日本の伝統を壊す者どもが『愛国』を名乗る耐えがたい欺瞞
日の丸・君が代を大学にまで押しつけようとする文科省が、初等、中等、高等教育を通じて、一貫して英語重視を推し進めようとする。
初等・中等教育で英語を重視すれば、その分、他の科目の教育はおろそかになる。
基礎学力の低下は免れない。
文科省が推奨するように大学の授業(講義)の半分を英語で行うならば、教える内容を落とさざるを得ず、高等教育の大幅な劣化が避けられない。
こうして現在のところ、OECD加盟国でトップにある日本人(成人)の知的水準は大幅に低下していく。
どう考えても文科省の基本政策は、日本人愚民化政策である。
(このグラフを見る限り、標準的な米国人の知的レベルは読解力も数理的思考力も標準的な日本人より相当に劣っていると言わざるを得ない)
この数年、とくに第二次安倍政権以後、しきりともてはやらされる『世界大学ランキング』を念のため確認してみる。
本来この種のものを単一尺度で並べることにどれほどの意味があるかという、根本的な問題には目をつむる。
英タイムズ・ハイアー・エデュケーション(THE)
世界大学ランキングTOP100(2015年度版)
| 順位 | 大学名 | 国 |
|---|---|---|
| 1 | ハーバード大学 | USA |
| 2 | ケンブリッジ大学 | UK |
| 3 | オックスフォード大学 | UK |
| 4 | マサチューセッツ工科大学(MIT) | USA |
| 5 | スタンフォード大学 | USA |
| 6 | カリフォルニア大学バークレー校 | USA |
| 7 | プリンストン大学 | USA |
| 8 | イェール大学 | USA |
| 9 | カリフォルニア工科大学 | USA |
| 10 | コロンビア大学 | USA |
| 11 | シカゴ大学 | USA |
| 12 | 東京大学 | 日本 |
| 13 | カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA) | USA |
| 14 | インペリアル・カレッジ・ロンドン | UK |
| 15 | スイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETHZ) | スイス |
| 16 | トロント大学 | カナダ |
| 17 | ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL) | UK |
| 18 | ジョンズ・ホプキンス大学 | USA |
| 19 | ミシガン大学 | USA |
| 20 | コーネル大学 | USA |
| 20 | ニューヨーク大学(NYU) | USA |
| 22 | ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE) | UK |
| 23 | ペンシルベニア大学 | USA |
| 24 | シンガポール国立大学(NUS) | シンガポール |
| 25 | モスクワ大学 | ロシア |
| 26 | 清華大学 | 中国 |
| 27 | 京都大学 | 日本 |
| 28 | カーネギーメロン大学 | USA |
| 29 | エディンバラ大学 | UK |
| 30 | イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校 | USA |
| 31 | キングス・カレッジ・ロンドン(KCL) | UK |
| 32 | 北京大学 | 中国 |
| 33 | ワシントン大学 | USA |
| 34 | デューク大学 | USA |
| 35 | ルートヴィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘン | ドイツ |
| 35 | マギル大学 | カナダ |
| 37 | ブリティッシュコロンビア大学 | カナダ |
| 38 | ルプレヒト・カール大学ハイデルベルク | ドイツ |
| 38 | カリフォルニア大学サンフランシスコ校 | USA |
| 38 | ウィスコンシン大学マディソン校 | USA |
| 41 | フンボルト大学ベルリン | ドイツ |
| 41 | カリフォルニア大学サンディエゴ校 | USA |
| 41 | メルボルン大学 | オーストラリア |
| 44 | カリフォルニア大学デービス校 | USA |
| 45 | カロリンスカ研究所 | スウェーデン |
| 46 | テキサス大学オースティン校 | USA |
| 47 | ノースウェスタン大学 | USA |
| 48 | スイス連邦工科大学ローザンヌ校 | スイス |
| 49 | ジョージア工科大学 | USA |
| 50 | マンチェスター大学 | UK |
| 以下略 | ||
青字(日本は赤)としたのが、英語を公用語としていない国である(シンガポールは英語を公用語としている)。
英語圏の評価なので、英語圏の国が高評価になるのは当然である。
ほとんど根拠もなく、『日本はすごい』を連発する自意識過剰なテレビ番組には、ほとほと辟易しているが、欧米スタンダードの中で、東京大学、京都大学が際だった上位にランクしていることは、冷静に見れば、驚嘆すべきことだろう。
なぜか、このことは『日本はすごい』の中には入らないのである。
英米語圏以外の諸国も、西欧はおおむね多言語国家であり、英語を共用語にする傾向がある。
周知の通り中国も多民族・多言語国家であり、英語を必要とするだろう。
(逆に言えば、誇り高いフランスが、上位50校に1校も入っていないのは、非英語圏の一つの矜持なのかもしれない)
日本は、アイヌ語と、説によっては琉球語が少数言語とされる他は、ほぼ単一言語国家である。
英語を必要としない国なのである。
したがって、英語論文の数も少ない。
英語圏の論文数などが反映するランキングで、英語圏より下位になるのは、当然である。
非英語圏の国の中で、1位と、5位を日本の大学が占めているのは、何よりも庶民にまであまねく教育を行き渡らせた、日本の伝統であり、文化の強みだといってよいだろう(現政権が傾倒する明治のイデオローグである福沢諭吉は、愚民化を唱えていたと安川寿之輔氏から教わったが、日本国民はこれに従わなかったということだ)。
東京大学が英語授業を勧める文科省に対して、次のように述べるのは当然のことなのである。
『東京大学は、多民族国家アメリカやイギリスとは異なった社会環境と日本語という国語をベースに高い教育研究水準を達成してきた日本の国立大学である。教育・研究・運営のほとんどすべてが英語だけで行われる、英米の有力大学と同じグローバルキャンパスモデルをそのまま採用することはできない』
何度でも言うが、教育の英語への傾斜は愚民化政策以外の何物でもない。
むしろ、日本のノーベル賞受賞者のほとんどが、大学の授業料が無償に近いほど低額であった時代に高等教育を受けていることに学ぶべきだ。
親の所得如何を問わず、等しく高等教育の機会が与えられてこそ、開花すべき才能も開花し、日本を豊かにするだろう。
目指すべき教育政策が、高等教育も含めた授業料無償化の方向にこそあることは、普通に考えれば、誰の目にも明らかな歴史的事実のはずである。
日本人を愚民化するな。
これに対する対応が不要な訳ではないだろう。
しかし、英語の本格的な勉強は、必要に応じてすれば、十分である。
僕の歳になると、大体、単語が覚えられないので、手遅れ (;´д`)トホホ… ということもあり得るが、20代、30代なら、必要に応じて学べば、十分なはずだ。
その以前に、英語で表すべきもの、英語でしか学べないものを吸収する力が基礎になることは当然なのである。
仮に英語対応のための政策を考えるのであれば、仕事や学業の如何を問わず、英語が必要だと感じた時期に、英語の学習に集中できるような、制度的な保障だろう。
英語学習休暇とか、英語学習休学とか…。
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