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2014年8月29日 (金)

相手国を犯すような、米国議会「承認手続き」なるもの

 TPPには、驚かされることばかりである。


1 オバマ大統領には、TPP交渉の権限がない


2 他の加盟国はTPP協定に適合するように多数の法令や制度の改廃を迫られ、場合によっては慣行も変えなければならないが、アメリカは法律や条例はむろん行政も法解釈も全く変える必要がない


それで唖然としていたら、また追加があった。
米国議会がTPPを承認し、TPP履行法を可決しても、TPPが効力を生じるまでには、まだ関門があるという。

米国議会は、相手国の国内法や国内制度等がTPPに適合しているか否かを審査できるというのだ。
審査の上、米国議会が納得するまで国内法令や制度等を変えなければ、TPP承認の通知を相手国に発さないので、米国に対するTPPの効力は生じないという。

 

注目の論文は、「STOP TPP!!市民アクション」のサイトに掲載された、ジェーンケルシー教授、サンヤ・レイド・スミス弁護士らの
TPP等の貿易協定発効前に交渉参加国に対して法律変更を求める米国の法的「承認手続き」に関するQ&A
だ。
マチベンにとっては、とにかく英語が最大の非関税障壁である。
翻訳を実現した内田聖子氏らの尽力に感謝したい。


さて、同論文によれば、こうなる。
米国議会が、TPPの発効前に相手国を身体検査し、不適合部分は治療させる、相手国が自分で治療しなければ米国自らが手術することもいとわない。
TPPに書いていないことでも、米国議会が要求する事項については、治療して治さなければならない。


この過程では、すでに各国の議会が承認した協定について、さらに議会が望むように新たな事柄を書き加えることもできるというのだ。


むりやり相手国の中に手を突っ込んで、国内法制を作り替える。
そんなことをされたらどんなに嫌かという想像力は、世界最大の覇権国には、さらさらない。
自由貿易協定は、米国にとっては、経済占領協定くらいに思っているのだろう。


この手続きは原語では「Certification」とされているので、ストレートに「証明手続き」、「認可・認証手続き」と読んでもいいかもしれない。
とにかく米議会のお墨付きがないと、自由貿易協定は発効しないという訳だ。


挙げられている国は、エルサルバドル、コスタリカ、ニカラグア、パナマ、グアテマラ等々。米国からの諸政策変更リストが実現されたか、法案の事前検閲、立法過程の監視、相手国政府との密接な協議などの手法が挙げられている。
甚だしくは、ペルーが、35の法律を制定するのを、米国政府法律顧問が直接に支援した。
相手国の法整備を、直接、米国政府が介入して実行した。
過去、米国が攻撃し、勝利した国相手にしてきたようなことを、「自由貿易協定」を道具にして行っているのだ。


こうした審査の中には、協定上の文言が曖昧で、解釈の余地のあるものもあるが、米国の主張する解釈に従わなければ、協定を発効させない。


協定本文に記載がなくても、米国政府が口頭で合意したと理解しているところは、従わなければ協定は発効しない。
エルサルバドルは、米国の検査を通過した食肉と乳製品について、自国の検査なく、そのまま安全性を承認することになった(同等性の承認)。
またグアテマラは、協定に記載がないのに、医薬品データ保護の延長措置等を採らされた。


韓国は、権限ある大統領と交渉し、米韓FTAを2007年6月30日に署名したが、4年後に、自動車安全基準に関する追加の条項に合意させられた。


TPPでは、TPP署名後に、米国から再度、為替操作に関する規則に関する合意をするように持ち出される可能性がある。
「ある問題が決着した直後に、新たな問題が生じるという中米自由貿易協定の実施手続きに困弊した」というドミニカ共和国政府の言葉は、グローバル資本の制する米国との交渉がいかに不毛なものかを象徴していよう。


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