密室による国家統治 グローバル資本無責任の法理
追記
GPIFといえば、市民オンブズマンが情報公開を請求したが、何も公開されぬに等しかったという記事について、ご連絡をいただいたことを思い出した。
以下の記事によれば、ブラックロックの年金つぶしの投資の実態は、7年は秘密だということになりそうである。国家を超える巨大経済主体は、何も責任を負わないということである。
ゴールドマンサックスは、ギリシャ政府の委託を受けて、政府財政を粉飾決算して多額の報酬を得たが、ギリシャ危機について、何も責任を負わず、ギリシャ国民に犠牲を押しつけている。
かつて、大日本帝国を含む欧米先進国には、国家無責任の原則という、万国共通の法理があった(国家はどんな悪いことをやっても責任を負わない原則。冗談ではない。本当にあった)。
今は、強欲と不道徳を隠さぬ臆面もない連中が、グローバル企業無責任の原則を確立したがっている。
密室による支配は、ISDやTPP交渉、TPP後のグローバル資本による日本支配の理想型である。
とにかく、グローバル資本が支配する国では、国民の手の届かない密室で、グローバルにものごとが決められ、国家は、外形上、国会や内閣や独立行政法人が自ら決定しているように見せるが、実態はもぬけの殻になる。
以下、引用、転載しておきます。
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市民オンブズマン事務局日誌
約130兆円の公的年金(厚生年金保険及び国民年金)積立金を管理運用している年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は2014/10/23に第86回運用委員会を開き、資産構成を以下のように変更しました。
現行 変更後
国内債券 60% 35%
国内株式 12% 25%
外国債券 11% 15%
外国株式 12% 25%
短期資産 5%どのような議論を経て株式割合を増やしたのか知ろうとしましたが、運用委員会について、概要はwebに掲載されていますが、詳細な議事録は載っていません。
http://www.gpif.go.jp/operation/committee/h26.htmlNPO法人 情報公開市民センターは、GPIFの14/10/23運用委員会議事録、web不掲載資料、録音を15/3/13に情報公開請求しました。
【議事録】
作成中のため不存在
【web不掲載資料について】
・座席図の法人職員氏名は法第5条1号に該当するため不開示
・ 基本ポートフォリオの変更については、基本ポートフォリオの策定過程が公になった場合、それを知ったものが当法人の投資行動を予測して利用し、利益を得る ことなどにより、当法人の企業経営上の正当な利益を害するおそれがあることから、法第5条第4号トに該当するため不開示
・運用の高度化に係る対 応状況については、委託先の選定理由が公になった場合、今後の選定において、それを知ったものが応募して不当に選定される等、選定の公正性に影響を及ぼ し、当法人の企業経営上の正当な利益を害するおそれがあることから、法第5条第4号トに該当するため不開示
・リスク管理状況等の報告については、当法人のリスク管理状況が公になった場合、それを知った者が当法人の投資行動を予測して利用し、利益を得ることなどにより、当法人の企業経営上の正当な利益を害するおそれがあることから、法第5条第4号トに該当するため不開示
【録音】
・運用委員発言部分については、当該音声が公になった場合、公開されている運用委員会名簿、発言内容等と突合することにより、個人を特定できるおそれがあることから、法第5条第1号に該当するため不開示。
・事務局発言部分については、当法人の運用の考え方及び方針が公になった場合、それを知った者が当法人の投資行動を予測して利用し、利益を得ることなどにより、当法人の企業経営上の正当な利益を害するおそれがあることから、法第5条第4号トに該当するため不開示・決定文書
http://jkcc.gr.jp/nenkin/150512.pdf
・web不掲載資料
その1 http://jkcc.gr.jp/nenkin/141023-1.pdf
その2 http://jkcc.gr.jp/nenkin/141023-2.pdf
・録音
http://youtu.be/ENwx-s5lC3U議事録については6カ月もたっているのにまだできないのかと問い合わせしたところ
、・運用委員会議事録作成及び公表要領にもとづき、7年を経過した後公開予定である。
http://www.gpif.go.jp/public/committee.html
当該議事録については様々な議論がなされ、委員に確認するため現在作成中である。いつできるかははっきりしない。できても特に発表するものではない。できたかと聞かれればその時点でできたかどうかは回答する
と言われました。
2015/5/22にGPIFに確認したところ、ようやく議事録ができたとのこと。議事録を情報公開請求しました。公表要領に基づき7年も非公開にするというのは無責任体質です。しかも、配布資料も重要なところが非公開でわかりません。各種ポートフォリオのシミュレーション内容、資産ごとのリスク評価、資産管理機関の格付変更状況、運用資産全体の収益状況などが黒塗りです。
また、経済環境コンサルティング業務、公的年金積立金・資産財政統合リスク分析についての調査研究業務、年金積立金管理運用独立行政法人におけるスチュワードシップ責任及びESG投資の在り方についての調査研究業務を業者に委託した際の選定理由も非公開です。今後も注目していきたいです。
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NPO法人 情報公開市民センター GPIFページ
http://www.jkcc.gr.jp/menu11.html

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