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2014年7月の7件の記事

2014年7月31日 (木)

TPP交渉参加米国との事前協議終了に当たって作成された書面の再掲

日本のTPP交渉参加に関する米国との事前協議は、昨年4月12日にまとまった。
4月12日にUSTRが公表した報告書を検索するのも結構大変になっているようなので、山田正彦氏が公表した首藤信彦前衆議院議員の仮訳を掲載しておく。


また、事前協議の終了に当たって、日米両国で交わされた往復書簡の検索も困難になっているようなので、これも末尾に貼り付けておく。


事前協議の最大のポイントは、TPP交渉継続中、非関税障壁に関する日米二国間協議を並行して行い、TPP発効時に二国間協議も発効するものとされたことである。


対日年次改革要望書によって、行われてきた米国による日本の「非関税障壁」の撤廃要求は、事前協議終了に当たってなされた日米の合意によって、協議の場が構造化された。
密室で行われる、その内容は、不明である。

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USTR 2013.4.12
TPPへ向けて:日本との協議事項報告 <仮訳>

アメリカ政府はTPPに参加したいという日本との公式二国間協議を2012年2月に開始しました。これは日本のTPP参加国との協議を始めたいという 2011年11月の表明にもとづくものです。日本との協議は、自動車や保険セクターおよび他の非関税障壁に関する二国間の幅広い関心事をカバーし、TPP が求める高い基準を日本が満たす用意があるかどうかという点に関する議論も含まれています。

今日、アメリカ政府は日本との間に、強固な実施行動のパッケージおよび諸合意が成立したこと、そしてアメリカ政府が一連の協議を成功裏に完結したことを報告申し上げます。

自動車
アメリカ政府は、自動車部門に関する深刻かつ積年の関心事を明確にしました。日本政府はアメリカとの協議において、日本車の輸入関税はTPP交渉の他のい かなる製品に猶予された最長期間よりもさらに遅い時期において段階的に廃止されることに合意した。しかも、この段階的廃止は猶予期間が終了した後にのみ実 行されることも日本政府は合意した。さらに、これらの措置は米韓FTAで韓国に認められた関税廃止措置よりもはるかに遅れることも日本政府は合意した。

4月12日に日本政府は、簡易許可手続き(PHP)すなわち日本に輸出される米国車に対してより簡単で時間のかからない認証方法での輸入台数を二倍以上に することを一方的に決定して通告してきました。最近の例でいえば、車種ごとに年2000台まで認められている簡易輸入手続きを、今度は車種ごとに年 5000台までアメリカ自動車メーカーは日本に輸出する際には認められることになります。

アメリカ政府と日本政府は日本の自動車産業分野に存在する広範な非関税障壁(NTM)を、TPP交渉と並行して行われる二国間協議の俎上に載せることを合意しました。そのテーマの中には諸規制の透明性、諸基準、証明書、省エネ・新技術車そして流通などの問題が含まれる。さらに、特定車両に対するセーフガー ド条項を協議し、係争事例の法的救済として関税再課税(snapback tariffs)などのメカニズムも協議することを日米政府は合意した。協議で どれだけの範囲のイシューを協議するかは添付されたTOR(内閣官房資料3)に書かれている。そしてその協議の結果はTPP交渉におけるアメリカと日本の 二国間における最終二国間市場アクセス包括協定における強制的約束として含まれるものである。

保険
近年、アメリカ政府はアメリカの保険会社が日本郵政の保険との関係において、日本の保険市場で平等な基準で取り扱われていないことを強調してきた。今回の 協議において、TPP協議へ向けて平行して行われる交渉と同時に、このTPP交渉における平等な取扱いの問題を取り上げることに合意した。さらに、日本政 府は、4月12日に一方的に以下のことを通告してきた。その内容は、日本郵政の保険に関しては、民間の保険会社に日本郵政と平等な競争条件が確保され、ま た日本郵政の保険が適切なビジネス経営(非公営)の下で運営されていると日本政府が決定するまでは、いかなる新規のあるいは修正されたがん保険及び単独の 医療保険を許可しない、ということである。

非関税障壁(NTM)
アメリカ政府はアメリカ製品の日本への輸出を妨げている広範な産業分野および産業横断的な非関税障壁に対する懸念を表明してきた。これらの問題がTPP交 渉においてはまだ十分に討議されていない以上、それらは二国間で、TPP協議と並行して、討議され、TPP交渉終了までに完結させなければならない。(こ れに関しては別添fact sheetで問題の実情を含め詳細に説明されている)

日本は高い基準での協定受け入れを表明
我々二国間の協議を通してアメリカ政府は、日本がTPP交渉に参加したいなら、現在の参加国である11か国によってすでに交渉された高い基準での協定を受 け入れを保証せよと強く強調してきた。それに対し、また2月22日の共同声明に記載されているとおり、日本政府は、すべての産品を交渉のテーブルに乗せ、 そのうえで2011年11月12日にTPP参加国によって表明されたTPP協約に明記された包括的で高い基準の協定を達成するために、交渉に参加すること を言明した。

強固な関係の成長
もし日本がTPP交渉に参加するなら、その参加はアメリカの最大の貿易パートナーである国の参加であり、TPP協定の経済力を高める。日本は現在、アメリ カの第4位の貿易パートナーである。2012年にアメリカは700億ドルの産品を日本に輸出し、サービス分野は2011年に440億ドルに達した。TPP に日本が参加することは、アジア太平洋地域FTA(FTAAP)への道筋を進めると同時に、競争力のあるアメリカで生産された製品とサービスに対する日本 市場のさらなる開放を意味する。そのことは同時にアメリカ国内の雇用を支えるのだ。TPPに日本が参加したことにより、TPP参加国全体では世界のGDP の40%近く、そして世界貿易の三分の一を占めることになるのだ。
以上

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【駐米日本大使発書簡】

2013年4月12日
資料2
拝啓
安倍晋三内閣総理大臣は,TPP交渉への参加を追求するとの決定を正式に表明しました。日本政府及び米国政府は,TPP交渉参加への日本の関心に関する二国間協議を続けてきました。これらの協議の結果として,日本政府を代表して,以下を確認する光栄を有します。
これらの協議を通じて,両国政府は,日本がTPP交渉に参加する場合には,日本が他の交渉参加国と共に,2011年11月12日にTPP首脳によって表明 された「TPPの輪郭」において示された包括的で高い水準の協定を達成していくことになることを確認しました。地域で最大かつ最も発展した二つの経済大国 として,日本と米国は,経済成長を更に促進し,二国間の貿易を更に拡大し,及び法の支配を更に強化すべく,共に取り組んでいきます。
この目的のため,両国政府は,TPP交渉と並行して,保険,透明性/貿易円滑化,投資,知的財産権,規格・基準,政府調達,競争政策,急送便及び衛生植物 検疫措置iの分野における複数の鍵となる非関税措置に取り組むことを決定しました。これらの非関税措置に関する交渉は,日本がTPP交渉に参加した時点で 開始されます。両国政府は,これらの非関税措置については,両国間でのTPP交渉の妥結までに取り組むことを確認するとともに,これらの非関税措置につい て達成される成果が,具体的かつ意味のあるものとなること,また,これらの成果が,法的拘束力を有する協定,書簡の交換,新たな又は改正された法令その他 相互に合意する手段を通じて,両国についてTPP協定が発効する時点で実施されることを確認します。
米国は,自動車分野の貿易に関して長期にわたる懸念を継続して表明してきました。それらの懸念及びそれらの懸念にどのように取り組むことができるかについ て議論を行った後,両国政府は,TPP交渉と並行して自動車貿易に関する交渉を行うことを決定しました。交渉は,添付されているTORに従い,日本が TPP交渉に参加した時点で開始されます。さらに,2013年2月22日の「日米の共同声明」に基づき,両国政府は,TPPの市場アクセス交渉を行う中 で,自動車に係る米国の関税がTPP交渉における最も長い段階的な引下げ期間によって撤廃され,かつ,最大限に後ろ倒しされること,及び,この扱いは米韓 FTAにおいて自動車に係る米国の関税について規定されている扱いを実質的に上回るものとなることを確認します。
日本及び米国は,世界貿易機関(WTO)の衛生植物検疫措置の適用に関する協定(SPS協定)に基づいて並行二国間交渉の中で衛生植物検疫措置に関する事項について共に取り組む。
日本と米国は,日本には一定の農産品,米国には一定の工業製品というように,両国ともに二国間貿易上のセンシティビティが存在することを認識しつつ,TPPにおけるルール作り及び市場アクセス交渉において共に緊密に取り組んでいくことを楽しみにしています。
TPPに関する二国間の協議が成功裡に妥結したことを確認する貴使の返簡を楽しみにしています。
敬具

日本国大使
佐々江賢一郎

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【米国通商代表代行発返簡】
2013年4月12日
拝啓
TPP交渉参加への日本の関心に関する日米間の二国間協議に関する2013年4月12日付けの貴使の書簡の受領を確認するとともに,米国政府を代表して,以下に記述された内容を確認する光栄を有します。
これらの協議を通じて,両国政府は,日本がTPP交渉に参加する場合には,日本が他の交渉参加国と共に,2011年11月12日にTPP首脳によって表明 された「TPPの輪郭」において示された包括的で高い水準の協定を達成していくことになることを確認しました。地域で最大かつ最も発展した二つの経済大国 として,日本と米国は,経済成長を更に促進し,二国間の貿易を更に拡大し,及び法の支配を更に強化すべく,共に取り組んでいきます。
この目的のため,両国政府は,TPP交渉と並行して,保険,透明性/貿易円滑化,投資,知的財産権,規格・基準,政府調達,競争政策,急送便及び衛生植物 検疫措置iの分野における複数の鍵となる非関税措置に取り組むことを決定しました。これらの非関税措置に関する交渉は,日本がTPP交渉に参加した時点で 開始されます。両国政府は,これらの非関税措置については,両国間でのTPP交渉の妥結までに取り組むことを確認するとともに,これらの非関税措置につい て達成される成果が,具体的かつ意味のあるものとなること,また,これらの成果が,法的拘束力を有する協定,書簡の交換,新たな又は改正された法令その他 相互に合意する手段を通じて,両国についてTPP協定が発効する時点で実施されることを確認します。
米国は,自動車分野の貿易に関して長期にわたる懸念を継続して表明してきました。それらの懸念及びそれらの懸念にどのように取り組むことができるかについ て議論を行った後,両国政府は,TPP交渉と並行して自動車貿易に関する交渉を行うことを決定しました。交渉は,添付されているTORに従い,日本が TPP交渉に参加した時点で開始されます。さらに,2013年2月22日の「日米の共同声明」に基づき,両国政府は,TPPの市場アクセス交渉を行う中 で,自動車に係る米国の関税がTPP交渉における最も長い段階的な引下げ期間によって撤廃され,かつ,最大限に後ろ倒しされること,及び,この扱いは米韓 FTAにおいて自動車に係る米国の関税について規定されている扱いを実質的に上回るものとなることを確認します。
日本と米国は,日本には一定の農産品,米国には一定の工業製品というように,両国ともに二国間貿易上のセンシティビティが存在することを認識しつつ,TPPにおけるルール作り及び市場アクセス交渉において共に緊密に取り組んでいくことを楽しみにしています。
i日本及び米国は,世界貿易機関(WTO)の衛生植物検疫措置の適用に関する協定(SPS協定)に基づいて並行二国間交渉の中で衛生植物検疫措置に関する事項について共に取り組む。
貴使の書簡に対し,TPP交渉参加への日本の関心に関する二国間協議が成功裡に妥結したことを確認します。米国政府は,現在のTPP交渉参加国と共に,TPP交渉への日本の参加をできる限り速やかにかつ円滑に促進するために取り組んでいく用意ができています。
敬具

米国通商代表代行
デミトリオス・マランティス

2014年7月27日 (日)

【紹介】『韓米FTAの法的問題点と現況』

昨年10月、TPP阻止国民会議で報告された韓国のソ・サンボム弁護士の論考をようやく校正した。
すでに阻止国民会議のホームページにはアップされているが、誤記や日本法的用語ではない点などを追加校正してみた。、


知る限り、わが国では、民衆の立場から批判的にTPPに対して法律家が法的検討を加えた文献は、まだ存在しないようである。
ソン・ギホ弁護士の「恐怖の契約」を除けば、現在、日本語で入手できる唯一の法的文献ではないかと思われる。
是非、法律に関わる方々は、隣国の議論を参照していただきたい。
まだ満足できる状態ではないが、取り急ぎ公開する次第である。


日韓がいがみ合いを続けるのは、国民にとっては、百害あって一利なしである。
分断して、支配し続けてきたのが、米国の戦後アジア政策ではないか。


ソ・サンボム弁護士「韓米FTAの法的問題点と現況」(PDF)



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2014年7月14日 (月)

クローズアップ現代 「『集団的自衛権』菅官房長官に問う」 全文書き起こしサイトのご紹介

クローズアップ現代の「『集団的自衛権』菅官房長官に問う」での国谷裕子キャスターの質問について週刊フライデーが「安倍官邸がNHKを“土下座”させた一部始終」として報じたことが話題になっている。


The Huffington Post
投稿日: 2014年07月11日 19時43分 JST 更新: 2014年07月12日 00時38分 JST
「NHK『クローズアップ現代』を首相官邸が叱責」フライデー報道 菅官房長官は否定


幸い、現在のところ、以下のページに動画と全文書き起こしが掲載されているので、ご紹介します。
In the Eyes of Etranger
2014.7.13
(書き起こし)クローズアップ現代『集団的自衛権 菅官房長官に問う』抜粋引用+再校正(+未記載部分) 」 


貴重な書き起こしに深謝します。


なお、官邸筋が激怒して圧力をかけたのは、事実でしょうが、国谷氏が「人目もはばからず涙を見せた」というフライデーの描写は、「強い抗議を受ければ、女は泣きじゃくるだろう」という先入観によるもので、「結婚しないのか」と同じ男性目線からの物語じゃないですかね。


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2014年7月11日 (金)

国民安保法制懇 名古屋に来たる! (名古屋近郊の方拡散希望)

国民安保法制懇は、安倍ちゃん私製法制懇のような密室審議を拒否します。
広く国民に開かれた議論を行うため、公開懇談会を各地で行うとのことです。

第一弾が、名古屋で開かれます。
7月27日、メンバー4名が来名し、愛知県弁護士会と共催で、最初の地方公開懇談会を行います。

司会を務める川口創弁護士は、自衛隊のイラク派兵差止訴訟で、画期的な名古屋高裁違憲判決を勝ち取った同訴訟弁護団事務局長です。

Kokuminanpo140727

ご関心のおありの方、ご参加をお願いします。

PDFファイルをこちら にアップします。
広げていただけると幸甚です。

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2014年7月 9日 (水)

ご存じですか「国民安保法制懇」  週刊プレイボーイを買おう

週刊プレイボーイ7月21日号(7月7日発売中)が集団的自衛権容認反対の特集記事を組んでいる。

集団的自衛権にNO!「国民安保法制懇」ってなんだ?


すっかり、世の中をお騒がせチューの安倍ちゃんは、お友だちを集めた「安全保障の法律的基盤の再構築に関する懇談会」(略称「安保法制懇」)に「集団的自衛権行使容認ありき」の報告書を出させて、憲法なぞ知ったことかの解釈改憲まっしぐらである。


「決められる政治」はトップダウンなのだ。
メンバーは安倍ちゃんが選んで、座長も安倍ちゃんが決めて、事務は内閣官房で行う。
なんてたって安倍ちゃんの意見が通るようにできているのだ。


そんな安倍ちゃん私製の「安保法制懇」に対抗すべく、「国民安保法制懇」が立ち上がった。
メンバーが凄い。
大森政輔(まさすけ)、阪田雅裕両氏は、内閣法制局の元長官で、歴代政権の憲法解釈を支えてきた第一人者だ。
憲法学者も、重鎮樋口陽一東大名誉教授や、理論派として名高い長谷部恭男早稲田大学教授、改憲派の論客、小林節(せつ)慶應義塾大学名誉教授ら憲法学会を代表する面々が揃う。
何と、マチベンが、差止訴訟弁護団に加わった、自衛隊のイラク派遣当時の元防衛省防衛研究所長の柳澤協二氏まで加わっている。


そんな憲法を知り尽くしたメンバーが、安倍ちゃんの国家私物化クーデターを許さじと、「国民の生命、自由、幸福追求」の権利を守るため、集団的自衛権行使容認に反対して立ち上がった。


詳しくは、集団的自衛権にNO!「国民安保法制懇」ってなんだ?を見てもらおう。


とにかく今や健全なメディアは、スポンサー収入ではなくて、コンテンツで勝負する雑誌くらいしか存在しないのだ。
硬派の男性諸氏は、是非、週刊プレイボーイを買ってくださいな。


なお、ISDでマチベンが取材を受けた中で最もわかりやすいと評判なのが、やっぱり週刊プレイボーイの記事だった。
まだ、WEBに記事の抜粋が残っているのは嬉しい。
TPP参加で危険視される「ISD条項」の正体とは?


前にもアップしたけど、完全版PDF を改めて、アップしておこう。
TPP、日米FTAによる経済植民地化は、現在深く潜行して着々と進行中である。


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追記 国民安保法制懇のホームページはこちらです。
設立宣言、力強いです。

2014年7月 5日 (土)

現実遮断・批判精神の衰退  たかがサッカーまでも

W杯サッカーの日本代表は、『史上最強』で、『優勝』をねらえるチームという触れ込みだった。
いいところなく、早々と一次リーグで敗退した。


大会直前の46位というFIFAランキングは、本大会出場を目前にしてアジア予選を敗退したドーハの悲劇の1993年の43位より低いのだから、一次リーグ突破は容易ではないというのが客観的見方だったのだろう。
一次リーグが終わるまで、メディアがチームのFIFAランキングに触れることはほとんどなかった。
ベスト8が出そろってから、目にするようになった印象である。
都合の悪い数字は隠して、現実を無視して、『史上最強』チームと煽ったのだろう。


ベストエイトが出そろってみれば、ランキングは、正直である。
ドイツ 2位
ブラジル 3位
アルゼンチン 5位
コロンビア 8位
ベルギー 11位
オランダ  15位
フランス 17位
コスタリカ 28位
コスタリカは奇跡と言われているのだから、日本が「優勝」などとおよそ口にできる状況になかったことは明らかだろう。


たかがサッカーであるが、たかがサッカーまでも、現実遮断されている。
かつては信頼に値したと思われたサッカージャーナリストも『史上最強』のお墨付きを与え、メディアの煽りに加担する。



日韓大会の日本代表トルシエ監督は、批判にさらされ続けたが、結果を残した。
念のため日韓大会のあった2002年5月の日本のFIFAランキングは32位だ。
昨年来、日本代表のランキングは降下の一途を辿り、40位台をさまようようになった。
しかし、ザッケローニ監督に対する批判は大会が終わるまで、ほとんど聞かなかったように思う。
ザッケローニ監督の4年間は、そのまま日本社会が批判精神を失う年月に重なる。


今や、『美味しんぼ』のようなマンガ表現ですら、現実を批判しようとすると、厳しいバッシングを覚悟しなければならない。
守られるのは、結局、電力会社の利益だ。


「現実は完全にブロックされ、管理下にある」状況は今や、たかがサッカーにまで及んでいる。
経済成長・企業の利益のためには、現実は遮断されるのだ。


批判を封じ込める社会は、衰退するだろう。


無謀な太平洋戦争に突き進んだ状況を想起するのは、たやすそうだ。
サッカー日本代表を『史上最強』と煽ったメディアの視聴率至上主義は、そのまま無謀な太平洋戦争への突入を煽った新聞の部数第一の姿勢に重なるだろう。


しかし、僕には今、日本を襲う状況は『ショックドクトリン』の冒頭に描かれた人体実験に似て見える。
同書は冒頭、狂気じみた感覚遮断実験の模様から始まる。
感覚遮断された人間は正常な判断能力を失い、容易に操作されるようになる。
シカゴ学派によるウルトラ自由主義の運動はこの実験を応用し、ウルトラ自由主義を世界中にばらまいていった。
日本は今、原発事故を発端とした感覚遮断の真っ只中にある。
その方向は極端な新自由主義と企業利益不可侵の世界を向いている。


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2014年7月 2日 (水)

『敵』か『味方』か  峻別される日本国民

自衛隊イラク派兵差止訴訟(名古屋地裁)第1回口頭弁論における原告代表池住義憲氏の意見陳述から。


池住義憲氏は、日本における国際NGOの草分けの一人だ。
同氏は、ベトナム戦争終結時、南ベトナム、サイゴンから30㎞ほどにあるフー・バン難民臨時収容村で、戦火を逃れてくる難民の支援を行っていた。

同氏は、子どもたちを対象にしたデイケアセンター開設し、保育所のような活動をしていた。
人道支援を明らかにするYMCAの旗をセンターの前に掲げた。
同氏は、その活動をつぎのように述べている。


私は、ヴェトナム人スタッフとともに、子どもたちに歌やゲーム、ヴェトナムの絵本朗読、お絵描き、簡単な識字クラスなどを行いました。間もなく子どもたちは笑顔を取り戻します。生き生きとした子どもたちの笑顔は、私のすべての苦労を吹き飛ばしてくれました。戦争中であるのに、子どもたちは本当に素晴らしい笑顔を見せてくれました。私は行く先々で「チャオ・ミー」(『アメリカ人さんこんにちは』の意味。ヴェトナムの子どもたちは、外国人をみると皆こう呼びかける)と親しく声をかけてくれる子どもたちに囲まれました。


戦況が悪化し、撤退を余儀なくされた同氏は、サイゴン陥落の翌日(1975年5月1日)、難民村の様子が気にかかり、難民村を訪れる。
そこで体験したことを彼は次のように述べている。


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5.「赤ちゃんを殺したのは私だ・・・」

サイゴン解放の翌日(5月1日)朝、私はヴェトナム人スタッフのクゥワォンさんのバイクに乗ってフー・バンへ向かいました。何より私が関わった難民村の子どもたちが今どうなっているかが気がかりでしたから。その道すがら、燃えた戦車から脱出しようとして力尽きて死んでいる南ヴェトナムの兵士、民家に突っ込んだトラックの荷台に折り重なって死んでいる3人の兵士などを目の当たりにしたのでした。



 フー・バン難民村に着くやいなや、私はクゥワォンさんと二人でデイケア・センターの所まで以前と同じように歩いていきます。しかし、なにかが違う。空気、雰囲気、冷たいくらいの静けさ、人々の目線・・・。



以前であれば、私が難民村に足を踏み入れれば、多くの子どもたちが寄って来て「チャオ・ミー、チャオ・ミー」と笑顔で親しく話し掛けてきた。でもその日は、違う。はっきり違う。誰も寄って来ない。



 間もなく、デイケア・センターの場所に到着。人気(ひとけ)が感じられない。周囲を歩いて回る。すると、難民村にいた1人がクゥワォンさんになにやら報告している。
「ロケット弾が二発、打ち込まれた」とのこと。着弾した場所はいずれも、私たちが開設したデイケア・センターの敷地内だというのです。2万人いたこの広い難民村に対して二発、しかもそれがここだけに着弾。



 すぐにロケット弾が着弾した場所に行ってみました。すると、ヤシの葉っぱで作った部屋の仕切りに血が飛び散っている。跡がそのまま、残っていた。屋根には穴が空いている。赤ちゃんが、1人、死んだ、という・・・。



 誰も私に声をかけない。誰も私を責めることをしない。でも私にはすぐにわかった。
ロケット弾がここに着弾したのは、それは、私がデイケア・センターのシンボルとして広場の真中に高いポ-ルを建て、YMCAの旗を掲げたからです。解放軍は、フー・バン難民村の一角のここに通信の拠点があるか、または私のように「チャオ・ミー」と呼ばれる外国人が度々足を踏み入れていたから何かあると思ったのでしょう。私の善意とは関係なしに、解放軍にとっては、YMCAは結局米国「側」の組織、米国側に「加担」している団体に写っていたのです。



 背筋が凍りました。言葉が出ない。私は、周りにいるヴェトナム人の目を見ることができませんでした。
「赤ちゃんを殺したのは私だ」との自責の念が、私に強く襲い掛かってきました・・・。


(略)

2004年6月18日


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彼が人道支援のシンボルとして掲げたYMCAの旗は、北ベトナム軍にとって、「アメリカ」を意味し、「敵」を意味した。
その結果、赤ちゃんの命を奪うことにつながった。
同氏にとっては、それはあまりにも重い体験であった。


 私は、日本でNGOという言葉が一般に知られる以前から、もう30年以上にわたってNGO活動に携わってきました。しかし、今お話しましたヴェトナム、フー・バンでの経験は、今でも私の中で、整理することができない原体験となっています。私の背負った原罪のように私を苦しめています。29年間、この体験を語ることができませんでした。


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集団的自衛権行使容認には、長く国際人道支援活動に従事してきた民間NGOの多くから、活動を阻害するとして強く反対の声が上がっている。



駆けつけ警護による民間NGOの保護などという事例を上げられることは彼らにとっては、有害以外の何物でもない。
現地の人脈などで独自に彼らは、自らの活動の安全を図ってきた。
どの勢力にも偏らない、中立であることに対する現地の人々からの信頼こそが、その活動の基盤だ。


政府の集団的自衛権行使容認は、個人を全て「敵」か「味方」か峻別する。
日本国民であるというだけで、「敵」か「味方」かに分けられるのだ。


昨年アルジェリアで起きた日揮の日本人人質殺害事件は、すでにイスラム武装勢力にとって、日本人は「敵」と識別されていることを窺わせる。


集団的自衛権行使容認を掲げた2014年7月1日以降、私たちは、個人である前に、日本国民という集団的属性によって、明確に「敵」か「味方」かに峻別される歴史を生きることになる。



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