『世界の中心から滑り落ちる日本』 ドル換算GDP中国の半分に 円安換算で縮む日本
「『世界の中心で輝く日本』を再び取り戻そうではありませんか」と、テンション高くぶち上げる安倍晋三。
その前日、某紙には、安倍晋三に冷や水を浴びせる見出しが躍っていた。
「ドル換算名目GDP中国の半分に」
「円安進行で縮む日本」
「輸出押し上げ効果縮小 資源価格低下も打ち消し」
「名目GDPの日中格差は拡大」とある。
見れば、安倍晋三が政権をとった12年、日本のGDPは世界の6%台を回復、さらに伸びる勢いだった。
それが安倍晋三が政権をとった途端、急落した。
中国が10.4%と米国に迫る勢いであるのに対して、4.8%に転落している。
脱原発政策も含め順調に経済成長しているドイツが3.8%と日独逆転も目前の様相である。
こんなグラフも掲載されている。
グラフの薄い線の方がドル換算である。
世界の中心で輝くどころか、安倍支配下の日本は、世界からまっしぐらで滑り落ちている。
こんな批判的な記事が出ているのは、朝日でも毎日でも中日でもない。
日本経済新聞(12月1日)である。
日経は、一方でリフレを目的とする金融緩和には賛成というのだから、日経のスタンスは支離滅裂だ。
が、世界規模で見て日本経済の存在感が失われつつあるとの指摘は、しごく真っ当である。
そういえば、年金資産運用変更に真っ向から反対している議員を見つけた。
神戸市での街頭演説である。
(安倍政権は)年金保険料の株式への運用を拡大し、株価を上げている。世界で何かあったら、株は暴落する。皆さんの年金資金に大きく穴が開き、将来もらえる年金の元手が大きく減る。今はいい。しかし株が下がったときに誰が責任をとるのか。安倍さんですか、(金融緩和政策を進める日銀総裁の)黒田さんですか?安倍さんが大金持ちでも、何十兆もの損を埋めるだけのお金はない。大変危険な方法で、経済が良くなっているように見せるため、株価をつり上げている。アベノミクスは続けるべきじゃない。薬で体が良くなることはあるが、飲み過ぎてはだめだ。やり過ぎてはダメだ。やり過ぎているのがアベノミクスだ。アベノミクスはおかしいんちゃうか、と方向転換を促さないといけない。
至極まっとうな批判である。
だれあろう、よりにもよって、民主党の前原誠司氏である。
ごりごりの新自由主義者で、労働組合とも縁が薄いと思われる前原氏が、せっかく社会保障をまるごと市場に投げ込もうという新自由主義の大戦略に異議を唱えている。
共産党すら政策に取り上げないのに、である。
安倍直系国営放送である、NHKが繰り返し、実質賃金は15ヶ月連続低下と報じている。
(ということは、安倍政権誕生まもなくから、実質賃金が低下を続け始めたということである)
御用放送まで、何やらアベノミクスに批判的なのである。
最もアベノミクスや安倍を礼賛しそうなグループが、正面からアベノミクスに批判の矢を放つ。
何が何やらわからぬ世の中ではあるが、アベノミクスが大失敗であることだけは動かぬ事実のようだ。
一連の右翼的な安倍の言動が、戦後日本人が営々として築き上げてきた平和国家日本の評価を地に落としつつある。
誤った外交発信が大失敗なことはやがて嫌と言うほど痛感させられる日が来よう。
経済もまた、しかりなのである。
冷戦の果実を享受していたにせよ、経済大国を作り上げる先人の苦労は並大抵のものではなかった。
しかし、壊すのは、簡単。操作しやすいバカを一人トップに据えればいいだけなのだ。
各紙が伝える、安倍圧勝の選挙後に続くであろう、経済の大混乱。
それに乗じて無抵抗な庶民に情け容赦なく放たれる第3の矢。
アベノミクスの総仕上げ、グローバル企業による大規模経済侵略の日本解体が本格化する。
追記 マチベンは、およそ日経とは縁遠い生活をしている。
たまたま手にする機会があった日経の記事を拾ってみただけだ。
弁護士事務所の経営は、どこも苦しい。
今年は事務員にボーナスが出せなかった。
生活ができないので、転職されるとのことで、過日、退職願を受け取った。
低レベル賃金で、多年にわたって貢献してくださった事務員に感謝である。
マチベンの事務所は、よく事務員が育つ。
優秀な事務員を輩出する事務所として知られているのではないかと思う。
またまた優秀な事務員を輩出した。
これもそれも、庶民生活の破壊と、米国の対日要求に従った弁護士激増政策がもたらした構造的ひずみである。
と、自分の経営才覚のなさは棚に上げて、政治を批判してみるマチベンである。
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