革命さもなくばクーデター? 米国国防権限法が集団的自衛権行使を決める?
米国発で日本の政策が決定されるということは、もはや周知の事実であるが、米国議会の定める法律が日本の方針を決定するかのごとき現象は、僕が知る限り、今回が初めてではないかと思う。
議会権限に属する国防事項に関して、大統領の政策評価という性格のある可能性を含む、国防権限法についての報道の仕方が悪いのかも知れないが、
まるで米国の内政の一部に日本が組み込まれたように見える。
つらつら考えるに、わが国の「国権の最高機関」は無視された訳であり、これは一種の日本国政に関する最高権力の奪取であるから、革命である。
まことにめでたい。
これも総理様のありがたい日本史上初の米議会上下院合同会議演説のおかげであり、外務官僚の努力のたまものであろう。
ほとんど新聞を読むいとまもなく過ごしているので、すでに知られた話なのかどうか、自分では不明であるが、記事を貼り付けておく。
集団的自衛権行使容認、米が国防権限法に盛る
読売新聞2015年05月16日 19時56分
【ワシントン=今井隆】米下院は15日の本会議で、2016会計年度(15年10月~16年9月)の国防予算の支出に必要な国防権限法案を賛成多数で可決した。
法案では日米同盟について記述し、「米国は集団的自衛権の行使容認を含む日本の防衛政策の変更を支持する」と盛り込み、安全保障関連法案の成立を目指す安倍政権を後押しした。
法案ではまた、沖縄県の米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設を「唯一の選択肢」と明記した。
国防総省とその他の省庁の国防予算の総額は計6120億ドル(約73兆円)とし、政権の要求水準を実質的に満たした。
米下院も「辺野古唯一」国防権限法案に文言
沖縄タイムス 2015年5月20日 06:39
【平安名純代・米国特約記者】米下院は15日の本会議で、2016会計年度(15年10月~16年9月)の国防予算の大枠を定める国防権限法案を賛成多数で可決した。米軍普天間飛行場の移設先について「名護市辺野古が唯一の選択肢」と明記し、日米両政府が現行計画で定めた移設先を米下院も支持するとの認識を表明した。
同法案は、沖縄の米軍施設の統合計画をめぐり(1)日米間の防衛同盟は重要で強固(2)沖縄県知事による13年の埋め立て承認を含め、06年の日米合意に変更を加えた12年4月27日の日米合意の実現を目指すとともに、アジア太平洋地域における米海兵隊の再編のための日本の拠出費の凍結が解除されたことを確認する(3)海兵隊のグアム移転は普天間の辺野古移設と切り離されたが、日米合意を満たすために両方とも進展を継続しなければならない-などの7点を確認した。
そのうえで、米議会が12会計年度の国防権限法で定めた独立機関による普天間の移設先に関する研究で辺野古が最善との結果が出た点や、日米両政府が辺野古移設を再確認した点などを「米議会の認識」として明記。「辺野古が唯一の選択肢」との文言を盛り込んだ。
また、日米同盟について、「米国は集団的自衛権の行使容認を含め、日本の防衛政策の変更を支持する」と明記している。
ちなみに、6120億ドルという16年度会計の国防予算は、戦費を除いた米国軍事予算の歴代最高額をほぼ1000億ドル(12兆円!)も更新する過去最高額である(時事ドットコム【図解・国際】米国防予算の推移)。
これは、日本国の集団的自衛権行使容認と引き替えに大統領に与えられたお駄賃にも見える。
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