またぞろ新型インフルエンザ騒動
テレビのインフルエンザ報道が、だんだんかまびすしくなってきている。
社会実情データ図録のサイトで紹介されている年別のインフルエンザ死亡者の推移は、次の通りである。
問題となった2009年のインフルエンザ死亡者は625名、例年と比べて、とても多いとは言えない数字だ。
そして、新型による死亡者はテレビ報道によれば、203名、その他は季節性インフルエンザということだろう。
日本はこの年、危機管理対策と称して1000億円を費やして、使われもしない約3300万人分のインフルエンザワクチンを輸入した。
当然、弱毒性のインフルエンザであることがわかっていて、「パンデミック」宣言をしたWHOの措置が問われるはずだ。
マスコミにも政界にもそんな問題意識は皆無だ。
さすがにヨーロッパでは、これが議論になった。
田中宇氏のブログが、2010年当時に欧州議会で問題となっていることを伝えてくれているので、リンクしておこう。
インフルエンザ騒動の誇張疑惑(2010年1月12日)
昨年末12月31日、欧州議会(EUの議会)の保健衛生委員会(Health Committee)は、昨年夏から豚インフルエンザが流行した際、欧米の製薬会社が、ワクチンや関連医薬品の売り上げを伸ばすため、国連のWHO(世界 保健機構)や国際医学界などに影響力を行使し、インフルエンザに対する危機感を世界的に扇動した疑いがあるとして、調査を開始することを全会一致で決議し た。 (EU To Investigate WHO 'False Pandemic' Scandal)
特に同委員会は、WHOが昨年6月に豚インフルエンザに対する警戒度を最高まで高めて「2つ以上の地域の国々で大規模な感染」を意味する 「パンデミック(世界的感染症)」(6段階の危険度の最高位の「6」)を宣言したことが、不必要に高い警戒度だったと考えており、製薬会社がワクチンや医 薬品を売るために影響力を行使した結果ではないかと疑っている。同委員会の委員長(Wolfgang Wodarg。ドイツ議員)は医師だが、この問題について「医薬業界における今世紀最大のスキャンダルの一つだ」と述べている。 (European Parliament to Investigate WHO and "Pandemic" Scandal) (WHO declares first 21st century Swine flu pandemic)
スウェーデンの新聞が昨年末に報じたところによると、WHOの顧問団をしている専門家組織(SAGE)は、グラクソ (GlaxoSmithKline)、ロシュ、ノバルティスといった、欧米の製薬会社から資金を供給されている専門家たちで構成されている。欧米の製薬業 界は、豚インフルエンザ騒動で40億ドル儲けたとされている。 (Experter samarbetar med industrin)
……
この結末については、すぐ拾える資料がない。
うやむやになった可能性もあるのだろうと、想像する。
世界を行き交うマネーと主権国家ないしその連合体の争いは、残念ながら、今のところ、主権国家に分がない状態が続いているように見受けられる。
それでも、おそらく欧州は、同じ失敗をまた繰り返すほど、お人好しではあるまい。
素直にみんなで手洗い、うがい、マスクを心がけてくれる、日本国民は、製薬会社には特上顧客で恰好のターゲットである。
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