オバマ大統領2014年一般教書演説 すとう信彦前衆議院議員からの情報
すとう信彦前衆議院議員が1月29日付のブログで、“なんじゃらほい”のオバマ一般教書演説という記事を書いている。
1時間に及ぶオバマ大統領の一般教書演説を注目して見たが、ついにTPPに触れずということである。
(略)
一般教書演説の直前にカメラは執拗にUSTRのフロマン代表の顔を追っていて、こりゃあ、ここで必ずTPP推進を明言すると思ったが、1時間を越す一般教書演説もアフガン帰還兵士の美談賞賛で終わり。かって見た一般教書演説の中でも最低ランクの演説だった。まあ、TPP促進を明言しなかったのは、今後のTPPの行方を占う上で重要なポイントだ。ひょっとしたら、オバマ大統領自身、TPP推進にはもう期待していないのかもしれない。
(略)演説終わってオバマ大統領が握手に回っているあいだ、テレビカメラはフロマンの姿を追わなかった...
その後、すとう信彦氏(TPP阻止国民会議事務局長)から、一般教書演説に対する個人的見解が提供されたので、以下にご紹介しておこう。
オバマ大統領2014年一般教書演説に対するコメント
2014年1月31日
TPP阻止国民会議事務局長
前衆議院議員 首藤信彦
1月28日にオバマ大統領の一般教書演説(State of Union)が行われた。以下はそれを聞きまた議会での反応を目にしての個人的な見解である。
今回の一般教書演説は、最終段階にあるTPP交渉に関連し、TPP協定を妥結する意思の宣言や、足踏み状態にある交渉を促進するための貿易促進権限を議会から獲得する自信などが表明されると予想されたが、現実には一時間もの長時間の演説の内容は格差是正などの内政課題が中心で、TPPどころか、深刻さを増す世界各地の紛争や外交課題にも踏み込んだ発言なく、また問題を抱える世界経済、成長するアジア、日本への言及もなかった。
昨年の一般教書演説では、アメリカ経済の推進役として、明確にTPPという言葉が盛り込まれていたのに対し、TPP協定の最終段階いわれる時期にそれが明言されないということは、今秋の中間選挙を前にして、それをオバマ政権の成果として予告できないという苦しい状況を物語っている。
唯一、TPPに関連して述べられたのは、アメリカ中小企業関係の部分で、「ヨーロッパおよびアジア太平洋諸国との新しい貿易協定ができれば中小企業への支援になる...」という漠然とした表現にとどまった。しかも、それもまずヨーロッパが最初に来ている。
また懸案の貿易促進権限(TPA)に関しても、「こういうものを皆で協力してやりましょう」のような努力目標に格下げされてしまった。その一方で、別の箇所では、議会が機能しないから、議会をとび超えて、大統領命令で政策の促進を図る...ような言明もあり、これでは議会の協力を得ることは到底困難であろう。
今回の一般教書演説を聞き、また議会の反応を見る限りにおいては、オバマ政権において、TPP合意達成の優先度が急速に低下していると考えざるを得ない。4月のオバマ大統領アジア訪問を視野に入れながら、引き続き、現在ワシントンで行われている日米TPP関連事務局会合の行方を注視したい。 以上
昨年の該当部分は、〈さりはま〉さんのサイトの翻訳によれば、以下のとおりである。
Even as we protect our people, we should remember that today’s world presents not only dangers, but opportunities. To boost American exports, support American jobs, and level the playing field in the growing markets of Asia, we intend to complete negotiations on a Trans-Pacific Partnership. And tonight, I am announcing that we will launch talks on a comprehensive Transatlantic Trade and Investment Partnership with the European Union – because trade that is free and fair across the Atlantic supports millions of good-paying American jobs.
国民を守るとき、心にとめておくべきことですが、今日の世界は危険を与えるだけでなく、機会もあたえてくれるのです。アメリカの輸出を増やし、アメリカの仕事を支援し、アジアの成長市場における競技エリアをならすために、TPP(環 太平洋戦略的経済連携協定)の交渉をなしとげるつもりでいます。そして今宵、私は宣言しますが、広範囲にわたる大西洋をはさむ貿易と投資連合に関する話し 合いを、ヨーロッパ連合と始めるつもりです。なぜなら大西洋をかこむ自由で平等な貿易は、アメリカに、数百万にもおよぶ賃金の高い仕事を支援するからで す。
メディアは、《オバマ大統領TPP妥結に意欲》などの見出しで伝えているが、オバマ政権のトーンダウンは、明らかだろう。
(身内の民主党議員の大半からストップをかけられていれば、トーンダウンせざるを得ないのが道理だろう)
それなのに、アメリカ政府に対して早期妥結へ協力を約束するという日本政府は、一体、だれのために、何の利益を図るつもりでいるのか。
こんな状態の米国政府と熱心に関税協議をすればするほど、追い込まれた状態になることは、火を見るより明らかだろう。
それにしても、英語ができる首藤氏がうらやましい(汗)。
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