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2015年4月 1日 (水)

私物化こそ正義  年金資産運用基準変更問題(GPIF改革) 

昨年の総選挙でどうして年金積立金が株式市場に吸い込まれて雲散霧消するシナリオを織り込み済みの「消える年金」問題が、争点にならなかったのか、今だに不思議である。
日本の状況は、総選挙以来、さらにいっそう悪化しているので、今さらながら、残念でならない。


GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の年金資産運用基準(基本ポートフォリオ)変更の件、あまり問題にされていないように見える点があるので、触れておきたい。
誰が得をするか、誰がこれを言い出したかについてである。
得をしたのは、支持率のために株価を操作する安倍晋三だけではない。

 


当たり前だが、GPIF が、自ら130兆円(将来的には公務員共済を含め150兆円)の資金を運用する訳ではない。


しかるべき企業に委託する。
企業は運用委託料を受け取って、GPIFが与える基本的な方針に則って資産運用することになる。
当然ながら、国債運用のような地道な運用では手数料は稼げない。
リスク資産の運用を任された方が、手数料は高くなる(はず)。
年金資産運用で、まず利益を受けるのが運用受託企業であることは、さすがにマチベンでもわかる。


その顔ぶれは、次の通りである。

GPIFホームページ
運用受託機関及び資産管理機関への支払手数料(平成25年度)

Gpifitakuh251

 

Gpifitakuh25


これらの証券会社だか投資顧問会社や信託銀行が、確実に支払手数料を増大させる。
名前を見ていても、全く聞いたこともない会社がたくさんある。
預託金ごとに基金として数えるようであるが、その数は100を超えている。
平成25年度の支払手数料の合計は、260億円ほどであるが、今回の資産運用変更によって、これらの会社は、高度な運用を任されることによって、手数料収入の倍増(以上)を、「合理的に期待」することができる。


なお、運用機関は、当然ながら、損失補填を行ってはならないのであり、高度の専門性による広い裁量が認められるので、よほどのことがない限り、年金資産に損害を与えても責任を負うことはない。
国民は、沈黙する羊のように、面識も名前も知らぬ無責任な投資顧問や金融機関に大事な年金資産の運命をゆだねた訳である。


当然ながら、これらの証券会社は、株式市場が活性化すれば、本業で利益を得ることができるわけで、株式市場「命」の会社であるから、年金資産が大量に流れ込むこと自体、「ベリー・ウェルカム」であるのはいうまでもない。


ちなみに、今回の年金資産運用基準の変更は、GPIFの理事長三谷隆博氏が厚労相に承認を求めた形式になっているが、実質的な議論は、産業競争力会議の議を経て経済再生相の下に設けられた、「公的・準公的資金の運用・リスク管理等の高度化等に関する有識者会議」によって決定されたものと見られるので、一応、紹介しておく。


◎ 伊藤 隆敏
東京大学大学院経済学研究科教授 兼 東京大学公共政策大学院院長
菅野 雅明
JP モルガン証券株式会社チーフエコノミスト
熊谷 亮丸
大和総研チーフエコノミスト
佐久間 総一郎
経団連経済法規委員会企画部会長(新日鐵住金株式会社常務取締役)
菅家 功
日本労働組合総連合会前副事務局長
堀江 貞之
野村総合研究所上席研究員
米澤 康博
早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授
◎座長
(五十音順)

連合の菅谷功氏を除けば、証券関係者が全てともいえる布陣である。
連合の菅谷功氏は、反対したものと思われるが、この「有識者」で議論すれば、トンデモな結論が出ても不思議ではなかった。

一見、中立に見える肩書きを有する、座長である伊藤隆敏氏の主張はWikipediaによれば、以下の通りである(2015年1月6日現在)。

構造改革の論客であり、
「混合診療も認めるべき」
「TPPは積極的に推進すべきだ」
「法人税率の引き下げ」
「労働生産性の高いセクターに人材が動くような政策が取られているのか、むしろ衰退産業に人材を固定化させてはいないか」
「中長期的に国債の新規発行をゼロにするという意識が必要だ」
「手厚い社会保障を維持するなら消費税率は25%まで上がる」などと述べている。

物価目標達成の手段としての日本銀行の外債購入について、外為法の改正なしに日銀が実施できる方法として「日銀法40条3項により、国際協力を目的に購入は可能だ」と主張している。

日 本の財政について「日本が財政状況が危機に陥っていないのはある種の奇跡といえる。私の試算では、日本の財政危機は2023年に到来すると予想される」と 述べている。消費税率について、日本は他国と比べて「負担が低い」と指摘しており、消費税率の引き上げを通じて、柔軟な財政政策をとる余力があることを強 調している。

東日本大震災後、日本経済新聞の「経済教室」で、経済学者の伊藤元重とともに復興増税を提言し、署名活動を求めた。

国民の大切な資産を大事に守るという立場から議論がなされたとはとても考えられない。
年金資産を株式市場に投入することで利益を見いだすメンバーが圧倒的多数を占めているのだから、公平な議論などハナから期待できず、国富の略奪を謀議する会議ともいえる。


GPIF改革の発端となった産業競争力会議での議論も、あからさまである。


年金資産運用変更に関して、公に言及されたのは、平成25年6月12日の第12回産業競争力会議である(但し、平成25年1月23日第1回産業競争力会議で、一言だけの言及はあるが)。

(佐藤議員)
3点目。個別の話になって恐縮だが、GPIF の運用方針の変更について。これもマーケットの注目度が非常に高い項目である。
以前お伝えしたように、各国の公的資金の運用は益々多様化している。先日、カナダ・オランダ・カリフォルニア州の例を申し上げたが、実は先週、中東を代表するソブリンウェルスファンドGIC(Gulf InvestmentCorporation)の運用のトップにお会いしたが、彼は以前カリフォルニア州職員退職者年金基金CalPERS のCIO だった。
彼は世界中のそういった年金基金を渡り歩いて、運用のプロとしてアドバイスをしている。
GPIF の改革の話は、しっかりと成長戦略に入れていただいているが、具体的に申し上げると、運用の最適ポートフォリオの構築は極めて高度な知識と経験を必要とする分野であるため、GPIF の中にも
外部からの専門家をアドバイザーとして採用するなど、いわゆるグローバルスタンダードに合った体制を構築し、一歩でも二歩でも前進させていただきたい。
このGPIF 改革の帰趨をマーケット投資家は固唾を飲んで見守っている状況である。
これは株価が上がるか下がるかということではなく、安倍政権の成長戦略への本気度を、この問題を通して見ようとしていると感じている。
もちろん急激なマーケットの変動につながらないように慎重にやることは必要だが、GPIF の改革を行うという意思が、最大債権国である日本がいよいよ動き出すのだという強いメッセージになっていく、すなわちそれが日本経済にポジティブなインパクトを与えることを私は確信しているので、ぜひ検討をスピードアップしていただきたい。


この佐藤議員とは、佐藤康博氏であり、株式会社みずほフィナンシャルグループ取締役社長CEOである。
上記受託機関の中で、みずほ信託銀行、みずほ投信投資顧問株式会社等、みずほグループが、野村グループについで、多額の資産運用をGPIFから受けている。ざっとみたところ、両社で26億円程度の手数料収入を得ている。
佐藤康博氏が社長CEOを務めるみずほフィナンシャルグループはみずほ信託銀行の全ての株を、みずほ投信投資顧問株式会社の98.7%の株式を保有している。
年金資産運用変更により、直接、受益する企業の社長が、年金資産運用変更を強く主張した。


「GPIF改革の帰趨をマーケット投資家は固唾を呑んで見守っている」
「安倍政権の成長戦略への本気度を、この問題を通してみようとしている」
等の発言は、政府に対する威迫とも取れる発言である。


この会議の直後、平成25年6月14日に「日本再興戦略 Japan is Back」が閣議決定され、
「公的・準公的資金について、各資金の規模や性格を踏まえ、運用(分散投資の促進等)、リスク管理体制等のガバナンス、株式への長期投資におけるリターン向上のための方策等に係る横断的な課題について、有識者会議において検討を進め、本年秋までに提言を得る。」と明記され、上記の有識者会議が設置されるに至った。


年金資産運用の変更は米国の対日要求にすらない項目である。
産業競争力会議で予定されていたかすらも疑わしい。
第1回会議で佐藤議員が一言、言及した後、GPIFが議論されるのは、第12回だけである。
佐藤議員の発言が実際にどの程度政策を動かしたかは、不明であるが、少なくとも大きな発言力と影響力を有する人物であることは確実である。


これによって、みずほフィナンシャルグループの子会社であるみずほ信託銀行やみずほ投信投資顧問株式会社が得る手数料収入の大幅な増加が実現する。


受託手数料を得る企業グループのボスが、受託収入が上がるプランを提案して国に実行を迫る。
要するに、この国では、日常茶飯事、政治家と経営者が一緒になって、国民の資産をむしり取るかを競っているといってもよいだろう。



他にも気になる情報がある。

GPIF:国内債初の50%割れ、日本株8年ぶり水準-7~9月
11月26日(ブルームバーグ):


 

収益率は2期連続プラス    

GPIF運用委員会の米沢康博運用委員長は11日、ロイター通信とのインタビューで、GPIFは新基本ポートフォリオの発表前に国債の売却を開始したと述べた。

日本証券業協会の統計によると、
GPIFを含む年金基金の売買動向を映す「信託銀行」は10月に中・長期・超長期国債を1兆286億円売り越し、国庫短期証券(TB)などを1兆944億円買い越した。東京証券取引所のデータでは「信託銀行 」は、GPIFが新基本ポートフォリオを発表するまでの14週間で日本株を合計1兆超も買い越したが、発表後の2週間では売り越しに転じている。

バークレイズ証券の福永顕人チーフ債券ストラテジストは、GPIFは今年度下半期に国内債を約6兆円減らす一方、国内株を2.5兆円、外債を1兆円、外株を2.5兆円程度増やすと予想。緩やかな株高・円安基調が続けば、来年3月には国内債比率が新基本ポートフォリオの乖離許容幅の範囲内に入るとみている。

GPIFの7-9月期の運用収益は3兆6223億円で、収益率は2.87%。国内外での株高や円安を背景に2期連続のプラスで、08年度以降の四半期では6番目の高水準となった。国内株の収益額は1兆2892億円で、収益率は5.78%。外債は8108億円で5.51%、外株は1兆1779億円で5.64%。国内債は3152億円で、収益率は0.53%にとどまった。

長期金利の指標となる新発10年物国債利回り は9月末に0.525%。6月末から4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下した。TOPIX は5%高い1262.56。米国債 の10年物利回りは2.49%と4bp下げた。米S&P500種 株価指数は0.6%上げて1972.29だった。円の対ドル相場は1ドル=109円65銭と8.2%下落した。


資産運用にはとんと縁がないマチベンには極めて難解な文章だが、赤字にしたところは、アホでも気になる。
資産運用基準変更発表前に、すでにGPIFを含む年金基金の売買動向を映す「信託銀行」は、日本株を1兆円超も買い越し、資産運用基準変更発表後に売り越しているという。
この「年金基金の売買動向を映す『信託銀行』」という言い回しは微妙な話であり、これらの取引には、GPIFの主たる資金が含まれているということだろう。


指摘は、「信託銀行」が事前に、資産運用基準変更を知らされていたということを前提にしている。
GPIFの資産運用基準変更後に、サプライズ効果で一時的に株価は急騰した。
したがって、GPIFの売買動向を映す「信託銀行」は、安く株を購入して、高く売ったという訳だ。
その範囲では、GPIFの資産の増加に「信託銀行」が寄与したことは、その通りである。
しかし、事前にGPIFから資産運用基準変更を知らされていた「信託銀行」が、他の運用資産について、発表前に株式を買い、発表後に売ることをしていない保障がどこにあるのだろう。
巨大なインサイダー情報が私的に活用された可能性を、この指摘は排除していない。


高度な資産運用の世界に入ってしまうと、国民には、皆目見当が付かない闇に紛れ込んでしまうということだ。
単細胞ノータリン系のグローバリズムの主たるキーワードは「私物化こそ正義だ」「私物化こそ、諸国の富を最大化する」である。


一人を殺せば殺人犯だが、大量に殺せば英雄であるのはこの場合も残念ながら真実である。
一人から強奪すれば強盗犯だが、国民・国富から略奪すれば経済政策である。

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