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2015年4月の22件の記事

2015年4月29日 (水)

今、朝日新聞がすごい!!

読売新聞 1面トップ
日米同盟「世界の平和に貢献」…両首脳が強調

 

 

毎日新聞 1面トップ
日米首脳会談:共同声明 安保・経済で同盟強化 TPP進展を歓迎 戦後70年「和解の模範」

 

日本経済新聞1面 トップ
日米首脳、安保・経済で中国けん制 共同会見

 

念のため東京新聞1面トップ
「辺野古に基地」再確認 同盟強化で日米首脳 


対する朝日新聞1面トップ
核兵器使用は「壊滅的で非人道的」 日米共同声明を発表 

2015年4月29日02時39分

角度つけすぎだろおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!

いったん頭を垂れると、やっぱり靴の底まで舐めるか、忠誠心を試されるw

 

誰かが頭を垂れると次がやられるパターンが続いている。
朝日新聞が頭を垂れなければ、クローズアップ現代が狙われることはなかった。
いずれネットの番が来ることは、みんな知っている。

 

だから自分の順番が来たら、頭を垂れないのが大事。
福島瑞穂氏が、頭を垂れないので、「戦争法案」議事録削除要求が取り下げられた。

福島氏が噛みついていてくれる、おかげで、順番が遅れて、誰かが救われている、そんな関係。

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2015年4月28日 (火)

【ひんしゅく拡散チュー】  残業代ゼロ法 塩崎恭久厚労相 本音ポロリ

東京新聞4月25日(共同通信配信2015年4月24日
Siosakihonnne

書き起こしによれば、2015年4月20日早朝、日本経済研究センターの『会員会社・社長朝食会』の席上で、塩崎恭久厚生労働大臣は、次のように語った。

「高度プロフェッショナル制度はまあ、1千万円以上もらっている人って、実は働いている人の4%くらいしかいないんですね。

そのうちの1・5%は役員ですから、残り2・5%でそれも希望者だけとなればものすごく少ないところでスタートするんですけど、まあ、我々としては小さく産んで大きく育てると いう発想を変えて、まあ、時間法制ではかからない、労働時間法制はかからないけど、健康時間ということで別の論理で健康はちゃんと守って、だけどむしろクリエイティビティを重んじる働き方をやってもらうということで、まあ、とりあえず入っていくので、経団連が早速1075万円を下げるんだといったもんだから、すったもんだが、まあ質問がむちゃくちゃきましたよ。

ですから皆さん、それはぐっと我慢して頂いてですね、まあとりあえず通すことだと言って、ご理解いただけると大変ありがたいと思っています。」

 

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2015年4月27日 (月)

日本法律家とTPP、なかんずくISD  内在化する米帝植民地主義

僕が、ISD条項に踏み込んだ発言をするようになったきっかけは、韓国裁判所の裁判官166人が、米韓FTAのISD条項の問題点を指摘して、検討する専門のタスク・フォースを設けることを、韓国最高裁に、公然と要求する建議をしたことを知ったときからである。


その全文翻訳は他にないと思うので、改めて紹介しておきます。


2012年1月10日 米韓FTAに対する韓国裁判官による建議書全文 TPP4


その後、米韓FTA交渉中の、2006年7月に韓国法務省と韓国最高裁判所がまとめた報告書の翻訳をしてもらい、これを法律校正する機会を得られた。


パク・チュソン「投資家-国家紛争解決手続 国内法律機関等の検討」


献身的に翻訳してくださった、極めつけに優秀な通訳である李洋秀氏の協力があって初めて、これらは可能になった。


韓国法務省と韓国最高裁の検討結果を紹介したのが、2013年1月頃だ。


韓国の法律専門家が真剣に悩んでいる、こうした議論を紹介すれば、当然、日本でも法律家による議論が巻き起こるに違いないと僕は、当時考えていた。
その期待は見事に裏切られた。


残念ながら、未だに、ISDに懸念を示す立場からの、これに匹敵する、どころか、一言半句たりとも、法律家による専門的な立場からの批判的分析が日本では存在しない(と思われる)。
米国だろうが、欧州だろうが、韓国だろうが、見られる当然に存在する、法律専門家による法律的な批判が皆無なのだ(と思われる)。


日本も韓国も米国の属国であるが、少なくとも公法分野の法律家は、日本の方がはるかに米国に対する植民地意識を内在化していると言わざるを得ない。


メディアの体制順応だけではなく、この国では、あらゆる分野で、社会的地位を確立した人々に、独立した精神というものが、見られないという深刻な事態になってる可能性がある。
バカ(頭が良いかどうかは、バカかどうかとは関係がないので、失礼がないために念のため申し添える)ほど上に行けるのが植民地の統治構造の特徴である。
植民地支配は明らかに強烈になってきているし、自らそれと気づかぬまま内在化している連中がのさばっている。


という、身もふたもない怒りで、唐突に今日のブログはおしまい。


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2015年4月25日 (土)

エマニュエル・トッド 『デモクラシー以後』から抜き書き 『自由貿易』から協調的保護主義へ

日米交渉の有様を見ていると、『自由貿易』というのは、いかに相手がいやがることをするのかを競うものに見える。

 

うろ覚えだが、アダム・スミスは、「自分がやられていやなことは、相手にもしない」、あるいは逆に「相手がやられていやなことは、自分に対してもしてこない」という人としての最低限の同感性を、自由市場の基礎に置いていたと思う。

 

『自由貿易』と称して、相手がいやがることを競って、やり合うさまを、アダムスミスが見たら、なんと言うのだろう。

 

 

経済成長のためには格差はやむを得ない(OECDが統計的な分析を通じて明らかにしたように、経済成長のためには格差は是正されなければならないのが真実である。)と思い込まされているのと同様に、自由貿易以外の選択肢はないように思い込まされている。

 

エマニュエル・トッドは、トッドにとっては耐えがたいほどに壊れ始めている、フランスの民主主義の中から、民主主義の復権のために、自由貿易に代えて、協調した保護主義の採用を主張している。

 

「デモクラシー以後」から、保護主義に関する印象的な言説を引用する。

---------------------------------------------

【保護主義は給与の再上昇を通じた需要の拡大を通じて良い貿易を拡大する】

 

自由貿易に対する私の批判は、国際経済の教科書にも示されているような自由貿易の否定的な要素だけに向けられたものではありません。
国際経済の教科書の中に出てくるのは、不平等の拡大です。
それに対して、私が1998年に『経済幻想』の中で告発したのは、自由貿易が世界需要にもたらす否定的な効果であって、私はこれを本書の一つの章(第6章)の中で凝縮した形で再び採り上げています。

 

私に言わせると、保護主義の究極の観念とは、他者から身を護ることを本旨とするものではなく(もちろん保護主義のサイクルの第一局面は、そういうものになりますけれども)、給与の再上昇の条件を作り出そうとすること、したがって需要の再始動の条件を作り出そうとすることなのです。
そして私が提案していることの逆説とは、保護主義の採用で保護される地理的総体、例えばEUの中で、給与が再び上昇するなら,最後は輸入が再び増加に転じるに至る、ということなのです。

 

それは以前とは別の形の、別の種類の輸入増加、おそらくより質の高い輸入増加となるでしょう、要するにそういうことなのです。

 

【保護主義・自由貿易主義はイデオロギーであってはならない。社会や歴史の多様性にしたがって使い分けられるべき手段に過ぎない】

 

自由貿易主義者と保護主義者の間には、根本的な違いがあります。
自由貿易主義者には、イデオローグがいます。自由貿易主義の思想の歴史を見てみると、彼らは極めて単純化された公理系を持った人々で、自分たちが持っているシステムは永遠に良いもので、理想的なシステムであると考えています。
極めて単純ないくつかの法則から、彼らはその結論を導き出すのです。

保護主義者は、諸要因が複雑に絡み合っており、社会は多様であって歴史上の時代も多様である、という形で思考する人々です。

彼らは常に、歴史上異なる局面が相次いで継起するという考え方をします。

保護主義者にとって、永遠に良いシステムは存在しません。

 

フリードリッヒ・リストを読めば、その点は実に明白です。

彼には、一つの国は、出発点においては、発展するために抵抗しなければならない、自らを保護しなければならない、それはテイクオフをするためであり、それから次の段階に進んだところで、それが支障を来すことがないようなら、国を開くことになる、という考えがあります。

当初の保護主義理論には、保護主義から自由貿易へと移る、ただしいつでも保護主義に戻る可能性は確保しておく、というシークエンスの考えが見られます。

 

我々は歴史の中で生きるのであり、歴史は続きます。

私はリストの本のフランス語版に序文を書きましたが、その中で私が到達した結論は、いつの日かわれわれは、唯一最適な態度とは、自由貿易から保護主義へ、保護主義から自由貿易へと際限なく移行を繰り返すのが適切であるとする態度だ、と気づくだろうというものでした。

経済に活力を与えるために国を開き、次いで活力を与えるために国を閉ざさなければならない、そうした時期があるのだと。

 

【自由貿易主義のイデオロギーがヒトラーの台頭を許した。自由貿易以外の選択肢があることを経済学者が示していれば、ドイツの深刻な失業問題はヒトラーによることなく解決できたであろう。】

自分はケインズ以後のものであると信じている経済学者が、金融緩和的な通貨管理を主張し、より、ケインズ以前的なのである。

 

早くも1933年に、ケインズは、情勢によっては自由貿易が誤りとなり得ることを認めた論文を発表している。

彼は、結果的には、ヒトラー国家の投資政策の理論化をやらざるを得なかったのだ。

ヒトラー国家は、自由民主主義諸国に先立って経済学の正統教義の支配から抜け出し、『一般理論』の刊行時にはすでに350万の失業者を抱えたドイツを、失業者120万にまで回復させていた。

いずれそのうち、ケインズ以前の自由貿易主義経済学者たちの、ナチズムの興隆に対する貢献の歴史を書かなくてはならないだろう。

彼ら(=自由貿易主義経済学者たち)がいなかったなら、ドイツは、ヒトラーを待たずとも失業問題を解決していたはずなのだ。

 

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2015年4月23日 (木)

【息抜き】 再掲:『純と愛』 モノローグ全文書き起こし

朝ドラ史上、記録的な低視聴率を記録し、不評の嵐に見舞われた、「純と愛」であるが、僕は、朝ドラ史上、最も、惹かれるドラマだった。
以下は、多分、最終回だったかの、純のモノローグである。
放映された2013年3月から、2年経った今、このモノローグは、僕には、よりいっそう切実に見える。

安倍暴走独裁政権下で、苦闘している仲間たちは、どう思われるだろうか。
ちょっとした、息抜きタイムで引用してみる。

なお、2013年4月頃、TPP関連、ISD関連で書いたブログ記事は、正確に丹念に書き込まれたものであるので、自分で言うのも何だが、今でも十分に参照に値する記事が多い。
ここの当たりが押さえられていれば、最新版ISD条項に対するパブリックシティズンの評価も半分くらいは理解できるのではないかと思う。
知識の整理に有益であるので、お勧めしたい。

 

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--------2013年4月2日のブログより-------

どんなに風が吹いても、どんなに雨が降っても、
たとえ嵐や洪水になっても、どんなに不幸に襲われても、
苦しさに耐えて血反吐を吐き、はいつくばってでも生きていく。
どんなに寂しくても、不安でも、
どんなに人にバカにされても、自分を見失わず、
明日は晴れると信じ、勇気と情熱と希望を持ち続ける。


このホテルと、大切な仲間だけは、何があっても守ってみせる。
絶対に失ったりしない。
そのためにも、もっともっと賢くなりたい。
我慢強くなりたい。
母のように優しくなりたい、父のように純粋になりたい、
兄のように広い心を持ちたい、弟のように自由でいたい。
姉のようにたくましくなりたい。
おじいのように愛する人のために一生を捧げられるような人間になりたい。
強い者には決して屈せず、弱い者には、いつでも味方できる人間になりたい。


もう下を向かない。
自分のできることを一日一日やり続ける。
自分の家を守る。家族を守る。
自分の信じたことを伝える。
この世界から笑顔をがなくならないように命を捧げる。


この空や海に比べれば、あたしたち人間は本当にちっぽけな存在かもしれないけど、
でも、私たちは未来を変えることができる。
よりよい世界を作ることができる。

もう神様がいても頼らない。
奇跡を起こすのは、神様じゃなく、あたしたち、人間なんだから。 
たとえ、いとし君が、…この世で一番大切な人が、
一生目覚めなくても、あたしは死ぬまで町田純であり続ける。

と、決めた。

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2015年4月22日 (水)

【資料メモ】 緊迫する米国のTPP情勢

米国のTPP情勢が、安倍晋三の訪米=日本総理として初の上下院合同会議における演説に合わせて動いているのは、偶然ではないような気がする。

日米ガイドライン、有志国連合(場合によっては南シナ海は「我が軍」に任せろ)、TPP決断なんていう3点セットではやりきれない。

間違っているのはオバマである、
ウォーレンは正しい。
このままバキュームあるいは、攪拌活動を続ければ、そのうちに0.1%のために99.9%が犠牲にされるに違いない。
とにかくシステムの中心を、まず止めること。

--------------------------------------------

https://www.facebook.com/groups/whatisTPP/permalink/1651277798426575/

米議会のTPA審議状況 石塚幾太郎 TPPって何?新館 

「上院」
4月21日上院財政委員会のTPAに関する追加公聴会が開かれ、4月22日には、TPAを含む貿
易関連の5法案のマークアップ(審議・採決)を行うとハッチ委員長が発表。

4月22日EST10時45分(日本時間23日0時45分)
TPA法案、TAA(貿易調整支援)法案 、アフリカ成長機会法、一般特恵制度、ハイチに
対する特恵関税措置と関税再授権。

「下院」
4月22日EST15時(日本時間23日5時)
TPAに関する公聴会
証言者;プリツカー商務長官、ルー財務長官、ヴィルサック農務長官の3名
http://waysandmeans.house.gov/calendar/eventsingle.aspx

4月23日EST9時(日本時間23日23時)
下記法案のマークアップ
アフリカ成長機会法、TPA法案、TAA法案、他貿易関連法案
http://waysandmeans.house.gov/calendar/eventsingle.aspx

「本会議採決の予測」
上院 4月27日の週
 (下記、ロイター21日付ルー財務長官の為替操作条項警告の記事)
下院 4月27日の週、上院5月
 (下記、The Hill 21日付ペロシ選択、オバマかリベラルかの記事)

来週(4月27日の週)の議会招集日
 上院 4月27日~5月1日
 下院 4月28日~5月1日

安倍総理(両院合同)議会演説 4月29日

「関連記事」
The Hill紙4月21日概要
Obama turns up the heat on trade
オバマ大統領が民主党議員を説得中。MSNBCのインタビューに「ウォーレン議員は間違
っている」と批判。

下院票読み
民主党
昨年の「cromnibus」投票から、30名の民主党議員が賛成する可能性がある。
専門家は20名近いと語っている。11名の新民主主義議連はTPAに賛成投票を宣言。
民主党幹部
レビン議員(歳入委員会筆頭理事)、ホレン議員(予算委員会)は断固として反対。
リベラルの議員は彼らに続く。民主党指導部はなすがまま、ペロシ院内総務とホイヤー
幹事は、これまでの2つのTPAに反対していた。

共和党 
過半数218票の見通し不明
オバマにこれ以上権限を与えたくない
その数は、30~60票と専門家が予測
ライアン歳入委員長とティベリ貿易小委員会委員長が共和党員を説得中

ホワイトハウスは労働組合やリベラルグループと対立
AFL-CIOはここ数ヶ月全国で集会を続けている

リード民主党院内総務は、21日声明を出した。「これまでFTAに賛成したことはない、
今更支持をすることはない。単にNOではなく、全く見込みがない。法案の進行に積極的
に止めるわけではないが、財政委員会に作業をスローダウンするよう申し入れた。」
http://thehill.com/…/239646-obama-turns-up-the-heat-on-trade
(以上 The Hill記事)

「次期民主党院内総務候補のシューマー上院議員のTPA反対声明」
WSJ 2015年4月22日
米民主党内に貿易促進権限法案で亀裂-TPP批准への影響懸念

【ワシントン】米ホワイトハウスは、環太平洋経済連携協定(TPP)などの交渉権限を
政権に一任する「大統領貿易促進権限(TPA)=ファストトラック」法案の可決を議会
に求めているが、民主党の一部議員は為替相場の操作をめぐる懸念(特定国の為替操縦
に対する対抗措置)を同法案に盛り込もうとして抵抗している。オバマ大統領と予党で
ある民主党の議員との亀裂が深まっており、TPPの一括批准が脅かされようとしている

貿易促進権限法案、米超党派が提出-TPPに弾み

 ホワイトハウスと野党共和党は、TPP交渉が妥結した場合、内容を修正することなく
議会に表決させるTPA法案を支持する異例の連携を組んだ。

 しかし向こう数週間以内にファストトラック法案を議会で通過させようと努力してい
るオバマ大統領は、チャック・シューマー上院議員(民主、ニューヨーク州)を中心と
する民主党議員からの抵抗に遭っている。シューマー議員は長年、中国の通貨管理慣行
を取り締まる措置を求めており、ファストトラック法案の審議を、この措置を実現する
最後のチャンスと見なしている。中国が米国に対抗しうる経済大国として台頭し、米国
の高度な製造・サービス部門の雇用が不安定になっているだけになおさらだ。

 シューマー議員はインタビューで、「今でなければ、いつなのか」と問い掛けた。同
議員は、ホワイトハウスに13年ぶりにファストトラック権限を付与するかどうかの議会
審議は「中国の強奪的な諸政策に関する限り、恐らくもはや後がない『最終列車』にな
るだろう」と述べた。

 この通貨をめぐる戦いは、12カ国のTPP合意に向けたホワイトハウスの努力を損ない
かねない。オバマ政権はTPPは中国に対する戦略的な拮抗力になるとうたっている。TPP
にはオーストラリア、カナダ、日本、マレーシア、ベトナムなど12カ国が交渉に参加し
ているが、中国は参加していない。

 シューマー議員らは、もしそれ(対中国戦略)が目標ならば、中国が長年にわたって
輸出を有利にしようとして利用してきた通貨のレバー(為替相場の操作)をなぜ追及し
ようとしないのかと問い掛けている。

 長年、米政府当局者や議員たちは、中国が人民元の対ドルレートを管理してきたと批
判してきた。しかし一部のエコノミストは、中国政府が過去10年間、人民元の漸進的な
上昇を容認しており、人民元レートは今や市場実勢にほぼ合致していると述べている。
中国は昨年、人民元の上昇で中国の輸出が損なわれていると懸念し、人民元上昇に歯止
めをかけるため介入したが、それ以降はこの種の介入をおおむね控えているようだ、と
米政府当局者は述べている。

 ルー米財務長官は21日、上院の財政委員会幹部に書簡を送り、TPP交渉の他の参加諸
国は「貿易協定、とりわけTPPに関して、強制力のある通貨(為替)条項を(協定に)盛
り込むことを支持するつもりはないとの立場を明確にした」と述べた。

 民主党とホワイトハウスの間の争いがとりわけ深刻なのは、シューマー議員の立法上
の影響力が大きいからだ。同議員の通貨関連法案は以前、上院を通過した経緯があり、
同議員は現在、22日に予定される財政委員会の表決ないし上院本会議で、これを修正案
として提出する構えだ。

 可決されれば、同修正案はファストトラック法案全体の成立のチャンスが低下させか
ねない。それは一部の企業グループを含め、ファストトラックを支持する陣営にとって
同法案の魅力をそぐものだからだ。

 ホワイトハウスとその支持者たちは、シューマー議員の動きを阻止しようとしている
。通貨条項をTPP交渉に加えれば、妥結が近いとみられている交渉自体を難航させかね
ないからだ。また、貿易協定に通貨政策を制約するルールを盛り込めば、それがたとえ
巧妙な言い回しになっているとしても、予想外の副作用が起きる恐れがあると心配して
いる。利下げなどの緩和措置によって成長を刺激する中央銀行の正当な政策を制限しか
ねないからだ。

 最初の試練は、上院財政委員会がファストトラック法案を表決する22日になる。同委
員会のオリン・ハッチ委員長(共和、ユタ州)はシューマー議員に修正案を提出させな
いように、代替案として公聴会開催を提案するなど根回ししているが、シューマー議員
が納得する公算はほとんどない。ハッチ委員長は、シューマー議員の修正案が議事規則
にかなっているかどうか22日に判断する見通しだ。

http://jp.wsj.com/…/SB1135057317438477450280458059532090881
(以上WSJ記事)

4月21日上院財政委員会追加公聴会メモ
https://www.facebook.com/…/wha…/permalink/1650596435161378/

オバマ大統領がエリザベス・ウォーレン上院議員を批判
「彼女は間違っている」と。
http://thehill.com/…/adm…/239567-obama-warren-wrong-on-trade

リード院内総務の「Hell No」発言
https://www.facebook.com/groups/whatisTPP/permalink/1651163335104688/

ルー財務長官の為替操作条項を導入すればTPPはご破算になるとの警告
https://www.facebook.com/groups/whatisTPP/permalink/1651194131768275/

オバマとリベラルのどちらを選ぶか
ペロシ院内総務は沈黙を守っている。
本会議投票が、下院27日の週、上院は5月との予測もあるが、見通しは分からない。
http://thehill.com/…/ho…/239478-pelosis-choice-obama-or-left

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2015年4月21日 (火)

【資料メモ】 TPA(貿易重点法)の内容について

よんどころない事情で、情報分析をするいとまがない。
つきましては、例によって、最も的確な分析を提供していると思われる『方谷先生に学ぶ』のブログをご参照されることをお勧めいたします。

4月19日付記事では、為替操作条項について、きちんと書いてあります。
為替操作禁止は、TPAでは所与のことで、為替操作認定した場合に、米国が一方的に一種の経済制裁を加えることができるようにせよというのが、USTRに対する議員側の要求のようですね。

2.1 為替操作条項
 2015年版
 2章(b)(11) 通貨(2014年TPA法案と同じ)
通貨政策に関する米国の原則的な交渉目的は、米国との貿易交渉の相手国が、効果的な国際収支調整を避けるため、または交渉している相手国に対し不公平な競争上の優位を得るための為替操作を、協力メカニズム、強制力のある規制、報告、監視、透明性や適切と思われる他の手段を用いて、防ぐこと。

デトロイト(自動車関連)議員が(主唱者;レビン歳入委員会民主党筆頭理事)、TPAあるいは貿易協定に罰則あるいは相殺手段のある為替操作条項にするよう求めている。

情報開示については、日本メディアは絶対に触れないでしょうね。

2.3 ワイデン民主党筆頭理事の努力
 (1)情報開示
 議員及びスタッフへの全面的な情報開示と国民への情報開示の規定が追加された。
 (a)議員とスタッフ
  ・議員全員と議員が指名し秘密取扱許可を与えられた専任スタッフに、全ての通商交渉の機密扱いの交渉文書へのアクセスが許される。
  ・実施法(協定書条文と行政措置宣言など)は、協定署名60日前に議会に提出
 (b)国民
  ・TPA法が成立して120日以内に国民に、貿易交渉へのアクセスに関するガイドラインを示すこと
 
・大統領が協定に署名する60日前までに、USTRウェブサイトに協定のテキスト公表


 (c) USTRに主任透明性執行官の設置

 (2)議会アドバイザー及びアドバイザーグループの活動
  下院歳入委員会と上院財政委員会の元に、それぞれ5名ずつのアドバイザーを任命する。(任命者は下院議長と上院仮議長)委員会の委員長と少数派筆頭理事が入り、他のメンバーはそれぞれの議会から3名ずつ選ぶ。
 アドバイザーグループは任命されたアドバイザーで構成され、米国政府の正式交渉団に入り、アドバイスを行う。

秘密保持契約は、相手国だけが遵守させられる。
オバマの最大の交渉相手は米議会ですなんですから、当たり前ですね。

これはわかりにくいけど、TPAに付された内容を実現できない場合は、大統領権限を喪失させるという意味のような…。

 (3)TPA権限の否決
  「大統領がこのTPA法に基づく通知または協議を懈怠または拒否した。従って、同法に基づく貿易権限手続は、かかる通商協定に関して提出された実施法案には適用されない」の事例がある場合は、上院財政委委員会がTPA権限手順を適用しないと決議し否決される。上院本会議に上がっても、クローチャーモーション(討論終結動議)が60票に届かずブロックされた場合も上記事例のように否決される。

 下院歳入委員会と下院本会議も下院のルールで、TPA権限を否決できる。

これは、結局、「TPAを守っていない」と議会が認めれば、大統領の権限を奪うことができるということで、議会のご機嫌次第で、大統領は交渉権限を失うということで、大統領は、何とか交渉権限を維持しようとすると、これまでの交渉経過は無視して、論点を蒸し返したり、新たな要求を突きつけたりできるということ、ではないですかね。
オバマは、韓国や中米の国々に貿易協定の署名後に再交渉をして無理を通したことがあるわけですが、これを制度化するという意味に見えるのですが…。
TPA法案が仮に通ったとしても、交渉はしないに越したことはないです。

次のことは、僕も知っていました。
国際経済法の標準的テキストに書いてあるので、『現代農業』に寄稿したことがあります。

 貿易協定より米国法が優先するとの規定は、2002年TPA法に明確な規定がないが、全てのFTA実施法第102条(ヨルダンのみ401条)に米国法が優先するとの規定を設けている。

ウォーレン議員が多数派工作をしている。
ウォーレン議員、頑張れ。

 また、ウォーレン上院議員は、ISDSが国家主権を侵すとしてTPAとTPPに反対し、多数派工作を行っている。彼らに取ってみれば、反対する理由が2014年版に書かれていて、2015年版で何も変わっていない。

取り急ぎ、こんなところで。

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追記 TPA権限の否決については、僕の理解が間違っているようで、「方谷先生に学ぶ」のブログ4月21日が補充しているので、ご覧ください。
かなり難解なので、すぐに分析することはむつかしいです (^-^;。

2015年4月18日 (土)

ISD反対 エリザベス・ウォーレン上院議員のワシントンポストへの寄稿ほか

米国民主党の大統領候補の一人と噂される、エリザベス・ウォーレン上院議員のISD反対を呼びかけるワシントンポストへの寄稿を、TPP差し止め訴訟の会のHPが翻訳してくれた。
ご参照いただきたい。



米国では、まだ、こうした気骨ある議員が、大統領候補に取りざたされる。
そして、代表的な新聞がTPPに反対する寄稿を掲載する。
同じ事が日本であれば、どんなに空気が変わるだろうかと思うが、残念ながら、属国では考えられないことである。

バキュームのように富を吸い上げて、国民を貧困化させるシステムはますます加速している。
株価2万円台を維持するために、日銀に対してさらなる金融緩和を求める声が上がっているという。
つい半年前にサプライズ金融緩和をし、わずか半年で年金資金を使い果たした上、さらに金融緩和しろという。
フツーに考えて、このシステムは狂っている。


ウォーレン議員の寄稿を見れば、しかし、システムの中心から変わる可能性は、あるように見える。
それが、いつ、どういう形でなのかは、わからない、が。

属国の国民には、帝国の参政権がないのが返す返すも残念である。


【翻訳記事】
「TPP条項に、みなで反対しよう!」エリザベス・ウォレン民主党上院議員(ワシントンポスト2015/2/25)

    略

ISDS提訴が激増し、ますます多くの多国籍企業がアメリカ国外に本社をおきつつあることから言って、ISDSに基づく異議申立がアメリカに深刻なダメー ジを与えるのはもはや時間の問題にすぎない。恐らくすべてが悪い方向に行くだろうという前提の上で言えば、アメリカの法システムを複雑で不必要な他の選択 肢で置き換えるのは実に悪しきアイディアのように思える。

これは党利党略を超えた問題である。

アメリカの主権を信奉する保守主義者は「ISDSを受け入れたら、その権威が我々の憲法に由来するアメリカの法 廷の司法権は奪われ、それが信頼に足りない国際仲裁機関に委ねられてしまう」と憤激すべきだ。

自由主義者は「ISDSが発効したら、それは不十分な法シス テムの国々に、際限のない納税者補助金を提供するだろう」と怒るべきだ。

進歩主義者は、巨大多国籍企業が雇用や環境のルールを骨抜きにすることを許す ISDSに反対すべきだ

外国の企業に、我々の法システムの外で我々の法に異議を申し立てる特権を与えるのは、悪しき協定だ。
もしも最終的なTPP協定が『国対投資家の紛争解決』(ISDS)を含んでいたら、多国籍企業だけが唯一の勝者となるだろう。

ウォーレン議員は、ハーバードロースクールの教授でもあった。
彼女は法律家でもある。

 

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2015年4月17日 (金)

速報 オバマ大統領へのTPP交渉権限法(TPA)ついに提出される

TPPって何?新館』に最新情報が上がった。
ついにオバマ大統領に貿易交渉権限を与える法律案が、米議会に提出された。

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ついにTPA法案が提出されました。
http://waysandmeans.house.gov/news/documentsingle.aspx…

概要
http://www.finance.senate.gov/download/…

セクションごとの概要
http://www.finance.senate.gov/download/…

条文
http://waysandmeans.house.gov/news/documentsingle.aspx?DocumentID=398314

パブリック・シチズンによる分析
http://www.citizen.org/・・・/press-release-fast-track・・・

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5年以上も、さんざん交渉各国をかき回してきた、無権代理人のオバマ大統領に交渉権限(但し、交渉権限を与えた後も議会は修正権限を持つ)を付与する法律案が、ついに提出された)。

方谷先生に学ぶ」による票読みは次の通りであある(4月16日)。

 現時点で、TPAに懸念を示している下院議員は、共和党25名、民主党162名、計187名と過半数218名にとどかず。TPA反対の共和党議員が増える可能性がある。
(参照;2月DHSの2015年度予算採決から票読みをすると、共和党から52名~67名の反対票が出る可能性がある。)
http://ameblo.jp/study-houkoku/entry-12005182822.html

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英語に歯が立たないので、いかんともしがたい、英語情報の山。

安倍晋三の両院合同会議での演説は、日米ガイドラインと、有志国連合と、TPPと、全てを含む可能性が高くなってきた。
すんごい周到なスケジュールを組まれたものだ。

とりあえず第一報まで。

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追記
TPP交渉差止・違憲訴訟の会では、原告を募っています。
日本をモンサントやファイザー、グラクソスミスクライン(米国法人)、ウォルマート、そしてウォール街を初めとするグローバル企業が直接統治する国家にしてしまわないためにも是非、訴訟にご参加・ご支援を。

2015年4月16日 (木)

ISDに関する教科書的な理解のために

ウィキリークスが、TPPの投資章をリークし、これについて、パブリックシティズンが分析をしている。
分析部分に関する和訳が、すでに4月9日付で、「STOP! TPP」のサイトにアップされていた。
全体の分量からすると、抄訳である可能性はあるが(何しろ英語を見ようとすると時間がかかるので対照確認はしていない)、貴重な日本語文献であるので、リンクさせていただきます。


米国「パブリック・シチズン」がTPP投資関連リーク文書を分析─ISDSで増加する米国の負担


九州大学の磯田宏氏の抄訳もそうであるが、いずれにしろ、この分析部分は、かなり専門的な印象が強い。



そこで、以下に、そもそもISD手続とはどういう手続で、どういうルールが定められていて、どういう問題があるのかに関する基礎的な知識をまとめてみたので、紹介させていただきます。


ISDに批判的な人でも、その手続について、どうしても裁判所のイメージで理解している向きがある。
“公平な裁判所での裁判”などとTPP推進派が宣伝するので、やむを得ない面もあるが、ISDによる仲裁は、どこまで行っても、その場限りの3人による無責任で公正さの担保されないプライベートな手続である。
ISDを「インチキ裁判で大損害」とされた色平哲郎氏の意訳は大正解なのである。


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1 投資と貿易の関係等
 投資は、それ自体として貿易の対象になる、モノでもサービスでもありません。
 しかし、モノの貿易やサービスの貿易には、必ず投資を伴います。
 また、投資は、投機や企業買収のように、貿易を伴わないものも存在します。
 投資章が取り扱う分野は、他の章以上にさらに広汎に及ぶことになります。

2 ISD条項
(1)ISDとは
 投資章において、最も論争的なテーマになってきたのは、ISD条項(ISDSということもあります)と呼ばれる条項です。この条項は、外国投資家が投資章の規定に違反する(と考える)相手国政府や地方政府の措置によって損害を被った場合に、投資先国の中央政府を強制的に海外の仲裁手続に訴えることを認める制度です。正式には投資家対国家紛争解決制度(Investor-State Dispute Settllement)と呼ばれます。

(2)仲裁手続のお粗末さ
あ 仲裁手続の制度設計
 外国投資家の訴えに対して判断を下すのは、原則として3人の仲裁人による合議体ですが、この合議体は、その事件ごとに選ばれ、その事件について判断を下すと解散します(申立人となる外国投資家が一人、訴えられた政府が一人、両者の合意で第3の仲裁人を選任します)。非公開手続で、上訴の制度はなく、一審限りの制度です。仲裁人には特別な資格制度はありません。仲裁人は、仲裁判断に関して、説明責任も含め、誰に対するいかなる責任も負いません。
 この制度がどれほどずさんであるかは、たとえば、国際司法裁判所と比べると明らかです。国際司法裁判所は基本的に15人の裁判官で構成される常設の裁判所です。裁判官は、国連総会と安全保障理事会で、それぞれ絶対多数の賛成を得られた者がなります(絶対多数の賛成が得られるまで、投票を繰り返します)。したがって、国際的な意味での民主的な手続が徹底されており、国家間の紛争に対して強制的な判断を下す正当性が保障されているといえます。
 こうした制度設計と比べると、ISDの仲裁人団はいかにもプライベートなものといわざるを得ません。

い 仲裁手続の主な種類
 ISDについて、よくある誤解は、どこかに常設の裁判所があって、そこに提訴するというイメージですが、先に見たとおりISDの仲裁人団は、その事件限りで構成され、どこで手続が進められているかも分からないケースすらあります。
 おおざっぱに言って、世界銀行傘下の投資紛争解決国際センター(ICSID)に提訴する方法と、国連国際商取引法委員会(UNCITRAL)が定めるモデル仲裁規則に基づいて提訴する方法と二通りがありますが、後者はあくまでも手続ルールのモデルが国際商取引法委員会によって示されているというだけで、国連が関与するものではありません。しかも、このモデル規定は、主として民間企業同士の争い事を念頭に置かれて作られたもので、国家制度を裁くことを主眼として作成された手続モデルではありません。また、前者もいわば事務局機能を投資紛争解決国際センターが提供するだけで、判断は、あくまでも私的に選任された仲裁人団が行い、どこで仲裁手続を行うかも含めて、当事者の合意が優先する仕組みです。

う 仲裁手続の不公正さ
 仲裁人は多くの場合、民間の弁護士がなっていると言われます。彼らは、ある場合は、仲裁人として判断をするかと思えば、ある場合は、企業側の代理人として仲裁を申し立て企業の利益を図ることを繰り返しています。同じ論点であるのに、事件によって異なる判断をする仲裁人も存在します。利益相反を禁止するような規則も定められていません。

え 国家制度とISD
 民事訴訟法の代表的な教科書には、仲裁は、国家の公権的判断を回避するところに本質があると書かれています。仲裁というのは、「喧嘩の仲裁」という言葉でイメージされるように、本質的に私的な紛争の解決方法なのです。
 国家制度など、民主国家であれば本来国民の利益のために行使されるべき国家主権のあり方を、公正さが担保されたとはとうていいえない、プライベートな手続で裁くという点に、ISD条項の重要な特徴があり、論争の的となる一つの原因になっています。

(3)ISDの実体規定
あ 国際法優先
 ISDの問題は、それだけに止まりません。
 ISD手続は、国家間の紛争と同じように、外国投資家と国家の間の紛争を国際紛争と同様の性格のものととらえます。したがって、国際法である投資章の規定に基づいて判断されることになります。憲法を含めた国内法は、投資章の規定を適用するに当たっての事情として考慮されるに過ぎないのです。
 ISDで裁かれる紛争は基本的に国内で起きた紛争ですが、憲法を頂点とする国内法の体系は、排除されてしまうのです。

い 規定の曖昧さ
 ISDの判断基準とされる規定(こうした規定は実体規定と呼ばれます)は、内国民待遇や、最恵国待遇といった国際法で一般的に認められている原則の他に、パフォーマンス条項とかアンブレラ条項と呼ばれる条項です。これらは、内容の当否は別としても、まだしも内容自体は比較的明確です。
 問題は、これらの他に、①「間接収用」や②「公正衡平待遇義務」といった、意味内容が極めて理解しにくい条項が違法性を決定する判断基準に含まれていることです。
 たとえば、後者は、規定の言葉そのものが「公正かつ公平な待遇並びに十分な保護及び保障を与える」とされており、これだけでは規定の意味内容を把握することはおよそできません。

う 間接収用
 日本国憲法における「収用」は、公共の目的のために私人の所有権を国や自治体・公共団体が取得することを想定されており、その場合に「正当な補償」を与えることを国等に義務づけています。所有権の名義が私人から公共団体に移転することが「正当な補償」を与える収用か否かの基準とされており、使用制限などは「収用」に含まれません。収用について定める、代表的な法律としては、土地収用法などがあります。
 しかし、TPPで想定される「間接収用」は、こうした所有名義の移転がなくても、「裁量的な許認可の剥奪や生産上限の規定など、投資財産の利用やそこから得られる収益を阻害するような措置も収用に含まれる」(「投資協定の概要と日本の取り組み」2012年11月経済産業省通商政策局経済連携課)ものとされており、利用や収益の阻害も収用と同様に補償を要するものとされています(投資章でいう補償は、公正な市場価格を意味し、将来的な逸失利益や商業的に妥当な利子も広く含む概念で、この点も日本国憲法と異なります)。
 では、どのような利用や収益の阻害が「間接収用」に当たるかですが、①政府措置の経済的影響の程度、②政府措置が明白で合理的な投資期待利益を侵害した程度、③政府措置の性格等を考慮して決めるものと規定されています。
 しかし、このような考慮事情を示されても、概念が曖昧なことに変わりはありません。
 日本と同様に、所有名義の移転を伴うものを「収用」としてきた韓国は、米韓自由貿易協定(以下、「米韓FTA」といいます)の交渉中の2006年7月、法務省が中心となって、間接収用の概念について検討しましたが、「『間接収用』の概念は国際的定義が確立してない概念で租税、安保、公共秩序、保険等すべての政府(地方自治体および政府投資機関、司法府等を含む)の措置に対して提訴可能」と結論せざるを得ませんでした。
 このとき韓国法務省は、この時点までのISDの事例で、「間接収用」が論点となった事例を分析していますが、提訴対象とされる「政府措置」は「政府の法規定、制度、慣行、不作為、公務員の事実的行為等を含む広範囲な概念である」とし、「間接収用」規定に対応するため、政府の部署、裁判所、地方自治体、政府投資機関等に関連した省庁横断的な作業が必要であるとしています。

え 公正・衡平待遇義務
ア 抽象性と慣習国際法について
 参照すべき「収用」という概念が存在する「間接収用」ですら、このような大きなインパクトがあります。
 まして「公正かつ公平な待遇並びに十分な保護及び保障を与える」とする義務などと言われても、明確にこれだといえる人が、どれほどいるでしょうか。一応、この義務は、他の自由貿易協定を見ると、「慣習国際法上国家が外国人に保障しなければならない最低基準を意味する」などとされています。
 しかし、世界には、経済の発展段階も、社会の形態も、宗教的・文化的背景も異なる様々な国家が存在します。そうした条件の中で、果たして外国投資家の待遇に関する慣習国際法が成立しうるのか自体に重大な疑問があります。仮に世界の多様性を認めるのであれば、多分、慣習国際法が成立しているとはいえないと考えるのが正当でしょう。現に、日本の国民に、外国投資家に与えるべき最低限の待遇とは何かを問うても、答えられる人は極めて限られた特殊な人に限られるでしょう。
 しかし、米国では、「公正衡平待遇義務」は明確だとされているようです。
 米韓FTA締結の根拠とされた米国の国内法(2002年「大統領貿易促進権限法」)には、「米国の法理および慣行に一致した公正かつ衡平な取扱に対する基準の設定を求める」とあり(2012条(b)(3)(E))、米国国内法を慣習国際法とみなしていることが窺われます。米国がこのように考えるのには、理由があります。米国は州の独立性が強いため、州の間のモノやサービスの行き来も通商(貿易)とされており、州際通商に関しては、連邦議会による法律や連邦裁判所による判例等、長年にわたる州際通商ルールの積み重ねがあるからです。
 しかし、米国内で一種の国際法と観念されているとしても、それを世界の慣習国際法とするのには無理があります。TPPがアメリカのルールの押しつけであるとする批判には十分な理由があります。

イ 「公正衡平待遇義務」の内容
 極めて問題があることを前提に、一般に国際経済法の分野において、この慣習国際法上の義務とされている内容を紹介すると、以下のようなものがあげられます。
 「外国投資家の投資財産保護に関する慎重な注意(due dilligence)」、「適正手続(due process)」、「裁判拒否の禁止(denial of jusitice)」、「恣意的な(arbitary)措置の禁止」、「投資家の正当な期待(legitimate expectation)の保護」などです。
 適正手続の保障や、裁判拒否の禁止などが国際的な水準で保障されるべき事柄であることは理解できなくもありませんが、「投資財産保護に関する慎重な注意」、「投資家の正当な期待の保護」等は、結局、極めて抽象的です。
 先に述べたとおり、韓国法務省は、2006年7月、米国とのISD条項を含む自由貿易協定を締結することに危機感を持って、その影響を検討したのですが、このとき中心となった検討対象は「間接収用」でした。
 実は、「公正衡平待遇義務」の内容が、具体的なものだと主張されるのが一般化するのは、2000年代の後半になってからです。したがって、一般的に確立されるまで極めて長い期間を要する慣習国際法が存在するとする主張自体にやはり無理があるものと考えざるを得ません。

ウ 膨大な萎縮効果
 以上のように、公正衡平待遇義務が、ISD手続で判断基準として有効だとされるようになったのは、極めて最近のことで、しかも年々、その内容は進化している状態です。
 つまり、何が公正衡平待遇義務違反とされるかは、具体的に提訴されてみないとわからないのが実情ともいえます。
 このような規定が、ISD手続に入れられ、日本が強制的に海外での仲裁を強いられて、損害賠償を求められることになれば、日本の政治・行政に及ぼす萎縮効果は計り知れないものがあります。

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2015年4月14日 (火)

ISD フィリップモリス対ウルグアイ政府 

仕事に戻ろうと、メールを開いたら、 Avaaz <avaaz@avaaz.org>からメールが届いていた。
ISD問題であったので、貼り付けておくことにした。
ちなみに私は喫煙者である。
閉塞性呼吸器疾患や、心肺機能との関係で喫煙が有害なのは問題とするまでもないが、ガンと喫煙の関係については、懐疑的である。

なお、Avaazについては、どこからこれほどの活動ができる資金が出ているのか、なにやら不思議な気がする。
但し、この記事自体は有意義なので、貼り付けておくことにする。


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みなさん

米たばこ大手フィリップモリスは、たばこを規制する最も効果的な法律を制定したウルグアイ政府を訴えました。私たちが法廷で闘うウルグアイ政府に力強い支援を送らなければ、フィリップモリス側が勝訴してしまう恐れがあります。

人を死に至らしめる製品を作り出す企業が市民の健康を守るための法律を撤廃させる、大変恐ろしい事態です。世界各国でも同様の法廷闘争で、市民が裁判官に耳を傾けるよう呼びかけています。今、世界トップレベルの弁護団が私たちコミュニティの声を法廷に届ければ、どんな裁判官も無視できぬほどの力で対抗することができるはずです。

訴訟の結果が影響をもたらすのは、ウルグアイだけではありません -- 大手たばこ会社の一方的な主張がまかり通れば、世界各地で同様の訴訟につながる恐れがあります。複数のたばこ会社は、現在ウルグアイ以外に少なくとも4カ国に対する訴訟の準備を進めており、さらに多数の国々のたばこ規制法が撤廃の危機にさらされることになるでしょう。

すばやく行動を起こさねばなりません -- 法廷では、すでに双方の主張の聴き取りが始まっています。クリックして、貪欲な企業から私たちの健康、そして民主主義を守りましょう -- 署名した私たち一人ひとりの名前は、裁判所に提出されます:

https://secure.avaaz.org/jp/uruguay_vs_big_tobacco_loc/?bWOVGab&v=56908

ウルグアイでは、たばこパッケージの80%のスペースに健康への注意を喚起する警告文とインパクトの強い健康被害の画像を記載することが義務づけられています。喫煙は過去に危機的レベルに到達し、ウルグアイでは一日当たり7人が喫煙で死亡しましたが、この法律の導入以来、喫煙者数は毎年減少を続けています!そんな今、たばこ大手フィリップモリスは、警告ラベルのせいでパッケージにブランドロゴを載せることができなくなってしまったと主張しているのです。

これも、相手国を訴え従わせるフィリップモリスのグローバル戦略の一環です。同社は、すでに巨額をつぎ込みオーストラリア政府を訴えました。もし、ウルグアイで勝訴すれば、同社は健康を守るための新たな法規制を検討しているフランス、ノルウェー、ニュージーランド、そしてフィンランドをはじめとする100以上の国々で、政府を相手取り次々と訴訟を起こすことになるでしょう。

フィリップモリスが訴訟を起こした非公開の国際法廷は、昨年3分の2の比率で企業側に有利な判決を下しており、同社が勝訴する可能性は十分にあると専門家らは指摘しています。さらに、同法廷の裁判官の多くは公正な法律の専門家ではなく、企業と強力なコネを持つ民間人であるにもかかわらず、その判決には拘束力があるのです。判決が世界の健康に与える計り知れない被害について十分検討させられるかどうかは、私たち次第です。

ウルグアイ政府の弁護団は、当然のことながら自国の市民を守るために法廷で闘っています。一方私たちは、判決がたばこ規制法や同様の貿易協定に関わる世界的な先例を作ることになると、私たちだからこそ伝えられる主張を裁判所に届けることができます。さらに、ウルグアイや世界中の人々の健康を守る判決を下せば、世論の支持は彼らと共にあることも伝えることができるのです。

たくさんの私たちが署名すれば、裁判所は無視するわけにはいかなくなります。クリックしてキャンペーンに賛同し、お知り合いのみなさんにもこのメールを転送してください:

https://secure.avaaz.org/jp/uruguay_vs_big_tobacco_loc/?bWOVGab&v=56908

大手企業による公共の利益を徹底的に損なう策略に、私たちコミュニティは迷わずアクションを起こしてきました -- モンサントやH&Mを相手に、私たちは市民よりも利益が優先されることのないよう働きかけてきました。今が、世界中の市民の健康のために再びアクションを起こすチャンスです。

希望を込めて

エマ、マリア=パズ、ケイティ、メーズ、アリス、リッケン、リサラート、そしてAvaazチーム

関連情報

貧しい国の政府を訴える巨大たばこの販売戦略(ニュースウィーク/日本語)
http://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2015/03/post-3591_1.php

たばこを投資家保護ルール対象外に、米がTPP閣僚会合で提案へ(ロイター/日本語)
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPL3N0SH1X620141022

たばこ包装にロゴ禁止、英下院で法案可決(ウォールストリートジャーナル/日本語)
http://jp.wsj.com/articles/SB10030317691824024149004580513350031484666

たばこ規制法をめぐりたばこ製造会社に訴えられたウルグアイ(BBC/英語)
http://www.bbc.com/news/world-latin-america-30708063

IIAおよびISDSをめぐる最近の動向(国連貿易開発会議/英語)
http://unctad.org/en/PublicationsLibrary/webdiaepcb2015d1_en.pdf

貿易をめぐる秘密法廷(ニューヨークタイムズ/英語)
http://www.nytimes.com/2004/09/27/opinion/27mon3.html?_r=1&

仲裁ゲーム(エコノミスト/英語)
http://www.economist.com/news/finance-and-economics/21623756-governments-are-souring-treaties-protect-foreign-investors-arbitration
Avaaz.orgは、世界の人々の考えや価値観が世界規模の政策決定に必ず反映されるよう、グローバルなキャンペーンを展開するネットワークで、世界各国に3千万人のメンバーを抱えています(「Avaaz」は様々な言語で「声」や「歌」という意味です)。Avaazのスタッフチームは6大陸18カ国から17カ国語で運営しています。これまでにAvaazが展開した主なキャンペーンはこちらからご覧ください:http://www.avaaz.org/en/highlights.php/?footer"> また、Facebookページはこちらから: http://www.facebook.com/Avaaz ツイッターはこちらからご覧ください: http://twitter.com/Avaazこのメールは peacenag@law.email.ne.jp に送信されました。メールアドレス、表示言語、その他の設定を変更するにはこちらからご連絡ください: http://www.avaaz.org/en/contact/?footerメール配信の停止をご希望されますか?こちらのアドレスunsubscribe@avaaz.org にご連絡いただくか、こちらをクリックしてください: https://secure.avaaz.org/act/?r=unsub&cl=7236803260&email=peacenag@law.email.ne.jp&v=56908&lang=jpAvaazにご連絡を頂く場合は、このメールに直接返信されるのではなく、こちらのページhttp://www.avaaz.org/en/contactにあるフォームをご利用ください。または、お電話+1-888-922-8229 (米国)にてご連絡ください。

【誤報の訂正】 「深い反省」 いたしません。

締め切りを過ぎた、切羽詰まった仕事を抱えているのに、ブログを書いたりするから、間違えるのである。
とくに専門外のメディア批判をしたりしているので、なお間違えるのである。


何しろ、朝日新聞の購読を止めて以来、新聞を読む時間もほとんどとらなくなっているのに、何かの拍子にメディア批判をしたくなるので、間違えるのは必然である。
「去る大戦の深い反省」については、ほぼ等しくメディアが採り上げていた。
「逝きし世の面影」ブログが問題にしていたのは、不戦の誓いについて触れたのは、安倍政権になって初めてというスプートニクの分析についてだったようだ。
同記事が「痛切な反省」と訳した、英語版ないしロシア語版の表記がどのようになされているかについても関心があるようだ。


という訳で、「去る大戦」に対する「深い反省」を表明した外交青書については、公開されている要旨を末尾に貼り付けて、お詫びの徴としたい。
但し、かくも深きマスコミ不信を植え付けたのは、易々と頭を垂れて権力恭順の意思を明らかにした新聞と、なんだかやたらと騒がしいばかりで、見る気のしないテレビ放送である(その割にはテレビをつけっぱなしにしている)ので、「痛切な反省」はおろか、「深い反省」も「単なる反省」もしない。
粛々と仕事に戻るのみである。


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なお、ついでなので、下記集会を告知します。

【日時】 4月18日(土) 14:00~16:30

【場所】 東別院会館2階会議室「蓮」「橘」定員114名

   (地下鉄名城線「東別院駅」4番出口、西に徒歩約5分)


【主催】 自衛隊イラク派兵差止訴訟 名古屋弁護団

【テーマ 】 『 イラク派兵違憲判決をどう活かすか

        ~~戦争立法にどう立ち向かうか 』

【発言者】

内河恵一弁護士(全体)

 中谷雄二弁護士(憲法を中心に)

 岩月浩二弁護士(平和的生存権を中心に)

 田巻紘子弁護士(事実関係を中心に)

 佐藤博文弁護士(全国的運動の可能性など)

 *川口 創弁護士による全体進行で、上記5人の弁護士とのやりとり/かけあいなどシンポジウム方式で進めま
す。ご期待ください!

 *西谷文和さんのDVD映像も一部分上映予定です


【参加費】 500円

----------------以下、外交青書要旨--------------------------

第1章 国際情勢と日本外交の展開 ~70 年の歩みを未来へ~
1.戦後70 年 - 平和国家としての歩み
(1) 平和国家としての戦後日本
2015 年は、第二次世界大戦の終結から70 年を迎える。日本が国際社会の中で一貫して平和国家として歩んできた原点は、先の大戦の深い反省を踏まえた不戦・平和の誓いにある。荒廃の中にあった終戦時から今日まで、日本国民は、決して戦争の惨禍を繰り返さないとの決意と共に、自由、民主主義、基本的人権の尊重、法の支配を信奉し、国民が安心して暮らせる繁栄した社会、全ての人々に機会が与えられる社会を構築してきた。
戦後の日本は、常に国際社会と共に歩み他国と共に栄えることを重視し、国際協調の中で国家の再建を果たした。米国との間では、日米安保体制を中核とする日米同盟を構築し、それを通じてアジア太平洋地域の平和と安定に寄与してきた。また、自らが国際社会に積極的に貢献していくためにも、国際連合に加盟した。そして、国連の理念を擁護し、世界の様々な課題に積極的に取り組んできた。加えて、国際通貨基金(IMF)や関税及び貿易に関する一般協定(GATT)の下での国際経済・金融秩序の構築に貢献しながら、自ら経済成長し、世界に新たな製品やサービスを提供してきた。
日本は、国連や自由貿易体制といった国際社会の枠組みからの恩恵を自ら享受するだけではなく、この枠組みを更に強化するため尽力してきた。そして、日本も国際社会の責任ある一員として、アジアと世界の平和と繁栄に貢献するという姿勢をこれまで一貫して維持してきている。
日本は特に、アジア諸国との関係を重視し、その経済発展や政治的安定に貢献するのみならず、社会・文化などを含めた広範な分野で「心と心のふれあう」相互信頼関係を構築し、対等なパートナーとして共に歩んできた。
日本は、民主主義を確固としたものとし、灰燼の中からの復興と高度経済成長によってアジアにおいていち早く「豊かさ」を体現した国家として、また、環境・社会問題を克服して安全・安心に暮らせる社会システムを作り上げた国として、多くのアジア諸国に国づくりのモデルを提供した。日本からの投資や技術移転は、アジアと世界の人々の生活水準向上や安全・安心な社会の形成の一助となった。日本のアジアの発展に対する貢献は、アジア諸国から高く評価されており、日本は、世界に良い影響を与えている国として高く評価されている 。
この70 年間の平和国家としての歩みは、日本国民の中に深く浸透しており、今後も決して変わることはない。日本は、国際協調主義に基づく「積極的平和主義」の立場から、各国と協力して世界の平和と安定及び繁栄にこれまで以上に積極的に貢献していく。

2015年4月13日 (月)

安倍訪米はTPP丸呑みの儀式か  『田中宇の国際ニュース解説』から

大統領に対してTPP交渉の権限を付与する米国の貿易重点法(TPA)について方谷先生のブログが4月4日付で伝えた米議会の日程は、次の通りで、仮日程では、4月13日すなわち今日、TPA法案が議会に提出されるとしている。

 

「方谷先生に学ぶ」のブログ(4月4日

POLITICO Morning Trade 2015年4月3日

 米上院財政委員会の補佐官達が、TPA法案について、4月13日委員会上程、15日公聴会、21日マークアップ(委員会態度決定)の仮の予定を立 てた。議会休会の間、ハッチ上院財政委員長、ワイデン筆頭理事、ライアン下院歳入委員長のスタッフレベルの協議を行っている。ワイデン筆頭理事は、議会に より大きな力とTPAを越える監督権を与える基準を含めるよう求めている。

 

 この法案に関する早い動きは、マッコネル上院院内総務に、来たるべき6週間の立法期間に割り込むよう合図を送ることになるが、その6週間は、予算 承認からイランとの原子力エネルギー協定に関する政治的影響まで、そしてサイバーセキュリティ法案からハイウエイ資金提供法案までの大きな課題がいっぱい である。

 

気になるのは、安倍晋三が4月下旬に訪米して、米議会の上下院合同会議で演説をするというイベントの関係である。

 

『田中宇の国際ニュース』が安倍晋三の訪米に関連して、TPP情勢に関わる鋭い分析を載せている(4月8日)。

 

------------以下、「田中宇の国際ニュース」抜粋-------

 そう思って調べていくと、それらしき理由が見えてきた。それは「TPP」である。日米など環太平洋の12カ国が交渉中の自由貿易協定であるTPP について、米国では、民主党を中心に反対運動が起きている。多国籍企業が、政府の政策が不当(自社の儲けを阻害している)だとして特別法廷(非公開)で提 訴でき、勝訴すると政策を無効にできる仕組み(ISDS)が、環境や食の安全などに関する政策を阻害しかねないとか、TPPから除外されている中国の製品 が韓国などを経由して非関税で米国に入ってきかねないというのが反対運動の論点だ。 (Ahead of Abe Visit, Pressure Builds For Obama on TPP_vv_) (The Trans-Pacific Partnership is the opposite of free trade

 

 TPPの交渉は完全非公開で行われ、交渉がまとまるとどんな貿易圏ができるか曖昧にしか公開されていない。米国では、大企業や業界団体が 直接に大統領府の担当者を動かして交渉している。TPPは、米欧間の自由貿易体制であるTTIPと合わせ、大企業の権限が政府を凌駕する国権剥奪・民主主 義破壊の「新世界秩序」を作る動きになっている。国権剥奪の新体制作りなので、国権機関である米議会に交渉の中身を知らせずに交渉が行われている。米議会 では、一部の議員が機密保持を誓約させられた上で、限定的な情報を開示されているにすぎない。 (国権を剥奪するTPP) (Trans-Pacific Partnership Seen as Door for Foreign Suits Against U.S.

 

(日本は、官僚機構が政治家や企業より強い官僚独裁で、TPPの交渉役や運営役も官僚なので、権力構造の改変はない。TPP実施後の新体制 下では、米国などの企業や業界団体が日本の官僚が決めた政策を転覆できるが、対米従属の観点から見ると日本の従属先が米政府から米企業に替わるだけで、大 した体制転換でない) (貿易協定と国家統合

 

 TPP加盟諸国の中で大企業が強いのは圧倒的に米国だ。米国の大企業が、日本など他の加盟国の政府の政策を踏み荒らすのがTPPでまず予 測される構図だ。この構図だと、米国には不利益がないように見える。しかし米国の大企業は、米国自身の政策も変えたいはずだ(外国でなく自国の政策を最も 変えたいだろう)。米国の大企業は、日本や豪州など他の諸国の同業他社をそそのかしてISDSに提訴させ、自社に不利益な米国の政策を変えられる。TPP は、米国自身(米国の国民と政府)にとっても不利益になる。A Fast Track to Disaster

 

 オバマ大統領はTPP推進派だ。TPPの締結は、残り任期1年半のオバマ政権の経済面の最大目標とされている。政府の権限を剥奪して企業 に譲渡してしまうTPPを米政府自身が強く推進していることは、常識からすると不可解で、裏読みしないと理解できない。TPPについて米議会に議論させる と、多くの点で改定案を出されて収拾がつかなくなる。そのためオバマは米議会に対し、大統領府が他の諸国と交渉して決めたTPPの条文を、審議なしで丸ご と議会が可決するか否決するか(条文の一部改訂を認めない)の二者択一で票決する「ファストトラック」方式(大統領一任方式)で批准してくれと要求してい る。 (Let Obama Close the TPP Deal

 

 米国では、労組や消費者団体など民主党系の組織がTPPへの反対を強めているので、民主党議員の中には反対派がかなりいるが、共和党は伝 統的に大企業寄りなので、共和党議員はほとんどTPPに賛成している。米議会は両院とも共和党が多数派なので、TPPをファストトラック方式で批准するこ とを米議会が認めると、その時点でTPPが実現する可能性がぐんと上がる。米議会は5月中にTPPのファストトラック化を認めるかどうか決める見通しだ。 それに先立ち、米国では3月からTPPに対する反対運動が強まり、たとえば民主党リベラル派の市民が多い西海岸のシアトルでは市議会や役所など市を挙げて 反対運動を始めている。 (Seattle votes to oppose fast-track of Trans-Pacific Partnership) (Japan's Abe to disappoint U.S. Obama, not only on TPP

 

 3月末、米国のバイデン副大統領が、自民党でTPPを担当する高村副総裁に電話してきて、安倍の訪米までに日米間でTPPに関する交渉を 妥結できるよう、日本が自動車や農業の分野で譲歩してほしいと求めた。TPP全体の交渉は、日米以外の10カ国に関してほぼ完了しており、日米間の交渉が 妥結するとTPPが実現できる。米国は安倍に、日米がTPPの交渉を妥結した直後に訪米してもらうつもりでいるようだ。 (Biden calls for Japan-U.S. TPP deal before Abe's trip to Washington

 

 安倍が訪米する4月末、米国ではちょうど米議会がTPPのファストトラック化を認める前後で、TPPの是非をめぐる議論が高まっていると 予測される。そんな中で、TPP交渉の中で最後までもめていた日米間の交渉を妥結させた安倍が訪米し、米議会の両院合同会議で、日米と環太平洋の貿易と安 保の「明るい」未来について演説する。TPP推進派の共和党議員や大統領府の高官たちは拍手喝采だ。日本がTPP交渉で米国の言いなりになったとあれば、 民主党議員も反対色を弱めざるを得ない。安倍を米議会で演説させるのは、オバマ政権と議会共和党による、TPPをまとめるための演出だろう。貿易協定と国家統合

 

 日本にもTPPの反対運動があるが、昨年末の選挙で圧勝した安倍政権は、農業団体が自民党に死にものぐるいで圧力をかけても、簡単に無視できそうだ。米国の反対運動も、どれだけ盛り上がるか疑問だ。TPPは安倍の訪米までにまとまる可能性が高い。 (U.S., Japan seek trade deal with auto, farm issues key

 

 安倍首相と、安倍をあやつる官僚機構(日本外務省など)の国家戦略は、日本を米国と「一体化」していくことだ。FTよると(旧覇権国とし て覇権動向を見る目が鋭い)英国の閣僚は、米国の高官に「英国が覇権衰退した1960年代にインド洋や太平洋(アデン以東、スエズ以東)から撤退したよう に、米国もいずれ西太平洋(グアム以西、またはハワイ以西)から撤退せざるを得なくなる(西太平洋は中国の覇権下に移管される)」と語っている。米高官 は、そんなことはないと否定しているが、米軍がグアム以西への(日本と韓国から)撤退を長期計画にしていることは事実だ(FTの記事は、米国覇権の衰退を 予測する英国勢の分析を冷笑する米国勢の立場に立っているが、私の見立てでは英国勢の方が正しい)。UK's risky obsession with US decline) (資本の論理と帝国の論理

 

 対米従属を絶対の国是としている日本の独裁的な権力である官僚機構は、米国の西太平洋からの撤退を是が非でも防がねばならない。そうしな いと日本が対米従属できなくなり、官僚機構は米国という権力の後ろ盾を失い、国会の政治家に権力を奪われて「民主化」されてしまう。米国が日本を捨ててグ アム以西に撤退することを防ぐため、日本の権力機構はできるだけ早く経済的・外交軍事的に米国と一心同体になることをめざしている。 まだ続き危険が増す日本の対米従属) (米中逆転・序章

 

 最近、米国の金融債券システムの崩壊が近い(早ければ今年中)と米国のヘッジファンドなどが騒いでいるが、金融危機の再燃は米国の覇権崩 壊、西太平洋からの撤退、日本の対米従属の終わりになる。だから、安倍を操る官僚機構は、TPPや米軍基地の辺野古移転、日米安保ガイドライン改訂による 日米軍の一体化、日銀のQE続行による債券金融システムのテコ入れなどを全力でやり、米国の覇権崩壊や日本からの撤退を何とか防ごうとしている。 (Stock market rigging is no longer a `conspiracy theory') (Global fund managers warn of a bond bubble) (We Are All Trapped-Alasdair Macleod

-------------引用終わり------------------

安倍晋三が、戦後初めて日本の首相として上下両院合同会議での演説を許されるということは、よほどのことがないとあり得ない。歴史修正主義で東アジアの攪乱要因にもなっている安倍晋三がなぜ、という疑問は、改めて言われてみれば、全く盲点だった。
ただ、共和党議会だからというだけでは、おそらく説明がむつかしい。

 

 

記事に触れられていないが、米国議会議員にはこの3月に、交渉中のフルテキストへのアクセス権が認められたとの情報、USTR自身が、TPAはファストトラックなどではなく、貿易交渉で獲得すべて重点目標を示す法律だと議会寄りの説明をするようになったという情報を合わせ考えると、オバマとUSTRの並々ならぬ意欲が窺わせる。

 

 

TPP丸呑みのご褒美としての日本国総理初の両院合同会議での演説、そしてTPPに反対する民主党議員説得のためインパクトのある場の演出という、『田中宇の国際ニュース解説』の指摘は鋭い。
そうして日本は、米国企業が統治する国家になる。

 

 

他方、マチベンは、首藤信彦氏のTPP漂流論、「ゾンビ化するTPPの脅威」に基本的に賛成の立場である。
共和党議会が、わざわざオバマに花を持たせるかというのも確かにその通りである。
TPAにはTPPだけでなく、EUとのTTIP、そしてWTO有志国で行われている新サービス貿易協定(TiSA)の帰趨もかかっていることを考えると、たかが安倍晋三をコントロールしたところで、自由貿易に辟易している民主党議員が騙されるだろうかという問題もある。
したがって、TPP本丸論には、少しだけ疑問を留保する。

 

 

他方で、スプートニク(旧「ロシアの声」)が、日本人は誰も知らない、日本の情報を提供している(4月7日初稿、11日更新)。

 

日本、第2次大戦中の暴力へ初めて「痛切な反省」

日本政府は第2次世界大戦時に隣国へ行なった攻撃に対し、「痛切な反省」を表した。岸田外相はこの表現が記載された外交青書を内閣閣議で読み上げた。

「痛切な反省」が表されたのは初めて。観測筋は、戦後70年の今年、歴史改ざんへの日本政府を名指しにした非難が相次ぐなか出されたものとの見方を示している。


中国、韓国をはじめとする隣国からは、日本が安全分野の政策を見直していることについて、自衛隊の全権拡大につながるとの批判が浴びせられている。


安倍首相は2012年の首相就任以来、第2次大戦に降伏日に2度と戦争をしないという宣誓を一切行なわず、アジア隣国に行なった暴力への謝罪も行なったことがないことについて、国際社会からは何度も憂慮の念が表されている。

 

戦後70年談話が、どのようなものになるかが、注目される中、すでに外務省は、中韓両国に対して行った攻撃に対する「痛切な反省」を盛り込んだ外交青書を作成し、岸田外相もこれを閣議で読み上げたというのだ。

 

安倍訪米に合わせた外務省のお膳立てであり、今回の米上下院合同会議での演説というご褒美は、安倍暴走路線が東アジアの火種になっていることに危機感を持つ米国が見るに見かねて、策した戦略であるという見方も可能なようである。
安倍政権には、少なくとも当面は(日本を「ならず者国家」に指名する段取りが整うまでは)、余分な火種は作ってもらいたくないというのが、共和党も含めて米国の本音だろう。

 

仮に、安倍暴走政権に一応、当面の歯止めをかけておく(戦争法制の眼目は、8000キロ彼方であって、米海兵隊が直近に配備されている尖閣諸島ではないことに釘を刺す)ために、晴れがましい席を用意したという憶測も、全く成り立ち得ないわけではないだろう。
となると、TPP丸呑みのおそれは、少しは減ずる。

 

なお、安倍訪米に先立って、外務省が今年の外交青書に、「痛切な反省」ないし「深い反省」を盛り込んだとの貴重な情報は「逝きし世の面影」ブログで知った(4月10日付)。

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このブログ記事は、昨日の、資料メモ2を再整理したものです。
それにしても、閣議での外交青書の読み上げをロシアが知っていて、スプートニク(旧「ロシアの声」)から日本の情報を得るしかないというのは、まさにファシズム国家である。
日本国民は、6月に外交青書が書籍化されるまで、ことの真偽も、具体的内容も不明ということのようだ。

2015年4月12日 (日)

【資料メモ3】 ISD条項草案:パブリックシティズンの分析の北沢洋子さんの抄訳

ISDに関する2015年1月20日版草案テキストに関するパブリックシティズンの分析について、北沢洋子氏の抄訳が出ていることを今、知りました。

文章化した翻訳になっていますので、これも資料としてメモします。

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リークされたTPP投資のテキストの分析(Public Citizen)         
2015年4月10日                        
北沢洋子抄訳


3月25日、Wikileaks が53ページに及ぶTPPの投資のテキストの全文を暴露した。これを、ワシントン在住のアドボカシィNGO「パブリック・シティズン(PC)」のLori Walach とBen Beachyが分析した。


すでに5年間、秘密裏に議論されてきたTPPの投資のテキストの全文がインターネット上に掲載された。PCはこれを精査した結果、本物であるという結論に達した。TPPは、米国と、太平洋弧の国々、すなわちオーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、日本、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、ベトナムの12カ国の通商代表が、秘密裏に、集中的に、交渉を続けてきた。


暴露された文書は、マスコミや市民、さらに議員にさえ知らせずに続けられた“貿易”交渉が、いかに危険なものであるかと言うことを物語っている。TPP交渉は、すでに合意した箇所が多い。そこでは、外国資本(投資家)に新しい権利と特権を与えている。それは、国内法では国内資本に禁止している特権を外国資本に与えているのだ。

外国資本が、TPPによって認められた新しい特権が侵害されたと判断した場合、「投資家対政府間紛争処理(ISDS)」法廷に当該政府を告訴することが出来る。そこでは、外国資本が、投資先の金融、環境、医療、土地利用などの国内法によって、特権を侵害されたとして、現地政府に賠償を請求することが出来る。この場合、現在の侵害だけでなく、未来に得られるべき“権利”(利益)も含まれる。


TPPでは、ISDSの法制度を拡大することによって、何万もの外国資本が現地政府と同等のステータスを持つことになる。TPPは、外国資本に、国内法を無視して、外国の(ISDS)法廷に直接訴えることが出来るという権限を与えている。


米国やその他の先進国が締結している現在のISDS協定は、ほとんど途上国にしか当てはまらない。その逆、すなわち、途上国から先進国への投資が少ないからである。そしてTPPは、ISDSに、より多くの権限を与えている。TPPが成立すれば、米国内に投資した約9,000の外国資本が、米国政府に対して、ISDSがらみの告訴を始めることが出来る。一方、18,000の米国資本が、TPP加盟国政府に対して、ISDS法廷に訴訟を起こすことが出来る。
現在のところ、オーストラリアを除いて、全TPP交渉参加国は、外国資本がISDS法廷に提訴する権限を認めることに合意している。オーストラリアは、「ある一定の条件で、容認する」と言っている。そして、“法廷”は外国資本に無制限の賠償金を当該政府に支払わせる権限を持つ。この無制限の賠償金とは、“将来予想される利潤”も計算している。


TPPの投資のB項では、ISDS法廷は、TPP加盟国が共通して持っている法廷の透明性、先例性、尊法性のルールを持っていない。そればかりか、所在地も、公正で、独立した、バランスとれたところではない。法廷のスタッフも民間企業の企業弁護士で、何らアカウンタビリティはない。また“裁判官”と弁護士は、提訴する企業によって、相互に交代する。このような二重の役割は、現行法制度の中では、倫理に反する行為と見なされる。一方、暴露されたテキストには、ISDSに関して、前から関心が集まっている「利益の相反」についての項目がない。


オバマ政権が、繰り返し、TPPの投資の章は、ISDSの濫用を制限すべきだと言っているにもかかわらず、TPPのテキストでは、米国のISDS協定が、あるところでは、一言一句たがわず、コピイされている。しかし、ある文言では、国内政策と政府の行動の枠組みを広げることが出来る。たとえば、TPPは、製薬会社が、知的所有権の設定、限定、更新などに関してWTOの規定に違反しているとして、賠償を要求するのに、TPPのISDS法廷を使うことが可能になっている。現在、WTOのルールでは、投資家は個別に流用できない。


ほとんどのTPP加盟国政府は、外国資本がTPPのISDS法廷に提訴する権限を拡大することに反対している。これは、米国の通表代表が、最も圧力をかけている部分である。 その内容は、国有地の天然資源の開発権、政府のインフラ・プロジェクト及びそのメンテナンスの調達などである。


テキストでは、外国資本の開発権と賠償に関する項目が、果てしなく拡大解釈される一方で、現地政府のセイフガードに関しては、2005年の中米自由貿易協定(CAFTA)で米国が結んだ、セイフガード項目と全く同じである。CAFTA法廷では、セイフガードの項目が抜けている。


TPPのISDS制度の拡大は、現地政府の公共利益擁護政策に対して、ISDSへの提訴が急増していることと関連がある。実は、ISDS協定は、1960年代から存在している。しかし、最初の30年間、ISDSがらみの提訴は、総合して50件に過ぎなかった。しかし、2011~2013年には毎年50件、2014年には42件に増えた。そもそもISDSの目的は、政府が外国資本の工場や土地を国有化する際、賠償を払うための協定であった。しかし、年がたつにつれ、ルールや解釈が劇的に拡大した。従来、最後の手段であるべきものだったのが、やがて外国資本の現地政府に対する優位性にとって代わった


外国資本が、ISDSがらみで攻撃している部門は、煙草、気候、金融、鉱山、製薬、エネルギー、汚染、水、労働、有害物、開発、その他非貿易部門の国内政策などに亘っている。米国の“自由貿易”協定(FTA)だけを取って見ても、外国資本は、「投資家対政府」法でもって、すでに4億4,000万ドルを現地政府からむしり取った。これには、天然資源、環境保護、保健、安全などについての政府の政策に対する外国資本のクレームであった。米国のFTAと二国間貿易協定について、ISDS法廷は、36億ドルの賠償金の判決を出した。現在進行中のISDS法廷では、総額38億ドルにのぼる賠償金の請求が、現地政府の環境、エネルギー、金融規制、公共保健、土地利用、運輸部門などについての政策をめぐって争われている。


 たとえ政府が裁判で勝ったとしても、現地政府は裁判費用の一部を支払わせられる。一裁判で平均800万ドルとして、裁判に勝つという見通しがあっても、莫大な出費となる。


付記
WikileaksがリークしたTPPの投資のテキスト(英文)を必要な方は<
kitazawa@jca.apc.org>まで申し付けください。Wordのテキストを添付でお送りします。

【資料メモ2】 田中宇の国際ニュースから

この記事は、4月13日付ブログで再整理しました。

『田中宇の国際ニュース』が安倍晋三の訪米に関して、TPPに関する鋭い分析を載せている(4月8日)。
自慢ではないが、秘密保護法の隠された目的が、『適合事業者』規定を通じた、米国のグローバル企業による日本統治にあるとのマチベンの鋭い直感(何しろ、そのような主張は他ではお目にかからない)と符合していて嬉しい。

なお、米国議会議員にはこの3月に、交渉中のフルテキストへのアクセス権が認められたこと、USTR自身が、TPAはファストトラックなどではなく、獲得の目標の重点を示す法律だと言うようになったという最新情報は盛り込まれていない。
合わせて見ると、オバマとUSTRの並々ならぬ意欲が窺われるようでもある。

他方、マチベンは、首藤信彦氏のTPP漂流論、「ゾンビ化するTPPの脅威」に賛成である。
したがって、TPP本丸論には、少しだけ疑問を留保する。

なお、安倍訪米に先立って、外務省が今年の外交青書に、「痛切な反省」ないし「深い反省」を盛り込んだとの情報が「逝きし世の面影」ブログに掲載されている(4月10日付)。
この分析は、すごいと思った。
こちらが訪米の主眼とすれば、TPP目的は少しは減殺される。
なお、同ブログ中のスプートニクの記事はこちら(4月7日初稿、11日更新)。
日本語で読めるのは大変にありがたい。旧「ロシアの声」に感謝である。

日本、第2次対戦中の暴力へ初めて「痛切な反省」

日本政府は第2次世界大戦時に隣国へ行なった攻撃に対し、「痛切な反省」を表した。岸田外相はこの表現が記載された外交青書を内閣閣議で読み上げた。

「痛切な反省」が表されたのは初めて。観測筋は、戦後70年の今年、歴史改ざんへの日本政府を名指しにした非難が相次ぐなか出されたものとの見方を示している。

中国、韓国をはじめとする隣国からは、日本が安全分野の政策を見直していることについて、自衛隊の全権拡大につながるとの批判が浴びせられている。

安倍首相は2012年の首相就任以来、第2次大戦に降伏日に2度と戦争をしないという宣誓を一切行なわず、アジア隣国に行なった暴力への謝罪も行なったことがないことについて、国際社会からは何度も憂慮の念が表されている。

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------------以下、「田中宇の国際ニュース」抜粋-------

 そう思って調べていくと、それらしき理由が見えてきた。それは「TPP」である。日米など環太平洋の12カ国が交渉中の自由貿易協定であるTPP について、米国では、民主党を中心に反対運動が起きている。多国籍企業が、政府の政策が不当(自社の儲けを阻害している)だとして特別法廷(非公開)で提 訴でき、勝訴すると政策を無効にできる仕組み(ISDS)が、環境や食の安全などに関する政策を阻害しかねないとか、TPPから除外されている中国の製品 が韓国などを経由して非関税で米国に入ってきかねないというのが反対運動の論点だ。 (Ahead of Abe Visit, Pressure Builds For Obama on TPP_vv_) (The Trans-Pacific Partnership is the opposite of free trade

 TPPの交渉は完全非公開で行われ、交渉がまとまるとどんな貿易圏ができるか曖昧にしか公開されていない。米国では、大企業や業界団体が 直接に大統領府の担当者を動かして交渉している。TPPは、米欧間の自由貿易体制であるTTIPと合わせ、大企業の権限が政府を凌駕する国権剥奪・民主主 義破壊の「新世界秩序」を作る動きになっている。国権剥奪の新体制作りなので、国権機関である米議会に交渉の中身を知らせずに交渉が行われている。米議会 では、一部の議員が機密保持を誓約させられた上で、限定的な情報を開示されているにすぎない。 (国権を剥奪するTPP) (Trans-Pacific Partnership Seen as Door for Foreign Suits Against U.S.

(日本は、官僚機構が政治家や企業より強い官僚独裁で、TPPの交渉役や運営役も官僚なので、権力構造の改変はない。TPP実施後の新体制 下では、米国などの企業や業界団体が日本の官僚が決めた政策を転覆できるが、対米従属の観点から見ると日本の従属先が米政府から米企業に替わるだけで、大 した体制転換でない) (貿易協定と国家統合

 TPP加盟諸国の中で大企業が強いのは圧倒的に米国だ。米国の大企業が、日本など他の加盟国の政府の政策を踏み荒らすのがTPPでまず予 測される構図だ。この構図だと、米国には不利益がないように見える。しかし米国の大企業は、米国自身の政策も変えたいはずだ(外国でなく自国の政策を最も 変えたいだろう)。米国の大企業は、日本や豪州など他の諸国の同業他社をそそのかしてISDSに提訴させ、自社に不利益な米国の政策を変えられる。TPP は、米国自身(米国の国民と政府)にとっても不利益になる。 (A Fast Track to Disaster

 オバマ大統領はTPP推進派だ。TPPの締結は、残り任期1年半のオバマ政権の経済面の最大目標とされている。政府の権限を剥奪して企業 に譲渡してしまうTPPを米政府自身が強く推進していることは、常識からすると不可解で、裏読みしないと理解できない。TPPについて米議会に議論させる と、多くの点で改定案を出されて収拾がつかなくなる。そのためオバマは米議会に対し、大統領府が他の諸国と交渉して決めたTPPの条文を、審議なしで丸ご と議会が可決するか否決するか(条文の一部改訂を認めない)の二者択一で票決する「ファストトラック」方式(大統領一任方式)で批准してくれと要求してい る。 (Let Obama Close the TPP Deal

 米国では、労組や消費者団体など民主党系の組織がTPPへの反対を強めているので、民主党議員の中には反対派がかなりいるが、共和党は伝 統的に大企業寄りなので、共和党議員はほとんどTPPに賛成している。米議会は両院とも共和党が多数派なので、TPPをファストトラック方式で批准するこ とを米議会が認めると、その時点でTPPが実現する可能性がぐんと上がる。米議会は5月中にTPPのファストトラック化を認めるかどうか決める見通しだ。 それに先立ち、米国では3月からTPPに対する反対運動が強まり、たとえば民主党リベラル派の市民が多い西海岸のシアトルでは市議会や役所など市を挙げて 反対運動を始めている。 (Seattle votes to oppose fast-track of Trans-Pacific Partnership) (Japan's Abe to disappoint U.S. Obama, not only on TPP

 3月末、米国のバイデン副大統領が、自民党でTPPを担当する高村副総裁に電話してきて、安倍の訪米までに日米間でTPPに関する交渉を 妥結できるよう、日本が自動車や農業の分野で譲歩してほしいと求めた。TPP全体の交渉は、日米以外の10カ国に関してほぼ完了しており、日米間の交渉が 妥結するとTPPが実現できる。米国は安倍に、日米がTPPの交渉を妥結した直後に訪米してもらうつもりでいるようだ。 (Biden calls for Japan-U.S. TPP deal before Abe's trip to Washington

 安倍が訪米する4月末、米国ではちょうど米議会がTPPのファストトラック化を認める前後で、TPPの是非をめぐる議論が高まっていると 予測される。そんな中で、TPP交渉の中で最後までもめていた日米間の交渉を妥結させた安倍が訪米し、米議会の両院合同会議で、日米と環太平洋の貿易と安 保の「明るい」未来について演説する。TPP推進派の共和党議員や大統領府の高官たちは拍手喝采だ。日本がTPP交渉で米国の言いなりになったとあれば、 民主党議員も反対色を弱めざるを得ない。安倍を米議会で演説させるのは、オバマ政権と議会共和党による、TPPをまとめるための演出だろう。 (貿易協定と国家統合

 日本にもTPPの反対運動があるが、昨年末の選挙で圧勝した安倍政権は、農業団体が自民党に死にものぐるいで圧力をかけても、簡単に無視できそうだ。米国の反対運動も、どれだけ盛り上がるか疑問だ。TPPは安倍の訪米までにまとまる可能性が高い。 (U.S., Japan seek trade deal with auto, farm issues key

 安倍首相と、安倍をあやつる官僚機構(日本外務省など)の国家戦略は、日本を米国と「一体化」していくことだ。FTよると(旧覇権国とし て覇権動向を見る目が鋭い)英国の閣僚は、米国の高官に「英国が覇権衰退した1960年代にインド洋や太平洋(アデン以東、スエズ以東)から撤退したよう に、米国もいずれ西太平洋(グアム以西、またはハワイ以西)から撤退せざるを得なくなる(西太平洋は中国の覇権下に移管される)」と語っている。米高官 は、そんなことはないと否定しているが、米軍がグアム以西への(日本と韓国から)撤退を長期計画にしていることは事実だ(FTの記事は、米国覇権の衰退を 予測する英国勢の分析を冷笑する米国勢の立場に立っているが、私の見立てでは英国勢の方が正しい)。 (UK's risky obsession with US decline) (資本の論理と帝国の論理

 対米従属を絶対の国是としている日本の独裁的な権力である官僚機構は、米国の西太平洋からの撤退を是が非でも防がねばならない。そうしな いと日本が対米従属できなくなり、官僚機構は米国という権力の後ろ盾を失い、国会の政治家に権力を奪われて「民主化」されてしまう。米国が日本を捨ててグ アム以西に撤退することを防ぐため、日本の権力機構はできるだけ早く経済的・外交軍事的に米国と一心同体になることをめざしている。 (まだ続き危険が増す日本の対米従属) (米中逆転・序章

 最近、米国の金融債券システムの崩壊が近い(早ければ今年中)と米国のヘッジファンドなどが騒いでいるが、金融危機の再燃は米国の覇権崩 壊、西太平洋からの撤退、日本の対米従属の終わりになる。だから、安倍を操る官僚機構は、TPPや米軍基地の辺野古移転、日米安保ガイドライン改訂による 日米軍の一体化、日銀のQE続行による債券金融システムのテコ入れなどを全力でやり、米国の覇権崩壊や日本からの撤退を何とか防ごうとしている。 (Stock market rigging is no longer a `conspiracy theory') (Global fund managers warn of a bond bubble) (We Are All Trapped-Alasdair Macleod

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なお、米議会のTPAをめぐる日程は次の通りである。
「方谷先生に学ぶ」のブログから(4月4日

POLITICO Morning Trade 2015年4月3日

 米上院財政委員会の補佐官達が、TPA法案について、4月13日委員会上程、15日公聴会、21日マークアップ(委員会態度決定)の仮の予定を立 てた。議会休会の間、ハッチ上院財政委員長、ワイデン筆頭理事、ライアン下院歳入委員長のスタッフレベルの協議を行っている。ワイデン筆頭理事は、議会に より大きな力とTPAを越える監督権を与える基準を含めるよう求めている。

 この法案に関する早い動きは、マッコネル上院院内総務に、来たるべき6週間の立法期間に割り込むよう合図を送ることになるが、その6週間は、予算 承認からイランとの原子力エネルギー協定に関する政治的影響まで、そしてサイバーセキュリティ法案からハイウエイ資金提供法案までの大きな課題がいっぱい である。

【資料メモ】 ISD条項草案:パブリックシチズンによる分析 九州大学磯田宏先生による要約紹介

表題のとおり、資料紹介です。
周知の通りウィキリークスは今年3月25日に、TPPのISD条項について、最新版(2015年1月20日現在)の交渉テキストをリークしました(PDF)。


同日、パブリックシティズンが分析を発表しています(PDF)。


マチベンにとっては、英語がいかんともしがたい非関税障壁です。
ということは、アメリカにとっては日本語は、もっと困難な非関税障壁、究極の非関税障壁であることは間違いないところです。
TPPが、行き着くところまで行けば、間違いなく英語が公用語になります。


従来から推進派が、ISDによっても、環境や健康保護を目的とする規制を行う主権は妨げられないとと主張している、次のような条文。
今回の版では、以前ついていた留保がとられましたが、これがどの程度、国家主権を認めるものか、判断がつかないのですね。


Article II.15: Investment and Environmental, Health and other Regulatory Objectives
Nothing in this Chapter shall be construed to prevent a Party from adopting, maintaining, or enforcing any measure otherwise consistent with this Chapter that it considers appropriate to ensure that investment activity in its territory is undertaken in a manner sensitive to environmental, health, or other regulatory objectives.


マチベン流には「十分に配慮された、繊細な方法による措置」だけが許されると言うことになり、めっちゃハードルが高いじゃんとなるわけです。
萎縮効果とグローバル企業の濫訴を考えると、ほとんど無意味と言うことになるわけですが、ここが英語能力の不足で、誤訳?
いやはや何とも…。


と言うわけで、パブリックシティズンの分析に関する、九州大学磯田宏先生による、仮抄訳してくださったものをはりつけておきます。


ちなみに、こうしたリーク文書を、米国議会調査局では、『非公式開示文書』と呼び、準公文書扱いにしております。

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【TPP投資章リーク:パブリック・シチズンによる批判的分析文書】



<以下テキストのみ抜粋>
  投資章リークテキスト(2015年1月20日時点)の特徴(磯田仮抄訳)


  1.投資章(協定第Ⅱ章)の最新リークテキスト


*2015年3月25日にWikiLeaksがリーク

*「投資交渉グループが2015年1月20日時点で,同1月26日~2月1日ニューヨーク首席交渉官会合用に準備した」もの


2.リークテキストの特徴(主としてパブリック・シチズンによるISDSに焦点をあてた即日公表批判的分析Lori Wallach and Ben Beachy, Analysis of Leaked Trans-
Pacific Partnership Investment Text, Public Citizen, March 25, 2015,
http://citizen.org/documents/tpp-investment-leak-2015.pdf, より)


(1)未合意部分(カギ括弧square brackets)がかなり少なくなっている(本体29条+2条,附属文書13点,55頁のうち,注を除く未合意部分31箇所) 相当「合意」
に近づいている


(2)各論(投資家国家間紛争ISDSをめぐる主要点)
①オバマ政権が(多くの米国内批判・懸念に「応じて」)ISDSの濫用を何かしら制限すると言明していたのとは裏腹に,過去の米国FTA・投資協定等のISDS条項と変わらないばかりか,さらにいくつかの条文によって,より広範な国内政策・政府行為を提訴対象にするもの


②極めて広範囲な「投資」定義


(ア)全ての資産,収入・利益の期待,リスク引き受けを含む。
(イ)具体的に,規制上の許可,知的財産権,証券やデリバティブ等の金融商品,建設・経営管理・生産・譲許(concession)・分収(revenue-sharing)・その他類似の投資先政府との契約,免許・認可・その他類似の諸権利
(ウ)前回投資章リークテキスト(2012年6月リーク)にあった「投資定義を狭めよう」という提案は削除されており,また「ISDS対象から政府調達,補助金,政府助成を外す」という提案も削除


★これら全てがISDSの対象,しかもTPP発効以前のものまで!
★さらにアメリカ政府は以下をISDS対象にしようと執拗に追求(他のほとんどの諸国が当初から反対しているが,なお「未合意」)
  *政府調達契約(道路,橋梁,運河,ダム,パイプライン等のインフラ建設)
  *政府が管理する土地の天然資源譲許(concession)契約
  *政府との公共サービス運営契約(発電・送電,上下水道,電気通信等)


③投資家国家間紛争の投資先国内司法での措置を事実上排除


(ア)2012年リークテキストにあった「ISDS訴訟を起こす前に,投資先国内での法的措置を追求しなければならない」(国際法の根本原理の一つ)という提案を削除
(イ)同じく「投資家は投資先国裁判所かISDS仲裁機関か,どちらかを選択しなければならない」という提案さえ削除され,「チリ,ペルー,メキシコ,ベトナム以外では投資先国裁判所で負けても,さらにISDSに再提訴できる」とされている


④アメリカはじめ各国政府が約束したISDS濫用歯止め(セーフガード)は実質的に何も措置されていない


(ア)これまで国際投資家国家間仲裁センター(ICSID)等が政府の規制行為を敗訴させてきた最多の根拠は,「慣習国際法上の最低基準(絶対的に維持すべき待遇の水準)」(MST),あるいはそれと密接に結合した「公正衡平待遇」(FET)への「違反」。
(イ)何が「間接収用」なのか,「待遇の最低水準」なのかの規定は,ほとんど中米自由貿易協定附属文書のコピー。だが国際仲裁機関は同附属文書の存在にもかかわらず関係国政府を敗訴させてきたわけなので,TPPテキストは「濫用歯止め」になり得ない。


⑤WTOの「知的財産権の貿易関連側面(TRIPS)協定」(その紛争解決は国家間でしかあり得ない)について,個別外資企業が進出先政府による知財の認定,制限,ないし取消行為等を,同協定違反としてISDSで提訴できるとしている
例えば新薬企業に絶大な権力を付与する


⑥各国民の公衆衛生,安全,環境等の公共福祉目的で内外無差別の政府規制行為を,「間接収用・ISDSの対象としない」という濫用歯止めにも抜け穴


(ア)「投資と,環境,衛生,その他の規制諸目的」という条文があるが,「締約国政府は,協定が外国投資家に与えている全面的な権利と齟齬をきたさない限りにおいて,公益保護を立法化してよい」と。
(イ)「まれな環境下では(間接収用対象外への)例外がある」との一言を挿入
(ウ)法文上,内外無差別であっても,結果的に外資企業に不利となれば(例えばCO2排出基準が,技術的理由で外資企業に不利に作用した場合),提訴可
(エ)「正当化される公共福祉目的」で内外非同一待遇可能性に言及するも,何が「正当化される」かは結局,国際仲裁機関の判断歯止めにならず
(オ)豪州が衛生政策を,マレーシアが政府調達を,カナダが文化政策を,それぞれISDS対象から外す提案をしているが,他の国々から反対されて「未合意」


⑦国内・地域ビジネスの支援,雇用創出,経済発展のための施策もISDS対象に
*例えば政府調達で,内外企業無差別に「国内産・地場産原材料使用」を求めても,「投資事業特定措置要求(performance requirements)禁止」違反とされる


⑧資本移動規制,金融取引税,その他の金融危機防止規制もISDS対象
(ア)資本・資金移動規制は一般的に禁止
(イ)深刻な国際収支上の困難,対外金融上の困難時,マクロ経済運営の困難時にのみ,臨時的かつ数多くの条件付きで認められる可能性があるだけ
(ウ)2008年国際金融危機のようなシステミック・リスク防止目的の,資本移動規制,金融取引税,その他のマクロ・プルーデンシャル規制(全金融機関対象の規制・政策)はISDS対象になりうる

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2015年4月10日 (金)

『クローズアップ現代』の灯を消すな

狡猾な手段による言論締め上げは、朝日新聞、報道ステーションから、次のステージに移った。
今度は『クローズアップ現代』である。
ついに国谷裕子キャスターが謝罪する事態にまでなった。


国谷裕子キャスターが番組内で謝罪 「ブローカーの活動拠点ではない」
【クローズアップ現代やらせ問題】
The Huffington Post  |  執筆者: 中野渉
投稿日: 2015年04月10日 11時14分 JST


NHKの報道番組「クローズアップ現代」でやらせが指摘された問題で、国谷裕子キャスターは4月9日の番組内で謝罪した。NHK調査委員会が同日公表した中間報告で一部の誤りを認定したことを受けた。


国谷キャスターは「昨年5月の放送で『(詐欺の)ブローカーの活動拠点』としてお伝えした部屋は活動拠点ではありませんでした。取材が不十分だったもので、部屋の借り主と視聴者の皆様におわびします」と述べた。


さらに、調査委がさらに調査を進め、できるだけ早く報告をまとめることも伝えた。


こ の問題では、調査委が中間報告で、国谷キャスターの発言と同様に、番組の収録現場を「(詐欺の)活動拠点」と表現したことは「誤りであり、裏付けが不十分 だった」と認めた。ただし、その他の点では記者と出演者の話が大きく食い違っているとして、やらせの有無や不適切な演出の有無を調べて報告書を近くまと め、外部委員の「見解」と併せて公表する方針。

中間報告全文(文字エンコーディングをShift JISにしてご覧下さい)THE PAGE 4月9日(木)10時47分配信 ) を見れば、内容は、朝日新聞の吉田調書問題なんか可愛く見えるほど、あざとい。


と言っても、この写真や動画と比べれば、まだ、はるかに罪は軽い。
横並びなら良いというのだろうか。
いまだに、誤解を招いたと謝罪するメディアも、どうしてこんな写真や動画をばらまくことになったのか検証するメディアも、赤旗を含め、聞いたことがない。


「フランスデモ 40カ国首脳」の画像検索結果


視聴者の関心をひきつける、刺激的な映像を見せようとするドキュメント番組では、今回のやらせ程度のことは日常茶飯事に行われていると思わせるほどに、最近のテレビ番組の劣化ははなはだしい。
たたけば、どこも埃だらけのはずだ。
だから、なぜ、この番組がたたかれるのかを問題にする。


戦前と違い、さしたる言論弾圧装置を持たないまま、これほど言論が貧困になるとは想像もつかなかった。
今や、時代は、非常時には政権批判は慎むべしというのが、共産党を含むコンセンサスになってしまった。
「クローズアップ現代」は、そうした中で、国谷キャスターの突出した能力とバランス感覚で、変わらぬスタンスを維持している。
とくにテレビの言説が見事なほどに劣化してしまったため、立ち位置が変わらない「クローズアップ現代」が目立つようになった。


2014年7月3日 「集団的自衛権 管官房長官に問う」

国谷キャスター:解釈の変更は日本の国のあり方を変えると言うような事だと思うのですが、国際的な状況が変わったというだけで憲法の解釈を本当に変更してもいいのかという声もありますよね。


菅官房長官:これはですね、逆に42年間、そのままで本当によかったかどうかですよね。今、大きく国際化という中で変わってることは、事実じゃないでしょうか。そういう中で、憲法9条を私たちは大事にする中で、従来の政府見解、そうしたものの基本的論理の枠内で、今回、新たに我が国と密接な関係がある他国に対する武力攻撃が発生し、我が国の存立そのものが脅かされ、国民の生命・自由・幸福追求の権利が、根底から覆される明白な危険ということを入れて、今回、閣議決定をしたということです。


(中略)


国谷キャスター:密接な関係のある他国のために、もし集団的自衛権を行使した場合、第三国を攻撃することになって、第三国から見れば日本からの先制攻撃を受けたということになるかと思うんですね。戦争というのは、自国の論理だけでは説明しきれないし、どんな展開になるかわからないという危険を持ったものですから…


菅官房長官:いや、こちらから攻撃することはありえないです。


国谷キャスター:しかし集団的自衛権を行使している中で、防護…


菅官房長官:ですからそこは、最小限度という、3原則という、しっかりした歯止めがありますから、そこは当たらないと思いますよ。


最悪の場合は、番組終了という事態も想定されるだろう。
朝日新聞バッシングの時のように、「クローズアップ現代」を擁護する論が多くないのは、籾井会長のNHKが対象だからだろうか。
NHKの心ある記者は、「クローズアップ現代」を支えようとしているに違いないのだから、連帯したい。


下記記事は、3月21日現在で、論点を精確に分析しているし、深刻な見通しを語っている点で、大いに参考になった。


最後に笑うのはアノ人!? NHK『クローズアップ現代』の”やらせ疑惑”は今後こうなるという予測! 
水島宏明 | 法政大学教授・元日本テレビ「NNNドキュメント」ディレクター
2015年3月21日 13時29分





実は、このケースがNHKの局内調査で「やらせ」「ねつ造」だと判明した場合、ほくそ笑むのは誰かというと意外かもしれないが、NHKの報道、とくに『クローズアップ現代』などを中心とした数々の調査報道を、「偏向報道」だとして苦々しく考えている人たちだ。

 

具体的にいうと、安倍政権の幹部たちだ。

 昨年、『クローズアップ現代』に菅義偉官房長官が生出演した際に、キャスターの厳しい質問が続いたことで首相官邸側が後で抗議したと伝えられる例など、『クロ現』は政権にとっては目の上のタンコブである。
 また、NHKの番組が「偏向している」という認識を公言していた籾井会長をはじめ、政権の意向をひしひし感じている現在のNHKの経営陣にとっても、この報道番組に介入する口実ができたことになる。

 もし『クロ現』での「やらせ」「ねつ造」がはっきりすれば、番組を打ち切る、あるいは、番組内容を大きく変える、とか、あたりさわりないテーマを多くするなどの「口出し」を露骨にしてくるに違いない。NHK局内では早くも『クロ現』つぶしの声まで上がっているという。

今回の「やらせ疑惑」が確定した場合、関係者の処分や再発防止の対策、体制見直し、BPOでの審議などへと発展してだろう。

 だが、視聴者はよくよく注意してほしい。

それでもエッジの効いた調査報道を時々、見せてくれる『クローズアップ現代』の灯を消してはならない。

 

 優れた調査報道を見せてくれた番組で起きた「やらせ疑惑」は非常に残念だが、私たち国民は「角を矯めて牛を殺す」ようなことになっていかないか、注意深く、事態の推移を見守っていくべきだと思う。
 そうした監視の目を強めていないと、最後に笑うのはアノ人たちだという構図を理解しておいた方がいいだろう。


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2015年4月 8日 (水)

「定額働かせ放題法」を止めさせよう!! 署名サイトのご紹介

Change.orgで

「定額働かせ放題」法案の撤回を求めます!

署名キャンペーン中です。

署名はこちらから。

経団連などの経済団体は、2006〜07年にホワイトカラー・エグゼンプション(本制度と同じく残業代がゼロになる制度)が議論されたとき、年収400万円が妥当としていました。今回も経団連会長は、できるだけ多くの労働者が含まれるように求める発言をしています。

頑張れば、止めさせられるかも。
僕たちは奴隷じゃない!!


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参考

米国では「残業代ゼロ」見直し検討   残業代が支払われない労働者が増えているとして

2015年4月 7日 (火)

認知の歪み ヨーロッパ幻想  ネオリベに乗っ取られたEU(フランス)の劣化

現代思想3月臨時増刊「総特集:シャルリ・エブド襲撃/イスラム国人質事件の衝撃」は、シャルリーエブド事件について論じられた中で、最も、フランスの実態に迫ったものではないかと思われる。
フランス社会の内部から、さまざまにこの事件を受け止めた人々の論考に、教えられることが多かった。
フランス社会は、想像以上に劣化している。
ヨーロッパ諸国に広がる極右勢力の台頭を見れば、多かれ少なかれ、ヨーロッパ諸国も劣化しているに違いない。


事件後まもなく16才の少年が逮捕された。
問題になったのは、ネットに流したこの画像。

0001

罪名は、テロ扇動罪。
法定刑は、10年以下の拘禁及び15万ユーロ以下の罰金。


この画像は、シャルリーエブドのパロディである。
シャルリーエブドは、コーランを抱えたムハンマドが銃弾に撃たれる風刺画を掲載していた。
一方はイスラム憎悪扇動でもなくイスラム侮辱でもなく、単に風刺であり、,他方はテロ扇動の重罪である。
フランスの表現空間のダブルスタンダードな歪みを示してあまりある。


確実にいえるのは、フランス社会を劣化させた元凶がグローバリズムであることだ。
EUの実験は、その経済政策の実権がグローバルな新自由主義に握られた結果、無残な失敗に終わりつつあるようにみえる。


現代思想3月臨時増刊号で、知ったことや確認したことをいくつか紹介したい。


・フランスにおいてイスラム嫌悪は、一般化している。
エマニュエル・トッドは、「デモクラシー以後」で繰り返し、イスラム恐怖症を、批判的検討の対象にしている。


・シャルリーは、イスラム嫌悪のヘイトである。
フランス内でも、いろいろな意見があるが、僕は、イスラム嫌悪を煽っていたとする意見に共感する。
日本でたとえていえば、嫌韓言説をまきちらす「チャンネルなんちゃら」である。
「チャンネルなんちゃら」が襲撃されれば、犯人は犯罪行為として裁かれなければならない(但し、射殺刑は野蛮である)。
しかし、「私はチャンネルなんちゃら」を合い言葉とするデモは、おかしい。
シャルリー紙が、700万部も売れたことは異常である。
人口比で言えば、日本で嫌韓本が千数百万部売れたのと同じである。
ちなみに事件後のシャルリー紙の発行には、政府の支援があった。


・日本では、リベラルの高級紙として名高い、ルモンド紙は変質した。
今年1月1号の社説で同紙は「よりよい世界。その前提になるのは、まず第一にイスラム国とその盲目的野蛮との戦いの強化である」と論じた。
また、ルモンドは、シャルリー紙のイスラム嫌悪に対する批判の反論に熱心である。
さらに、さかのぼれば、2006年、自由貿易至上主義に対して保護主義の必要性を主張するエマニュエル・トッドが、当時のシラク政権に影響力を及ぼす恰好の機会に恵まれたとき、ルモンド紙はいち早く「選挙がらみの保護主義の嵐」として、3人の経済学者の論文を掲載して、トッドの影響を封じる動きを見せている(藤原書店「デモクラシー以後」)。
つまり、ルモンドの基調は、イスラム嫌悪のグローバルネオリベラリズムとなっている。


・2007年にサルコジは大統領就任直後に、「移民・統合・国民アイデンティティ省」を設置,イスラム嫌悪を制度化した。
家族移民の抑制と労働移民の促進を打ち出した。家族移民には親子であることのDNA検査を義務づける等、人権侵害的色彩の強い法律である(李秀香「サルコジ政権下における『選択的』移民政策をめぐる論考」ただし、斜め読み)。


・オランド政権はネオリベラリズムを推進している。
新自由主義政策によって生じた格差、貧困、社会的な分裂を緩和することが期待された左派連立政権は、いっそう、ネオリベラル政策を推進し、社会の分裂を深刻化させている。
フランス社会党は、ネオリベ政党である。
2000年代半ばから、社会党の幹部がWTOやIMFの要職に就くようになった。


・オランドの支持率は、海外で武力行使をすると上がる。
オランドの支持率は史上最低であるが、2013年旧植民地マリへの内戦介入、2014年9月にIS空爆に参加することを決定したとき、支持率が上がった。
原子力空母のペルシャ湾派遣でも、支持率が上がった。
イスラム武装勢力に対する戦争政策によって最低限の民衆の支持を取り付けているのが現在のフランス左派政権である。


・オランド政権はシオニズム派である。
2014年7月のイスラエルのガザ侵攻のとき、フランス政府は、いち早く(7月9日)、イスラエルのガザ攻撃を支持した。
フランス社会党がシオニズムに親和的であることは初めて知った。


・デモの禁止が、50年振りに復活し、パレスチナ支援運動や環境保護運動のデモが禁止された。
2014年7月13日、ガザ攻撃に抗議するデモが数万人規模で行われたが、フレームアップにより、警察の介入を招き、7月19日計画された二回目のデモは、内務省通達によって禁止された。7月26日、デモは再び禁止された。その後も、さまざまにデモが禁止されることが繰り返されるようになった。
デモの不自由な、表現の自由大国とは、なんだろう。


・2012年、テロ対策法制定。


・2014年11月14日、反テロリズム法(テロ対策強化法)が成立した。
中東の内戦に参加するために出国するフランス人を主要な対象とし、身分証明書、パスポートの没収、一定期間の出国禁止措置を可能にした。
したがって、ジャーナリストに対する旅券返納命令は先進国では例をみないかのように論じる我が国の議論はナイーブに過ぎる。
テロ対策法強化で、テロリズムを擁護すると判断されたサイトの閉鎖も可能になった。


・反テロリズム法は、フランスだけでなく欧州委員会の意思が反映したものである。


・反テロ法は、移民だけではなく、グローバリズムに抗して、高まりを見せているエコロジー系運動もテロとして射程に入れている。



完全な悪循環に陥っている。
ネオリベラリズムによって、使い捨ての安価な労働力として移民を受け入れ、その結果、賃金の低下を招き、社会が階層化し、社会統合が失われる。
その責任を移民になすりつけて、「教化」や攻撃の対象とする。
移民対策と称して、弾圧立法が強化され、反ネオリベ・反グローバル運動の弾圧にも活用さあれる。
弾圧立法が、ネオリベ政策の推進の道具とされる。
イタリアでは、トリノの高速鉄道に反対して信号を損壊した青年に懲役20年の判決が出されたとも書かれている。
かくして、トッドが嘆く、アトム化された(バラバラにされた)個人と、ナルシシズムの蔓延、恥じらいのない欲の支配する社会へとどんどん傾斜していく。
こうした社会矛盾に対する対抗勢力として極右が台頭する。


閉塞感と、極右の台頭は、フランスだけでなく、他のEU諸国にも共通しているように見える。


ネオリベに乗っ取られた、EUは失敗しつつある。



日本における報道の自由が極端にゆがめられ、政権与党が極右政党でクーデター的な独裁政治を行っている点では、日本の事態はヨーロッパ以上に深刻なのかも知れない。
しかし、少なくともテロを名目として、表現の自由を拘束する法制度や運用では、フランスやEUの方が日本のはるかに先を行っている。
株価至上主義で、年金資産まで株式市場に放り込む、むちゃくちゃな経済政策を進める安倍政権が、排外的ナショナリズムを高揚させ、共謀罪を含む弾圧法規を必要とし、海外での武力行使に執拗にこだわる様子は、フランスと重なる。


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追記 4月9日
4月8日に「もうすぐ北風が強くなる」のブログが引用してくださった。
同ブログのコメント欄に興味を引かれたので、リンクしておきます。
そういえば、朝日新聞を購読していた頃、EUの「極右」と呼ばれる勢力は、民主主義と人権を掲げていると、あったような記憶である。
「隷属は独立である」を掲げる(本当に信じている可能性があるのが恐ろしい)、安倍晋三と同列に扱うのは大変に失礼でした。


IMFの中にも、反ネオリベ勢力がいるのを知らなかったのは、無知だった。
だから、緊縮財政を強いた結果、事後的に、緊縮政策を求めたのは失敗だった、という総括が出たりするんだろう。
総括は出ても、実践的には、結局ネオリベ勢力が勝つので、失敗した緊縮政策をまた、繰り返すということなんだろうか。

2015年4月 4日 (土)

GPIF早くも弾切れ  さらに郵貯マネーつぎ込むのか

下記記事によると、『株価バブル』を維持するために投入を予定された年金資産の大半がすでに昨年12月に、国債から株式市場につぎ込まれた模様です。

基本ポートフォリオ(年金資産構成割合の基準)まで株につぎ込んだら、株価操作も限界に達してしまうのではないかと心配です。
でも、安心してください。
当然、株価が命の安倍政権は、次の手を打ってくれるに違いありません。
GPIFが持つ全ての国債を日銀に買ってもらって株式に買い換えることもできます。
郵貯マネーを総動員して株価を買い支えることもできます。


株価オペレーションが限界に達したとき、一気に株価が下落などというのは無知な素人の考えです。
あれほど証券に詳しい人たちが、それがいい、それがいい、と言ってくださっていたGPIF改革です。


これだけ短期間に基本ポートフォリアに達したと言うことは、『信託銀行』は、受託した年金基金で、どんどん株を買い増ししているということですが、『信託銀行』の関連会社が、その分の株を高値で売り抜けているなんてことは、絶対にありませんから、ご安心ください。

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 驚きのGPIF資産残高構成。もう、玉切れで
株高・円安の流れが変わる可能性も…

2015年04月02日(木)東京時間 13:26

■GPIFなど公的年金の動向に驚いた!?

口最後に、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)など公的年金の動向です。

口2014年12月末のGPIFの資産残高構成を見て、私は正直、驚きました。10~12月の間に国内債を約6.5%減らして、国内株や外国株、外国債券の比率をその分、増やしているという事実が発覚しました。

口これで国内債の比率は、43.13%。目標の35%まで、残り8%となっています。

【参考記事】
金融市場に衝撃が走った3つの要因とは?ドル/円は年内に120円まで上昇の可能性(2014年11月6日、今井雅人)

口仮に、2015年の1~3月に同じ程度の入れ替えが行われているとすれば、もうほとんど玉は残っていないということになります。

■GPIFなど公的年金玉切れ? 株高・円安の流れは変わるか

口これまで、GPIFなどの公的年金による投資によって、株高・円安が演出されてきたのは、みなさんもよく知る事実です。

日経平均株価 日足

(出所:株マップ.com

米ドル/円 週足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 週足

口それが玉切れになるということになれば、流れが大きく変わる可能性も否定できません。

口郵貯マネーが、株などへの投資を拡大するということをもって、まだまだ株買い・円売りは続くという見方もありますが、ここまで伸びた相場を追いかけるようなことを郵貯がするのかという疑問もあります。

口この点に関しては、もう少し調査が必要となってくるでしょう。

口以上、当コラムで述べたようなポイントに、よく目を凝らして、今後の動向を見極めていきたいと思います。それまでは、レンジ相場が続きそうです。

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2015年4月 2日 (木)

TPP交渉差止・違憲訴訟の会  意見交換会のご案内

TPP交渉差止・違憲訴訟の会が結成されて、はや半年。
入会していただいた方、賛同してくださった方々には長らくお待たせしています。


遅まきながら、訴訟提起に向けた準備が本格化しています。
弁護団は、あまりにも膨大な分野を含む協定、秘密の壁に閉ざされた交渉解明の困難さ、いまだ日本の司法が経験したことがない異例の憲法訴訟を開拓するという歴史的な課題に取り組んでいます。


さて、TPP交渉差止・違憲訴訟の会では、訴状にみなさまのご意見を反映させるため、下記日程で意見交換会を開催することになりましたので、お知らせいたします。


          記
日時 4月6日(月) 午後3時20分から5時
場所 衆議院 第一議員会館1階 多目的ホール


詳細は、「TPP交渉差止・違憲訴訟の会」のホームページをご覧下さい。
意見公開会については、「活動のお知らせ」の
【4/6】訴状素案に関する意見交換会のご案内(TPP交渉差止・違憲訴訟の会)
に掲載されていますので、是非ご覧下さい。


訴訟では、いかに一人一人の切実な不安、困難、苦しみを裁判官に伝えることができるかが、とても重要です。
弁護団は、そうした切実な声を、是が非でも訴状に反映させたいと考えています。
みなさまのご参加をお待ちいたします。


TPP交渉自体は、交渉の難航が報道されていますが、TPP交渉参加表明以来、この国のあり方が、ほとんど報道されることもないまま、恐ろしい勢いで変えられています。
TPP交渉に参加し続ける限り、「ゾンビと化したTPP」(首藤信彦氏・雑誌『世界』4月号)は、国内の一部私的勢力を使ってこの国のあり方を徹底したグローバル企業優位のものに作り替えています。
TPP交渉から脱退しない限り、この流れは止まりません。




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2015年4月 1日 (水)

私物化こそ正義  年金資産運用基準変更問題(GPIF改革) 

昨年の総選挙でどうして年金積立金が株式市場に吸い込まれて雲散霧消するシナリオを織り込み済みの「消える年金」問題が、争点にならなかったのか、今だに不思議である。
日本の状況は、総選挙以来、さらにいっそう悪化しているので、今さらながら、残念でならない。


GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の年金資産運用基準(基本ポートフォリオ)変更の件、あまり問題にされていないように見える点があるので、触れておきたい。
誰が得をするか、誰がこれを言い出したかについてである。
得をしたのは、支持率のために株価を操作する安倍晋三だけではない。

 


当たり前だが、GPIF が、自ら130兆円(将来的には公務員共済を含め150兆円)の資金を運用する訳ではない。


しかるべき企業に委託する。
企業は運用委託料を受け取って、GPIFが与える基本的な方針に則って資産運用することになる。
当然ながら、国債運用のような地道な運用では手数料は稼げない。
リスク資産の運用を任された方が、手数料は高くなる(はず)。
年金資産運用で、まず利益を受けるのが運用受託企業であることは、さすがにマチベンでもわかる。


その顔ぶれは、次の通りである。

GPIFホームページ
運用受託機関及び資産管理機関への支払手数料(平成25年度)

Gpifitakuh251

 

Gpifitakuh25


これらの証券会社だか投資顧問会社や信託銀行が、確実に支払手数料を増大させる。
名前を見ていても、全く聞いたこともない会社がたくさんある。
預託金ごとに基金として数えるようであるが、その数は100を超えている。
平成25年度の支払手数料の合計は、260億円ほどであるが、今回の資産運用変更によって、これらの会社は、高度な運用を任されることによって、手数料収入の倍増(以上)を、「合理的に期待」することができる。


なお、運用機関は、当然ながら、損失補填を行ってはならないのであり、高度の専門性による広い裁量が認められるので、よほどのことがない限り、年金資産に損害を与えても責任を負うことはない。
国民は、沈黙する羊のように、面識も名前も知らぬ無責任な投資顧問や金融機関に大事な年金資産の運命をゆだねた訳である。


当然ながら、これらの証券会社は、株式市場が活性化すれば、本業で利益を得ることができるわけで、株式市場「命」の会社であるから、年金資産が大量に流れ込むこと自体、「ベリー・ウェルカム」であるのはいうまでもない。


ちなみに、今回の年金資産運用基準の変更は、GPIFの理事長三谷隆博氏が厚労相に承認を求めた形式になっているが、実質的な議論は、産業競争力会議の議を経て経済再生相の下に設けられた、「公的・準公的資金の運用・リスク管理等の高度化等に関する有識者会議」によって決定されたものと見られるので、一応、紹介しておく。


◎ 伊藤 隆敏
東京大学大学院経済学研究科教授 兼 東京大学公共政策大学院院長
菅野 雅明
JP モルガン証券株式会社チーフエコノミスト
熊谷 亮丸
大和総研チーフエコノミスト
佐久間 総一郎
経団連経済法規委員会企画部会長(新日鐵住金株式会社常務取締役)
菅家 功
日本労働組合総連合会前副事務局長
堀江 貞之
野村総合研究所上席研究員
米澤 康博
早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授
◎座長
(五十音順)

連合の菅谷功氏を除けば、証券関係者が全てともいえる布陣である。
連合の菅谷功氏は、反対したものと思われるが、この「有識者」で議論すれば、トンデモな結論が出ても不思議ではなかった。

一見、中立に見える肩書きを有する、座長である伊藤隆敏氏の主張はWikipediaによれば、以下の通りである(2015年1月6日現在)。

構造改革の論客であり、
「混合診療も認めるべき」
「TPPは積極的に推進すべきだ」
「法人税率の引き下げ」
「労働生産性の高いセクターに人材が動くような政策が取られているのか、むしろ衰退産業に人材を固定化させてはいないか」
「中長期的に国債の新規発行をゼロにするという意識が必要だ」
「手厚い社会保障を維持するなら消費税率は25%まで上がる」などと述べている。

物価目標達成の手段としての日本銀行の外債購入について、外為法の改正なしに日銀が実施できる方法として「日銀法40条3項により、国際協力を目的に購入は可能だ」と主張している。

日 本の財政について「日本が財政状況が危機に陥っていないのはある種の奇跡といえる。私の試算では、日本の財政危機は2023年に到来すると予想される」と 述べている。消費税率について、日本は他国と比べて「負担が低い」と指摘しており、消費税率の引き上げを通じて、柔軟な財政政策をとる余力があることを強 調している。

東日本大震災後、日本経済新聞の「経済教室」で、経済学者の伊藤元重とともに復興増税を提言し、署名活動を求めた。

国民の大切な資産を大事に守るという立場から議論がなされたとはとても考えられない。
年金資産を株式市場に投入することで利益を見いだすメンバーが圧倒的多数を占めているのだから、公平な議論などハナから期待できず、国富の略奪を謀議する会議ともいえる。


GPIF改革の発端となった産業競争力会議での議論も、あからさまである。


年金資産運用変更に関して、公に言及されたのは、平成25年6月12日の第12回産業競争力会議である(但し、平成25年1月23日第1回産業競争力会議で、一言だけの言及はあるが)。

(佐藤議員)
3点目。個別の話になって恐縮だが、GPIF の運用方針の変更について。これもマーケットの注目度が非常に高い項目である。
以前お伝えしたように、各国の公的資金の運用は益々多様化している。先日、カナダ・オランダ・カリフォルニア州の例を申し上げたが、実は先週、中東を代表するソブリンウェルスファンドGIC(Gulf InvestmentCorporation)の運用のトップにお会いしたが、彼は以前カリフォルニア州職員退職者年金基金CalPERS のCIO だった。
彼は世界中のそういった年金基金を渡り歩いて、運用のプロとしてアドバイスをしている。
GPIF の改革の話は、しっかりと成長戦略に入れていただいているが、具体的に申し上げると、運用の最適ポートフォリオの構築は極めて高度な知識と経験を必要とする分野であるため、GPIF の中にも
外部からの専門家をアドバイザーとして採用するなど、いわゆるグローバルスタンダードに合った体制を構築し、一歩でも二歩でも前進させていただきたい。
このGPIF 改革の帰趨をマーケット投資家は固唾を飲んで見守っている状況である。
これは株価が上がるか下がるかということではなく、安倍政権の成長戦略への本気度を、この問題を通して見ようとしていると感じている。
もちろん急激なマーケットの変動につながらないように慎重にやることは必要だが、GPIF の改革を行うという意思が、最大債権国である日本がいよいよ動き出すのだという強いメッセージになっていく、すなわちそれが日本経済にポジティブなインパクトを与えることを私は確信しているので、ぜひ検討をスピードアップしていただきたい。


この佐藤議員とは、佐藤康博氏であり、株式会社みずほフィナンシャルグループ取締役社長CEOである。
上記受託機関の中で、みずほ信託銀行、みずほ投信投資顧問株式会社等、みずほグループが、野村グループについで、多額の資産運用をGPIFから受けている。ざっとみたところ、両社で26億円程度の手数料収入を得ている。
佐藤康博氏が社長CEOを務めるみずほフィナンシャルグループはみずほ信託銀行の全ての株を、みずほ投信投資顧問株式会社の98.7%の株式を保有している。
年金資産運用変更により、直接、受益する企業の社長が、年金資産運用変更を強く主張した。


「GPIF改革の帰趨をマーケット投資家は固唾を呑んで見守っている」
「安倍政権の成長戦略への本気度を、この問題を通してみようとしている」
等の発言は、政府に対する威迫とも取れる発言である。


この会議の直後、平成25年6月14日に「日本再興戦略 Japan is Back」が閣議決定され、
「公的・準公的資金について、各資金の規模や性格を踏まえ、運用(分散投資の促進等)、リスク管理体制等のガバナンス、株式への長期投資におけるリターン向上のための方策等に係る横断的な課題について、有識者会議において検討を進め、本年秋までに提言を得る。」と明記され、上記の有識者会議が設置されるに至った。


年金資産運用の変更は米国の対日要求にすらない項目である。
産業競争力会議で予定されていたかすらも疑わしい。
第1回会議で佐藤議員が一言、言及した後、GPIFが議論されるのは、第12回だけである。
佐藤議員の発言が実際にどの程度政策を動かしたかは、不明であるが、少なくとも大きな発言力と影響力を有する人物であることは確実である。


これによって、みずほフィナンシャルグループの子会社であるみずほ信託銀行やみずほ投信投資顧問株式会社が得る手数料収入の大幅な増加が実現する。


受託手数料を得る企業グループのボスが、受託収入が上がるプランを提案して国に実行を迫る。
要するに、この国では、日常茶飯事、政治家と経営者が一緒になって、国民の資産をむしり取るかを競っているといってもよいだろう。



他にも気になる情報がある。

GPIF:国内債初の50%割れ、日本株8年ぶり水準-7~9月
11月26日(ブルームバーグ):


 

収益率は2期連続プラス    

GPIF運用委員会の米沢康博運用委員長は11日、ロイター通信とのインタビューで、GPIFは新基本ポートフォリオの発表前に国債の売却を開始したと述べた。

日本証券業協会の統計によると、
GPIFを含む年金基金の売買動向を映す「信託銀行」は10月に中・長期・超長期国債を1兆286億円売り越し、国庫短期証券(TB)などを1兆944億円買い越した。東京証券取引所のデータでは「信託銀行 」は、GPIFが新基本ポートフォリオを発表するまでの14週間で日本株を合計1兆超も買い越したが、発表後の2週間では売り越しに転じている。

バークレイズ証券の福永顕人チーフ債券ストラテジストは、GPIFは今年度下半期に国内債を約6兆円減らす一方、国内株を2.5兆円、外債を1兆円、外株を2.5兆円程度増やすと予想。緩やかな株高・円安基調が続けば、来年3月には国内債比率が新基本ポートフォリオの乖離許容幅の範囲内に入るとみている。

GPIFの7-9月期の運用収益は3兆6223億円で、収益率は2.87%。国内外での株高や円安を背景に2期連続のプラスで、08年度以降の四半期では6番目の高水準となった。国内株の収益額は1兆2892億円で、収益率は5.78%。外債は8108億円で5.51%、外株は1兆1779億円で5.64%。国内債は3152億円で、収益率は0.53%にとどまった。

長期金利の指標となる新発10年物国債利回り は9月末に0.525%。6月末から4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下した。TOPIX は5%高い1262.56。米国債 の10年物利回りは2.49%と4bp下げた。米S&P500種 株価指数は0.6%上げて1972.29だった。円の対ドル相場は1ドル=109円65銭と8.2%下落した。


資産運用にはとんと縁がないマチベンには極めて難解な文章だが、赤字にしたところは、アホでも気になる。
資産運用基準変更発表前に、すでにGPIFを含む年金基金の売買動向を映す「信託銀行」は、日本株を1兆円超も買い越し、資産運用基準変更発表後に売り越しているという。
この「年金基金の売買動向を映す『信託銀行』」という言い回しは微妙な話であり、これらの取引には、GPIFの主たる資金が含まれているということだろう。


指摘は、「信託銀行」が事前に、資産運用基準変更を知らされていたということを前提にしている。
GPIFの資産運用基準変更後に、サプライズ効果で一時的に株価は急騰した。
したがって、GPIFの売買動向を映す「信託銀行」は、安く株を購入して、高く売ったという訳だ。
その範囲では、GPIFの資産の増加に「信託銀行」が寄与したことは、その通りである。
しかし、事前にGPIFから資産運用基準変更を知らされていた「信託銀行」が、他の運用資産について、発表前に株式を買い、発表後に売ることをしていない保障がどこにあるのだろう。
巨大なインサイダー情報が私的に活用された可能性を、この指摘は排除していない。


高度な資産運用の世界に入ってしまうと、国民には、皆目見当が付かない闇に紛れ込んでしまうということだ。
単細胞ノータリン系のグローバリズムの主たるキーワードは「私物化こそ正義だ」「私物化こそ、諸国の富を最大化する」である。


一人を殺せば殺人犯だが、大量に殺せば英雄であるのはこの場合も残念ながら真実である。
一人から強奪すれば強盗犯だが、国民・国富から略奪すれば経済政策である。

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