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2015年6月26日 (金)

TPP推進派の正体 IMF顔負け 国家危機に群がるハゲタカ弁護士集団

IMFも融資に際して、とりあえず、いささかの温情を示す。
債務危機国の債務の一部免除してみせるのだ。

何しろ、債務危機の原因は先進国のマネーゲームが大きい。
しかも、ギリシャ債務危機では、粉飾決算を仕組んだゴールドマン・サックスもしこたま報酬を稼いでいる。
とことん相手国をもてあそんだグローバル企業を抱える国家としては、いささかは後ろめたいだろう。

ところが、IMFですら認めざるを得ない債務の一部カットを断固、許さない者たちが存在する。
グローバルな弁護士激増政策の下、売上を急拡大させている、世界を股にかけるハゲタカ弁護士グループだ。

ハゲタカ弁護士グループは、債務危機に陥りそうな国を見つけると、顧客に、確実に全額回収しようと呼びかけて、債務危機国に襲いかかる。
武器は、いうまでもなく投資家私設法廷(ISD)だ。

ここでは、構造調整があろうがなかろうが、“外国投資家の合理的期待は絶対!!”の原則が貫徹する。

ハゲタカ・ローファーム(ビジネスロイヤー)ベスト20は次のとおりだ(累計提訴件数順・2011年現在)。

Profitng_korean_ver_table1

この表は、ローファーム自身が、グローバル企業を顧客勧誘するために公表している実績に基づいている。
世界ビッグ1と3のローファームの名前がないのは、宣伝しなくとも、顧客が自然と集まるからだろう。
余裕である。

弁護士費用に基準はない。
King&Spalding(米国)は、獲得した賠償金1億330万ドルの80%を報酬請求したと伝えられる。

政府側が依頼したローファームに払う費用もバカにならない。
1件当たり平均800万ドルを超え、3000万ドルを超えるものも確認されている。
フィリピン政府は、2件のISDに対応するために5800万ドルを使った。
これは380万人の子どもに、結核、ジフテリア、ポリオを予防するワクチン費用に匹敵する。

ハゲタカは、債務危機に陥る国をいち早く察知して、顧客へ宣伝攻勢をかける。
おかげで、2001年債務危機に陥ったアルゼンチンは、40件ものISDに見舞われた。
ISD裁判のお約束通りアルゼンチンは、これまでに12件で敗訴し、11億5000万ドルを払うことになった。
これは、15万人の教師、または10万人の医師の平均賃金に匹敵する。
少なく見ても、その3分の1は、ハゲタカ弁護士の懐を潤すために支払われた。

むろん、ギリシャ債務危機は、ハゲタカ弁護士の絶好のビジネスチャンスだ。
「国家債務危機による債務カットによる損害から、投資家に希望を与えなければならない」(K&L Gates・米国)
「『ギリシャの淫らな財政的処身(Greece's grubby financial behavior)』は、気分を害した投資家に賠償金を要求する確実な理由を提供する」(Luther・ドイツ)
「債務カット交渉には、ISDを交渉道具として利用しよう」(Milbank・米国、De Brauw・オランダ、Linklaters・英国)

内戦も、ハゲタカ弁護士のビジネスチャンスだ。
2011年リビアでの内戦で、ハゲタカたちは顧客に呼びかけた。
「設備と個人の安全と保安に関して、リビア政府が約束を守れなかったことについての金銭的補償を請求するためにISDを利用しよう」(Freshfields・イギリス)
パンフレット「リビアの危機:石油会社とガス会社に有効な法的選択肢は何か(Crisis in Libya:What legal options are available tooil and gas companies?)」を発行。(King&Spalding・米国)

公衆衛生・環境・人権のための規制も、ハゲタカ弁護士の恰好の餌食だ。
「助けて。収用される!(help、I am being expropreated!)」というの題名の詳細なパンフレットを発行。(Luther・ドイツ)

ハンガリーの法人増税で、ISDを提案(K&L Gates・米国)
インドが2012年3月に抗ガン剤のネクサバールの薬価があまりにも高いため、切り下げを図ると、White&Cas(米国)は特許権を持つ製薬会社は「BIT(ISD協定)下で安息所を見つけるだろう」と宣伝した。


ISDは、人種差別撤廃のための措置もビジネスチャンスに変える。
南アフリカ共和国。2004年1月、大統領は黒人経済育成法(Black Economic empowerment Act)に署名。黒人が経済活動に参加する機会と恩恵を保障するため、企業に対し黒人管理者の割合、黒人の所有限度、黒人労働者の割合などを基準として点数を付け、政府の入札や銀行融資を優先的に支援する制度を用意した。

ハゲタカ弁護士に後押しされた、鉱山会社を始め多くの企業が、ISDをお見舞いした。
ISDの脅しのために、南アは、これらの企業に新たなライセンスを与えて、和解することを強いられた。

かくして、ISDは、今や、弁護士にとっての莫大な収入を約束する一大産業である。
なりふり構わず、TPP、TTIP、TiSAに邁進するオバマ大統領の最大のスポンサーは、ハゲタカ弁護士グループだ。
(以上、『profiting from injusutice』より)

孫崎享チャンネル6月19日「TPP 母体の民主党反対を反対を押し切り、オバマを賛成に回らせる勢力は何か」で最も多額の献金をしているのは、法律・ロビイストグループで2800万ドルを献金している。
 農業             2.1(百万ドル単位)
 
 通信・電気         20.7
 
 建設             4.2
 
 防衛             1.1
 
 エネルギー          2.4
 
 金融・保険・不動産     20.4
 
 保健(医療)        18.9
 
 法律・ロビイスト      28.0
以下略。

弁護士数130万人を擁する、米国では弁護士業は、一大産業である。


日弁連も夢見ている。
世界を股にかけて、危機にある国や、建設的な規制を行う国家の国民から、巨額の報酬を捲き上げる、ビジネスモデルを。
だから、日弁連主流派は、絶対に、ISDに反対しないのである。
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街の弁護士日記「TPP推進派の正体 IMF顔負け 国家危機に群がるハゲタカ弁護士集団」によると、    (一部引用・・・・以下紫字部分は上記記事からの引用) 弁護士費用に基準はない。 King&Spalding(米国)は、獲得した賠償金1億330万ドルの80%を報酬請求したと伝えられる。      (中略) ハゲタカは、債務危機に陥る国をいち早く察知して、顧客へ宣伝攻勢をかける。 ...... [続きを読む]

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