにはたった1年で十分なのかもしれない。

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