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2014年1月26日 (日)

新型インフルエンザというショック・ドクトリン 母里啓子著『インフルエンザワクチンはいらない』(双葉新書)より

政府は、1月21日、新型インフルエンザ(H7N9)が発生したとの想定で、新型インフルエンザ対策等訓練を行った
マスコミは中国で鳥インフルエンザで死亡者が出たとの報道を始めている。
またぞろ、新型インフルエンザ騒動を目論んでいるように見える。


新型インフルエンザをグローバリズムやTPPの文脈で採り上げるのは些か奇異に思う向きもあると思う。
金儲けのためには命すら食い物にする(「金儲けのために命を食い物にする」とするのがより正確だが。)という、グローバリズムの本質と、そのためのルールにおいて、つながっているという意味である。


2009年新型インフルエンザ騒動で、輸入されたワクチンは成人2回投与を一人分として、約5000万人分、流行のピークを過ぎたため、厚労省はそのうち約1700万人分を解約したが、約3300万人分は輸入した。
厚労省から医療機関に出荷されたのは1250人分(「万人」ではない「人」分だ)。
実際に使われた本数は不明。
要するにあの輸入ワクチンは全て無駄になったのだ。
ワクチン輸入は海外メーカーに莫大な利益をもたらした。
使われもしないワクチンの輸入のために、1000億円を超える税金がつぎ込まれたのだ。
新型インフルエンザ騒動が、誰のために仕組まれたのか、自明であろう。


マスコミの報道振りを見ると、2009年の新型インフルエンザ騒動の再来を狙っているように見える。
2009年新型インフルエンザ騒動は、1000億円以上を投じて使われもしない海外メーカーのワクチンを輸入するという空騒ぎだった。
なぜ、そうした騒動になってしまったのか、追跡報道や総括をしておくべきだが、そうした報道を見たことがない。
多分、そんな報道はないと思う。
またぞろ同じ騒ぎが起きるかと思うと、正直、気持ちが萎える。
ここは当時の騒動についてのきちんとした情報が提供されているべきだ。


2009年新型インフルエンザ問題を専門家の立場から正確で丁寧な説明をしてくれる文献は異常に少ない。
何しろ、権威あるWHOが『パンデミック』宣言をして、世界中に警戒を呼びかけた。
ワクチン輸入の空騒ぎは世界中で起きたのだ。
WHOに逆らうような根性のある専門家は、少なくとも日本には、ほとんどいないようだ。


僕は、母里啓子氏の『インフルエンザワクチンはいらない』(双葉新書2010年12月)は、そうした中で極めて重要な文献だと考えている。
同書を参考にして、2009年新型インフルエンザ騒動の実情を紹介しておきたい。


「2009年4月27日、WHOは、新型インフルエンザ発生と発表しました。メキシコで豚インフルエンザ(H1N1)が発生、ヒトからヒトへ感染し、死者を出している。この発表はあまりに衝撃的でした。」


母里氏は、続いて政府が『新型インフルエンザ対策行動計画』を策定し、防御服とマスクに身を包んだ検疫官が空港に派遣され、ものものしい水際作戦が展開されたことを振り返っている。
サーモグラフィーで発熱が判明し、感染が疑われる人は、ホテルに足止めされるなどの措置が採られた。
インフルエンザに感染しても発症しない人が約2割いることは医学的常識だ。
したがって、水際で食い止めるという目的自体が最初から達成不可能な目的である。
ある程度、インフルエンザに関する知識があれば、水際作戦が不可能であることはわかっていた筈で、厚労省の担当者も承知していた。
SF映画のような厳戒態勢のシーンが国民の不安を煽るのにはもってこいであった。


そうした中、神戸市で海外渡航歴のない高校生が国内における新型インフルエンザ発生の第一号として報道された。
ある全国紙が高校の実名入りで報じたため、その高校の生徒は感染源になるとして忌避された。
制服で市バスに乗ることもできなくなり、生徒の外出を禁止しなかった校長が急遽、深夜に謝罪会見を開くという事態になった。


母里氏は、公衆衛生を専門とする立場から、こうした事態を人権もプライバシーもない明治時代の感染症対策に戻ってしまったと批判する。
すでに戦後まもなくには、赤痢やコレラの患者のいる家庭を保護のために訪問する場合も保健所とはわからないように訪問するようになっていた。
にも拘わらず、神戸の高校に新型インフルエンザ患者が出たときには防御服を着て学校に乗り込んだのは、歴史を一気に明治時代に引き戻すものだ。
いたずらにインフルエンザの恐ろしさを強調し、感染源を囲い込んで感染を防ぐことができる疾病とすり替える論理に恐ろしさを感じたという。
(その後、感染症予防法の措置にも反するこうしたやり方を、厚労省は、こっそり改める。)


この頃は、人が集まるあらゆる催し物が中止され、日本全体がパニックになっていた。
兵庫県弁護士会に倣って、愛知県弁護士会が、弁護士会職員と弁護士会館に出入りする法律事務所事務員にマスクを着用させるようにとのお達しを出したので、何かにつけて過剰反応が気になっていた僕が、弁護士会に苦情の電話をしたのが、6月頃だった。
むろん取り合ってもらえるような状況ではなかった。


当時は、およそ、あらゆる非科学的な試みがなされた。
経験的に見て、弱毒性であるということがわかってきても、騒動は鎮まらなかった。
煽っていたのは厚労省である。
ここからは母里氏の著作をそのまま引用しよう。


「新型インフルエンザが発生した時点で、舛添要一厚労相は、最初、本年のワクチンは季節性から新型にワクチンを切り換えよう、と言いました。ところが、メーカーはしぶるわけです。


これまで季節性インフルエンザワクチンをさんざん宣伝し、その結果広がった、2000万本もの市場を手放すことをメーカーはしたくなかった。
政府はメーカーに季節性ワクチンはやめて新型のワクチンにしなさいと指導することもできなかったのです。
だから、季節性ワクチンに加えてさらにその上、新型ワクチンも作ることになった。
でもそれでは間に合いません。
だから新型インフルエンザワクチンは輸入するしかない、ということになってしまったのです。


「騒ぎにあきれ果てていた私も、とうとう黙って見ていられなくなりました。

国が輸入しようと思っているワクチンには、日本のワクチンには添加されていないアジュバントという免疫製剤が入っています。
副作用が心配です。
でも、それより、この騒ぎにまぎれて外国のワクチンを大量に買ってしまったら、もう歯止めがきかなくなり、次々に外国のワクチンが日本に入ってくるに違いないのです。

やめるなら今だぞと訴えようと、数十年来の仲間と共に、新型インフルエンザ市民対策会議という団体を立ち上げ、2009年9月9日、10月29日、2回にわたって、厚労省に出向き、ワクチン輸入の中止や、ほとんど流行していない季節性インフルエンザのワクチン推奨はしないでほしい、などの申し入れをしました。


厚労省に行くと、まだ若い広報担当官が現れました。


資料を見せられて驚愕しました。
国のワクチンの買い上げ費用の試算は、なんと1126億円です。いったいどこからこんなお金が出てくるのか。
『危機管理対策として輸入するので、財源は別』と言うのです。
広報担当官は、今回の新型インフルエンザ対策は、感染症対策ではない、
『危機管理対策』である
、と。


この状態のいったいどこが『危機』なのでしょうか。
感覚で言っているのではありません。
すでに南半球の(日本より半年早くインフルエンザが流行する)オーストラリアで、この新型インフルエンザの流行は大したことはなかったという報告が出ています。
『オーストラリアの流行状況はご存じでしょう、この新型インフルエンザは《危機》とは言えないのではないですか』と言うと、
広報担当官は『脅威に対して国民が不安になっていますから、これは危機の時のための掛け捨ての保険です』と言ったわけです。
『掛け捨ての保険なら、輸入ワクチンは買っても使わないという選択肢もありますね。今は『危機』ではないですからね』と言うと、
『いや、強毒化するおそれもありますから』と答えるのです。
『強毒化するほどウィルスが変異したら、ワクチンは完全に効かないじゃないですか』と私たちは思わず言ってしまいました。
それに、脅威に対して国民が不安になっているからと言いますが、いったいありもしない脅威を作って国民を不安にさせたのは誰なのでしょうか。
高齢者が死ぬ、幼児が脳症になる、強毒化する、パンデミックが来ると国がさんざんマスコミと一緒にあおっておいて、その結果これほどの大金を、効かないインフルエンザワクチンのために払うとは、税金を捨てているようなものです。」


この書は、原発事故発生前に書かれている。
原子力ムラと呼ばれるこの国の企業・政治・官僚・学者・メディアが癒着した醜悪な支配構造が露呈した今であれば、政府・官僚に脅威を煽る意図があったとすると見るのは合理的であろう。
注目すべきなのは、ここでは、国内企業の利益ではなく、それまで国内産に限られていたインフルエンザワクチンの輸入に道を開く、つまり海外企業の利益を図るために、厚労省が動いたと見られることだ。


輸入ワクチンをめぐる異例な事態はまだ続く。


輸入するワクチンが副作用を発生させた場合に備えて、『新型インフルエンザ予防接種による健康被害の救済等に関する特別措置法』が成立する。
輸入ワクチンは、正式の薬品承認手続を採っていては間に合わないということで、特例承認という方法で承認された。
特別措置法は、こうして輸入されたワクチンによって副作用被害が生じたときに、海外メーカーを免責し、国が賠償責任を負うとするものだ(その後の改正で削除された同法3章・11条)。
こうして、このとき、日本は、海外メーカー(グローバル企業)に対する最初の免責特権を与えた(グローバル企業に対する特権という点でTPPのISD条項に類似し、無責任特権という点で秘密保護法による適合事業者に与えられた特権と類似している)。
むろん、海外製薬会社保護のための原資は、我々の税金である。


国内企業保護か外国企業の優遇かの政策対立もあったようである。
続く記述も興味深い。


「一方、国産の新型インフルエンザワクチンをどうするかも、もめごとが続いていました。
桝添厚労相が国産ワクチンは1800万人分くらいあると言っていたものが、長妻厚労相になった途端、2700万人分あるという話になったりと、ドタバタが続きました。
なんと10ミリリットルの大瓶入りのワクチンを作れば、増産できるからという話でした。
インフルエンザワクチンは0.5ミリリットルずつ皮下注射するもの。
通常は1ミリリットル入りの瓶(バイアル)で供給されていた物を、20人分のワクチンが入った大瓶にすることで生産効率を上げようとしたのです。


それを知った現場の医師たちが大反発をしました。
何かミスが起こらないとも限らないし、開けてしまったら24時間以内に20人分打たなければムダになる。

東京の中央区のような子どもの少ない地域では、一人の医師が20人も集めるのが大変だからということで、会場を作ってワクチン接種をしたところもありました。…
大瓶のワクチンは、集団摂取に戻したいという意図でもあったのでしょうか。…


昔、学童に集団摂取をやっていた時は、すべてこの大瓶でした。10ミリリットルで、小児なので30人分以上は入っていたワクチンを一人分ずつ吸い上げて打っていたのでした。」


それまで副作用に配慮して、インフルエンザワクチン接種に当たって取られてきた、安全を確保するためのやり方も、新型インフルエンザ騒動にまぎれて、次々と覆される。


「さらに優先順位でもめました。
これまでインフルエンザワクチンは妊婦に打ってはいけないとされていました。ところがなぜか今回は妊婦が最優先。
…妊婦へのワクチンが安全であるかどうかの検証もしないまま、いきなり妊婦を最優先にするとは信じがたいことです。
なんと摂取が始まる前日の10月18日に、厚労省はホームページの『妊婦へは原則摂取しない』の添付文を削除しています。
さらに、妊婦どころか乳幼児も打ってよい、新型と季節性、両方のワクチンを同時に両腕に打ってもかまわないとするなど、もうなんでもありです。
どさくさにまぎれて、今までやってはいけないとされていたことを平気で次々とひっくり返してしまいました。」


それまでのやり方が根底から覆された最も大きな例は、服用後の異常行動が問題となり、投与が控えられてきた、10代の子どもに対するタミフルの投与だ。


「新型インフルエンザが広がり始めていた2009年9月7日。
ワクチンをどうするかで政府と厚労省が大論争を起こしている最中のこと、タミフルの発売元である製薬会社は新型インフルエンザに有効に備え、タミフルの供給量を去年の3倍に引き上げると発表していました。CDC(アメリカ疾病予防管理センター)を初め、国際的に、インフルエンザは勿論、新型インフルエンザにも抗インフルエンザ薬は必要ないと言っている状況があるにもかかわらずです。
9月13日、日本小児科学会は、記者会見で、1歳から5歳児にタミフルなどのインフルエンザ治療薬の投与を推奨すると言ったのです。
しかも、1歳未満にまで、医師の判断で使用可と言っています。
タミフルはスイスのメーカー本社も、一歳未満には使わないようにと警告を出していたはずなのに、どうしたことでしょうか。
10代には使わないようになっていたはずですし、タミフルと異常行動についての検証は、まだすんでいないはずです。
そのすぐ後の9月15日には、日本感染症学界までが、持病のない成人への投与はいらないとWHOは言っているが、その見解は危険である、と言い出しました。…


タミフル服用後の異常行動が問題なって以来、10代のタミフル投与は原則禁止されていました。
ところが、新型インフルエンザが発生してから、『新型インフルエンザは重症化のリスクが高いから』と、なし崩し的にタミフルなどの抗インフルエンザ薬が投与可能になり、秋になってからは、当然のように10代へも処方されるようになってしまっていたのです。

この時期、現場の医師たちには、タミフルをどんどん使いましょう、という医師会や各種学界からのお知らせが届いていたというわけです。
同じ時期に各都道府県にも、タミフルの備蓄のない場合には国の備蓄分のタミフルを出すのでこの申し込みの書類を出すように、というような通知が出されていました。
タミフルの予防投与については、耐性ウイルスの問題もありますから、WHOでも推奨していません。世界的に予防投与はしないことになっているのです。
しかも、関係者の誰もが忘れてしまったようにしていますが、タミフルなど抗インフルエンザ薬による異常行動は報道されないだけで、その後もなくなっていません。タミフル服用後の脳症もなくなっていません。
この年、世界のタミフルの使用量の7割を日本が占めた。
スイスのメーカーが大量生産したタミフルは海外では有り余っていた。


マスコミを総動員して煽った新型インフルエンザの恐怖を利用して、企業利益の下に官庁、医師会、学界、メディアが蝟集している態は、あまりに醜悪である。


新型インフルエンザワクチンの接種開始後、最初の接種後死亡者が11月12日に発生し、その後10日間の間に21名の接種後死亡者が発生する。
当然、副作用が疑われるところだ。


「厚労省は2009年11月21日『第1回新型インフルエンザ予防接種後の副反応検討会』を開催しました。この会議が開催された時点で、摂取後の死亡者は21人にまで増加していました。
いくらなんでもこの死亡者の報告数は多すぎます。
因果関係のあるなしにかかわらず、摂取は即刻中止し、ワクチンを検査すべき数字です。


しかし、この会議で厚労省は『現時点では重大な懸念は示されていない』と結論づけました。
死亡とワクチン接種との直接の明確な関連が認められた症例は現時点ではない』とのことでした。『慎重に摂取するように』と、ワクチン接種は続行されることが確認されて会議は終わりました。


実際の会議では、今回の新型インフルエンザは高齢者にほとんど感染者が出ていないことや、寝たきりの高齢者に往診してまでワクチン接種をしていることへの疑問の声なども出ていました。ところがそうした声は無視されました。
検討会とは名ばかり。
会議の結論は初めから決まっていて、死亡との因果関係を否定し、ワクチン接種は変わらず継続するということを確認して終わりというものでした。
しかしその後も、ワクチン接種後に亡くなった人は増え続けます。
中には10歳未満のお子さんもいらっしゃいますが、多くは60歳以上の基礎疾患のある高齢者です。
最終的に、ワクチン接種後に亡くなった人は133名にのぼりました。
そして、そのほとんどの方が、亡くなったのは原疾患の悪化が原因だとして、評価不能とされました。
原疾患の悪化というけれど、原疾患を悪化させた原因は、何なのでしょうか。」


結局、新型インフルエンザは弱毒性で死亡者は例年に比べて多くはなかった。


「2009年から2010年にかけて日本中を揺るがした新型インフルエンザ、この流行による死者数は198人に止まりました。

この198人の中で、60歳以上の方は、70名、約35パーセントです。ところが、ワクチン接種後に死亡した60歳以上の方は、121名にも上るのです。



「もともと、今回の新型インフルエンザは大したことなさそうだ、ということは、予測できていました。
インフルエンザの流行は、常に、インフルエンザシーズンが日本より半年早く訪れるオーストラリアの流行状況を見て予測されているのですが、オーストラリアで7000人死ぬと言われていたにもかかわらず、実際には170人の死者だったというデータがちゃんと最初からあったのです。

今回の新型インフルエンザは弱毒性である。
軽くすむインフルエンザだと分かっていたのです。
なのに、日本では何万人死ぬとかいう情報を国やマスコミがさんざん流して脅かしました。

それで、結局これだけだった。例年に比べても大したことのないインフルエンザでした、ということなど、国もマスコミもほとんど触れようとしないのです。」


ことの顛末は次の通りだ。


「国内のワクチンメーカーが生産した新型インフルエンザワクチンは5389万回分。
そのうち、出荷されたのは約3900万回分です。
そのうちの1600万回分を2月ごろ、第2波に備えるとして回収。
そして2010年の秋になり、全国の医療機関から引き上げたワクチンは239万回分。
6割以上、余ってしまったのです。


さらに厚労省が輸入契約した新型インフルエンザワクチンは、成人で1回の摂取と換算した場合計9900万人分もありました。


厚労省はスイスの製薬会社と契約した2500万人分のうち、2010年3月末、3割を解約しました。解約金はなんと92億円です。購入したのは1662万人分。(2010年)10月には、同社から購入した1660万人分のワクチンを有効期限切れで廃棄したと政府の発表がありました。


イギリスの製薬会社と契約したワクチンは7400万人分。厚労省は解約金なしで3割を解約することができたと言っていますが、同社のワクチンはドイツも3割、フランスは5割を解約しています。日本では5032万人分の在庫を抱えることになりました。最後の使用期限を迎える2020年6月までに、このすべてが廃棄されます。


輸入ワクチンのうちで医療機関に出荷されたのは、たったの2500人分でした。このワクチンも使われたのかどうかはわかりません。」


弱毒性であるにも拘わらず、「パンデミック」を宣言して、ワクチン流通を煽ったのは、WHOである。
だから、カラ騒ぎで、無用なワクチンを大量に購入した国は、全世界に広がっている。
ここで出てくるスイスの製薬会社はノバルティス・ファーマ、英国の会社はグラクソ・スミスクライン(子宮頸ガンワクチン「サーバリックス」のメーカーでもある)である。後者の米国法人はTPPの有力な推進勢力である。


しかし、全ての国がパニックから大量のワクチンを購入した訳ではない。


ポーランドは、この新型インフルエンザ騒ぎの中、新型インフルエンザワクチンを輸入しませんでした。
ワクチンを断固拒否したのは、医師でもある女性の保健相エヴァ・コパチ氏です。

保健相にはワクチンを買えとあちこちから圧力がかかっていたようです。しかし、コパチ氏は屈しませんでした。
…新型インフルエンザより、例年の季節性インフルエンザのほうが危険なのに、と。
そして、コパチ氏はこうも言っています。『ポーランド国民はとても賢いのです。嘘を見抜くことができます』と。
日本では大手マスコミがあれだけ脅し、国民総摂取の流れをつくり、世論を動かし、全国民分のワクチンを用意したのです。
戦争に突入する時もこういう経過を採るに違いないと空恐ろしさを感じるような流れでした。
けれど、それでも結局、新型インフルエンザワクチンを打ったのは2000万人程度。
実際に打った人数としてはいつもの季節性インフルエンザワクチンと同じくらいです。国民全員がワクチンに走ったわけではない。
私はここには、救いがあると思うのです。」


ここで浮き彫りになっているのは、日本の政府、官僚、研究者が挙げて、ワクチン・ビジネスで利益を貪ろうと蝟集する構造である。
その美味しい市場を海外メーカーまで広げてやろうという勢力が、国会や官庁や学界の中枢にいるということだ。
そして、そのための原資は副作用対策も含めて、われわれの税金で賄われる。


インフルエンザワクチンは要らないというのが、母里氏の趣旨である。
1980年代までには、大規模な疫学調査によってインフルエンザワクチンは効かないという研究結果が出ていた。
そうした歴史的成果をなし崩しにするように今、大規模なルールの書換がなされている。
経済活動に対する規制は必要最低限でなければならないというルールの下では、薬品の副作用には、厳密な科学的立証が求められる一方、薬品の効用については、一応の有効性が認められれば、厳密な科学的証明までは求められない。


予防接種の撤廃も、企業の公害防止技術も、被害者が運動を起こし、訴訟を通じて勝ち取られた成果だ。
立ち上がった国民には、弁護士と疫学や公衆衛生、その他の分野の多くの専門家がともに寄り添った。
30年とも40年ともなんなんとした歴史を経て勝ち取られた成果が、グローバル企業にとって都合のよいルールを求めるグローバリズムというイデオロギーによって、崩されている。
まずは、その現状を確認することから始めるしかないだろう。


しかし、それにしても、母里氏以外に、研究者として新型インフルエンザワクチンにも子宮頸ガンワクチンにも声を上げる学者がほとんど見いだせないのには、改めて絶望に近い思いを抱かせる事態ではある。

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