マチベンの間違い 米議会に提出されたのは貿易促進権限法ではない
前衆議院議員の首藤信彦氏が、1月9日に米議会に提出された大統領に貿易権限を授権する法律について書いておられる。
何と、今回の法律の名称は「貿易促進権限法」ではなく、「貿易重点法」なのだという。
詳細は、首藤信彦氏の論考をご覧いただきたいが、英語で同じようにTPAとの頭文字になるので、提出された法案が、予想されていたものとは異なることが見過ごされる可能性があることを指摘している。
そして、今回の法案が、これまでの大統領授権法とどこが異なるのかについて、検討されておられる。
意図して、同じ頭文字になる法案を提出して、ごまかすべき意図がアメリカ側のどこかにあるということなのだろう。
大統領は授権されない限り、貿易に関する協定の締結権限がないのであるから、この法律が大統領の交渉権限を拘束し締結すべき通商協定の内容を予め決定しているという点は従前の法律と同様である。
そして、首藤氏の分析によれば、今回の似て非なる「TPA」による米国の要求水準は、2002年版貿易促進権限法より、
さらに、
いっそう、
はるかに、
おそろしく、
厳しく、
高い水準のものとなっていることが確認できる。
交渉相手のことなんてのは、
少しも、
いささかも、
これっぽっちも、
全く、
全然、
考えていないのである。
1月16日付ブログでは、頭文字と新聞報道に完全に惑わされて、「貿易促進権限法案2014年版が上程された」などとわかった風なことを書いて、完全に間違ったマチベンである。
朝日新聞のことを嗤うことはできぬ。
“馴れない横文字、怪我のもと” である。
これほどの内容では、12ヶ国のTPP合意は不可能だろうとする首藤氏の見通しに賛成である。
他方で、日本政府は、最後まで付き従うのだろうと考える。
結局、米韓FTAの水準すらはるかにしのぐ、恐ろしく極端に従属的な日米FTAによって、日本の国民は、多国籍企業の餌食にされるのに違いない。
アメリカ側から主張される、【確固とした強制可能なSPS】などというのはまっぴらごめんである。悪夢以外の何物でもない。
これが問題の法案らしい。
直訳すると「2014年超党派議会貿易重点法」になるようだ。
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